詩 W
いづれ  哀しみよ

言葉は どこへ行った

凍てついた葦の岸辺で 何を待つのか

遥かなる 雪原に

その身を 風に さらしているのか  

鎖のような石の壁に

ぶつかりながら

おどけながら

なげきながら

もう  過ぎてしまったのか


ああ

想いだけが

わたしからあなたへ つらぬく呪縛

言葉は 企み

形あるものに憧れ

悔い 彷徨う 二人よ

最後の くちばしを振り絞り

老いた水晶体を 突き破り

あけがたの 時空を

走れ 走れ  走れ

言葉よりも 速く

雲の 淀みを駆け抜けてしまえ

いづれ

魂の   

哀しさよ   寂しさよ