<無題・その1>



顔を上げた瞬間 視界に飛び込んできた「色」。
その「色」を追って視線を更に上げると そこには貫けるような『蒼』。
眼が離せなくて そのまましばらく見入ってしまった。

懐かしい。と思いつつも 異なる感情が湧いて来る。
それはこの「蒼」の瞳の持ち主の姿と共に
朧気に浮かび 
確かめようと掴みかけた瞬間 掻き消えてしまった。


「   」
自分の発した声に ふと我に返る。
無意識の内にその名を呼んでいたようだ。

もし彼に逢えたならば
この感情は形となるのだろうか。
逢うことが出来たならば 自分は……

見上げた「蒼」が眩しくて、そっと眼を閉じた。



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「 」内はお好きな方の名前をお入れ下さいませ。
次からの話も同様です。