西部劇映画DVD
         2007.4.10

■子供の頃、テレビの洋画劇場では西部劇映画がよく放送されていました。 

「アパッチ砦」 「黄色いリボン」 「エルダー兄弟」 「リオ・ブラボー」のジョン・ウェイン。そして「OK牧場の決斗」 「帰らざる河」 「真昼の決闘」 「ヴェラクルス」などの名作を通して、ゲイリー・クーパーやロバート・ミッチャム、バート・ランカスターといった大スターを知りました。
 

 
連邦保安官や町の保安官、ならず者、流れ者のガンマン、牧場主とカウボーイ、酒場女。
 駅馬車と開拓者の幌馬車、辺境を守る騎兵隊とインディアンの襲撃。 
 
雄大な大自然の中で、誇り高く、たくましく生きる男たちの心意気。それを支えるやさしい女たち。そしてガンファイト。

 現在は映画館でもテレビでも見られなくなった西部劇だけれども、DVDが次々と発売されるのは、年配の方たちに根強いファンが存在するのでしょう。

 逆境に立ち向かう勇気、女性に対する敬意、友情や家族の絆を教えてくれる西部劇は格好良い男たちの世界です。



 西部劇の大スター ジョン・ウェイン
■先日、ジョエル・マクリーの「西部の王者」(44)と「昼下がりの決斗」(62)を見ました。 
 
ジョエル・マクリーはランドルフ・スコットやオーディ・マーフィなどと共に西部劇関連の本でよく目にする俳優の名前ですが、私の世代のスターではないし、テレビでも見る機会が少なかったせいか、あまりなじみがありません。 

 
私にとっての西部劇スターは、なんと言ってもテレビ洋画劇場での放送が多かったジョン・ウェインです。
 私が映画を見るようになった頃にはまだ現役で活躍していましたし、「勇気ある追跡」(69) 「大いなる男たち」(69) 「リオ・ロボ」(70)などは劇場公開を見ました。 
「駅馬車」(39)はリバイバル上映です。
「黄色いリボン」(49) 「騎兵隊」(59) 「リオ・ブラボー」(59) 「エル・ドラド」(66)などは三本立て映画館やテレビ放映、ビデオ、DVDでの鑑賞です。
 

 
193センチの長身で大きな体格。拳銃よりライフル銃が似合う男。牧場主や騎兵隊の将校、町の保安官など、頑固で不器用だけどたよりになる男を演じました。 
 
ライフルを振り回すだけが能の大根役者とか、お山の大将とか、悪く言う人もいるようですが、私には最高のスターです。 

■ハワード・ホークス監督の西部劇三部作といわれる「リオ・ブラボー」(59) 「エル・ドラド」(66) 「リオ・ロボ」(70)は、ジョン・ウェインにとっても代表的作品です。
 

「リオ・ブラボー」では保安官の役で、アル中の助手と早撃ち自慢の若者、老人の4人で事務所に立て籠もって、町の実力者と戦うという話です。つづく「エル・ドラド」も同様の設定。北軍の大佐に扮する「リオ・ロボ」は、かつての敵だった南軍の若者たちが仲間です。
 

 
この痛快な娯楽活劇3作品でのウェインは貫禄充分な主役ですが、父親的存在として一歩さがって見守っているという役割です。 
 
晩年の作品で若者や女性を相手に見せる、はにかむような笑顔が良いですね。真に強い男のやさしさだと思います。 

「勇気ある追跡」(69)は、仇討ちの少女(キム・ダービー)に助太刀する片目の老保安官役で、飲んだくれの醜態を演じて少女にやり込められながらも、孫娘を相手にするようなやさしさを見せます。
 
 
敵との対決シーンでの、馬上で手綱を口にくわえ、左手に拳銃、右手のライフルをクルッと回して装填し、4人の敵に向かってゆく迫力は、まさに原題「True Grit 」のとおり「本当の肝っ玉」。崖上で見ている少女が「あれこそ本当の男だわ!」と感嘆するシーンは忘れられない。 

■「ジョン・フォードの騎兵隊ものは西部劇ではなく戦争映画で、大嫌いだ」という人がいますが、私はそうは思いません。
 
「黄色いリボン」(49)は辺境の騎兵隊もので、私の大好きな作品です。赤茶けた大地、巨大な岩山、青い空。広大な西部の大自然を美しく描いています。馬から降りて手綱を引いて歩く騎兵隊。馬をいたわっているのですが、実際に馬や騎兵隊の行軍を知る人が作ったと思う、リアルなシーンです。
 
 
西部の大自然を背景に、粛々と進む騎兵隊の隊列。これだけでもりっぱな西部劇です。
 退役間近の老大尉(ジョン・ウェイン)の心情を描いているので、ある程度の年齢に達した人ならば共感できるという作品なのでしょう。(右へ→) 


 ジョン・ウェインさんの代表作「勇気ある追跡」(69)と
 「リオ・ブラボー」(59)、「エル・ドラド」(66)、「リオ・ロボ」(70)。


【 ジョン・ウェイン John Wayne 】
 1907年5月26日、アイオワ州生まれ。本名はマリオン・マイクル・モリソン。両親はアイルランド系。
 B級西部劇に出演しながら苦労を重ね、1939年、ジョン・フォード監督に抜擢され、「駅馬車」にリンゴ・キッド役で主演。一躍スターになる。
 1969年、「勇気ある追跡」で第42回アカデミー賞主演男優賞を受賞。1979年6月11日、癌のため死去。

 私が選ぶジョン・ウェインのベスト5作品は
「駅馬車」 「黄色いリボン」 「リオ・ブラボー」 「勇気ある追跡」 「リオ・ロボ」。
 
 
次点として西部劇ではないけど「ヘルファイター」(68)です。
「ヘルファイター」は油田火災消火のプロフェッショナルたちを描いた作品で、娘役のキャサリン・ロスさんがステキです。



(→) 若い部下の指導、定年退職を間近にひかえた寂しさ、先立った妻への思い。老大尉が亡き妻の墓に近況を報告していると、部隊長の姪(ジョーン・ドルー)が花を持ってくる。彼女を見送った大尉が「良い娘だ。昔の君を思い出す」と墓に語りかけるシーンは目頭が熱くなります。 

「捜索者」(56)は騎兵隊ものではありませんが、「黄色いリボン」と同じく、モニュメント・バレーの大自然が美しく、スケール感たっぷりに描かれる。
 
 
兄一家をインディアンに惨殺されて憎悪に燃える男を演じるジョン・ウェインの演技は、「黄色いリボン」の老眼鏡を取り出して部下から贈られた懐中時計を見る老大尉や、「赤い河」(48)の独善的で頑固な牧場主の役とともに、もっと評価されるべきで、いわれるような大根役者では、決してありません。 
 
ジョン・フォード監督はモニュメント・バレーの大自然がお気に入りらしく、「駅馬車」(39) 「荒野の決闘」(46)なども同地をロケ地にしています。 


【ジョン・フォード John Ford 】
  1894年2月1日オレゴン州生まれ。1973年8月31日没。
 両親はアイルランド系。 高校卒業後、兄の働くハリウッドで助監督を務め、間もなく監督となる。当初はジャック・フォードを名乗り、後にジョン・フォードに改名。
 1924年の「アイアン・ホース」で第一線監督となる。
 35年の「男の敵」でアカデミー賞を受賞。
「駅馬車」(39)「怒りの葡萄」(40)などの不朽の名作を撮り、代表作に「荒野の決闘」(46)「黄色いリボン」(49)「捜索者」(56)「騎兵隊」(56)などがある。生涯で百数十本の監督作品を残した。
 騎兵隊三部作といわれるのは「アパッチ砦」(48・日本公開は52年)「黄色いリボン」(49・公開51年)「リオ・グランデの砦」(50・公開51年)のこと。 
 
1973年に癌で死去。

 私の思い入れがある作品
 子供の頃から西部劇に慣れ親しんだ私たちとは違って、現代の若い人は西部劇を見たことがないと言います。確かにテレビで放送されることもなく、映画館でも西部劇なんてやってませんし、見る機会がなくなったのですね。 

