戦争映画DVD
       2008.9.23

■中学生の頃に熱中したテレビ映画「コンバット!」と「ラットパトロール」。 

「コンバット!」は夜遅い時間帯でしたが、毎週欠かさずに見ていました。
 ヘンリー少尉とサンダース軍曹、部下の兵隊たちの戦場を舞台にした多彩な人間ドラマで、翌日、学校で友人との話題は決まって「コンバット!」でした。 
「ラットパトロール」は30分番組でしたが、トロイ軍曹が指揮する武装ジープが砂漠を走り回り、戦車や装甲車が劇場映画なみに登場しておもしろかったです。 

 そんな子供時代、よく戦車や飛行機のプラモデルを作りました。兵器のデザインや構造、性能などに技術的な興味がありましたし、当時の少年マンガ誌の巻頭には毎号のように戦記特集図解が載っていました。そのような影響を受けて戦争映画を見るようになったのかもしれません。 

■第二次大戦のヨーロッパ戦線の歴史に興味があるので、DVDコレクションもそんなアメリカやイギリス映画の娯楽アクション系に偏ってしまいます。

 邦画は子供の頃に怪獣映画に親しんだことから、見るのは東宝のものが多く、加山雄三さんや佐藤允さんが出ている「太平洋の翼」(63) 「大空戦」(66)など、飛行機が好きなこともあっておもしろく見ました。でも邦画のDVDは高額なので買えないですね。 
 日活の「戦争と人間」(3部作。原作は「人間の條件」の五味川純平)。ソ連の「誓いの休暇」や「ヨーロッパの解放3部作」などは何度も見るような映画ではなく、DVDがほしいとは思わない。 

■「プライベート・ライアン」(98) 「ブラックホーク・ダウン」(01)は戦争映画の革命的作品ではないでしょうか。近年はテレビでも「バンド・オブ・ブラザース」(01)という戦争映画史に残るようなドラマが製作されました。 
 その戦闘描写の迫力。銃弾が飛び交う最前線で敵兵と向き合った兵隊たち。彼らは何のために戦うのか? そこには政治も思想もなく、自分や仲間が生きて故郷に帰ること、ただそれだけを願って、恐怖に耐えながら戦うのではないだろうか? 

 戦争映画に何を求めるかは人によって異なるでしょうが、私は「反戦テーマ」など求めようとは思いません。反戦はことさら意図的にわざとらしく描かなくても、戦争に関係のない第三者の視点から戦闘を俯瞰すれば、その愚かしさ、無意味さは十分に感じ取れるものです。 

 戦場という極限状態に立たされた人間が、自分に課せられた「義務、職務」に対する「責任」、そして「勇気」 「友情」 「自己犠牲」 「誇り」 「連帯感」 「指揮官の条件」など、どのように行動するかに興味があります。 
 そして特に「勇気」や「自己犠牲」という感動的な人間の美しさは平和に慣れきった現代日本の社会では見られず、「戦争」や「災害」の中にそれが現れるというのはどいういうことでしょうか? 


■アメリカの戦争映画を見て「アメリカを美化しているのが不愉快」という人がいますが、どこの国でも自国を正当化し美化するのは当然です。自分の国の立場を美化して描くのはあたりまえのことで、それに対して他国人が不快だといってもしょうがないでしょう。 

 戦後日本の学校では、もっとも必要なはずの「なぜ日本は戦争をしたのか?、戦争以外の選択肢はなかったのか?」という根本的なことを生徒といっしょに考えるという教育がおこなわれず、ただ日本がすべて悪かったのだと、日本は悪い国なのだと、これでもかこれでもかと自虐的に教えられてきました。 

 戦争で戦ったのは私たちの父や祖父で、ごく普通の人たちです。それをあたかも狂気の極悪人であるかのように教育する。
 戦争で犠牲になってくれた彼らの上に成り立っているのが現代の平和な日本なのに、その苦労に感謝するどころか、犯罪人あつかいするのは、あまりにも情けない仕打ちではないだろうか。 

 自国のために戦って亡くなった兵隊たちを慰霊することや、戦争の原因や当時の時代背景について考えることをタブーにして、ただ日本は悪い国だと決めつけて、自国の歴史に自信をもてなくしてしまった現代の日本は正常な国といえるのでしょうか? 
■私が選ぶ戦争映画ベスト5作品 

「史上最大の作戦」(62)が不動のトップ。古典の「西部戦線異状なし」(30)と「大いなる幻影」(37)。 
 あとは「パットン大戦車軍団」(70) 「遠すぎた橋」(77)で、戦争とは何か?を考えさせられる名作です。 

 冒険アクション映画としては、「ナバロンの要塞」(61)と「荒鷲の要塞」(68)の2本。
 ミステリサスペンスでは「将軍たちの夜」(67)もよくできていると思います。 
 近年の「パールハーバー」(01)は評判の悪い作品ですが、私は娯楽映画として面白く楽しみました。
 戦争映画の名作 「史上最大の作戦」  The Longest Day (1962)
■1962年、歴史スペクタクル超大作「クレオパトラ」(1963年公開)に予算を超えた4400万ドルという巨額の製作費を投じたため、経営危機に陥っていた20世紀フォックス社は、「史上最大の作戦」の大ヒットで息を吹き返しました。(この功績により、製作者ダリル・F・ザナックはフォックスの社長となる) 

 1944年6月6日の連合軍によるノルマンディ上陸作戦を描いた映画では「プライベート・ライアン」(98)がありますが、作戦の全容を壮大なスケールで再現した、この「史上最大の作戦」の方がはるかにすぐれています。 

 この映画のすごい所は、エキストラ各人が俳優たちの背後で演技をしていることです。戦闘場面でも、何百人何千人もの兵隊が合図とともに一斉に行動を始め、それを上空から延々とワンショットで撮影する。こんなに多くの人たちをどうやって動かすのか、驚きです。 
 演出、脚本、撮影、美術、衣裳、音楽など映画作りの基本がしっかりと守られていて、おそらく戦争映画の最高傑作といっても過言ではないでしょう。 

 原題の「ザ・ロンゲスト・デイ」は、映画の冒頭でフランス沿岸の防衛態勢を視察するドイツ軍司令官ロンメル将軍が側近に語る、「上陸作戦の最初の24時間がすべてを決するだろう。ドイツの運命はその結果いかんによって決まる。連合軍にとっても、我々にとっても、その日こそは最も長い一日となるだろう」というセリフから来ています。 

 原作はコーネリアス・ライアンの「いちばん長い日」(ハヤカワ文庫刊。タイトルは「史上最大の作戦」)で、映画は本編179分の大作です。 
 米英独仏の大スターが出演して、監督はイギリス側をケン・アナキン、アメリカ側をアンドリュー・マートン、ドイツ側をベルンハルト・ビッキがそれぞれ担当。言語も英語、ドイツ語、フランス語を使い分けています。映像がモノクロなのもドキュメンタリー的な効果をあげています。 

 降りしきる雨の中、不安と焦燥の面持ちで上陸作戦決行の命令を待つ連合軍将兵たち。悪天候のため上陸はないと判断するドイツの将軍たち。連合軍の反攻を心待ちにするフランス・レジスタンス組織員たち。 
 
そして作戦決行後は、ノルマンディの海岸に上陸する兵士や、空から落下傘やグライダーで降下する空挺隊員たちの状況を、敵味方の人物、それぞれの立場から詳細に描き出しています。 (右へ→) 

 ノルマンディ上陸作戦の全容を描いた70ミリ映画「史上最大の作戦」。
 私が初めて見たのは1968年9月のリバイバル上映です(北国シネラマ会館)


(→左から) ラスト、部隊にはぐれたアメリカ兵(リチャード・ベイマー)が、撃墜されて負傷した英空軍パイロット(リチャード・バートン)と出会って、「戦いはどちらが勝ったのだろう」と話すシーンが印象的です。実際に大作戦に参加した一兵士にとっては、味方が勝っているのか負けているのか、判らないものなのかもしれない。 
 死んでいる敵兵を見て、リチャード・バートンが「おかしいね。彼は死んで、俺は怪我して動けない。君は迷子だ。戦争ってそんなものかな」と言うのですが、先の上陸場面で海岸に釘付けになって動けない兵隊たちを叱咤する第29師団の准将(ロバート・ミッチャム)が、「ここに残るのは死んだ者とこれから死ぬ者だけだ。さあ、立ち上がって前進するんだ!」と言うのと重なるようです。 
 戦場には死者と負傷者と、そして無事に生き残る者と、この三者しかいないのだと。

 「秋の日の ヴィオロンの ためいきの
        身にしみて ひたぶるに うら悲し」

 反攻開始の暗号メッセージであるヴェルレーヌの詩の一節が「予告」と「決行」の2回に分けられてラジオのBBC放送から流され、、ドイツ軍情報部やレジスタンスのメンバーたちが色めき立つシーンなどは、まさに歴史的瞬間であり、見ていてゾクゾクするものがあります。 
 歴史的瞬間。この映画は単なる戦争映画というより、すぐれた歴史映画といえそうです。
 「ナバロンの要塞」(61)「荒鷲の要塞」(68)「戦略大作戦」(69)は戦争アクションの代表的作品
■アリステア・マクリーンの冒険小説の映画化である「ナバロンの要塞」(61)と「荒鷲の要塞」(68)はスパイ・アクション映画の傑作です。 
 原作小説は共に早川書房から文庫で出ていますので、お読みになることをオススメいたします。 

「ナバロンの要塞」はエーゲ海のナバロン島にある難攻不落のドイツ軍要塞。この要塞の巨砲を爆破するために送り込まれた特務隊の活躍を描いています。 
 断崖絶壁を登攀する必要から、ロッククライマーのマロリー大尉(グレゴリー・ペック)と戦闘能力にすぐれた相棒のアンドレア(アンソニー・クイン)が選ばれる。ほかに爆発物のプロや機械類のエキスパートなどで6人のチームが組まれ、オンボロ機帆船でナバロンへ向かう。彼らを襲う、危機また危機の連続。 

 ある目的のために特技を持つプロフェッショナルたちが集まるという設定は、この「ナバロンの要塞」から始まったのだと思います。この後。西部劇の「プロフェッショナル」(66)、泥棒ものの「黄金の七人」シリーズ(65〜68)や、テレビ映画「スパイ大作戦」などへつながって行きます。 

■「荒鷲の要塞」はアルプス山中の「鷲の城(シュロス・アドラー)」と呼ばれるドイツ軍の司令部に捕らえられたアメリカ軍の将軍救出の任務を受けた英国情報部員たちの話です。 
 情報部内の裏切り者を暴露させるための偽装作戦だったという複雑なストーリーなので、一度見ただけでは理解しづらいかもしれません。原作を読んでいるとわかりやすいですね。 
 後半、要塞から脱出するあたりから、アクションの連続になって、銃撃戦と爆破シーンがつづきます。 

 私のお気に入りは階段を上がってくる大勢のドイツ兵を、上で待ちかまえていたクリント・イーストウッドが平然と射殺する場面。MP40短機関銃を2挺持って撃ちまくるイーストウッドはマカロニ・ウエスタンを連想させます。 
 メリー(メアリー・ユーア)という金髪の美しい隊員の存在も実に素晴らしく、彼女が、追跡してくる敵のサイドカーに向けて短機関銃を掃射するのも勇ましくて、格好いいですね。 

 
ロン・グッドウィンの重厚で迫力ある音楽がアクション映画の雰囲気を盛り上げ、アルプス山中の思わずブルッと身震いするような極寒の地、雪と森に囲まれた山上の古城という舞台設定も効果的です。 

 追跡してくるドイツ軍のサイドカー: バスで逃げる主人公たち。爆薬で森の木を倒し、追跡してくる敵のトラックや車輌を妨害するのですが、すり抜けて一台のサイドカーが果敢に追ってきます。闘争精神旺盛なドイツ魂。しかしそのサイドカーの2人も美女メアリー・ユーアのMP40短機関銃の掃射を浴びて、あえない最期をとげます。

【アリステア・マクリーン】Alistair Maclean
 1922年スコットランド生まれ。英国の冒険小説作家。
 大戦中の体験をもとにした「女王陛下のユリシーズ号」と「ナヴァロンの要塞」の成功でベストセラー作家となる。1987年に死去。 
 代表作は「最後の国境線」 「北極戦線」 「八点鐘が鳴る時」 「麻薬運河」など多数。極寒の地など、厳しい環境の地を舞台にした冒険小説が多い。 
 作品はハヤカワ文庫から刊行されていたが、現在は入手が困難。

 「戦略大作戦」「ナバロンの要塞」「荒鷲の要塞」

■「戦略大作戦」(69)は「荒鷲の要塞」と同じくブライアン・G・ハットン監督、クリント・イーストウッド主演作品。 
 ドイツ軍占領下にある町の銀行に保管されている金塊をいただいてしまおうと、休暇を利用して出発するアメリカ兵の一団。 
 まじめに戦争なんてできるか、同じ死ぬなら、一攫千金を狙おうじゃないかという、これも反戦テーマの一種でしょうか? 