「幌馬車や駅馬車って何?」と言われても不思議ではなくなっています。「西部劇は嫌いだ」と断言する人もいるけれど、はたしてどれだけの西部劇を見ての発言なのでしょう?、見ず嫌いなのかもしれない。
 
 
素晴らしい作品がたくさんあるのに、それを「昔の映画は見ない、興味ない」と、偏見で切り捨ててしまうのはもったいないと思います。 


●「プロフェッショナル」(66) 
 
西部劇には20世紀初めのメキシコ動乱の時代を背景にした作品がありますね。
 この作品もそうで、テキサスの大富豪から、革命軍くずれの山賊に誘拐された妻を取り戻すべく依頼された4人の男が動乱のメキシコにおもむくというアクション劇です。 
 
それぞれ特技を持つ男たちが協力して困難な任務に立ち向かうという設定は、戦争映画「ナバロンの要塞」から始まったと思っているのですが、それが西部劇に取り入れられた作品。 
 
リーダーのリー・マーヴィンと爆破のプロであるバート・ランカスター、偵察のプロを寡黙に演じるウディ・ストロードがカッコ良い。 
 
クラウディア・カルディナーレ(イタリア女優)も今見ると懐かしいです。

●「マッケンナの黄金」(69)は宝探し冒険物の西部劇版。
 
 
アパッチの老酋長が持っていた黄金の谷を示す古地図を見た保安官マッケンナ(グレゴリー・ペック)が無法者につかまり、黄金の谷に案内させられる。そそり立つ岩山と砂漠を舞台に、黄金をめぐって男たちの欲望がうずまくスペクタクル西部劇。 
「ゴ〜ルド、ゴ〜ルド♪」と主題歌が入るオープニングの上空を舞うハゲタカの視界になった俯瞰撮影がすばらしいです。監督は「ナバロンの要塞」のJ・リー・トンプソン。
 

●「ワイルドバンチ」(69)は、マカロニウエスタンがなかったなら生まれなかっただろう作品。
 
 
マカロニの影響を強く受けていながらも、さすがサム・ペキンパー監督だけあって洗練された演出です。
 血がほとばしる凄まじい銃撃戦。散弾銃、自動拳銃、重機関銃を使っての大殺戮。これもメキシコ革命を背景にしている。 
 
新時代に取り残された強盗団の末路を描いているのですが、男たちの死に様が感動的で、これを見て涙しない人は男じゃないといっても良いくらいです。 
 
50歳以上の年齢の男性なら主人公たちの気持ちが理解できるのではないでしょうか。




●「レッド・サン」(71) 
 
なんとフランス製西部劇。日本から米大統領に親善のため派遣された特使が強盗団に襲われる。 
 
奪われた宝刀を取り戻すべく三船敏郎さんとチャールズ・ブロンソンが強盗団首領のアラン・ドロンを追跡することになり、三船さんとブロンソンの間に友情が芽ばえる。クライマックスの草原で、包囲するシャイアン族が放火する中での戦いも見所です。 
 
三大スター競演、女優陣もアーシュラ・アンドレス、キャプシーヌなど豪華メンバー。監督は「007」のテレンス・ヤング。 

●「OK牧場の決斗」(57)
 
 
保安官ワイアット・アープ一党とクラントン一家の対立、決闘を描いた本格正統派西部劇。ジョン・スタージェス監督の代表作です。 
 
バート・ランカスター演ずるW・アープとカーク・ダグラスのドク・ホリディの友情(腐れ縁?)。フランキー・レインの主題歌が場面を盛り上げます。 
 
スタージェス監督は、決闘の後日談として「墓石と決闘」(67)を撮っていて、ジェームズ・ガーナーのアープとジェイスン・ロバーズのドクという別キャストだけど、静かな二人の男っぷりが魅力的な傑作となっている。 

 西部劇の衰退 と イタリア製西部劇マカロニウエスタン
■1964年、イタリア製西部劇「荒野の用心棒」が世界的に大ヒットしました(日本公開は65年12月)。監督はボブ・ロバートソンという変名を使ったセルジオ・レオーネです。 
 
続けて「夕陽のガンマン」(65・日本公開は67年1月)「続 夕陽のガンマン」(66・公開は67年12月)が公開され、主演のクリント・イーストウッドが一躍スターになりました。エンニオ・モリコーネの主題曲も大ヒットして、マカロニウエスタンが一世を風靡したのです。 

 
1960年代は西部劇の衰退時代といわれます。アメリカが、自らの歴史である西部開拓史に自信が持てなくなった時代。先住民族への迫害と偏見への反省から、西部劇でインディアンを悪役として描けなくなってしまいました。 

「ソルジャー・ブルー」(70)は騎兵隊によるインディアン虐殺を告発した作品です。アメリカが先住民族に対する侵略行為を反省して、互いの文化を認め合おうとする、新しい歴史観が出てきたのです。
 
 
このことが西部劇を衰退させたというのが定説です。しかし、インディアンを悪役にした作品は全西部劇のうちでどれぐらいの割合なのか? インディアンの登場しない作品の方が圧倒的に多いのではないか。 

 
西部開拓史の見直しが西部劇を衰退させたというのは、短絡的すぎるようです。確かにひとつの原因かもしれないけれど、それだけではないでしょう。 
 
1960年代から70年代は映画の観客数が減少した時代です。観客が減っている時に、おもに男性だけを対象にした西部劇や戦争映画を作っていては産業としてやって行けなくなるのは当然のことです。 

 
それと、作られる西部劇自体にも魅力がなくなり、つまらなくなっていたのではないだろうか。
「シェナンドー河」(65)という作品が良い例です。南北戦争の戦時下、南部で農場を営む、平和主義の主人公の家族が中立の立場を守ろうとしますが、否応なく戦争に巻きこまれてゆくという物語。
 
 
1965年度の全米映画興行成績第6位のジェイムズ・スチュワート主演作品です。
 映画としては優れているとしても、しかし西部劇として見ると少しも面白くない。テーマ性を重視するあまり、西部劇の娯楽性を失ってしまったのです。 

 
西部劇はあくまでも娯楽であり、ファンが求めるのは痛快感であり、「ああ面白かった」という満足感です。その頃の西部劇はマンネリ化し、ヒーローが活躍する娯楽活劇が少なくなっていたのではないか。 

 
そういう時代に登場したのがイタリア製西部劇です。イタリア映画が主にスペインの荒野地帯で撮影した西部劇で、復讐をテーマにした、銃声と硝煙があがる撃ち合い(ガンファイト)を重視した単純明快なストーリー。 
「続 荒野の用心棒」(66) 「真昼の用心棒」(66) 「星空の用心棒」(67)などのフランコ・ネロやジュリアーノ・ジェンマたち、二枚目俳優が演ずる主人公の格好良さを売り物にしたのが大当たりしました。
 

 
アメリカ西部劇では、主人公のヒーロー性、格好良さというのが失われていて、人道主義におちいり、極悪人を容赦なく撃ち倒す痛快さがなくなっていた。だからマカロニの方がずっと娯楽西部劇的というか、西部劇本来のおもしろさがあったのだと思います。 

 
ヒゲ面の、薄汚れた服装にガンベルト、暗い過去を背負った主人公たち。スペインやユーゴスラヴィアで撮影がおこなわれたことによるアメリカ西部の荒野とは雰囲気の異なった、湿度の高さを感じる独特の世界。 

 
しょせん偽物だというのは作っている当事者たちは承知していて、だからこそ本家アメリカ西部劇が忘れていることや、当たり前すぎて気づかない西部劇本来のおもしろさを描けたのかもしれない。 

 
アメリカの文化や民俗などどうでもいい、国籍不明の内容だけれど、それがすごく斬新な魅力で、ガンファイトの「ドギュン、ドギュン」とか「ズギュン、ズギュン」という独特な銃音、早撃ち、曲撃ち、身軽なアクションの格好良さ。それを音楽が効果を盛り上げ、観客は大いにシビレ、1967年を最盛期として一大ブームを起こしました。 

 
私のマカロニ初体験は高校1年の夏休みに見た「星空の用心棒」(67年作、日本公開1968年)。 
 
主演のジュリアーノ・ジェンマが刑務所を脱走して、自分を無実の罪に陥れた奴らに復讐する。最初はヒゲもじゃで髪もボサボサですが、ヒゲを剃って散髪して変身、白いスーツで颯爽と登場。 

 
当時はまだジェンマの名前を知らず、ちょっと哀しげな表情がいいなぁと、初めて見たその顔と雰囲気が強く心に残りました。 
 
妖艶なニエヴェス・ナヴァロさんなど、アメリカ西部劇では見られなかったヒロインです。
 それまではイタリアの西部劇なんて!とバカにしていたのが、こんなにも面白いものかと認識させられ、まさにカルチャーショックでした。 
 
ジュリアーノ・ジェンマの名をあらためて知ったのは、翌1969年初春に見た「さいはての用心棒」。この時にハッキリとジュリアーノ・ジェンマを憶えました。 

 
1971〜75年頃のテレビ洋画劇場では、「荒野の1ドル銀貨」(65) 「南から来た用心棒」(66) 「荒野の一つ星」(67) 「怒りの荒野」(67)など、ジュリアーノ・ジェンマ主演作がさかんに放送され、もしもジュリアーノ・ジェンマさんがいなかったなら、私はマカロニウエスタンのファンにならなかったかもしれません。 

■このマカロニウエスタンの大盛況をアメリカ映画界も無視することができず、その後のアメリカ西部劇に影響を与えました。

 クリント・イーストウッドがアメリカに帰って出演した西部劇の「奴らを高く吊せ」(68) 「真昼の死闘」(69) 「シノーラ」(72) 「アウトロー」(76)。 
 
戦争映画の「荒鷲の要塞」(68) 「戦略大作戦」(69)でも、イーストウッドのキャラクターはマカロニの主人公を思わせます。 

 
そして、この1970年前後にはアメリカ映画が資本を提供してマカロニウエスタンを製作するようになってゆくのです。 
「スパゲッティ・ウエスタン」と呼んで蔑んでいたアメリカ映画界ですが、イタリア製西部劇の商業性を認めざるを得ない時代になったのです。 

「五人の軍隊」(69)は監督がドン・テイラー、主演が「スパイ大作戦」のピーター・グレイブス(丹波哲郎も出ている!)ですが、アメリカ資本のマカロニウエスタンです。他にチャック・コナーズ主演の「七人の特命隊」(70)もそうですね。
 

 
本場アメリカの純正ウエスタンでも、メキシコ革命を背景にした「プロフェッショナル」(66) 「戦うパンチョ・ビラ」(68)や、サム・ペキンパー監督の名作「ワイルドバンチ」(69)は明らかにマカロニを意識しています。(右へ→) 
 



 上段、左から、「夕陽の用心棒」「荒野の無頼漢」「真昼の用心棒」。
 中段は「ウエスタン」「夕陽のガンマン」「続 夕陽のガンマン」。
 下段は「続 荒野の用心棒」と「殺しが静かにやって来る」。
 「100挺のライフル」は、アメリカ映画がマカロニを意識して製作した作品。



【クリント・イーストウッド Clint Eastwood 】
 1930年5月31日、サンフランシスコ生まれ。陸軍時代に演劇に興味を持ち、除隊後、大学の演劇コースに進む。58年にテレビの「ローハイド」にレギュラー出演し注目される。イタリアに渡って出演した1964年の「荒野の用心棒」の世界的ヒットがスターへのきっかけとなった。

【ジュリアーノ・ジェンマ Giuliano Gemma 】
 1938年9月2日、ローマ生まれ。ローマの演劇学校を経て、1958年頃から歴史スペクタクルのエキストラとして映画に出演。
 モンゴメリー・ウッド名義の「夕陽の用心棒」(65・日本未公開)が西部劇初作品。以降、「荒野の1ドル銀貨」 「怒りの荒野」などでマカロニウエスタンのスターとなる。 
 
女性ファンが多く、女子供のアイドルと揶揄される所以。 

【マカロニウエスタン 】
 マカロニ・ウェスタンでもマカロニ・ウエスタンでもなく「マカロニウエスタン」です。
 マカロニとウエスタンの間にコンマを入れず、ウエスタンのエは大きいエと記すべき。
 イタリア製西部劇(アメリカでは「スパゲッティ・ウエスタン」と呼ぶ)が日本で話題になったのは、1965年に公開された「荒野の用心棒」からだと思います。
 しかし、ヨーロッパ(スペイン・ドイツ・イタリアなど)では、それ以前から少ないながらも作られていたそうで、アメリカ製西部劇「荒野の七人」(60)がヨーロッパで大ヒットしたのが、きっかけなのだとか。

 本場アメリカ西部劇のニセ物、まがい物、コピー、という嘲笑の対象だったイタリア製西部劇を、ひとつの映画ジャンルとして世界に認めさせたのが「荒野の用心棒」(64) 「夕陽のガンマン」(65)のセルジオ・レオーネ監督です。 

 
マカロニウエスタンは1960年代に約300本(500本?)が製作され、日本で公開されたのはその内の約70本。だとすると、私は70本も見ていませんし、知らない作品がまだまだ多くあるわけです。

 
(→左から)
■1950年代は西部劇の第二の黄金期といわれます(最初の黄金期は1930年代)。ハリウッドで作られる映画の三分の一が西部劇だったそうです。
 

 
1950年から59年までの10年間に日本で公開された西部劇は384本とされ、最も少ないのが50年の21本。多いのは58年の59本です。太平洋戦争のために遅れて日本に入った作品もありますが、1年間に20本以上も映画館で西部劇が上映されている時代だったとは驚きです。 
 
名作とされる「シェーン」(53) 「真昼の決闘」(52) 「大砂塵」(54) 「OK牧場の決斗」(57)などは、すべてこの50年代の作品です。 

 
そして、西部劇の衰退時代とされる1960年代。しかし60年代後半から70年頃にかけても、依然として現在とは比較にならないくらいに多くの西部劇が作られています。 

 
この頃に公開された主な作品を上げてみると、

「ネバダ・スミス」(65)
 
「プロフェッショナル」(66)
 
「エル・ドラド」(67)
 
「カスター将軍」(67)
 
「レッド・ムーン」(68)
 
「ウィル・ペニー」(68)
 
「100挺のライフル」(68)
 
「明日に向って撃て!」(69)
 
「夕陽に向って走れ」(69)
 
「マッケンナの黄金」(69)
 
「勇気ある追跡」(69)
 
「大いなる男たち」(69)
 
「国境のかなたに明日はない」(69)
 
「ソルジャー・ブルー」(70)
 
「チザム」(70)
 
「リオ・ロボ」(70)
 
「追跡者」(70)
 
「追撃のバラード」(70)
 
「さらば荒野」(71)
 
「11人のカウボーイ」(71)
 
「ワイルド・アパッチ」(72)などなど。
 

 
1970年前後は、ジョン・ウェインを始め、バート・ランカスターやグレゴリー・ペック、スティーブ・マックイーン、チャールトン・ヘストンたち銀幕の大スターが現役で活躍していた最後の時代です。 

「11人のカウボーイ」は、不死身だったジョン・ウェインが初めて殺される役を演じて話題になりました。
 
 
そして「ラスト・シューティスト」(76・公開は79年)では、ジョン・ウェイン扮する癌を宣告された老ガンマンが撃たれて死んでゆく。まさに西部劇の最後を象徴するかのように・・・。 

 
この1970年代を最後に、現実のジョン・ウェインの死(1979年)とともに西部劇はぱったりと作られなくなってしまいました。

 西部の砂塵が似合う男、チャールズ・ブロンソン  インディアンという表記について
■私のいちばん好きな西部劇スターはジョン・ウェインですが、その次は?というと、チャールズ・ブロンソンです。 