 アメリカのM4シャーマン戦車、ドイツ軍のタイガー戦車(T-34を改造したらしく、力強さはないけれど雰囲気が出ていて良くできている)が登場。ドイツ軍の守備隊と休戦して、金塊を山分け。ラストは万事めでたし。 

 主役のイーストウッド、テリー・サバラス、ドナルド・サザーランドの3人が銀行を守るドイツ軍と交渉に行くときに、横一列に並んで歩く。軍靴なのに拍車の音がしたり、サザーランドが抜き打ちスタイルで腰の拳銃に手を添えたり、マカロニ西部劇調の音楽が入るのがご愛敬です。 


 MP40短機関銃。
 口径9mm。重量4.02kg、全長630mm/833mm
 装弾数32発。

 ドイツ陸軍の代表的短機関銃で通称「シュマイザー」といわれるが、ドイツの銃器設計者ヒューゴ・シュマイザーはMP40の開発には関わっていないそうです。 
 戦争映画には欠かせない銃で、映画「荒鷲の要塞」では、敵も味方もこの短機関銃を使用しています。クリント・イーストウッドが2挺持って撃ちまくる! 
 MPはマシン・ピストル(マシネン・ピストレ)の略で、短機関銃の意味。
 戦争映画の4大傑作
■「遠すぎた橋」
  (英仏・1977 監督リチャード・アッテンボロー)
 1944年9月におこなわれた連合軍による空陸共同のドイツ本土への電撃作戦計画(マーケット・ガーデン作戦)。 
 ベルギー北部からオランダ国内を突っ切り、一気にドイツ領内へ突入しようというものです。進撃予定路に架かる5つの重要な橋に空挺部隊を降下させて奪取する(「マーケット」作戦)。地上部隊がその橋を一気に突進し、ライン川を渡河して(「ガーデン」作戦)、ドイツ国内に侵攻し、ドイツ経済の中心であるルール地方を占領するという作戦。 
 空挺部隊は地上部隊が行くまで占領した橋を確保するという予定でしたが、地上部隊が予想以上に敵の強い抵抗を受けたことと、悪路による渋滞で進撃が遅れたために、橋を持ちこたえられず、最も奥にあるアーネムの橋を担当した英空挺師団が敵に包囲されて壊滅してしまう。 

 無能で無責任なトップが立案した楽観的、机上の空論による作戦を実行したことによって多くの兵隊の生命が失われる。そんな兵隊たちにとっての大災害としか思えない作戦の全貌を、米英独の14大スター共演で描いた傑作です。 

 私はこれまで、このオールスター出演が裏目に出た失敗作だと思いこんでいました。
 その理由の一つとして、米陸軍82空挺師団のギャビン准将を演じる俳優ライアン・オニールが、准将という階級の人物としては若すぎて、ミスキャストだと決めつけていたことです。 
 でも実際のギャビン准将がこの時36歳だったというのを知って、評価をあらためました。
 今、何年ぶりかでDVDを鑑賞すると、話の解り難さという欠点はあるけれど、戦闘シーンも含めて壮大なスケールと人物描写で、戦争映画屈指の傑作だと感じるようになりました。 

■「バルジ大作戦」
   (米・1966 監督ケン・アナキン)
 1944年12月、後退を続けていたドイツ軍が連合軍を押し戻すべく、最後の大攻勢に出ました。
 ベルギーのアルデンヌ地方、すっかり戦勝気分でいたアメリカ軍の前に、森の中からドイツ戦車の大群が現れます。各所で前線が寸断され、油断していたアメリカ軍は大混乱におちいる。 
 このドイツ軍の大攻勢「ラインの守り」作戦と、アメリカ軍が混乱から立ち直って反撃に出るまでを描いています。 

「バルジの戦い」「アルデンヌの戦い」といわれる実話を元にしていますが、ドイツ軍戦車部隊の指揮官ヘスラー大佐(ロバート・ショウ)は架空の人物 。 
 アメリカ軍の主要な人物も架空ですが、多数の戦車が登場する戦車戦の重量感や、ドイツの軍歌「パンツァーリート(戦車の歌)」が勇ましく歌われ、主題曲にアレンジして使われるなど、戦記ファンには嬉しい映画となっています。 

 「空軍大戦略」「遠すぎた橋」のDVDアルティメットエディション版は現在1192円。「バルジ大作戦」は990円で売られている。
 右端は「最前線物語ザ・リコンストラクション」で、1000円で入手。

■「空軍大戦略」
   (英・1969 監督ガイ・ハミルトン)
 1940年。英本土上陸作戦の先がけとして押し寄せるドイツ空軍を迎え撃って、ついに英国本土を守り抜いた英空軍パイロットたちの活躍を描いた空戦映画。 
 バトル・オブ・ブリテンの結果、ヒトラーに英国本土上陸を断念させたのですが、この祖国防衛戦に勝利したとき、チャーチル首相は空軍関係者を讃えて、「史上、かくも少数の人々に、かくも多くのものを負うことになったのは、いまだかつてなかったことだ」と言ったそうです。 
 出演はローレンス・オリヴィエ以下、クリストファー・プラマーやスザンナ・ヨーク、マイケル・ケイン、ロバート・ショウなど多数。特定の主人公がいない群像劇となっている。 

 英軍のスピットファイアやハリケーン戦闘機、ドイツのメッサーシュミット戦闘機やハインケル爆撃機の実物が飛行して、空中戦を演じる。主人公はこれらの飛行機といえるかもしれません。 
 第二次大戦時のプロペラ機が好きな人にはたまらないのでは。発進するハリケーンがエンジン始動すると、排気管から炎と煙が出る描写など、すばらしいですね。 
 製作ハリー・サルツマン、監督がガイ・ハミルトンで、「007」のコンビによるイギリス映画です。

■「最前線物語」
  (米・1980年 監督サミュエル・フラー)
 米軍の北アフリカ上陸からシシリー島、イタリア戦線へ。ノルマンディ上陸、ベルギーへと転戦する米陸軍歩兵第1師団のある一分隊を描いています。分隊長の軍曹と若い兵隊たちの信頼と結びつき。戦争は「生き残るために敵を殺す」ということ。 
 若い兵隊たちを指導し、だまって見守る寡黙な軍曹をリー・マーヴィンがみごとに演じている。 
 大作ではないけれど、末端の兵隊の視点から戦争を見た作品です。
 DVDは163分の再編集版。 

■上記の「史上最大の作戦」と共に、「遠すぎた橋」 「バルジ大作戦」 「空軍大戦略」 「最前線物語」、この5本の映画を見ることで、第二次大戦におけるヨーロッパ戦線の概略をつかめるでしょう。 
 遠すぎた橋(77)を最後に姿を消した戦争映画  戦争映画に登場する車輌
■1977年に公開されたオールスター競演の大作である「遠すぎた橋」を最後に、戦争映画が姿を消してしまいました。 
 それまでは、戦争映画は映画ジャンルの中で西部劇と共に確固とした地位を築いていました。 
 上記の「史上最大の作戦」を筆頭に「大脱走」(63 「バルジ大作戦」(66) 「空軍大戦略」(68) 「パットン大戦車軍団」(70)など、莫大な製作費を投じた大作が毎年のように公開されました。 
 それが70年代後半になると、戦争映画だけでなく、西部劇もほとんど見られなくなってしまいます。 

 映画観客が減少し始めた時代。戦争映画や西部劇の観客は主に男性ですが、男の観客だけを対象にしていては映画産業が成り立たなくなったのだといわれます。 
 かわって登場するのが「ダーティハリー」(71) 「フレンチ・コネクション」(71)を始めとする刑事もの。それに「スター・ウォーズ」(77) 「スーパーマン」(78) 「スター・トレック」(79) 「エイリアン」(79)などのSF映画です。 
 たまに戦争映画が作られても「プラトーン」(86)や「ハンバーガー・ヒル」(87)のようなメッセージ性の強いベトナム戦争を題材にした作品ばかりでした。ドイツ兵を敵役にした第二次大戦のアクション娯楽作品はまったくありません。 
 これはインディアンを悪役にした西部劇がなくなったのと同じ現象です。西部開拓史の見直しの結果や、国際関係の変化によって、インディアンやドイツ軍を単純な悪役にできなくなったのですね。 
 そして*ベトナム戦争が泥沼化し、完全撤退へと追い込まれた(1970〜73年ごろ)現実を前にして、のんきに娯楽アクション戦争映画を見ていられるような状況ではなくなったということかもしれません。 

 近年、再び何作品かの戦争映画が製作され、「プライベート・ライアン」(98) 「父親たちの星条旗」(06)などは、撮影技術の進歩によってリアルで迫力ある描写になりました。 
 でも、かつてのアメリカ映画にあった強い自信といったものが感じられず、ベトナム戦争以前に作られた映画とは、明らかに風向きが変わったようです。 
 強かったはずのアメリカも、近年は堂々と胸をはれなくて、うつむきかげんになってしまったのか、アメリカ映画全体が活気がなく、面白くなくなったように思います。

 キューベルワーゲン  VWタイプ82
 ドイツの名車フォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)を軍用にしたもので、戦争映画には必ずと言って良いほど登場する車です。 
 ドイツ軍が極寒のロシア戦線から熱暑の北アフリカ戦線まで、幅広く使用しました。 
 排気量985cc/1131cc、24馬力。車体重量725kg。4人乗り。
 意外にも四駆ではなく、RR車(後部にエンジンがあり、後輪駆動)で、空冷。
 悪路での走行性はアメリカのジープに劣るが、軽いので泥道にはまっても二人の兵がいれば脱出できたそうです。


 ジープ
 アメリカ軍が第二次大戦で大量使用した指揮・偵察・小型輸送車。
 前席に2名。後部は荷台で(人間も乗れるが基本的には乗用車ではない)。 
 250キロ積み、4輪駆動。車体重量約1027kg。
 1942〜45年までにウィリス社、フォード社合計64万台以上が生産された。


 アメリカ軍のM3ハーフトラック(半装軌車)
 装甲牽引車または装甲兵員車として使用される。
 牽引車とは野砲や対戦車砲を牽引する車両。兵員車の場合は乗員13名。1個分隊が乗れる。12.7ミリ重機関銃×1、7.62ミリ重機関銃1〜2装備。



*ベトナム戦争・・・第二次大戦後のベトナムの独立と南北統一をめぐる戦争。
 南ベトナム政権へのアメリカ支援に対抗して1960年解放民族戦線が結成される。アメリカは1962年、軍事援助司令部を設置。1965年2月に北爆を開始。米軍、南ベトナム軍120万の兵力を動員する戦争へと発展した。 
 戦争の泥沼化の末、1973年1月ベトナム和平協定が成立、3月までにアメリカは撤退。1975年南ベトナム首都サイゴンが陥落し、北ベトナムにより南北統一。
「西部戦線異状なし」「大いなる幻影」と「誰が為に鐘は鳴る」 人間はなぜ争うのか?
■西部戦線異状なし
  (1930年 監督リュイス・マイルストン)
 ドイツの作家エリヒ・マリア・レマルクが1929年に発表した反戦小説(新潮文庫)の忠実な映画化。反戦といっても、けっして声高に主張しているのでなく、戦場での兵隊たちの姿を客観的に描いているだけです。 

 第一次大戦(1914〜18年)に学業途中で志願した若者たちの明日のない絶望的な日々。塹壕にこもり、わずかな土地の取り合いに泥と血にまみれて殺し合う。自分たちはなぜ戦うのか?、なぜ敵を殺したり、殺されたりしないとならないのか? 

 
戦争はなぜ起こるのか?と、「ある国がある国を侮辱した場合だ」というのに、「だったら俺は関係ないよ。侮辱された気がしないもの」、「きっと戦争で得をする奴らがいるんだよ」。 
 実際に戦争で殺し合い、死んでゆく兵隊たちには本当に関係のないバカバカしいことなのでしょう。 
「俺たちは戦争なんて、ちっともやりたいとは思っていなかったのに」、それなのに、みんな夢中になって殺し合いをする。 

 現代とは違って情報社会ではない時代、人びとには自分の国の国際的立場、隣国の動勢など、関係のない世界なのでは?、それが愛国心を持て、国のために戦えと煽動されて戦争に引っ張り出され、死んでゆく。 
 今から約80年も昔の映画なのに、その塹壕内や戦闘の描写など、すでに戦争映画の形が完成されていたのですね。 

■大いなる幻影
 (1937年 監督ジャン・ルノワール)
 第一次大戦のドイツ軍捕虜収容所を舞台に、監視するドイツ軍と監視されるフランス兵。貴族と平民、敵味方の国籍や階級などの関係、そして脱走した二人がかくまわれる農家の女性との関係。 
 この映画には悪人が一人も登場せず、お互いに相手を尊重し、理解しあっている。それが捕虜と看守の間でも、同じ人間同士として、戦争でなかったら親友になれる関係として描かれています。 

 脱走したジャン・ギャバンがラストで「戦争が終わったら、あの女に再び会えるだろうか?」というと、一人が答える「それは幻影だ」と。 
「戦争がなかったら」というのは「大いなる幻影」にすぎないのでしょうか?
 雪の中、国境を越えた二人にドイツの警備兵が「撃つな。運が良いやつらだ」という。人間同士には国境なんて無いのだということだけど、でも、その国境に二人は生命を助けられたという、逆説なんですね。 
 フランスとドイツの国境、それぞれの人たちが属する階層という境界、国籍という境界、そんなものを超えた人間同士としての尊重、相互理解があれば、けっして戦争などにはならないはず。 
 でも現実には、この映画が製作された翌年、1938年9月にはドイツがポーランドに侵攻し、第二次大戦が始まるのです。 

 500円DVD「西部戦線異状なし」「誰がために鐘は鳴る」(マックスター)
「大いなる幻影」は宝島社で、「望郷」との2枚組。


■誰が為に鐘は鳴る
  (1942年 監督サム・ウッド)
 1937年スペイン内戦。人民政府とフランコ反乱軍との戦いがおこなわれている中、鉄橋爆破の使命を受けたアメリカ義勇兵のロベルト・ジョーダンと、ファシストに両親を殺され、辱めを受けたスペイン女性マリアとの限られた時間内での恋。 
 E・ヘミングウェイの同名小説(新潮文庫)を映画化したもので、いかにもアメリカ映画らしい、ゲイリー・クーパー、イングリッド・バーグマン共演のラブロマンスと戦争スペクタクルの大作です。 

 ドイツ・イタリアが援助するフランコ軍に対して、人民政府にはソ連が支援。フランスやイギリスは戦火拡大をおそれて支援せず、国際義勇軍が戦いに参加した。映画のゲイリー・クーパー演ずる主人公ロベルトもその一人ですね。 
 第二次大戦後の国際社会に残ったのは人民政府を倒したフランコ軍による政府で、共産主義を嫌う世界から批難されないとして人民戦線派への厳しい弾圧が続いたそうです。 
 両派の主義主張、どちらが正しいのか私にはわかりません。でもやっていることは同じで、お互いに復讐と殺し合い、権力の奪い合いにすぎない気がします。

■「西部戦線異状なし」 「大いなる幻影」は映画史に残る名作とされるものです。それと、スペイン内戦が終わって3年後の1942年、第二次大戦真っ最中に作られた「誰が為に鐘は鳴る」には、そんな「何のために人間は争うのか?」という大きなテーマがあるようです。 
「争いのない平和な世界」は「大いなる幻影」にすぎないのか? 
 人類の歴史は闘争の歴史です。戦争の後悔と悲しみの涙、反省の繰り返しです。なぜ人間は争わずにいられないのか? 