 
西部劇では、「荒野の七人」(60) 「戦うパンチョ・ビラ」(68) 「ウエスタン」(68) 「レッド・サン」(71) 「軍用列車」(75) 「ホワイトバッファロー」(77)くらいしか思い浮かびませんが、彼の男臭い、ブ男ながらも強くてたくましいキャラクターは砂塵の舞う荒野によく似合います。 
「レッド・サン」は、なんとフランス製の西部劇で、アラン・ドロン、三船敏郎と共演しています。悪役のドロンと、日本から派遣された武士という設定の三船敏郎を相手に、堂々と存在感を見せつけて、さすが大スターブロンソンの面目躍如です。
 

 
ブロンソンさんは長い間、脇役専門の俳優でした。「荒野の七人」(60) 「大脱走」(63) 「バルジ大作戦」(66)など印象に残る演技を見せていましたが、彼が本格的にスターになるのは、フランスのサスペンス映画「さらば友よ」(68)と「雨の訪問者」(70)で、この2作品の大ヒットで日本でも一躍有名になりました。 

「さらば友よ」はアラン・ドロンと共演。アルジェリア帰りの傭兵の役で、ふてぶてしい役柄が印象的。
 
「雨の訪問者」は雨の夜に、暴行された人妻が犯人を射殺して犯行を隠蔽するが、俺はお見通しだぜという顔のブロンソンが現れて・・・。彼のやさしいフェミニストぶりが魅力的な映画です。
 

 
この後、「狼の挽歌」(70) 「夜の訪問者」(71) 「狼よさらば」(74)などに出演。「ブレイク・アウト」(75)では、初の100万ドルスターとなりました。 
 アメリカ映画だけでなく、フランスやイタリア映画にも出演するなど国際的な俳優のチャールズ・ブロンソンです。
 
「う〜ん、マンダム」という男性化粧品のテレビCMに起用されて、この頃がブロンソンさんの最盛期だったのでしょう。
 
 
(マンダムのCMで有名になったという人がいますが、それは間違いです。それ以前に映画ファンにはよく知られたスター俳優でした) 

 
奥様のジル・アイアランドとは映画でよく共演していました。
「俺の映画では、女優はだれでも良いのさ。だったら女房を使ってもいいじゃないか。ギャラも二人分もらえるしね」と言ったそうですが、ちゃっかりしてるというか(笑)。でも作品中でラブシーンを見せられると、観客はバカバカしいと思ったかも。
 
 
その愛妻とも、1990年に死別して、その頃にはブロンソンの時代は過ぎ去っていました。
 現在のアメリカでは「インディアン」という呼称が差別的だとして、先住民族を「ネイティブ・アメリカン(Native American)」と呼んでいるとされます。 
 
でも逆に、この言い替えを批判する動きがあるそうです。アメリカ先住民族の意思を無視しての言い替えであって、「インディアン」という表記を消し去ることで白人による過去の迫害行為を忘れようとするものだというのです。 
 また誇りを持つ先住民たちは堂々と「インディアン」を自称していて、呼称を言い替える行為そのものが差別であると主張しているそうです。先住民たちは「ネイティブ・アメリカン」よりも「アメリカ・インディアン」という呼称を好むという調査結果があるそうです。 
 アメリカ先住民たちにとって「インディアン」という呼称に不快感はなく、2004年に開館されたワシントンD.C.の博物館は「国立アメリカ・インディアン博物館(National Museum of the American Indian)」という名前だそうです。 

 「軍用列車」(75)と「さらば友よ」(68)
  「狼の挽歌」(70)

 【チャールズ・ブロンソン Charles Bronson】 
 1921年11月3日、ペンシルバニア州生まれ。本名はチャールズ・ブチンスキー。
 父はリトアニアからの移民で、15人兄弟の五男。家計を助けるために、炭坑夫など様々な職を経験。第二次大戦中は陸軍航空隊で爆撃機の機銃手だった。戦後は美術学校に入学。 
 
1951年に映画デビュウ。西部劇などのちょい役として出演。長い脇役時代を送るが、彼の特徴ある顔を見憶える映画ファンもいたそうだ。

 1968年、女優のジル・アイアランドと結婚。多くの夫婦共演作を残し、ジルは1990年に乳ガンで死去。ブロンソンは2003年8月30日に肺炎で亡くなりました。
 身長173センチ(178センチとも。諸説あり)。外国人男性としては小さい方です。共演する女優さんより、少し大きいくらいか。

●西部劇DVDコレクション●
  タイトル/スタッフ/キャスト  感想        採点 ☆一つが20点 ★が10点
荒野の決闘 特別編 My Darling Clementine

 監督 ジョン・フォード
 原作 サム・ヘルマン
     スチュアート・N・レイク
 脚本 サミュエル・G・エンゲル
     ウィンストン・ミラー
 撮影 ジョー・マクドナルド
 音楽 シリル・モックリッジ
     アルフレッド・ニューマン
 出演 ヘンリーフォンダ
     ヴィクター・マチュア
     リンダ・ダーネル
     キャシー・ダウンズ
 音声 英語・日本語
             1946年アメリカ映画 白黒 97分
              20世紀FOX ¥1282(特価)
「駅馬車」と共にジョン・フォード監督の古典的名作。
 弟を殺されたワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)はトゥームストンの保安官となって、クラントン一家と対決する。「OKコラルの決闘」を題材にしているけど、詩情ある静かな落ち着いた作品です。

 ドク・ホリディを追って、東部から来たクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)。肺病に冒されたドクは彼女を東部に追い返そうとする。アープが「このまま帰るのか?」と言うと、「女にもプライドがあるのです」・・・名セリフですね

 DVDは非公開試写版と劇場公開版が収録された2枚組。テレビ放送時の吹替え音声も入っている。H.フォンダの声は小山田宗徳さん。
 ☆☆☆☆★
明日に向って撃て!
 Butch Cassidy and the Sundance Kid

 監督 ジョージ・ロイ・ヒル
 脚本 ウィリアム・ゴールドマン
 撮影 コンラッド・ホール
 音楽 バート・バカラック
 出演 ポール・ニューマン
     ロバート・レッドフォード
     キャサリン・ロス
 音声 英語・日本語
               1969年アメリカ映画 111分
                20世紀FOX ¥1192
 1969年度アカデミー賞脚本/撮影/音楽賞受賞作品。
 1970年前後に使われたアメリカン・ニューシネマという言葉の意味はよく知りませんが、この映画が該当するのでしょうか?正統派の西部劇だと思うのですけど。
 強盗団「壁の穴」を率いるブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。彼らは、ある列車強盗をきっかけに、鉄道会社が雇った手強いプロの追跡者に追われるはめになってしまう。ブッチとサンダンスたちの逃避行は南米のボリビアへと。ボリビアでの銀行強盗の末、軍隊に包囲されて一斉射撃を浴びて死んでゆく。
 時代に取り残された無法者たちの末路ですが、サム・ペキンパーの「ワイルドバンチ」は殺戮劇として描き、この映画はあくまでも明るく陽気に・・・でも哀しいですね。
 ☆☆☆☆
勇気ある追跡  True Grit

 製作 ハル・ウィルス
 監督 ヘンリー・ハサウェイ
 脚本 マーガレット・ロバーツ
 撮影 ルシェン・バラード
 音楽 エルマー・バーンスタイン
 出演 ジョン・ウェイン、キム・ダービー
     グレン・キャンベル、ロバート・デュヴァル 
 音声 英語のみ
             1969年アメリカ映画128分
                パラマウント¥1575
 父親を殺された少女(キム・ダービー)は、仇を討つために飲んだくれの老保安官(ジョン・ウェイン)を雇う。テキサス警備隊の若者(グレン・キャンベル)も加わって、三人の仇討ちの旅が始まる。

 コロラドの大自然を背景に、ジョン・ウェインの勇姿が見られる。馬上で左手に拳銃、右手のライフルをクルリと回して、敵に向かってゆく、ジョン・ウェインならではの名場面です。
 少女をからかいながらも、時にはやり込められ、孫娘を相手にするようなウェインさんの優しさ。この作品でウェインは1969年度アカデミー主演男優賞を受賞。
 ☆☆☆☆
リオ・ブラボー  Rio Bravo