 戦争は人間性のかけらもない行為だとか、人間性を失うとかいわれますが、私は戦争こそもっとも「人間的な行為」なのだと思います。 
 人間が持つ自意識や感情(喜怒哀楽)、さまざまな「欲望」と「嫉妬」「建設と破壊、暴力を好む本能」。この人間の性(さが)があるかぎり、人間が人間であることをやめないかぎり、永遠に人間同士の争いはなくならないのかもしれない。 

「人の世が住みにくいとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ」と、夏目漱石先生が「草枕」で書いています。 
 すべての人間が「人でなし」にならない限り、戦争のない平和な世界になることがないとすれば、人間とはなんと罪深い存在なのだろう。 
 「戦場のガンマン」 イタリア製戦争映画 マカロニコンバット
■「遠すぎた橋」(77)以前、1970年代初め頃までは多くの戦争映画が公開されていました。ほとんどがアメリカとイギリス映画でしたが、その中に混ざって、小規模ながらもイタリア製の戦争映画が存在しました。

 1968年から70年頃に公開されたイタリア製戦争映画。当時はマカロニウエスタンの大ブームも陰りを見せていて、西部劇に代わるジャンルとして今度は戦争映画か?と云われ、そこでマカロニウエスタンをもじって「マカロニコンバット」と呼ばれました。 
 そのトップバッターが「戦場のガンマン」(68)です。
 監督がフランク・クレイマー。主演はジョン・ガルコ・・・というのはどうでも良く(笑)、特筆すべきなのはドイツ軍親衛隊の大佐を演ずるクラウス・キンスキーです。この人は、知る人ぞ知る悪役俳優(出身はポーランド)で、女優ナスターシャ・キンスキーのお父さんです。「夕陽のガンマン」(65)などマカロニウエスタンやジュリアーノ・ジェンマの現代劇「バスタード」(68)に出ていて、一度見たら忘れられない超個性的な顔です。 

 ストーリーは、ホフマン少尉(ジョン・ガルコ)を隊長とする、それぞれ特技を持った5人のアメリカ軍特務隊員がドイツ軍親衛隊の司令部から「K作戦」なる極秘書類を写真撮影して盗み出すというもの。 
 親衛隊のハンス・ミュラー(クラウス・キンスキー)大佐が将軍の秘書(マーガレット・リーという妖艶なおねえさん)に言い寄っていて、実はスパイである彼女が内通。その手引きで潜入して、彼女が大佐を色じかけで誘惑している間に書類の撮影に成功するけど、発見されて戦争ゴッコみたいな銃撃戦になる。 

 「マカロニコンバット」はイタリア製戦争映画ですが、マカロニ西部劇の大ヒットに続けて、戦争映画でもひと儲けしてやろう、という商売人根性の産物でしょうか?。反戦テーマなどそっちのけで、困難な任務をこなす特務隊員たちが壮絶な銃撃戦を繰り広げるといった娯楽映画です。 

 不思議なのはイタリアは第二次大戦ではドイツ、日本とともに米英を相手に戦った枢軸国でした。それが敵だったはずのアメリカ兵を主人公にしていることです。この前には大胆不敵にも西部劇を製作したくらいのイタリア人ですし、陽気で楽天的な国民性(だそうです)なので、そんな設定などは不思議ではないのかもしれません。 
 現実に大戦ではまっさきに降伏したイタリア(1943年9月)で、ドイツに対して特別に義理立てする必要性や親近感をもっているわけではないのでしょう。

「砂漠の戦場エル・アラメン」(69)をマカロニコンバットと云っていいのか?わかりませんが、ドイツ軍が撤退する時間稼ぎのために捨て駒にされるイタリア軍部隊を描いたマジメな作品です。同盟軍であるドイツ軍に対する批判が感じられ、このあたりにもイタリア人の感情がうかがわれます。 

 マカロニコンバットは「戦場のガンマン」 「砂漠の戦場エル・アラメン」のほかに、「地獄の戦場コマンドス」(68) 「栄光の戦場」(69) 「熱砂の戦車軍団」(71)などがありますが、それほど見るべきものがないようです。 
 結局、このマカロニコンバットはウエスタンのようにブームにならずに終わりことになりました。 

 マカロニ・コンバットの傑作「戦場のガンマン」「砂漠の戦場エル・アラメン」

クラウス・キンスキー Klaus Kinski
 1926年10月18日ポーランド生まれ。父はオペラ歌手。16歳でドイツ軍に入隊し、第二次大戦に参加した。戦後、ドイツで演劇を始める。 
 マカロニ西部劇の悪役が印象的です。

「バスタード」 The Bastard
    監督ドゥッチオ・テッサリ。1968年イタリア映画。
 ジュリアーノ・ジェンマが宝石店強盗に成功するが、腹違いの兄(クラウス・キンスキー)に横取りされる。恋人(マーガレット・リー)にも裏切られ、荒野で右手を砕かれるが、女性牧場主(クロディーヌ・オージェ)に救われる。ラストは左手の拳銃が復讐の銃弾をぶち込む。 
 マカロニ・ウエスタンのまさしく現代版で、アクションとお色気の作品。DVDになってないのが残念で、すごく見たい作品です。

マーガレット・リー Margaret Lee
    1943年8月9日イギリス、ロンドン生まれ。
 ロンドンのイタリア・コンティ演劇学校に学び、卒業後イタリアへ渡る。
 1962年から映画に出演し、スパイ・アクション映画に多数出演した。
  代表作
 「戦場のガンマン」(68)「バスタード」(68)・・・しか見たことがありません。
 子供には刺激が強すぎる女優さんです(鼻血ブー)
「要塞」、「掠奪戦線」など
■「要塞」(70)というロック・ハドソン主演の作品はアメリカ映画ですが、イタリアの女優シルヴァ・コシナがドイツ軍の女医役で出ていたりしてイタリア映画っぽい雰囲気があります。 

 他にも「掠奪戦線」(70・スチュアート・ホイットマン主演)や「脱走山脈」(69・オリバー・リード)、「地獄の艦隊」(69・ジェームズ・フランシスカス)など、1970年前後には多くの娯楽戦争アクション映画が製作されました。機会があればぜひもういちど見てみたいものです。 

シルヴァ・コシナ Sylva Koscina
 1933年8月22日ユーゴスラヴィア生まれ。1994年12月26日没。
 代表作は「鉄道員」(56) 「キッスは殺しのサイン」(66) 「マルキ・ド・サドのジュスティーヌ」(68) 「ネレトバの戦い」(69)など。 
 クラウディア・カルディナーレやヴィルナ・リージ、モニカ・ヴィッティ、エルケ・ソマーなどと共にヨーロッパ映画の代表的美人女優さんでした。 
 軍事用語基礎知識
■映画のなかでよく使われる用語で、「司令部」などは間違って使われることが多いですね。
 指揮官と幕僚からなる指揮機能を持つ組織のことですが、「司令部」は将官が指揮官である旅団以上の指揮組織のことです。 
 佐官や尉官が指揮官である連隊、大隊、中隊、小隊の場合は「本部」と呼び、「司令部」ではありません。

 また「司令部」を持つ旅団や師団でも、その指揮官は旅団長(階級は少将)、師団長(中将)であり、「司令官」とは呼びません。「司令官」とは戦時における師団が組み合わされて編成された「軍」、その上位の「方面軍」「総軍」などにおける最高指揮官のことです。 

 また「部隊」という呼称は「大隊」以上であり、部隊長というのは大隊長以上のことです。
 分隊はもちろん、小隊や中隊は「部隊」ではなく、ただの「隊」です。
 国や時代によって異なりますが、歩兵連隊の編制は3個歩兵大隊。大隊は3〜4個中隊。中隊は3〜4個小隊。小隊は3〜4個分隊。1個分隊は10〜13人です。 

 連隊長の階級は「大佐」、大隊長は「中佐(少佐)」、中隊長は「大尉(中尉)」、小隊長は「少尉」、分隊長は「軍曹」。
 小隊長には補佐をする下士官の曹長や軍曹、それに通信兵がいて、軍曹は伍長が補佐をする。
 「コンバット!」「バンド・オブ・ブラザース」など、テレビドラマはこのページの最下端をごらんください。↓

●戦争映画DVDコレクション●
 タイトル/スタッフ/キャスト  感想        採点 ☆一つが20点 ★が10点
西部戦線異状なし 完全オリジナル版
  All Quiet on the Western Front

 監督 ルイス・マイルストン
 原作 エリッヒ・マリア・レマルク(新潮文庫)
 脚本 ジョージ・アボット
     デル・アンドリュース
     マックスウェル・アンダーソン
 撮影 アーサー・エディソン
 出演 ルイス・エイヤース
     ルイス・ウォルハイム
 音声 英語(字幕 清水俊二)
        1930年アメリカ 131分 モノクロ
          ユニバーサル¥1200
          マックスター¥500は日本語吹替えを収録
 1930年度アカデミー作品賞、監督賞を受賞した映画史に残る名作。
 レマルクの「西部戦線異状なし」は1929年1月31日にドイツで出版されたそうで、それが1年後にアメリカで映画化された。

 確かに反戦的、厭戦的なのですが、それを大きく声高に主張しているわけではない。第一次大戦の塹壕にこもる兵隊たちの日常を描いているだけで、それが反戦になっているのですね。
 塹壕に泥まみれになって、殺戮し、殺戮される日常。明日の自分が生きているか死んでいるか、そんな事などわかるはずがない、最後にはみんな死んでしまうのだという絶望の日々。敵兵に対して憎しみがあるわけでなく、なんで俺がこんな殺し合いをしないとならないのか?と。
 主人公たちは学業の途中で軍に志願して、戦場に送られた。学校では「諸君は国のために志願しろ。戦争で国に尽くすのは美しいことだ」と煽動する老教師がいる。こんな無責任な人間が若者を煽動して戦場へ追いやって、死なせている。戦後はきっと、こんな奴に限って「自分は戦争に反対だった」と言うのでしょう。
 この映画が作られたのは1930年、まだ第一次大戦が終了して間がない時代です。
 ☆☆☆☆★
 ダンケルク Week-Enda Zuydcoote

 監督 アンリ・ヴェルヌイユ
 脚本 フランソワ・ボワイエ
 撮影 アンリ・ドカエ
 音楽 モーリス・ジャール
 出演 ジャン・ポール・ベルモンド
     カトリーヌ・スパーク
     ジャン・ピエール・マリエル
     フランソワ・ペリエ
     マリー・デュボワ
 音声 フランス語
       1964年フランス映画 124分
         パイオニアLDC 価格¥1000(特価)
 第二次大戦下の北フランス。ドイツ軍の侵攻により、ドーバー海峡に近い港町ダンケルクの砂浜に追い詰められた英仏軍が救出の船を待ちながら、ドイツ軍の爆撃と機銃掃射、砲撃にさらされる中での不安と焦燥の2日間を描いている。

 原題の「Weeek-Enda Zuydcoote」。「ズイドコート海岸の週末」というのでしょうか、ズイドコートというのは避暑地の海水浴場なんですね。その砂浜でドイツ軍に包囲された約33万の兵隊たちが絶望の日を送っている、という作品。
 明るい太陽の下で大群衆の撤退にごったがえす避暑地のできごとを描いていて、悲惨な戦争なのに、この映画の撮影は美しさを感じます。映像が素晴らしく、主人公たちの立つ背景が絵画のように意識された芸術的な構図で撮られている。

 ドイツ軍がオランダ、ベルギー、フランスに侵攻を始めたのは1940年5月10日。そしてイギリスの大陸派遣軍とフランス軍がドーバー海峡に近いダンケルクに追い詰められたのが5月末で、包囲された英仏軍は6月3日にかけてダンケルクから海峡を渡ってイギリス本土に脱出する。
 ドイツ軍は袋のネズミとなった英仏軍を深追いせず、なぜか進撃を停止してしまいます。ヒトラーが進撃停止を命じたことで、約33万8千人の英仏軍将兵は生き延びるチャンスを得て、海峡を越えることができたそうです。
 ヒトラーがダンケルクの手前で部隊に行動停止を命じた理由は謎だそうですが、一説にはヒトラーは英国とこれ以上戦うつもりはなく、英国政府が和平を求めてくると思っていたとか。
 ☆☆☆☆★
史上最大の作戦 アルティメットエディション
     The Longest Day

 製作総指揮 ダリル・F・ザナック
 監督 ケン・アナキン
     アンドリュー・マートン
     ベルンハルト・ビッキー
 原作 コーネリアス・ライアン(ハヤカワ文庫)
 撮影 ジャン・ブールゴアン
     アンリ・ベルサン他
 音楽 モーリス・ジャール
 主題曲 ポール・アンカ
 出演 ロバート・ミッチャム、ジョン・ウェイン
     ヘンリー・フォンダ、クルト・ユルゲンス
     ハンス・クリスチャン・ブレッヒ
     イリナ・デミック、ブールビル
     ゲルト・フレーベ
 音声 英語(字幕 岡枝慎二)・日本語
         1962年 アメリカ映画179分 モノクロ
             20世紀FOX ¥2384(2枚組) 
 1962年度アカデミー賞撮影・特殊効果賞受賞。コーネリアス・ライアンの「いちばん長い日」(ハヤカワ文庫刊「史上最大の作戦」)の映画化作品。

 1944年6月6日、連合軍によるノルマンディ上陸作戦が行われたDデイの全貌を大スケールで再現した戦争映画の傑作です。
 米英独仏、各国の俳優が、将軍から一般将校、兵隊。市民や抵抗組織の人々を、それぞれの立場からの視点で演ずる。。
 モノクロ作品ですが、それがかえってドキュメンタリー効果を生み出しています。ノルマンディ海岸に上陸する部隊、グライダーで降下する部隊、落下傘降下の空挺部隊など、各方面から作戦の全容を描いています。
「プライベート・ライアン」は確かに戦闘場面の迫力に圧倒されますが、Dデイというビッグプロジェクトをテーマにした歴史映画といえば、やはりこれでしょう。
 ☆☆☆☆★
大いなる幻影  La Grande Illusion

 監督 ジャン・ルノワール
 脚本 シャルル・スパーク
 撮影 クリスチャン・マトラ
     クロード・ルノワール
 出演 ジャン・ギャバン
     ピエール・フレネー
     エリッヒ・フォン・シュトロハイム
 音声 フランス語

      1937年フランス映画 113分 モノクロ
        宝島社 ¥500(「望郷」と2枚組)
 第一次大戦下のドイツ軍捕虜収容所。収容所といっても「大脱走」のようなバラックではなく、貴族の館や古城を収容所として使っている。そんな連合軍将校だけを集めた収容所なのですが、ドイツ軍とフランス軍捕虜たちの間には敵同士という憎悪はなく、お互いに相手を尊重した関係になっています。
 貴族同士、貴族と平民の関係、そして敵味方の関係、脱走した二人がかくまわれる農婦との関係、お互いに同じ人間同士なのですね。
 気がついたのですが、この映画には悪人が一人も登場しない。たとえ敵味方でも、戦時中でなければ親友になれる。逃走を図って射殺されても、それはその立場の義務を果たしただけで、理解できるとされる。捕虜たちと看守兵との親しげな関係も感じられます。
「帰ってもまた戦地に送られるだけさ。戦争が終わるなんて幻影だ」というのですが、この戦争が終わっても、またすぐに次の戦争が始まるだろう。戦争がなくなるなんて幻影なのだというテーマなのでしょうか。
 ラストシーンで国境を越えた二人にドイツ兵が「撃つな。運が良いやつらだ」と言う。人間同士には国境なんて無いのだという、そしてその国境に二人は生命を助けられたという、逆説なんですね。
 古い映画だけど画質がすごく良いです(宝島社版)。
 ☆☆☆☆★
荒鷲の要塞  Where Eagles Dare

 製作 エリオット・カストナー
 監督 ブライアン・G・ハットン
 原作・脚本 アリステア・マクリーン(ハヤカワ文庫)
 撮影 アーサー・イベットソン
 音楽 ロン・グッドウィン
 出演 リチャード・バートン
     クリント・イーストウッド
     メアリー・ユーア
     アントン・ディフリング
 音声 英語のみ

       1968年アメリカ映画 155分
            ワーナー¥2980(現在は¥990)
 「ナヴァロンの要塞」で知られるアリステア・マクリーンの冒険小説の映画化作品です。
 ドイツ軍に捕らえられたアメリカの将軍を救出する任務を与えられ、スイスアルプスの山上に聳えるドイツ軍の要塞「鷲の城」に潜入する英国情報部員たち。しかし、その任務の裏には・・・。
 どんでん返しの連続。銃撃戦と大爆破。雪のアルプス山中。アクション戦争映画の傑作。無口なクリント・イーストウッドが渋くて格好いい。金髪美女メアリー・ユーアが短機関銃を掃射する。
 緻密に計画された作戦の実行ですが、テレビ映画「スパイ大作戦」の戦争アクション版ともいえるのでは。
 高画質、これで日本語吹替えが入っていれば文句なしですけどね。
 収録のメイキング。町にドイツ軍がやって来た!撮影のためですが、昔を知る住民は複雑な気分だったそうです。
 ☆☆☆☆★
ナバロンの要塞 The Guns of Navarone

 製作 カール・フォアマン
 監督 リー・J・トンプソン
 原作 アリステア・マクリーン(ハヤカワ文庫)
 撮影 オズワルド・モリス
 音楽 ディミトリー・ティオムキン
 出演 グレゴリー・ペック
     アンソニー・クイン
     デヴィッド・ニヴン
     イレーネ・パパス、ジェームズ・ダーレン
 音声 英語・日本語

     1961年アメリカ映画 157分
          ソニー¥3184(2枚組)
 エーゲ海ナバロン島にある難攻不落のドイツ軍要塞の巨砲。登山家キース・マロリー(グレゴリー・ペック)たち6人の精鋭が要塞爆破の任務を受け島に潜入する。アリステア・マクリーンの冒険小説(早川書房刊)の映画化作品。
 現代のようなCG技術がない時代の、特殊撮影による爆破シーンが見もの。
 特技を持った専門家がチームを組んで任務にあたるという設定は、この映画が走りでしょうか。DVDに収録のメイキングは、和気あいあいの撮影風景が楽しく見られます。
 ☆☆☆☆
バルジ大作戦  Battle of Bulge

 製作 ミルトン・スペリンク
    フィリップ・ヨーダン
 監督 ケン・アナキン
 脚本 フィリップ・ヨーダン
     ミルトン・スペリンク
     ジョン・メルソン
 撮影 ジャック・ヒルドヤード
 音楽 ベンジャミン・フランケル
 出演 ヘンリー・フォンダ
     ロバート・ショウ
     ロバート・ライアン、チャールズ・ブロンソン
 音声 英語(字幕 高瀬鎮夫)・日本語

          1966年アメリカ映画169分 
           ワーナー¥3582(現在は¥990)
 第2次大戦末期1944年12月、戦勝気分でいたアメリカ軍は、思わぬドイツ軍の反撃に混乱する。「アルデンヌの戦い」「バルジの戦い」といわれるドイツ軍最後の大反撃作戦を描いています。
 この映画は大量の戦車(M47パットン)を登場させたのが売りですが、「キングタイガーが本物じゃない」などとケチをつける人がいます。そんなの当たり前じゃないですか。
 ドイツ機甲部隊の指揮官ヘスラー大佐(ロバート・ショウ)が、配下の若い戦車長たちを見て「まだ子供だ」と失望する。すると一人が「戦車の歌(パンツァーリート)」というドイツの軍歌を歌い始めます。それが全員の合唱へと広がってゆくシーンは、戦争映画ファンの語りぐさになっている。この曲が映画の主題曲として使われているんですね。

 DVDはこれまでのレーザーディスク(141分)にはなかったシーンが含まれていて、完全版だと思います。本編169分、しかも画面両端がトリミングされていないので、すごく新鮮な感じを受けます。画質は驚くくらいに鮮明です。
 ☆☆☆☆
空軍大戦略  Battle of Britain

 製作 ハリー・サルツマン
     ベンジャミン・フィッツ
 監督 ガイ・ハミルトン
 脚本 ジェームズ・ケナウェイ
     ウィルフレッド・グレートレックス
 撮影 フレディ・ヤング
 音楽 ロン・グッドウィン
 出演 ローレンス・オリヴィエ
     クリストファー・プラマー
     ロバート・ショウ
     クルト・ユルゲンス、スザンナ・ヨーク
 音声 英語・日本語

      1968年イギリス映画 132分
          20世紀FOX ¥1993(特価)
 定価4179(税込み)で高くて手が出なかった「空軍大戦略」アルティメット・エディションが特価1993円で買える機会があり、さっそく入手(その後、さらに値下げされ、現在は1192円です)。

 1940年、ドイツ空軍の英国本土空襲を、劣勢ながらも総力をあげて撃退した英国空軍の戦い「バトル・オブ・ブリテン」を描いた空戦映画。
 全編の3分の2を占める空中戦シーンでは、スピットファイアやハリケーン戦闘機、ドイツのメッサーシュミットやハインケル爆撃機など本物の機体が登場する。
「史上、かくも多数の人々が、かくも少数の人々に、かくも多くのものを負うことになったのは、いまだかつてなかったことだ(英国首相チャーチル)」 
 画質は最高レベルです。
 ☆☆☆☆
パール・ハーバー  Pearl Harbor

 製作 ジェリー・ブラッカイマー
 監督 マイケル・ベイ
 脚本 ランダル・ウォレス
 特殊視覚効果 インダストリアル・ライト&マジック
 音楽 ハンス・ジマー
 出演 ベン・アフレック
     ジョシュ・ハートネット
     ケイト・ベッキンセール 
 音声 英語(字幕 戸田奈津子)・日本語

          2001年アメリカ映画 183分
     ブエナビスタ 価格¥1800(2枚買うともう1枚もらえる)
 アメリカ陸軍航空隊の若き搭乗員と海軍病院の看護婦たち。彼らの恋と友情。
 主人公たちが可愛くて、戦争映画というより恋愛映画の雰囲気濃厚。彼らの青春に、1941年12月7日、突然の嵐のような日本軍の真珠湾攻撃が襲いかかる。

 この作品は散々に酷評されています。日本軍の扱いが悪いとか、史実に反するとか、それはアメリカが戦勝国で日本が負けた側だということを忘れた意見です。アメリカがアメリカ人のために作った娯楽映画に何を求めているのでしょうか?。私は青春映画として面白く、楽しみました。
 実機とCGによる空中戦や戦闘シーンの迫力。戦死した艦長の遺体に敬礼する黒人兵。画面の美しさ、日本語吹替えが良くできています。
 ☆☆☆★
パットン大戦車軍団  Patton

 監督 フランクリン・J・シャフナー
 脚本 フランシス・F・コッポラ
     エドモンド・H・ノース
 撮影 フレッド・コーネンプ
 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
 出演 ジョージ・C・スコット
     カール・マルデン
 音声 英語・日本語

       1970年アメリカ映画 172分
          20世紀FOX 価格¥1993(特価)
 1970年度アカデミー賞7部門受賞(作品賞・監督賞・主演男優賞ほか)。
 第二次大戦の連合軍の勝利に貢献した(と思う)パットン将軍の伝記映画。
 自己顕示欲が強く激しい気性。類いまれな戦術家でありながら、政治的配慮に欠けて失脚。戦後は失意のうちに交通事故死する。
 部下を叱咤して猛進。「大嫌いだけど大好きなオヤジ」として、部下から恐れられ、愛され、嫌われ、信頼された。すごい人物ですね。
 ジョージ・C・スコットがパットンになりきっていて好演。戦闘シーンは迫力があり、怪我人続出ではないかな?。
 ☆☆☆☆
遠すぎた橋  A Bridge Too Far

 製作 ジョゼフ・E・レビン
     リチャ−ド・P・レビン
 監督 リチャード・アッテンボロー
 原作 コーネリアス・ライアン
 脚本 ウィリアム・ゴールドマン
 撮影 ジェフリー・アントワース
 音楽
 出演 アンソニー・ホプキンス
     ショーン・コネリー
     ジーン・ハックマン
     マイケル・ケイン/ダーク・ボガード
     マクシミリアン・シェル/ジェイムズ・カーン
 音声 英語(字幕 岡枝慎二)・日本語

         1977年イギリス映画 176分
          20世紀FOX ¥1192
 1944年9月、連合軍による「マーケット・ガーデン作戦」の全貌を描いたオールスター出演の大作。
 ノルマンディ上陸に成功した連合軍が、年内に戦争を終結させるべく、ドイツ本国に最短距離で侵攻しようとして失敗した作戦です。
 オランダ国内のドイツ国境までにある五つの橋を空挺部隊が同時に占領、地上部隊が行くまで確保せよというものですが、地上部隊が限られた時間内に行き着けず、敵に包囲され孤立、大損害を受けます。敵を侮り、希望的観測による机上の空論を実施してしまった結果、多くの兵隊の命が失われる。
 1977年当時のオールスターを集めた大作ですが、それが裏目に出たようで、ライアン・オニールやロバート・レッドフォードなど軍人には見えません。失敗作ですが、戦闘シーンは5.1サラウンドで、迫力あります。

 (追記)ライアン・オニールが演ずる第82空挺師団ギャビン准将は36歳だったそうで、決してミスキャストではないのを知りました。現在は評価を改めて、戦争映画史上の傑作だと思っています。
 ☆☆☆☆★
 最前線物語   The Big Red One
  ザ・リコンストラクション スペシャルエディション

 製作 ジーン・コーマン
 監督 サミュエル・フラー
 脚本 サミュエル・フラー
 撮影 アダム・グリーンベルグ
 音楽 ダナ・カプロフ
 出演 リー・マーヴィン
     マーク・ハミル
     ロバート・キャラダイン
     ステファーヌ・オードラン
     ジークフリート・ラウヒ
 音声 英語(字幕 岡枝慎二)のみ

        1980年アメリカ映画 163分
          ワーナー ¥1000(特価)
 1981年に劇場公開された物は監督の意図を無視した110分の短縮版だったそうで、それを本来の姿に編集、復活させた163分版です。
 第一次大戦を生き残った軍曹が、第二次大戦で再び分隊長として若い兵隊たちを率いて転戦する。
 軍曹(リー・マーヴィン)と4人の兵隊の信頼と心のつながり。戦争とは敵兵を人間とは思わず、ただ殺すこと。そして自分が生き残ること。ただそれだけだと。
 軍曹は若い兵隊たちをだまって見守り、戦場での心得を教えアドバイスする。そしてある時は冷酷に死地へ送る命令をくだす。
 鬼軍曹を演じるリー・マーヴィンの言葉は少ないが、その表情がとてもいい。第一次大戦の経験者ということは現役兵ではなく予備役?。リー・マーヴィンは撮影当時は56歳。年を食った軍曹ですね。
 4人の若い兵隊たちは、北アフリカからシシリー、ノルマンディからベルギーへと転戦し、その激戦で生き残る。死ぬのはいつも補充兵ばかり。
 現実の私たちの社会でも足手まといの新人が入り、ベテランが仕事のコツを教えて面倒を見る。でも戦争ではそんな余裕もなく死んでゆく。運良く生き残った新人だけがベテランへと成長する、そんなものなんでしょう。
 ☆☆☆☆
プライベート・ライアン
    Savung Private Ryan

 監督 スティーブン・スピルバーグ
 脚本 ロバート・ロダット
 撮影 ヤヌス・カミンスキー
 音楽 ジョン・ウィリアムス
 出演 トム・ハンクス
     マット・デイモン
 音声 英語(字幕 戸田奈津子)・日本語

     1998年アメリカ映画 169分
      パラマウント 価格¥2500(現在は¥790で買える)
 1998年度アカデミー賞5部門受賞(監督賞・撮影賞・音響効果賞ほか)。
 ノルマンディ上陸作戦の地獄の戦場から、ライアン一等兵を捜し出し、無事に帰国させること。これがミラー大尉に与えられた任務だった。
 彼は若い兵隊たちの分隊を率いて出発するが、「一人の命を救うために他の兵士が犠牲になっても良いのか」の疑問。「この任務をやり遂げれば、俺たちは胸をはって故郷に帰れるんだ」。胸が熱くなる映画です。戦闘場面は恐怖すら感じる圧倒的迫力。

 この映画に描かれるのは実話を元にしているそうです。ライアン一等兵救出の目的は、人道のためというより、世論を意識した政治的なものですね。
 ☆☆☆★
戦場のアリア  Joyeux Noel

 製作 クリストフ・ロシニョン
 監督・脚本 クリスチャン・カリオン
 撮影 ウォルター・ヴァンデン・エンデ
 音楽 フィリップ・ロンビ
 出演 ダイアン・クルーガー
     ギヨーム・カネ
     ダニエル・ブリュール
     ベンノ・フユルマン
 音声 オリジナルのみ 

     2005年 フランス・ドイツ・イギリス映画 115分
                  角川映画 価格¥1000

 フランス・ドイツ・イギリス合作の映画で、2006年にフランスで観客動員数No.1を記録したという作品です。出演は知らない俳優ばかりですが、ハリウッド映画でもお馴染みのダイアン・クルーガーさんが戦場で歌うソプラノ歌手の役で出ている。