 製作・監督 ハワード・ホークス
 原作 B.H.マッキャンベル
 脚本 リー・ブラケット
     ジュールス・ファースマン
 撮影 ラッセル・ハーラン
 音楽 ディミトリ・ティオムキン
 出演 ジョン・ウェイン
     ディーン・マーティン、リッキーネルソン
     アンジー・ディキンソン
 音声 英語(字幕 高瀬鎮夫)のみ
                1959年アメリカ映画141分
                  ワーナー¥1575
 これぞ痛快娯楽西部劇の傑作。大男の保安官とアル中の助手。二丁拳銃の若者と足の不自由な老人。彼らが保安官事務所に籠城し、対するは町のボスと多勢のガンマン。
「真昼の決闘」(52)の町民に助勢を求める情けない保安官を批判したハワード・ホークスとジョン・ウェインが、「俺たちならもっと面白い西部劇を作ってみせるぜ!」とばかりに、すばらしい作品に仕上げました。

 ジョン・ウェインたちは「保安官は町を守るプロであり、そのために給料をもらっている。けっして町民に助けを求めてはならないのだ」と言うのですね。
 ジョン・ウェインの恋人役アンジー・ディキンソンの美脚!。ディーン・マーティンとリッキー・ネルソンが歌う「ライフルと愛馬」が楽しい。日本語吹替えが入ってないのが残念。
 ☆☆☆☆
エル・ドラド  EL Dorado

 製作・監督 ハワード・ホークス
 脚本 リー・ブラケット
 撮影 ハロルド・ロッソン
 音楽 ネルソン・ドリル
 出演 ジョン・ウェイン
     ロバート・ミッチャム
     ジェームズ・カーン、ミシェル・ケリー
 音声 英語のみ
              1966年アメリカ映画126分
               パラマウント¥1250
「リオ・ブラボー」(59)に続いてジョン・ウェインがハワード・ホークス監督と組んだ作品。ウェイン扮するガンマンと、R・ミッチャムの保安官が、悪徳牧場主と対決する娯楽西部劇。二人に協力する青年役にJ・カーン。ウェインとアル中の相棒、若者、老人が仲間という構図は「リオ・ブラボー」と同じです。

 ユーモアとアクション、友情、女優の扱いも気持ちが良く、痛快で安心して見ていられる西部劇です。敵側に雇われたガンマン役でクリストファー・ジョージが出ている。ウェインは背骨近くに弾丸が残っていて、突然、激痛に襲われるという設定。
 ☆☆☆☆
リオ・ロボ   Rio Lobo

 監督 ハワード・ホークス
 脚本 バートン・ウォール
     リー・ブラケット
 撮影 ウィリアム・H・クローシア
 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
 出演 ジョン・ウェイン
     ホルヘ・リヴェロ、クリス・ミッチャム
     ジェニファー・オニール、ジャック・イーラム
 音声 英語(字幕 高瀬鎮夫)・日本語
                1970年アメリカ映画114分
                    パラマウント¥1575
 南北戦争末期、ジョン・ウェイン演ずる北軍大佐が指揮する金塊輸送列車が南軍ゲリラ隊に襲われる。内部に裏切り者がいたのだ。戦後、復員した大佐は、元南軍ゲリラの若者たちの協力を得て、裏切り者を成敗する。

 南軍ゲリラのコルドバ大尉(ホルヘ・リヴェロ)と部下の軍曹(クリス・ミッチャム)が好演。
 ヒロインはジェニファー・オニール。お転婆娘ぶりが楽しく、彼女に「安心だわ」と言われ、クサる大佐が愉快。
 吹替えはジョン・ウェイン(小林昭二)ジェニファー・オニール(北浜晴子)。
 ☆☆☆☆
ワイルドバンチ ディレクターズカット The Wild Bunch

 監督 サム・ペキンパー
 脚本 サム・ペキンパー
     ウォロン・グリーン
 撮影 ルシェン・バラード
 音楽 ジェリー・フィールディング
 出演 ウィリアム・ホールデン
     アーネスト・ボーグナイン
     ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン
 音声 英語のみ(字幕 高瀬鎮夫)
              1969年アメリカ映画145分
                ワーナー¥1782
 1900年代初頭、メキシコ革命の動乱を背景に4人の初老強盗団の死にざまを描いた名作。
 喧嘩をしたり罵ったり、けっして統制のとれた盗賊団ではないのに、政府軍(実際は山賊みたいなもの?)に仲間の若者を目の前で惨殺された彼らは、銃を取り屍山血河を築いて死んでゆく。

 ラストの血が飛び散る銃撃戦は凄まじい。4人がショット・ガンを手に横一列に並んで死地へ歩くシーンが格好良く、観賞後はなぜか強い感動が残る。男の死にざまを描いたサム・ペキンパーの代表作であり、最高作です。
 この映画を見て泣けない人は男ではありません。
 ☆☆☆☆★
荒野の七人 特別編
   The Magnificent Seven

 製作・監督 ジョン・スタージェス
 脚本 ウォルター・ニューマン
 撮影 チャールズ・ラング・Jr
 音楽 エルマー・バーンスタイン
 出演 ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン
     ジェイムズ・コバーン、ホルスト・ブッフホルツ
     イーライ・ウォラック、チャールズ・ブロンソン
 音声 英語・日本語
                1960年アメリカ映画 128分
                   20世紀FOX ¥1192
 黒澤明監督の「七人の侍」(54)を西部劇化した作品ですが、「七人の侍」と比較するのは間違った見方でしょう。あくまでもオリジナルの娯楽西部劇として鑑賞するべきです。はっきりいって映画としては「七人の侍」なんかよりずっと面白い。

 野盗に狙われるメキシコの寒村に雇われた7人のガンマンたち。歴史的にありえない「七人の侍」よりも、よほど納得できる設定です。リーダー格のユル・ブリンナーはともかく、若きマックイーンやホルスト・ブッフホルツの身軽なアクションが見もの。銃撃戦やシャレたセリフは西部劇の醍醐味です。音楽も素晴らしい。
 ☆☆☆☆★
アウトロー The Outlaw Josey Wales

 製作 ロバート・デイリー
 監督 クリント・イーストウッド
 脚本 フィリップ・カウフマン
     ソニア・チャーナス
 撮影 ブルース・サーティース
 音楽 ジェリー・フィールディング
 出演 クリンド・イーストウッド
     ソンドラ・ロック
     チーフ・ダン・ジョージ、ジョン・ヴァーノン
 音声 英語のみ(字幕 高瀬鎮夫)
               1976年アメリカ映画135分
                 ワーナー¥1260
 南北戦争で、北軍ゲリラに妻子を惨殺された農夫(クリント・イーストウッド)が復讐を誓って抵抗グループに加わる。戦後も一人抵抗をつづける彼は、ワンマン・アーミーと噂され恐れられる。
 孤独な戦いを続ける彼だが、様々な人たちと出会い、やがて周囲に仲間ができてくる。時代の敗者とされる人たち。虐げられる人たちに焦点をあて、戦争の勝者イコール正義ではないという主張が見られます。

 イタリア西部劇(1964〜66)から帰還後、「マンハッタン無宿」(68)「真昼の死闘」(69)「ダーティ・ハリー」(71)に出演したイーストウッドが自ら監督した作品。老インディアンを飄々と演ずるチーフ・ダン・ジョージが好演。
 ☆☆☆★
アラモ  The Alamo

 製作・監督 ジョン・ウェイン
 脚本 ジェームズ・エドワード・グラント
 撮影 ウィリアム・H・クローシア
 音楽 ディミトリ・ティオムキン
 出演 ジョン・ウェイン
     リチャード・ウィドマーク
     ローレンス・ハーベイ
 音声 英語のみ
              1960年アメリカ映画 162分
                20世紀FOX ¥1592(特価)  
 1836年、テキサス独立戦争のアラモ砦の攻防を描いた大作。独立宣言をしたテキサスに対してメキシコの独裁者サンタ・アナが攻撃をしかけた。トラビス大佐(R・ハーベイ)の下にアラモ砦に籠城した185名の勇者たちは、押し寄せるメキシコ軍との激戦の末、壮絶な玉砕をむかえる。