 1914年、第一次大戦でフランス軍・英国軍とドイツ軍がわずか100メートルを隔てて塹壕戦をおこなっている。夜にはお互いに声が聞こえるくらいの近さ。その100メートルを銃剣突撃して、機関銃になぎ倒される凄惨な戦いが続いている。
 そしてクリスマス・イブの夜。ドイツ軍の塹壕から「清しこの夜」の歌声が聞こえてくる。それに合わせて、対峙する英国軍がバグパイプで演奏を始める。これがきっかけになって、敵味方の間で休戦が成立したという実話をもとにした映画です。

 音楽を通して休戦することになった。今までお互いに殺し合っていたのに、戦いをやめてその顔を合わせると心が通い、親しくなってしまう。こんな状況でなかったら友達になれるという。お互いに酒を酌み交わし、タバコやチョコを交換し合い、故郷の話をしあって、これが俺の女房だ、ほう美人じゃないか、なんて写真を見せ合ったりする。
 こうなってしまうと、殺し合いなどできなくなって、戦争が成り立たないのですね。
 軍の上層部は、国家反逆罪で死刑に相当するとかいうけど、さすがにこんなに大勢を処罰できない。それで彼らをバラバラにして他の前線へ送ることにする。

 せめてクリスマスくらいは殺し合いをしたくないという気持。そしてみんなが故郷に帰りたいと思っている。そんな戦場で、美しい歌声をきっかけに敵味方に友情が芽生える。
「その聖なる夜、銃声が止んだ」これは感動的な映画だし、こういう状況がうまれると、敵を憎ませて国民を戦争にかり出したい国家は困るんだろうな、ということを考えました。
 ☆☆☆☆

誰が為に鐘は鳴る
    For Whom the Bell Tolls

 監督 サム・ウッド
 原作 アーネスト・ヘミングウェイ(新潮文庫)
 脚本 ダドリー・ニコルズ
 撮影 レイ・レナハン
 音楽 ヴィクター・ヤング
 出演 ゲイリー・クーパー
     イングリッド・バーグマン
     エイキム・タミロフ
 音声 英語(字幕 清水俊二)

      1943年アメリカ映画 165分
     ユニバーサル¥1200
     マックスター¥500は日本語吹替えを収録
 ヘミングウェイの原作は「誰がために鐘は鳴る」ですが、映画は「為に」と漢字になっていますね(マックスター版は「ために」となっている)。
 この映画は高校生の時に学校の団体鑑賞会があって、土曜日の放課後に見に行きました。先生が、おまえたちはバカだから「誰が為に」を「だれがために」と読むだろうが、「たがため」であって「だれがため」なんて読むんじゃないぞ、と言ったのを憶えています。

 スペイン内戦下。アメリカ人義勇兵ロバート・ジョーダンとスペイン娘マリアとの恋。鉄橋爆破の命令を受けてゲリラ隊に加わったロバート(ゲイリー・クーパー)は、両親をファシストに殺されたマリア(イングリッド・バーグマン)と出会って恋をする。「キスするとき、鼻がじゃまにならないかふしぎに思ってたの」というセリフはこの映画です。
 この映画が作られたのは1943年です。スペイン内戦は1936年に始まったそうだから、まだそんなに年月が経っていなくて、第二次世界大戦の真っ最中だったんですね。
 先日見た「カサブランカ」のイングリッド・バーグマンは輝くばかりの美しさだったし、この「誰が為に鐘は鳴る」の少年のような短髪の彼女もステキです。
 ☆☆☆☆
大反撃  Castle Keep

 製作 マーティン・ランソホフ
     ジョン・キャリー
 監督 シドニー・ポラック
 脚本 ダニエル・タラダッシュ
     デビッド・レイフィール
 撮影 アンリ・ドカエ
 音楽 ミシェル・ルグラン
 出演 バート・ランカスター
     パトリック・オニール
     ピーター・フォーク
     スコット・ウィルソン
 音声 英語のみ

      1969年アメリカ映画 107分
       ソニー・ピクチャーズ ¥990
 収録はスタンダード・サイズ。
 なぜシネスコ・スクイーズではないのだろう。

 バート・ランカスター、ピーター・フォーク、パトリック・オニール、スコット・ウィルソンなど豪華な出演者だけど、あまり話題にのぼることがないような作品で、第二次大戦末期1944年12月の「バルジ大作戦」を背景にしたものです。
 監督は戦争映画とは畑違いなようなシドニー・ポラック。撮影のアンリ・ドカエと音楽のミシェル・ルグラン(懐かしい名前)はフランス勢で、アメリカの戦争映画としては異色です。

 開巻、ベルギーの森の中を8人のアメリカ兵が乗った一台のジープがやって来る。森を黄色いマントの女性が馬を走らせてゆく。近くに古城があって伯爵夫妻が住んでいる。その夫人は伯爵の姪だとかで、少々妖しい関係です。
 アメリカ兵たちはこの古城に籠城することになって、押し寄せてくるドイツ軍と激戦になるのですが、雪におおわれた森の中の古城・・・など幻想的なムードがただよう。
 古城と美術品を守るために籠城戦に反対する大尉(パトリック・オニール)と、戦争と芸術品は関係ないとして意見を退ける少佐(バート・ランカスター)、町のパン屋の女将と仲良くなる軍曹(ピーター・フォーク)など。

  原題は「Castle Keep」で、keepは普通、「続ける、やめない、中断しない」または「保たせる、続けさせる」「保つ、しておく」などです。他に「とどまる、残る」と。
 で、「城を保持する」という意味で「籠城」のことかなと思っていたのですが、映画の字幕で「古城の望楼」と訳されていました。辞書を調べるとkeepには「(中世の城の)本丸、天守閣」という意味もある。でもこの原題には「籠城する」というのも含んでいるのかもしれない。

 映画「バルジ大作戦」(66)の大平原での戦車戦は雪がなくて暖かそうな、冬とは思えないものだったけど、やはり深い森と雪がないと「バルジ」の極寒の雰囲気が出ませんね。
 ☆☆☆☆

スターリングラード   Enemy at the Gates

 製作 ジャン・ジャック・アノー
     ジョン・D・スコフィールド
 監督 ジャン・ジャック・アノー
 脚本 ジャン・ジャック・アノー
     アラン・ゴダール
 撮影 ロベール・フレース
 音楽 ジェームズ・ホーナー
 出演 ジュード・ロウ
     エド・ハリス/レイチェル・ワイズ
 音声 英語・日本語

        2001年アメリカ・独・英・アイルランド
        ポニー 価格¥2500
 1942年ドイツ軍の侵攻により廃墟と化したスターリングラードを舞台に、実在のソ連狙撃兵ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)とドイツ軍の狙撃兵ケーニヒ少佐(エド・ハリス)の対決を描く戦争アクション。
 冒頭の戦闘シーンでは、退却するソ連兵が味方から撃たれる。赤軍にとって兵隊(労働者や農民)など虫けら同様なのですね。共産主義のイヤらしさ非道さ。
 聞いた話では、ノモンハン事変の時、破壊された戦車の中で死んでいたソ連兵は逃げられないように足を鎖でつながれていたそうです。

 この映画はソ連兵が主人公だけど、共産主義批判が描かれるのはアメリカ映画ですね。ジュード・ロウが好演。ドイツ軍人を演じるエド・ハリスの演技、狙撃のプロぶりは重厚です。
 レイチェル・ワイズのお尻が見もの?。
 ☆☆☆★
特攻大作戦  The Dirty Dozen

 監督 ロバート・アルドリッチ
 原作 E・M・ナサンソン
 脚本 ナナリー・ジョンソン
     ルーカス・ヘラー
 撮影 エドワード・スケイフ
 音楽 フランク・デ・ヴォール
 出演 リー・マービン
     ジョン・カサヴェテス
     ジョージ・ケネディ、ロバート・ライアン
 音声 英語のみ

         1967年アメリカ映画149分
               ワーナー¥1500
 連合軍のノルマンディ上陸作戦の前夜に決行された汚い作戦、しかも生還の望みが薄い決死の作戦。ある森の中の城館に集まるドイツ将校たちを一気に暗殺しようというのだ。
 作戦に選ばれたメンバーは、いずれも死刑囚や終身刑の囚人たち12人。作戦に成功すれば恩赦を与えるという約束で。
 彼らを率いる少佐役にリー・マービン。汚れた12人を演ずるのはジョン・カサヴェテス、ドナルド・サザーランド、チャールズ・ブロンソン、テリー・サバラスなど豪華な配役。
 男くさい戦争アクション映画の傑作。
 だけど、いかに敵とはいえ同伴の女性たち共々、地下室に追い込んで、換気口からガソリンを流し込み、手榴弾を投げ込むという手段は、さすが汚ねえ野郎たちだね。
 ☆☆☆★
戦略大作戦   Kelly’s Heroes

 製作 ガブリエル・カツカ
     シドニー・ベッカーマン
 監督 ブライアン・G・ハットン
 脚本 トロイ・ケネディ・マーチン
 撮影 ガブリエル・フィゲロア
 音楽 ラロ・シフリン
 出演 クリント・イーストウッド
     テリー・サバラス
     ドナルド・サザーランド
 音声 英語(字幕 岡枝慎二)のみ

       1969年アメリカ映画142分
                ワーナー¥1500
「荒鷲の要塞」(68)に続いて、ブライアン・G・ハットン監督とクリント・イーストウッドが組んだ戦争アクション映画。
 ドイツ軍占領下の町にある銀行に保管された金塊を奪取する計画を立てたアメリカ兵たちがいた。イーストウッドをリーダーに、テリー・サバラス軍曹とその部下たち。
 ドナルド・サザーランド軍曹のM4シャーマン戦車が2台参加して、彼らは3日間の休暇を取って意気軒昂と出発する。途中、ドイツ軍と交戦しながら目的地へ着いてみると、タイガー戦車が町を守備していた!
 ☆☆☆☆
大脱走   The Great Escape

 製作・監督 ジョン・スタージェス
 脚本 ジェームズ・クラベル
     W・R・バーネット
 撮影 ダニエル・ファップ
 音楽 エルマー・バーンスタイン
 出演 スティーブ・マックィーン
     ジェームズ・ガーナー
     ジェームズ・コバーン
     リチャード・アッテンボロー、チャールズ・ブロンソン
 音声 英語・日本語

      1963年アメリカ映画172分
              20世紀FOX ¥799  
 第二次大戦下のヨーロッパ。ドイツ空軍が管理する捕虜収容所からの集団脱走が計画実行された史実を、オールスターキャストで映画化。

 収容所生活を送りながら、3本のトンネルを掘り、脱走後の身分証明書や衣服を調達偽造する連合軍将兵たち。そしてついに脱走が実行される。はたして無事に逃げおおせるのは誰か。
 独房の壁にボールを投げ、一人でキャッチボールをするマックィーン。クライマックスでドイツ軍のオートバイを奪って逃げるシーンの格好良さ。ドイツ空軍とゲシュタポの反目もさりげなく描かれています。主題曲も素晴らしいです。
 定価999円の20%OFFで799円、これは買わないとね。日本語吹替え音声も入ってます。
 ☆☆☆☆
若き獅子たち  The Young Lions

 製作 アル・リクトマン
 監督 エドワード・ドミトリク
 原作 アーウィン・ショウ
 脚本 エドワード・アンホルト
 撮影 ジョー・マクドナルド
 音楽 ヒューゴー・フリードホーファー
 出演 マーロン・ブランド
     モンゴメリー・クリフト
     ディーン・マーティン
     ホープ・ラング、バーバラ・ラッシュ
     マクシミリアン・シェル、メイ・ブリット
 音声 英語のみ

      1958年アメリカ映画 168分 モノクロ
               20世紀FOX ¥1000
トラ・トラ・トラ! TORA! TORA! TORA!

 製作総指揮 ダリル・F・ザナック
 製作 エルモ・ウィリアムズ
 監督 リチャード・フライシャー
     舛田利夫
     深作欣二
 脚本 ラリー・フォレスター
     菊島隆三、小国英雄
 撮影 チャールズ・F・ホイーラー
     姫田真左久、古田伸、佐藤昌道
 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
 出演 マーティン・バルサム
     ジョゼフ・コットン
     山村聡
     三橋達也

         1970年 アメリカ映画 145分
               20世紀FOX ¥999
 1941年12月8日(ハワイ時間7日)、日本海軍機動部隊による真珠湾攻撃を、作戦前後のアメリカ側と日本側、両方の視点から描いています。戦争映画の金字塔といわれる大作。

 当初、日本側監督に黒澤明が予定されていたそうですが、交代させられました。どんな理由があったのでしょう?
 日本海軍が勇ましく描かれるのに対して、アメリカ側はあまり冴えません。日本の暗号を解読しながらも、真珠湾奇襲を許してしまったアメリカ。
 平和で穏やかな日曜日の朝が、一瞬にして地獄のような戦場になる。空から舞い降りて魚雷や爆弾を投下する日本機。次々に爆発炎上する艦船や飛行場。反撃するアメリカ軍。
 真珠湾攻撃の模様を再現したアメリカ映画ならではの大作ですが、このような自国が負ける戦争映画をアメリカが製作するなんて、不思議ですね。

 日本外務省の不手際、怠慢で日米交渉打ち切りの通告(最後通牒)が遅れ、真珠湾攻撃の後になったために米国民が怒り、本気で戦争に立ち上がることになったといわれます。だとすれば、計画通りに通告が事前になされていれば、米国民は意気阻喪して戦う気力をなくしていたとでもいうのでしょうか?。これほど米国民をなめた話はないでしょう。山本五十六が本気でそんな馬鹿なことを考えていたとすれば、大した人物ではありません。
 ☆☆☆★
レマゲン鉄橋  The Bridge at Remagen

 製作 デビッド・L・ウォルバー
 監督 ジョン・ギラーミン
 音楽 エルマー・バーンスタイン
 出演 ジョージ・シーガル
     ロバート・ヴォーン、ベン・ギャザラ
     ハンス・クリスチャン・ブレッヒ
 音声 英語のみ

      1969年アメリカ映画 117分
             20世紀FOX 2枚で¥2980
 1945年2月、連合軍の進撃をライン河で阻止しようと、ドイツ軍はライン河に架かる橋を次々と爆破。しかし河のフランス側にはまだ残された部隊がいる。レマゲン鉄橋の爆破を命じられたクルーガー少佐(ロバート・ヴォーン)は部隊が撤収するまで、橋を守りきろうとする。
 押し寄せるアメリカ軍。レマゲン鉄橋をめぐって激戦が開始される。結局、クルーガー少佐は命令違反で逮捕され銃殺刑に。最後に上空の飛行機を見上げて「あれは、どちらの飛行機だ?」「敵機です」と答える兵隊に「本当の敵はどっちだ?」と言う。
 米軍のハーフトラックやM24戦車が登場し、開巻でM24がライン河沿いの道路を猛スピードで走る。
 ☆☆☆★
将軍たちの夜
   The Night of the Generals
 