 西部開拓史上に残る、有名な「アラモ砦の戦い」をジョン・ウェインが自ら製作、監督しました。戦う男たちの心意気、迫力ある戦闘場面。「遙かなるアラモ」「皆殺しの歌」など音楽も素晴らしい。
 4179円の品を特価1592円で入手。
 ☆☆☆☆
夕陽のガンマン アルティメットエディション
  For a Few Dollars More

 製作 アルバート・グリマルディ
 監督 セルジオ・レオーネ
 脚本 ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
     セルジオ・レオーネ
 撮影 マッシモ・ダラマーノ
 音楽 エンニオ・モリコーネ
 出演 クリント・イーストウッド
     リー・ヴァン・クリーフ
     ジャン・マリア・ヴォロンテ
 音声 英語・日本語・イタリア語
              1965年イタリア映画132分
                20世紀FOX ¥1116(特価)
 凶悪犯インディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)を追う2人の賞金稼ぎ、モーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)と名無し(クリント・イーストウッド)。「荒野の用心棒」(64)に続いて大ヒットしたマカロニ西部劇の傑作。
 これまでに劇場(3本立て)、テレビ洋画劇場、ビデオと何回も見ましたが、今回のDVD鑑賞が最も面白く感じました。
 妹の仇討ちが目的の大佐を演ずるリー・ヴァン・クリーフ。ラストでイーストウッドに「賞金はみんなお前にやるよ」と言って夕陽の彼方に去ってゆくのが最高に格好良い。

 このアルティメットエディション版はスクイーズ仕様になり、日本語吹替え音声、特典映像も収録されています。
 酒場でL.V.クリーフに挑発されて怒りに顔面を痙攣させるクラウス・キンスキーの表情が高画質でよくわかります。
 ☆☆☆☆
続 夕陽のガンマン アルティメットエディション
  The Good The Bad and the Ugly

 製作 アルバート・グリマルディ
 監督 セルジオ・レオーネ
 脚本 ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
     フリオ・スカルペッリ
     セルジオ・レオーネ
 撮影 トニーノ・デリ・コリ
 音楽 エンニオ・モリコーネ
 出演 クリント・イーストウッド
     イーライ・ウォラック
     リー・ヴァン・クリーフ
 音声 英語・日本語・イタリア語
          1966年イタリア映画178分
           20世紀FOX ¥1116(特価)
 原題は「良い奴、悪い奴、汚い奴」。この三人をC.イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラックが演じます。南北戦争の混乱下に隠された20万ドルをめぐって、男たちの欲望がうずまくマカロニ西部劇の傑作。
 前作で渋くて格好良かったクリーフおじさんは、今回は悪役。顔がハゲ鷹みたい(失礼)ですね。ラストは3人による三角決闘。リー・ヴァン・クリーフが真っ先に2人から撃たれるなんてね。
 エンニオ・モリコーネの音楽が場面を盛り上げる。
 アルティメットエディション版は未公開シーンも再現された完全版で178分(従来は162分だった)です。音声も5.1chサラウンドDTSになりました。
 ☆☆☆☆
ウエスタン
  Once upon a time in the West

 監督 セルジオ・レオーネ
 原案 セルジオ・レオーネ
     ダリオ・アルジェント
     ベルナルド・ベルトリッチ
 脚本 セルジオ・レオーネ/セルジオ・ドナッティ
 撮影 トニーノ・デリ・コリ
 音楽 エンニオ・モリコーネ
 出演 チャールズ・ブロンソン
     ヘンリー・フォンダ
     クラウディア・カルディナーレ
     ジェイソン・ロバーズ、ガブリエル・フェルゼッティ
 音声 英語・日本語
              1968年イタリア映画165分
               パラマウント ¥2100(特価)
 この映画は冒頭の20分だけで満足です。駅で、ジャック・イーラムとウッディ・ストロード(あと1人は知らない人)、3人の殺し屋が汽車を待っている。到着した汽車が走り去って、男がたたずんでいる。
「フランクは?」「俺たちが代理だ。馬が一頭たりないようだな」「いや、2頭余る」ドギュン!ドギュン!ドギュン!
 モリコーネのハーモニカを使った音楽が効果を盛り上げて、思わずチビりそうなくらいに格好良い!

 1968年といえば、マカロニウエスタンのブームも下火になった頃。そのイタリア製西部劇に出演したヘンリー・フォンダ、ジェイソン・ロバーズ、主役がチャールズ・ブロンソン。そしてイタリアの大女優C・カルディナーレ。これは豪華スター共演のマカロニウエスタンです。モリコーネの音楽も最高です。ただ165分は長いかなと思うけど。 定価4935円のDVDを2100円で入手。
 ☆☆☆☆
続 荒野の用心棒 Django  スペシャルエディション

 製作・監督・脚本セルジオ・コルブッチ
 脚本 フランコ・ロゼッティ
     ホセ・グティエレス・マエッソ
     ピエロ・ヴィヴァレッリ
 撮影 エンツォ・バルボーニ
 音楽 ルイス・エンリケス・バカロフ
 出演 フランコ・ネロ(ジャンゴ)
     ロレナダ・ヌシアク(マリア)
     エドゥアルド・ファヤルド(ジャクソン少佐)
 音声 イタリア語・英語・日本語
           1966年イタリア映画 92分
              IMAGICA TV ¥3192
 セルジオ・レオーネの三部作がマカロニ西部劇の最高峰だとすると、そのすぐ下に位置するだろう傑作。
 世界的に大ヒットした「荒野の用心棒」の続編という邦題だが、その独創性は「荒野の用心棒」をしのぐと思われる。開巻、棺桶を引きずって登場する主人公、泥海と化した町、そして十字架と主題歌「さすらいのジャンゴ」。
 企画・設定と、凝った構図の撮影、泥海のセットと人物の衣装、そして音楽のすばらしさ。
 大量殺戮と、3回もあるリンチシーン、凄惨な世界だけど、主人公ジャンゴ(フランコ・ネロ)とマリア(ロレナダ・ヌシアク)の純愛ドラマでもある。ロレナダ・ヌシアクはフランスのイリナ・デミックに似ていて、アメリカの女優にはないエロティシズムを感じます。マカロニ西部劇はこうでなくっちゃ!
 ☆☆☆☆
騎兵隊 The Horse Soldiers

 監督 ジョン・フォード
 脚本 ジョン・リー・メイビン
     マーティン・ラッキン
 撮影 ウィリアム・H・クローシア
 音楽 デビッド・パトルフ
 出演 ジョン・ウェイン
     ウィリアム・ホールデン、コンスタンス・タワーズ
 音声 英語のみ
             1959年アメリカ映画 120分
              20世紀FOX 2枚買って¥2980
 南北戦争さなか、南軍の補給基地を叩くために敵地奥深く潜入する北軍騎兵隊。隊長のジョン・ウェインと軍医のウィリアム・ホールデンの反目。
 ジョン・フォード監督の騎兵隊ものといえば、「黄色いリボン」と、この「騎兵隊」でしょう。「黄色いリボン」では辺境の雄大な荒野の風景が、「騎兵隊」では森林や平原が美しく撮影されています。アメリカ民謡をアレンジした音楽も素晴らしい。
 ☆☆☆☆
大いなる西部  The Big Country

 製作・監督 ウィリアム・ワイラー
 脚本 ジェームズ・R・ウェッブ
     サイ・バートレット
     ロバート・ワイラー
 撮影 フランツ・F・プラナー
 音楽 ジェームズ・モロス
 出演 グレゴリー・ペック
     ジーン・シモンズ、キャロル・ベイカー
     チャールトン・ヘストン、パール・アイブス
 音声 英語のみ
            1958年アメリカ映画 167分
             20世紀FOX ¥1592(特価)
 水源の土地をめぐって荒らそうテリル家とヘネシー家。大牧場主テリルの娘(キャロル・ベイカー)と結婚するために東部からやって来た男(グレゴリー・ペック)の平和主義をテーマにした大作西部劇。
 自分が法律であるとする牧場主と、暴力で争いは解決しないと訴える男の主義の違い。「銃で解決」という荒々しい西部に「それは、お前たちの独善にすぎず、野蛮な行為だ」というメッセージなのでしょう。でも西部劇を見慣れた目では違和感もあり、西部劇ファンに評判が良くないのも納得できますね。
 ロングショットが多い撮影は西部の雄大さを感じさせます。牧童頭のチャールトン・ヘストンが好演。ヘネシー家のバカ息子を演じるのはチャック・コナーズ。
 ☆☆☆★
マッケンナの黄金  Mackenna’s Gold