 製作 サム・スピーゲル
 監督 アナトール・リトヴァク
 脚本 ジョセフ・ケッセル
     ポール・デーン
 撮影 アンリ・ドカエ
 音楽 モーリス・ジャール
 出演 ピーター・オトゥール
     オマー・シャリフ
     トム・コートネイ、ドナルド・プレザンス
     ジョアンナ・ペティット、チャールズ・グレイ
 音声 英語のみ

      1967年アメリカ映画 144分
          ソニー・ピクチャーズ ¥980
 1942年、ドイツ軍占領下のワルシャワを舞台に物語が始まる。
ある娼婦が惨殺され、目撃者によると「犯人の男のズボンに赤い線が入っていた」。これは犯人がドイツの将軍だということです。
 探偵役はドイツ情報部の少佐(オマー・シャリフ)。そして三人の容疑者である将軍を、ピーター・オトゥール、ドナルド・プレザンス、チャールズ・グレイが演じていて、後者の二人は共に007のブロフェルドの役をやってるのが偶然ですが、おもしろい。
 多くの人が死んでいる戦争中に一人の娼婦が殺され、その犯人を裁くことに熱中するドイツ情報部の少佐。「なぜ、そんなにこだわるのだ?」との問いに「たとえ戦争中でも犯罪を看過できない」と答える。
 1942年のワルシャワ、1944年のパリでヒトラー暗殺計画に熱中する将軍たちを描きながら、そして戦後20年の1965年のハンブルクへと舞台が移り、同じ犯行がおこなわれる。
 この作品は、戦時下を舞台にしたサスペンス映画です。ピーター・オトゥールが美術館でゴッホの自画像を前にしたときの狂気を感じる演技はさすが。将軍の娘役のジョアンナ・ペティットも美しく、登場する俳優たちは存在感があります。
 冬のワルシャワ(撮影はどこで?)の占領下の重苦しい雰囲気がよく出ています。
 アメリカ映画なのに登場人物のほとんどがドイツ軍人ばかりで、将軍から将校たち、いち兵卒まで、ドイツ軍の軍装が好きな人にはたまらない映画ではないでしょうか?
 ☆☆☆☆★
U−571

 製作 ディノ・デ・ラウレンティス
     マーサ・デ・ラウレンティス
 監督 ジョナサン・モストゥ
 脚本 ジョナサン・モストゥ
     サム・モンゴメリー
     デビッド・エイヤー
 撮影 オリヴァー・ウッド
 音楽 リチャード・マーヴィン
 出演 マシュー・マコノヒー
     ビル・パクストン
 音声 英語・日本語

      2000年アメリカ映画 116分
          ジェネオン 価格¥1990
 アメリカ海軍潜水艦S−33に与えられた任務は、洋上で航行不能におちいったドイツ潜水艦U−571から「エニグマ暗号機」を奪取すること。U−571に突入し戦闘の末、任務は成功したかに見えたが、本艦が撃沈されてしまい、残された乗員たちは、慣れないドイツ潜水艦で帰投することになる。
 敵潜水艦や駆逐艦との戦い。艦体をかすめるように通過する敵の魚雷。駆逐艦からの爆雷攻撃。最後まで緊張感を持って見せてくれる。
 副長のタイラー大尉は昇進して艦長になるはずだったが、現艦長の推薦が得られず、不満を抱く。「君は部下から、兄のように慕われている。そんな部下たちを死地に赴かせる非情な命令が下せるのか?」副長としては有能でも、艦長になるのは経験不足だとされる。艦長が死に、彼の指揮で困難な任務を遂行することになり、この任務をやり遂げることで、彼は成長する。ラストで「あなたの艦なら、喜んで付いていきます」と古参の兵曹長に言われる。男たちの世界。命令の下にきびきびと行動する男たちって格好良いですね。
 艦を敵艦(Uボート)みたいに偽装したり、敵の制服を着ることは、ルール違反ですぜ。
 ☆☆☆☆
ビスマルク号を撃沈せよ!
    Sink the Bismarck

 製作 ジョン・ブラボーン
 監督 ルイス・ギルバート
 脚本 エドマンド・H・ノース
 撮影 クリストファー・チャリス
 音楽 クリフトン・パーカー
 出演 ケネス・モア
     ダナ・ウィンター
 音声 英語のみ

       1960年イギリス映画 98分 モノクロ
                20世紀FOX ¥1592
 1941年5月、ドイツ海軍の大戦艦ビスマルク(排水量4,1700トン)が英国輸送船団の通商破壊をめざして出撃。それを迎え撃つ英国海軍の緊張を描いた作品。
 英国海軍省の作戦指揮所の室内シーンがほとんどを占め、あとは独英艦艇の艦橋など。屋内セットでの撮影に、当時の記録フィルムをつなぎ、海戦シーンは模型を使った特撮です。
 低予算の小品ですが、緊張感のあるものになっています。監督は後に007シリーズでおなじみのルイス・ギルバート。ダナ・ウィンターが婦人部隊の美しい士官を演じています。
 空母アーク・ロイヤルから発進してビスマルクを魚雷攻撃するソード・フィッシュ雷撃機の映像が見られるのが貴重。第二次大戦でも、こんな複葉三座の機を使っていたのですね。

 字幕で「全員、待避」は「総員退去」、「弾倉」は「弾庫」でしょうし、気になる訳文があります。ドイツ海軍の司令官のセリフでナチスが「ナチ」となっていて、自ら蔑称であるナチとは言わないはずです。翻訳が作品を台無しにする可能性に気づいてほしい。
 ☆☆☆★
ブルー・マックス  The Blue Max

 製作 クリスチャン・フェリー
 監督 ジョン・ギラーミン
 脚本 ジェラルド・ハンリー
     デヴィッド・パーセル
     ジャック・セッドン
 撮影 ダグラス・スローカム
 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
 出演 ジョージ・ペパード
     ジェイムズ・メイスン、ジェレミー・ケンプ
     アーシュラ・アンドレス
 音声 英語・日本語

       1966年アメリカ映画 157分
              20世紀FOX ¥2384
 第一次大戦の複葉機が多数登場する空中戦映画の大作。泥にまみれて塹壕から空を見上げる主人公。空では戦闘機が鳥のように舞って空中戦をやっているオープニングが印象的。
 地上の血と泥の地獄の戦場から抜け出して空軍に転属された主人公は、貴族の世界である空軍で、蔑視の中、汚くのし上がってゆく。野望と挑戦と、挫折。

 ジョージ・ペパードが「汚れた英雄」ブルノ・スタッヘル少尉を熱演。複葉機、三葉機が登場し、飛行機ファンには嬉しい映画です。
 主人公は、政治的に英雄として祭り上げられ、最後は欠陥試作機に乗せられ、抹殺される。愚かな伯爵夫人の密告によって挫折するのですが、彼には女なんて眼中にないのですね。騎士道を気取る、鼻持ちならない貴族社会に挑んだ青年の物語です。
 ☆☆☆★
戦場のガンマン  5 Per L’ Inferno

 製作 パオロ・モッファ
     アルド・アッドバティ
 監督 フランク・クレイマー
 脚本 レナード・イッツォ
     ジャンフランコ・パロリーニ
 撮影 サンドロ・マンコーリ
 音楽 ヴァスコ・マンキューソ
 出演 ジャンニ・ガルコ(ホフマン少尉)
     クラウス・キンスキー(ミュラー大佐)
     マーガレット・リー(ヘルガ)
 音声 英語のみ

       1968年イタリア映画 94分
              キングレコード ¥3343
 英語タイトルは「Five for Hell」で、「地獄の五人」とでも訳すのでしょうか。マカロニ・コンバット(イタリア製娯楽戦争映画)の代表的作品で、劇場公開後も、テレビ放映など、地味だけどファンが多い作品です。

 敵地に潜入して、極秘書類を奪取するという任務を遂行する少人数の特務隊員たちを描いたもので、短機関銃による壮絶な銃撃戦と、ヒロインのお色気(今作はマーガレット・リー嬢)。こんなところが戦争ごっこともいわれる所以です。ようするに堅いことは抜きで、気軽に戦争ごっこを楽しめばそれでよい作品なのでしょう。

 DVDは英語バージョン。シネスコサイズですが、スクイーズ仕様ではないのが不満。
 ☆☆☆★
砂漠の戦場エル・アラメン
  La Battaglia Di El Alamein

 製作 ミーノ・ロイ
     ルチアーノ・マルチーノ
 監督 カルヴィン・ジャクソン・パジェット
 脚本 エルネスト・ガスタルディ
     レミジオ・デル・グロッソ
 撮影 セルジオ・ドフィッツィ
 音楽 カルロ・ルスティケリ
 出演 フレデリック・スタフォード
     ロベール・オッセン、マイケル・レニー
     エンリコ・マリア・サレルノ
 音声 伊語のみ

         1968年イタリア映画 102分
          アミューズソフト¥1338
 第二次大戦の北アフリカ戦線を舞台にしたイタリア製戦争映画。ロンメル将軍のドイツ軍とモンゴメリー将軍のイギリス軍が対峙する中で、捨て駒に使われるイタリア軍を描いています。
 イタリア製戦争映画はアクション系だけでなく、このようなマジメな作品もあるのですね。ドイツのロンメル将軍は、自軍が撤退する時間稼ぎにイタリア軍を犠牲にする。枢軸国として味方であるドイツ軍に対する批判が感じられます。「戦場のガンマン」(68)で、アメリカ兵を主人公にしてドイツ兵をやっつけても平気なイタリア人の気持ちが分かる気がします。

 イギリス軍やドイツ軍がイタリア語を話しているので変テコな感じ。マカロニ西部劇のジョージ・ヒルトンがイギリスの中尉役で出ている。ロンメル将軍を演じたロベール・オッセンが素晴らしい。
 ☆☆☆★
炎の戦線エル・アラメイン
  El Alamein la linea del fuoco

 製作 リカルド・トッツイ
 監督・脚本 エンツォ・モンテレオーネ
 撮影 ダニエル・ナヌッツィ
 出演 パオロ・プリググリア
     ピエル・フランチェスコ・ファヴィーノ
 音声 イタリア語・日本語

      2002年イタリア映画 117分
             タキ・コーポレーション¥480
 近所のスーパー内の書店で買ったDVDで、価格は480円。ネットで調べてみるとなんと定価4935円とかで驚きました。何なんだこの価格差は?って感じです。
 2002年イタリア映画で、日本公開は2004年1月。金沢では未公開です。

 イタリア製の戦争映画だけど、かつて「戦場のガンマン」(1969)「地獄の戦場コマンドス」(69)など、マカロニ・コンバットと称された娯楽戦争アクションを作っていた時代とは大きく変わったようです。
 1942年の北アフリカ戦線におけるイタリア軍の悲惨な様子を描いたもので、どちらかといえば「砂漠の戦場エル・アラメン」(69)に近いものです。ドイツ軍と共に戦うのですが、ドイツ軍からはバカにされ、砂漠の熱砂の中で満足な補給も与えられないイタリア軍の小隊。
 主人公は学生から志願して戦場へやって来る。そこで彼が見たのは赤痢と飢えと渇きに苦しむ兵隊たちの姿です。「西部戦線異状なし」に似ていますね。
 かつてのような派手な戦闘シーンがあるわけでなく、砂漠に掘った塹壕で淡々と、死と隣り合わせの、生きるのをあきらめたような兵隊達の生活を描いています。
 時間を忘れて最後まで一気に見たけれど、けっして面白いと思うような映画ではなく、でも良い映画なのでしょうか、480円なら充分に元を取ったといえる。
 ☆☆☆★
ウインドトーカーズ  Windtalkers

 製作・監督 ジョン・ウー
 脚本 ジョン・ライス&ジョー・バッター
 撮影 ジェフリー・キンボール
 音楽 ジェームズ・ホーナー
 出演 ニコラス・ケイジ
     アダム・ビーチ
     クリスチャン・スレーター
 音声 英語・日本語

       2002年アメリカ映画 134分
               20世紀FOX ¥999
 1944年、太平洋戦争末期のサイパン島の激戦。アメリカ軍は先住民ナバホ族の言語を暗号通信に使用していたのですね。これは事実だそうです。
 最前線で働く、彼ら通信兵を護衛する任務を与えられた主人公(ニコラス・ケイジ)。通信兵が捕虜になりそうな場合は射殺せよという極秘の命令でした。
 主人公とナバホの通信兵との心の交流を描いています。日本軍の装備はけっこう正確だと思います。
 DVDジャケットに、ヘルダイバー急降下爆撃機が描かれていますが、こんなシーンが作品中にあったっけ?
 ☆☆☆★
シン・レッド・ライン  The Thin Red Line

 監督 テレンス・マリック
 原作 ジェームズ・ジョーンズ
 脚本 テレンス・マリック
 撮影 ジョン・トール
 音楽 ハンス・ジマー
 出演 ジム・ガヴィーゼル
     ショーン・ペン
     ジョン・キューザック、ニック・ノルティ
 音声 英語(字幕 戸田奈津子)・日本語

       1998年アメリカ映画 171分
              ジェネオン¥2000
「ウインドトーカーズ」と、本作品に登場する日本兵が屈辱的な描き方がされていて不愉快だと言う人がいます。痩せこけてボロボロ、地面に潜った日本兵たち。私はこれが現実の日本兵の姿ではないかと思います。ガダルカナルの戦いは餓えと疫病との戦いでもあったのですから。
 雲間から太陽が日を差し、草が茂った丘陵を雲の影が動いてゆく。大自然の静寂と美しさの中で戦闘が繰り広げられます。さほど面白いとは思えないですが、魅力的な作品ですね。
 主要人物は知らない俳優ばかりだけど、冒頭に登場する提督役のジョン・トラボルタは完全なミスキャストです。他にラストではジョージ・クルーニーまでが出ている。このようなお遊びは、この映画の現実感を損ねます。
 ☆☆☆★
戦火の勇気 Courage under Fire

 製作 ジョセフ・M・シンガー
     デヴィッド・T・フレンドリー
     ジョン・ディヴィス
 監督 エドワード・ズウィック
 脚本 パトリック・シーン・ダンカン
 撮影 ロジャー・ディーキンス
 音楽 ジェイムズ・ホーナー
 出演 デンゼル・ワシントン
     メグ・ライアン
     マット・デイモン
     ルー・ダイヤモンド・フィリップス
 音声 英語・日本語

      1996年アメリカ映画 117分
             20世紀FOX ¥780 
 湾岸戦争で戦死した陸軍救難ヘリの女性パイロット(メグ・ライアン)の英雄的行為に対して名誉勲章が授与されることになります。彼女は勲章に値するのか?英雄なのか、臆病でヒステリックな最後だったのか、彼女に救助された者や同乗していた者たちの証言が食い違います。
 真相を求めて調査する中佐(デンゼル・ワシントン)は戦闘中に味方戦車を誤射して部下を死なせた過去を持ち、苦しんでいます。この映画のテーマは贖罪なのですね。罪の意識、重い十字架を背負って生きる男たち。そして戦場での指揮官の務め、勇気とは何か?。その時戦場で何があったのか?ラストで衝撃の真相が明らかになります。
 感動的な映画。こんなに良い映画が780円で買えるなんて。
 ☆☆☆☆
ブラックホーク・ダウン Blackhawk Down

 製作 ジェリー・ブラッカイマー
 監督 リドリー・スコット
 撮影 スラヴォミール・イジャック
 音楽 ハンス・ジマー
 出演 ジョシュ・ハートネット
     ユアン・マクレガー
 音声 英語・日本語

       2001年アメリカ映画 145分
             ポニー・キャニオン¥2000
「随所に描かれる安易なヒロイズム、ソマリア人の悪魔のような描き方、一方的なアメリカよりの視点など、虫酸が走るような描写が多い」という批評を読みました。
 なぜそんな貧しい見方しかできないのか。別のところで、ソマリア人が襲ってくるゾンビのように描かれていて不愉快とも書かれていましたが、差別的描写ではなく、まさに戦場で戦う兵隊にとって敵兵は悪魔やゾンビのように見えるということではないのか。自分を殺しに来る敵であり、殺される前に殺す。死にたくなかったら敵を殺せ。戦場で生き残るにはそれ以外にないのでは。
 なぜ戦うのか?「ただ自分や仲間が生き残るため」なのでしょう。それだけリアルに、兵隊の目を通して戦場を描いた作品だと思います。いっさいドラマ性を排除した、戦闘シーンのみの映画です。
 ☆☆☆★
サハラ戦車隊 Sahara

 監督 ゾルタン・コルダ
 脚本 ジョン・ハワード・ローラン
     ゾルタン・コルダ
 撮影 ルドルフ・マテ
 音楽 ミクロス・ローザ
 出演 ハンフリー・ボガート
     ブルース・ベネット
     ダン・デュリエ
 音声 英語・日本語

     1942年アメリカ映画 98分 モノクロ
              ソニーピクチャーズ ¥990
 1942年の北アフリカ戦線を舞台にした作品。製作されたのが1943年なので、ほぼ同時期のできごとを映画の題材にしている。
 ドイツ軍の猛攻で英軍は壊滅的打撃を受ける。生き残ったアメリカ派遣軍のガン軍曹(ハンフリー・ボガート)のM3中戦車は、味方の前線に合流しようと砂漠地帯の突破をこころみる。
 途中で6人の英軍兵や、イタリア兵捕虜を連れたスーダン兵や、ドイツ人パイロットの捕虜などを加えて、熱砂の砂漠を進む一台のM3中戦車。

 前半は砂漠を井戸を求めて進むサバイバル映画。後半は井戸のあるオアシスに陣取った主人公たちとドイツ軍との戦闘で、多勢に無勢、味方は一人、また一人と倒れてゆく。
 砂漠ではいかに水が重要か、直接生命にかかわることをあらためて認識。攻撃側のドイツ軍も水不足に乾き、苦しんでいる。戦闘の結果、乾きに耐えかねたドイツ軍が集団で降伏してくる。
 第二次大戦真っ最中に陸軍の協力を得て作られたものだけど、戦意高揚目的という感じはなく、ボガート主演のせいかけっこう硬派な映画である。
 実物のM3中戦車が見られる貴重な作品。車体右側面に75ミリ主砲、車体と37ミリ砲の砲塔、その上に機関銃塔と、三段重ねの珍しいデザインで、お正月のお鏡餅みたいな面白い形をしています。側面ドアからの乗降や、内部の様子も描写。
 ☆☆☆☆
男たちの大和  YAMATO

 製作 角川春樹
 監督 佐藤純彌
 脚本 佐藤純彌
 原作 辺見じゅん
 撮影 阪本善尚
 音楽 久石譲
 出演 反町隆史/中村獅童/松山ケンイチ/蒼井優
    仲代達矢/鈴木京香/白石加代子/長嶋一茂
   2005年 東映 143分 ¥3391
 2005年12月劇場公開の話題作です。
 昭和20年4月、日本海軍の戦艦大和が沖縄に向けて特攻出撃、航行半ばで敵機の猛攻を受け撃沈される。
 高校生の年代である若い乗組員を通して、戦争とは何かを問いかける。戦闘で散った多くの命、愛と涙。そして運良く生き残った者が、戦死者と遺族に対して罪の意識を持つとすれば残酷です。
 現代映画だけあって戦闘シーンは迫力あり。撮影では赤い塗料が大量に使われたのでしょうね。日本海軍艦艇の機銃群がいかに敵機の攻撃に対して無力だったか。
 松山ケンイチ、蒼井優さんたちの純真な演技が見ていて気持ちがよい。
 ☆☆☆★
バルトの楽園(がくえん)

 監督 出目昌伸
 脚本 古田 求
 撮影 原 一民
 音楽 池辺晋一郎
 出演 松平健
     ブルーノ・ガンツ
     阿部 ェ
     高島礼子
     大後寿々花
  2006年 東映 134分 ¥1000(2枚組)
 第一次世界大戦中の1918年、徳島県鳴門市の板東俘虜収容所でドイツ人捕虜によって、日本で初めてベートーベンの「交響曲第九番 歓喜の歌」が演奏されたという実話を映画化した、ドイツ人捕虜たちと収容所の日本軍人や地元住民たちとの心の交流を描いた感動作です。
 収容所所長の松江豊寿大佐(松平健さん)は、敵といっても彼らは祖国のために戦った勇士たちであり、捕虜には人間的な生活を保障しなければならないとして、寛容な待遇で接します。この松江大佐の気持ちが捕虜たちだけでなく、地元住民にも通じて捕虜たちとの交流がひろがります。
 映画は優しく気持ちの良い作品になっています。日本映画もやればできるんだと思うような秀作。
 ☆☆☆☆
バンド・オブ・ブラザース Band of Brothers
   第2〜4巻

 製作総指揮 スティーブン・スピルバーグ
       トム・ハンクス
 監督 ミカエル・サロモン
     デビッド・ナッター他
 原作 スティーブン・E・アンプローズ
 脚本 マックス・フライ
     グラハム・ヨスト他
 撮影 レミ・アデファラシン
     ジョエル・ランサム
 音楽 マイケル・ケイメン
 出演 ダミアン・ルイス
     ロン・リビングストン他
 音声 英語・日本語
      2001年アメリカ 全5巻合計約10時間
          アミューズピクチャーズ 各巻¥3192 
 米陸軍101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊の第2大隊に属するE中隊の兵士たちによる、第二次世界大戦の「ノルマンディ降下作戦」からドイツの降伏、終戦までの戦いの軌跡を描いた物語。「プライベート・ライアン」で描ききれなかった、戦場の兵士たちの心の葛藤や恐怖、戦争への疑問など。
 戦闘シーンは「プライベート・ライアン」を凌ぐ迫力とスケールです。これがテレビ用映画だとは思えませんね。
 出演は知らない俳優ばかりで、それがかえって現実感があるのでしょう。戦争映画の好きな人は必見です。
 DVDは全5巻で、合計10時間余の大作。全部は買えないので、とりあえず2巻〜4巻を購入しました。
 ☆☆☆☆
モロッコ  Moracco

 監督 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
 脚本 ジュールス・ファースマン
 原作 ベノ・ヴィグニー
 撮影 リー・ガームス
 音楽 カール・ヨハンス
 出演 ゲイリー・クーパー
     マレーネ・ディートリッヒ
     アドルフ・マンジュウ
 音声 英語

     1930年アメリカ映画 90分 モノクロ
      宝島社 ¥500(「上海特急」と2枚組)
      マックスター版は日本語吹替音声収録
 1930年アメリカ映画の名作。主演のゲイリー・クーパーとマレーネ・ディートリッヒは同じ年(1901)生まれなので、この時29歳です。

 アフリカのモロッコを舞台に、酒場の歌手(M・ディートリッヒ)と外人部隊の兵士(ゲイリー・クーパー)の恋を描いている。ラストは戦地に向かうクーパーたち兵隊の後を追って、ディートリッヒがハイヒールを脱ぎ捨てて、砂漠を歩き出すのですね。戦地に向かう兵隊を慕って、何人かの女性達が無謀にも後を追う。
 マレーネ・ディートリッヒを初めて見ました。ちょっとタレ目の、退廃的なムードを持つ酒場の歌手の役。
 地の果てともいえるモロッコに流れてきた女。クーパーが彼女に「なぜモロッコに来たのか?」と問うと、「あなたはなぜ兵隊になったのか?と訊かれて答えるかしら?」と。クーパーは「兵隊になる前の暮らしはすべて忘れた。捨てたんだ」と答える、それと同じなんですね。
「女も闘っているのよ。兵隊さんのように軍服も軍旗もないけれど、勲章ももらえないけれど、でも闘っているのよ」というディートリッヒの名台詞。
 人生に疲れた男女がモロッコという砂漠の街で出会って恋をする。そんな話でした。クーパーが二本指で敬礼するのがカッコ良くて、マネしたくなります。

 外人部隊が出るのですが、字幕はなぜか外国人部隊となっている。
 フランスの外人部隊ですが、自国民の戦死が多いために、批難されるのを恐れた政府が外国人を雇ったという傭兵部隊なんですね。現代でもまだ存在するそうです。
 ☆☆☆☆★
砂漠の鬼将軍  The Desert Fox

 製作 ナナリー・ジョンソン
 監督 ヘンリー・ハサウェイ
 撮影 ノーバート・プロディン
 出演 ジェームズ・メイソン
     ジェシカ・タンディ
     レオ・G・キャロル
 音声 英語・日本語
     1951年アメリカ映画 88分 モノクロ
       マックスター ¥480
 1951年作品。ジェームズ・メイソンがドイツ軍のロンメル将軍を演じている。北アフリカ戦線で「砂漠の狐」と呼ばれ神出鬼没、騎士道精神を発揮して、勇名をはせたロンメル将軍の伝記映画です。
 ドイツ軍の勇将として敵であるイギリス将兵からも尊敬されたという。そんな彼がヒトラー暗殺計画に荷担して、そして最後は服毒自殺を強制される。
 ロンメルを演じるジェームズ・メイソンが素晴らしい。奥さん役のジェシカ・タンディも良かったし、忠義者の副官を演じているのは、のちに悪役俳優になるリチャード・ブーンでした。ルントシュテット元帥の役はレオ・G・キャロル(ナポレオン・ソロの課長役の人です)。
 戦闘シーンは記録フィルムばかりですが、戦争映画としては名作だと思います。

 このマックスター廉価DVDの日本語吹替えは、演出が少々オーバー気味かなと思うけど、軍事用語も適切だし、良くできていて面白く見られます。ちょっとハマりそう。
 ☆☆☆★
頭上の敵機  Twelve O’Clock High

 製作 ダリル・F・ザナック
 監督 ヘンリー・キング
 脚本 バーン・レイ・Jr
     サイ・バートレット
 撮影 レオン・シャムロイ
 音楽 アルフレッド・ニューマン
 出演 グレゴリー・ペック
     ディーン・ジャガー
     ゲイリー・メリル、ヒュー・マーロウ
 音声 英語・日本語
      1949年アメリカ映画 132分モノクロ
       マックスター ¥480
 1949年度アカデミー助演男優賞受賞(ディーン・ジャガー)。1942年、第二次大戦下のヨーロッパ。ドイツ本土への白昼爆撃が強行され、多大の犠牲を払うアメリカ陸軍爆撃隊の苦闘を描く。
 他部隊に比べて損害が大きい918航空群を立て直すために、人情派の指揮官に代わって、新任のサベージ准将(G・ペック)が新指揮官となる。厳しい態度で部下に臨み、猛訓練を課す新指揮官に部下は反発するが・・・。
 組織にとって最も重要なことは何だろうか?を考えさせられます。実物のB−17爆撃機が登場。冒頭の不時着シーンは特撮ではなく、本物です。空中戦シーンは戦時中の記録フィルムが使われています。 480円だけど画質は良い。
 ☆☆☆★
硫黄島の砂 Sands of Iwojima

 監督 アラン・ドワン
 音楽 ヴィクター・ヤング
 出演 ジョン・ウェイン
     ジョン・エイガー
     1949年アメリカ映画 110分
       マックスター ¥480

コレヒドール戦記
    They Were Expendable

 監督 ジョン・フォード
 出演 ジョン・ウェイン
     ドナ・リード
      1945年アメリカ映画 135分 モノクロ
        マックスター ¥480
「硫黄島の砂」(49)は、ジョン・ウェインが海兵隊の鬼軍曹を演じている。奥さんが子供を連れて出て行った?みたいで、手紙を出しても返事がこないので悩んでいる。部下には厳しくしごいているけど、そんな悩みがあって酒を飲むと酔いつぶれてしまうんですね。
 ラストはすり鉢山に星条旗を立てる寸前に飛来した銃弾に倒れる。これは意外でした。懐から子供への書きかけの手紙が見つかって、部下たちが読む場面にちょっとウルウルっとなった。
 ☆☆☆★

「コレヒドール戦記」(45)は同じジョン・ウェインですが、フィリピンを舞台にした魚雷艇隊の話です。
 アメリカ海軍の小さな魚雷艇部隊。あのジョン・F・ケネディ大統領が戦時中に艇長をしていたというエピソードがありますが、あのPT魚雷艇です。思っていたイメージよりも大きいのが新発見でした。
 監督がジョン・フォードで、「駅馬車」や「荒野の決闘」など西部劇の監督かと思えば、戦時中は記録映画を撮ったり、このような戦争映画もあるし、ジョン・ウェインだって同様。
 劇中に流れる音楽はアメリカ民謡で、西部劇で聴かれるものでした。画質はちょっとピンボケぎみ。
 ☆☆☆
戦場  Battleground