 製作 カール・フォアマン
     ディミトリ・ティオムキン
 監督 J・リー・トンプソン
 脚本 カール・フォアマン
 撮影 ジョセフ・マクドナルド
 音楽 クインシー・ジョーンズ
 出演 グレゴリー・ペック(保安官マッケンナ)
     オマー・シャリフ(コロラド)
     テリー・サヴァラス(ティッブス軍曹)
     カミラ・スパーヴ(判事の娘インガ)
     ジュリー・ニューマー(ヘシュケ)
 音声 英語・日本語
              1969年アメリカ映画 132分
                ソニー¥2107
 製作カール・フォアマン、監督J・リー・トンプソン、主演グレゴリー・ペックとくれば、「ナバロンの要塞」(61)のメンバーです。映画会社もコロンビアだし、色調もよく似た感じです。
 伝説の黄金の谷をめぐって男たちの欲望がうずまき、殺し合う。最後にならず者オマー・シャリフと保安官グレゴリー・ペックとヒロインが生き残る。埋没した黄金の谷、元の木阿弥となって別れるのですが、ペックの馬の革バッグにはちゃっかりと金塊が詰め込まれている。
 そそり立つ岩山、上空を舞う一羽のハゲタカ。鳥の目になっての俯瞰撮影、見事な導入部です。音楽はクインシー・ジョーンズですが西部劇調で良い感じ。グレゴリー・ペックは突然岩陰から撃ってきたアパッチの老人(族長)を撃ち倒してしまう。銃声が岩山に反響して、ラストで黄金の谷が馬の走る音で崩壊するのを暗示しています。冒険活劇的西部劇。
 リー・J・コッブ、イーライ・ウォラック、アンソニー・クェイルなど有名俳優がチョイ役で出演している。アパッチの女ジュリー・ニューマーの水浴シーンがあり。
 ☆☆☆★
ネバダ・スミス  Nevada Smith

 製作総指揮 ジョセフ・E・レヴィン
 製作・監督 ヘンリー・ハサウェイ
 原作 ハロルド・ロビンス
 脚本 ジョン・マイケル・ヘイズ
 撮影 ルシェン・バラード
 音楽 アルフレッド・ニューマン
 出演 スティーブ・マックイーン
     ブライアン・キース、スザンヌ・プレシェット
     カール・マルデン、ラフ・ヴァローネ
 音声 英語(字幕・高瀬鎮夫)・日本語
              1965年アメリカ 131分
                パラマウント ¥1260  
 スティーブ・マックイーン主演の西部劇。
両親を惨殺した3人の男を追って旅立つ主人公マックス。旅商人(ブライアン・キース)から銃の扱い方や心得を教えらる。一人ずつ仇を討ってゆくが、二人目が服役中と知ると、自ら銀行強盗をやり刑務所に。脱獄後、最後の男を前に復讐のむなしさを悟り、とどめを刺さずに背を向ける。
 ブライアン・キースが演ずる旅商人が好演。インディアン娘のジャネット・マーゴリンが可憐。
 日本語吹替えが入ってるけど、マックイーンが宮部昭夫さんじゃないなんて。
 ☆☆☆★
赤い河   Red River

 製作・監督 ハワード・ホークス
 脚本 ボーデン・チェイス
     チャールズ・シュニー
 撮影 ラッセル・ハーラン
 音楽 ディミトリ・ティオムキン
 出演 ジョン・ウェイン
     モンゴメリー・クリフト、ウォルター・ブレナン
     ジョーン・ドルー、ジョン・アイアランド
 音声 英語のみ(字幕・清水俊二)
             1948年アメリカ映画 132分
             20世紀FOX ¥980(特価)
 1万頭の牛を追ってテキサスからミズーリへ1千マイルの過酷な旅。独善的で頑固な牧場主(J・ウェイン)と彼に育てられた若者(M・クリフト)の意見の対立。
 私はジョン・ウェインの大ファンですが、この映画の独善的な彼は、好きではありません。でも演技はすごい。彼を大根俳優というのはまちがってますね。
 開拓地へ向かう幌馬車隊や、牛の移動シーンなど撮影も見ものです。モンゴメリー・クリフトが好演。劇中で流れる音楽は、どこかで聞き覚えがあると思ったら、「リオ・ブラボー」の「ライフルと愛馬」でした。
 ☆☆☆★
捜索者 The Searchers

 製作 メリアン・C・クーパー
     パトリック・フォード
 監督 ジョン・フォード
 脚本 フランク・S・ヌージェント
 撮影 ウィンストン・C・ホック
 音楽 マックス・スタイナー
 出演 ジョン・ウェイン
     ジェフリー・ハンター、ヴェラ・マイルズ
     ナタリー・ウッド、ワード・ボンド
 音声 英語のみ
             1956年アメリカ映画119分
              ワーナー¥1417
 戦争が終わり、イーサン(ジョン・ウェイン)は何年ぶりかにテキサスの兄の家を訪れる。暖かく迎えてくれる兄の家族たち。その一家がコマンチに襲われて惨殺。二人の姪がさらわれる。復讐の鬼と化したイーサンは姪を取り返すため捜索の旅に出る。コマンチインディアンに敵意を持つ主人公の執念を描いたジョン・フォード監督の代表作。
 ウェインと共に旅をする若者、ジェフリー・ハンターが好演。彼に好意を持つ娘ヴェラ・マイルズが良い感じと思ったが、彼が旅で留守中に他の変な男と結婚しようとするのが不快で、イヤな女になってしまった。モニュメント・バレーの雄大な大自然を背景にした前半が良くできているだけに残念。イヤな女というのが致命的欠陥です。ジョン・ウェイン一世一代の名演とされる作品だが、「勇気ある追跡」の方がずっと好きです。
 ☆☆☆
決断の3時10分  3:10 To Yuma

 製作 デヴィッド・ヒールウェイル
 監督 デルマー・デイヴィス
 原作 エルモア・レナード
 脚本 ハルステッド・ウェルズ
 撮影 チャールズ・ロートン・Jr
 出演 グレン・フォード
     ヴァン・ヘフリン
     フェリシア・ファー
     リチャード・ジェッケル
 音声 英語のみ
            1957年アメリカ映画 92分
             ソニー ¥990

 冒頭に強盗団が駅馬車を襲う場面があって、それを牧場主(小さな)の親子が目撃する。その強盗団のボス(グレン・フォード)が逮捕され、刑務所のあるユマまで護送する役を、その牧場主(ヴァン・ヘフリン)が200ドルの報酬で引き受けることになる。
 ユマ行きの列車が出るのが午後3時10分、その間、強盗団の手下どもの襲撃をかわし、無事に列車に乗ることができるのか?という話。
 干ばつが続き、牧場経営が苦しくなっていて、主人公の牧場主はお金が欲しいのですね。なので200ドルの報酬で引き受ける。
 その彼に、逮捕したボスが「俺を逃がしてくれたら7000ドル払ってやる」と言い、誘惑に負けそうになるのですが・・・。