 製作 ドア・シャーリー
 監督 ウィリアム・A・ウェルマン
 脚本 ロバート・ピロッシュ
 撮影 ポール・C・ヴォーゲル
 出演 ヴァン・ジョンソン
     ジョン・ホディアク
 音声 英語のみ
     1949年アメリカ映画 118分モノクロ
      コスミック出版 ¥500
 1944年12月、ベルギーのバストーニュを守備するアメリカ第101空挺師団。クリスマス間近で楽観ムードだった彼らは、予期せぬドイツ軍の反撃にあう。包囲され孤立した兵隊たちの日常を淡々と描く。
 はでな盛り上がりがなく、退屈と言えるかもしれないが、有名俳優を使わず、特定の主人公のいない作品です。「バンド・オブ・ブラザース」と似ていますね。悪天候の中で孤立した部隊ですが、天候回復すると味方機が飛んできて敵を一掃。輸送機の大群が補給物資を落としてくれるのは、さすがアメリカです。
 ☆☆☆★

テレビ映画 「コンバット!」 COMBAT!   NHK−BS2での放送は2009年3月6日で終了。
「コンバット!」は第二次大戦の欧州戦線を舞台に、ノルマンディに上陸したアメリカ陸軍歩兵小隊の戦いを描いたドラマです。
 昭和37年(1962)11月から昭和42年(1967)9月まで、TBS系にて全152話が放送されました。製作はセルマー・プロ。

 第1話「ノルマンディに上陸せよ」から第127話「丘は血に染まった」までが白黒。第128話「ならず者部隊」から最終回第152話「さらば戦場」までがカラーです。

 冷静沈着な小隊長ヘンリー少尉(リック・ジェイソン)と勇猛果敢な分隊長サンダース軍曹(ヴィック・モロー)を主人公に、個性的な部下の兵隊たち。毎回、戦場における多彩なエピソードが描かれ、有名な俳優たちもゲスト出演しています。
 オープニングで、テーマ曲が流れてタイトルが出るとワクワクしました。音楽はレナード・ローゼンマン。テレビドラマ主題曲ではラロ・シフリンの「スパイ大作戦」と共に最高の名曲です。

 テレビ映画ながらも、感心するのは登場する銃器類です。ヘンリー少尉のM1カービン。サンダース軍曹のトンプソンM1928短機関銃(コッキング・ハンドルが上面にある)。カービーが持っているブローニングM1918軽機関銃(BAR)。ケーリーやリトルジョンたちのM1小銃。そしてドイツ兵のモーゼル小銃Kar98やMP40短機関銃(俗に言うシュマイザー)など、本物の銃が使用されています。
 それぞれの銃音が再現されているのが芸の細かい所で、音を聞いただけで敵味方がわかります。日本映画では絶対にできないことです。

「主人公たちが死なないご都合主義」と言われますが、死んじゃったら物語が終わってしまうので当たり前です。それにベテランが生き残って、死ぬのは経験が浅い補充兵ばかりというのも現実がそうなんでしょう。

 見どころはサンダース軍曹の魅力で、その状況に応じた的確な指揮と、兄貴分として分隊をたばねる存在感は、部下から大きな信頼を得ています。「軍曹の言うとおりにやっていれば大丈夫」なんだと。これは私たちの職場でも参考になるのでは。

 映画「プライベート・ライアン」や約10時間余のTVドラマ「バンド・オブ・ブラザース」を見た後では、戦闘場面の描き方など他愛なさを感じますが、現代のテレビでは見られない内容の濃い物語です。このような番組が昔は夜8時台に毎週放送されていたのですね。テレビ映画史上に残る傑作といえるでしょう。

「ケーリー、先導しろ」「小休止」「カービー!援護しろ!」こんなセリフがあって、軍隊用語を覚えました。
 極めつけは「チェックメイト、キングツー、こちらホワイトルーク、どうぞ」と無線通信するシーンで、子供の頃にマネをして遊びました。
 最近までずっと「ホワイトロック」だと思っていましたが、チェス用語なので「ホワイトルーク」が正しいそうです。でも、私の聞き違いでなく、放送を見ると確かに「ホワイトロック」と言っています。途中から修正されましたが、吹替えも間違っていたんですね。

■出演
  ヘンリー少尉  ・・・ リック・ジェイソン 声: 納谷悟朗
  サンダース軍曹 ・・・ ヴィック・モロー 田中信夫
  カービー ・・・ ジャック・ホーガン 羽佐間道夫
  ケーリー ・・・ ピエール・ジャルバート 山田康雄
  リトルジョン ・・・ ディック・ピーボディ 塩見竜介
  カーター ・・・ コンラン・カーター 嶋 俊介
■ゲスト俳優
 ジェフリー・ハンター ・・・第4話「わが心との戦い」
 リー・マービン ・・・第31話「また一人減った」
 ジェームズ・コバーン ・・・第33話「仮面のドイツ兵」
 チャールズ・ブロンソン ・・・第92話「爆破命令」
 ジェームズ・フランシスカス ・・・第137話「生と死の間」
 ロバート・デュバル ・・・第141話「助けを呼ぶ声」
 テリー・サバラス ・・・ 第144話「もう帰ってこない」


■ヘンリー少尉が指揮する小隊は、米陸軍第21歩兵師団第361歩兵連隊、(大隊は不明)、K(キング)中隊に属する第2小隊です。
 でも現実には第二次大戦時におけるアメリカ陸軍には、第21歩兵師団は存在しません(第20〜22は欠番であり、第23、第24歩兵師団の戦域は太平洋)。
 彼らはノルマンディ反攻作戦のオマハ海岸に上陸するという設定ですが、オマハ海岸に敵前上陸したのは第1歩兵師団の第16連隊と、第29歩兵師団の第116連隊であって、第361連隊という部隊は上陸していない。

 第1師団の編制は第16、第18、第26連隊からなっていて、第29師団は第115、第116、第175連隊です。

 そもそも第361歩兵連隊なるものが実在するのだろうか?。
 私が調べた限りではアメリカ陸軍のどの師団にも、そのような連隊はありません。第21師団が実在しないいじょうは、第361連隊も架空とすべきなのでしょう。それでも実在すると云うならば、その所属師団を明記すべきです。




 放送作品全リスト



 トンプソンM1A1短機関銃
45口径(11.43mm)
 装弾数20発、30発。写真は20発弾倉。重量4.98kg。
使用弾種はコルト45拳銃と同じで、45口径ACP弾。
トンプソン短機関銃は禁酒法時代の警察やギャングが使い、その後1940年に軍が採用した。M1A1は戦時簡略化タイプ。
 サンダース軍曹が使っているのはM1928。


 M1カービン
30口径(7.62mm)
 装弾数15発。重量2.49kg。
 M1小銃では大きすぎる通信兵、砲兵、工兵、将校用の短小銃。「カービン」とは騎兵用小銃の意味。小隊長のヘンリー少尉が使っている。


 M1小銃「ガーランド・ライフル」
30口径(7.62mm)
 装弾数8発。重量4.30kg。
 1936年完成のアメリカ軍の制式小銃。
8発ワンセットの挿弾子(クリップ)を使用して装弾する。全弾を撃ちつくすと自動的に挿弾子がはじき出される。自動装填式で、連射が可能。
 使用弾は30−06スプリングフィールド弾。30−06とは1906年に採用された30口径弾の意味。「コンバット!」ではケーリーが連射で敵を倒すシーンがある。

 「バンド・オブ・ブラザース」 Band of Brothers   これがテレビ映画だなんて!
 映画「プライベート・ライアン」(98)の監督スピルバーグと主演俳優のトム・ハンクスが製作した、「バンド・オブ・ブラザース」は全10話、約10時間余のテレビドラマです。

 米陸軍101空挺師団第506落下傘歩兵連隊の第2大隊に属するE中隊。
 第二次大戦の「ノルマンディ降下作戦」からオランダでの「マーケット・ガーデン作戦」、ドイツ軍最後の反撃「バルジの戦い」、そしてヒトラーの隠れ家「イーグルズ・ネスト」占拠、強制収容所の解放、終戦までの軌跡を、実際にE中隊に所属した兵士たちの証言を元にした物語です。 

 製作費は1億2000万ドル(約150億円)、セットは「プライベート・ライアン」の5倍の規模、過酷な戦争の現実を描いた感動作品です。
 出演は中隊長のウィンターズ中尉にダミアン・ルイス、ニクソン少尉にロン・リビングストンなど、名前の知らない俳優ばかりです。特定の主人公がいない群像劇で、物語性が薄いぶん、生々しい現実感のある戦場描写があります。 

 なぜ戦うのか?なぜ戦わなければならないのか?最前線に投入された兵士たちの恐怖と義務と責任感。見ていて、自分だったら、どのように行動するだろうか?と考えてしまいます。 
 アメリカが善でドイツが悪という単純なものでなく、アメリカ兵もドイツ兵も、自分たちの義務を果たすために戦ったのだという主張。状況が異なれば、親友になれたかもしれないと。
 激戦が終了すれば、人間の本性が現れ、降伏した敵に敬礼をする兵隊がいる一方で、泥酔して味方を撃ったり、掠奪のために捕虜を射殺する兵隊もいる。

 最終章で、投降したドイツの将軍が部下たちに演説します。「諸君は国のために一所懸命に戦った。私は君たちとともに戦えて幸福である。戦場で生まれた絆は美しく強いものだ」と。 
 これを聞いているウィンターズ少佐(物語の進行とともに昇進)には、自分の思いでもあるのですね。「兄弟の絆、バンド・オブ・ブラザース」です。 


「プライベート・ライアン」でもそうでしたが、物語中でドイツ軍が出てくると、ドキドキする怖さを感じます。砲弾の炸裂、銃弾が飛び交って、いつ自分が撃たれるかわからないような恐ろしさがあります。 
 映画の中の兵隊たちがタバコを吸うシーンを見ていると、喫煙習慣のない私でも、戦場に送り込まれたら、きっとタバコを吸わないと神経が耐えられないのではないか。
 戦闘シーンは、これがテレビドラマかと信じられないくらいです。第3話「カランタン攻略」で、ドイツ戦車が出てきて味方が苦戦におちいり、森の中からカナブンのようなM4戦車の群れが現れたときの安堵感。 
 第4話「補充兵」の戦闘シーンも、かつて見たことがないような迫力があります。(右へ→)

 MG42機関銃
 口径7.92mm。ベルト給弾式。
 ドイツ軍の代表的軽機関銃です。重量11.6kgは軽機関銃としては重く、重機関銃としては軽いという中間的な存在。写真は二脚架の軽機関銃仕様で、三脚架に乗せた重機関銃仕様もあります。 

「コンバット!」ではこの機関銃に待伏せされたサンダースの分隊が無傷で、逆に相手を全滅させるという非現実的なシーンがあります。
 MG42の待伏せにあったら、まず助からないでしょう。「バンド・オブ・ブラザース」にも「MG42」という固有名詞が出てきます。 


第1話「翼のために」
第2話「ノルマンディ降下作戦」
第3話「カランタン攻略」
第4話「補充兵」、
第5話「岐路」
第6話「衛生兵」
第7話「雪原の死闘」
第8話「捕虜を捉えろ」、
第9話「なぜ戦うのか」
第10話「戦いの後で」、 以上10話構成です。

 2005年11月にAXN(スカパー!ch725)で放送された。
 2001年度エミー賞作品賞、監督賞、他多数受賞(TVムービー/ミニシリーズ部門)
 2001年度ゴールデン・グローブ賞最優秀作品賞受賞(TVムービー/ミニシリーズ部門)



(→) これまでの戦争映画に登場するドイツ軍の戦車は、アメリカのM41やM48などをドイツ戦車に見立てたもので、どうしても違和感がありましたが、この「バンド・オブ・ブラザース」に出てくるドイツ戦車は、おそらく改造車だけれど、とても良くできています。これまでの弱いドイツ軍じゃなく、強力で恐ろしいドイツ軍です。 

 全10話の中では、若い衛生兵の、救護所で働く看護婦への淡い恋心を描いた第6話「衛生兵」と、第7話「雪原の死闘」が優れていると思います。とくに「衛生兵」は一本の映画としても成立するのではないでしょうか。
まだまだあるよ、戦争アクションテレビ映画
■「ラットパトロール」 The Rat Patrol
 昭和41〜43年(1966〜68)放送。全58話。

 アフリカ戦線を舞台に、アメリカ軍のトロイ軍曹(クリストファー・ジョージ)が3人の仲間と共に2台のジープでサハラ砂漠を駆け回る。 
 相手はドイツアフリカ軍団のロンメル将軍と言いたいところですが、実際の相手はディートリッヒ大尉(ハンス・グデガスト)でした。 
 CMを含めて30分もの。この種のドラマで30分ものは珍しいですね。
「コンバット!」に比べると物語的には劣るけれど、12.7ミリ重機関銃を装備した2台のジープが砂丘を大きくジャンプするシーンの格好良さや、戦車やハーフトラックが毎回登場するなど、スケールの大きさやアクション面ではしのいでいます。砂漠を舞台にしているのも珍しくて楽しかったです。 

 トロイ軍曹・・・・クリストファー・ジョージ(声・小林昭二)
 モフィット軍曹・・・・ゲイリー・ハモンド
 ヒッチコック二等兵・・・・ローレンス・ケーシー
 ペティグリュー二等兵・・・・ジャスティン・タール(愛川欽也)
 ディートリッヒ大尉・・・・ハンス・グデガスト(納谷悟朗)

■「特攻ギャリソン・ゴリラ」 Garrison’s Gorillas
  昭和43年(1968)放送。全26話。

「コンバット!」と同じセルマー・プロ製作の戦争アクションドラマ。
「俺は隊長のギャリソン中尉だ。4人の部下は正規の軍人じゃない」
というオープニングナレーション。 
 隊長のギャリソン中尉(ロン・ハーパー)以下、ペテン師、金庫破り、殺し屋、掏摸(すり)の4人の命知らずのならず者たちが敵中奥深くに潜入、破壊活動をおこなう。
 服役中の囚人に特赦を与えて作戦に使用するという設定は、映画「特攻大作戦」(67)が元になっているようです。 
 これは常々、もう一度見たいと思っているのですけど、どこかで放送してくれないかなあ。

 ギャリソン中尉・・・・ロン・ハーパー(声・田口計)
 ペテン師アクター・・・・チェザーレ・ダノーヴァ(森山周一郎)
 ナイフ投げのアパッチ・・・・ブレンドン・ブーン(中田浩二)
 金庫破りのカジノ・・・・ルディ・ソレリ(渡部 猛)
 スリと忍びのイタチ・・・クリストファー・ケリー(内海賢二)


 「ラットパトロール」のオープニング。
 トロイ軍曹(上)と ドイツ軍のディートリッヒ大尉(下)