 この強盗団ボスを演じるのがグレン・フォードで、悪役だけどスター俳優が演じるからか魅力的で、最初の駅馬車襲撃を目撃された時も、「あっちへ行っていろ!」と言うだけで、普通なら目撃者は消せ、というところなのに。しかも言葉が巧みで、話し上手というか、話しかけられると女性がうっとり聞き惚れてしまう。
 牧場主の奥さんも、うっとりとしてしまって、そんな事もあって、この主人公は「俺だってやれるんだ」という気持ちでこの仕事を引き受けたのかもしれない。
 ボスが牧場主に言います。「7000ドルあれば、奥さんに楽をさせてやれるだろ」と。そして、もしも彼女が他の男と結婚していれば、もっと幸せになっていたかもしれないだろ、と。
 これは言ってはならない言葉です。もしも女房が別の結婚をしていたらどうなったか?、俺と一緒になるより幸せな人生を送っていたかも?と考えるのはすごくつらいことです。7000ドルあれば、今からでも女房を幸せにしてやれるかも、と考える。
 当時の映画は魅力的な犯罪者を描いてはならない、という規制があったそうですが、この映画のグレン・フォード演じる悪役はずいぶん魅力的です。
 人生にうんざりしたような酒場女(フェリシア・ファー)が彼に参ってしまう。彼女が酒場のカウンターにずらりと並んだ男たちのグラスに酒を順についでゆく場面の、この妖しい雰囲気は何だろう?
 ☆☆☆☆

レッドサン Red Sun

 製作 ロベール・ドルフマン
 監督 テレンス・ヤング
 脚本 ダン・バート・ベティクレーク
     ウィリアム・ロバーツ
 撮影 アンリ・アルカン
 音楽 モーリス・ジャール
 出演 チャールズ・ブロンソン
     アラン・ドロン
     三船敏郎
     アーシュラ・アンドレス
     キャプシーヌ
 音声 英語・日本語
             1971年フランス映画 110分
           ジェネオン¥2500(2枚買うと1枚もらえる)
 アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソン、三船敏郎の三大スターが共演した話題作というより、日本の武士が西部劇に登場するという異色作というべきでしょうか。
 日本からアメリカ大統領に派遣された特使が、アラン・ドロンの強盗団に襲われる。奪われた宝刀を取り戻すために、三船敏郎がブロンソンと追跡の旅に出ることに。
 監督は「007」のテレンス・ヤング。共演がアーシュラ・アンドレス。強盗団の列車襲撃や草原でのインディアンとの戦いなどもあるが、マカロニ西部劇とも異なって奇妙な感じ。フランス製の西部劇なんですね。
 日本語吹替えはドロンが野沢那智、ブロンソンが大塚周夫。
 ☆☆☆☆
軍用列車 Breakheart Pass

 製作 エリオット・カストナー
 監督 トム・グライス
 原作・脚本 アリステア・マクリーン
 撮影 ルシェン・バラード
 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
 出演 チャールズ・ブロンソン
     リチャード・クレンナ
     ジル・アイアランド
     ベン・ジョンソン
     エド・ローター
 音声 英語(字幕 飯嶋永昭)・日本語
            1975年アメリカ映画 94分
             20世紀フォックス¥800(特価)

 伝染病で全滅寸前という軍の砦に向かって医療物資を積んだ汽車が煙を吐いて山中を疾走する。現代劇にもできそうな話だけど、わざわざ西部劇にしたのが嬉しい所です。
 原作は「ナバロンの要塞」「荒鷲の要塞」「八点鐘が鳴る時」などのアリステア・マクリーンで、脚本も担当している。マクリーンの冒険小説の特徴は、極寒の地が舞台だったり、嵐の海など厳しい大自然を描写していること。この映画でも寒そうな山中や雪景色の中を軍用列車が走ります。ブロンソンの服装(賭博師風のスーツ)に長いブーツ姿がしびれるくらいカッコ良い。
 橋を通過中に運転助手が転落死したり列車内での殺人事件など、前半はミステリ仕立てで、後半になってやっと列車の屋根上での格闘や、悪党との撃ち合い、インディアンや騎兵隊が出て西部劇らしくなる。
 紅一点は奥さんのジル・アイアランド。他に保安官役にベン・ジョンソン、知事にリチャード・クレンナ、騎兵隊少佐にエド・ローターなど、豪華な配役です。
 軍用列車には救援医療物資ではなく、盗難品の銃器やダイナマイトが積まれている。チャールズ・ブロンソンの役は、放火犯として指名手配されているお尋ね者で謎の男ですが、この盗難品の武器を追う政府の諜報部員という正体が明かされます。
 騎兵隊の少佐を演じるエド・ローター(鷲鼻で髪が薄くて顔の長い、悪役が多い人)が好演。ブロンソンのことを理解して協力してくれる心強い味方で、こんな人って大好きです(笑)
 ラストは騎兵隊が駆けつけたり、「おまえとはケリをつけないとな!」と保安官ベン・ジョンソンと一対一の決闘もある。
 けっして大作でも傑作でもないけれど、本編94分のこぢんまりと良くまとまっていて、私には魅力のある映画でした。
 ☆☆☆★

夜の道  Night Passage

 製作 アーロン・ローゼンバーグ
 監督 ジェームズ・ニールソン
 脚本 ボーデン・チェイス
 撮影 ウィリアム・H・ダニエルズ
 音楽 ディミトリ・ティオムキン
 出演 ジェイムズ・スチュワート
     オーディ・マーフィ
     ダン・デュリエ
     ダイアン・フォスター
     エレン・スチュワート
     ブランドン・デ・ワイルド
 音声 英語・日本語
             1957年アメリカ映画 90分
              ユニバーサル ¥1200


 ユニバーサル社のDVDは字幕翻訳が、誤訳・珍訳・日本語になっていないひどいものがあって、せっかくの映画を台無しにしているものが少なくないのですが、このDVDは良かったです。日本語吹替え音声も入っているし、良心的な製品です。
 アメリカ映画の1950年代から60年代にかけて、悪役や脇役を演じたダン・デュリエという人がいます。映画だけでなく、テレビの「ローハイド」や「コンバット!」にもゲスト出演していたりして、顔を見る機会の多い人です。
 この「夜の道」にもそのダン・デュリエが悪役で出ている。鉄道の線路敷設の工事現場に労働者の給金を輸送する列車を強盗団が襲う、その親分の役です。
 主演はジェームズ・スチュワート。強盗団の一味、悪の道に入ってしまった弟にオーディ・マーフィ。
 これといって特徴のない映画だけど、西部劇の面白さがあって満足できるものです。疾走する列車に馬で併走し、列車に飛び移る。屋根を機関車まで走っていって機関士に銃を突きつけるシーン。
 クライマックスの銃撃戦では装弾を意識的に描いていて、ライフルを撃っている主人公の腰からヒロインが拳銃を抜き取って弾込めをしてやるシーン。ダン・デュリエに撃たれた弟がジェイムズ・スチュワートに拳銃を「あと1発残っている」と言って渡すシーンなど。
 特に美しいヒロインが主人公の拳銃を抜いて、弾を込めてホルスターに戻してやるのが素晴らしく、西部劇でこんなシーンは初めて見ました。

「夜の道」は1957年公開の映画で、同年に「OK牧場の決斗」といった大作があったりして、その西部劇らしからぬ邦題も関係あるのか、イマイチ知られていないような気がします。
「シェーン」(53)の子役ブランドン・デ・ワイルドが出ていて、役名も「シェーン」と同じジョーイでした。お弁当を入れた靴箱を後生大事に抱えているのが可笑しいです。
 ☆☆☆★ 
小さな巨人  Little Big Man

 監督 アーサー・ペン
 原作 トーマス・バーガー
 脚本 カルダー・ウィリンガム
 撮影 ハリー・ストラドリング・Jr
 音楽 ジョン・ハモンド
 出演 ダスティン・ホフマン
     フェイ・ダナウェイ
     マーティン・バルサム
     チーフ・ダン・ジョージ
 音声 英語(字幕 清水俊二)・日本語
            1970年アメリカ映画139分
              パラマウント¥1260
 カスター将軍の第七騎兵隊が全滅した、「リトル・ビッグホーンの戦い」の唯一の生き残りだという121歳の老人の回想録。幼い頃に両親を殺され、シャイアン族に育てられた主人公(ダスティン・ホフマン)の数奇な人生。
 ワイルドビル・ヒコックなどアメリカ西部開拓史の人物も登場する。騎兵隊が鼓笛隊の演奏を背景に、シャイアン族の部落を襲撃して、女子供を虐殺するシーンは胸が締め付けられます。開拓史の自らの汚点を描くのが、アメリカの正直な所ですね。
 シャイアンの酋長を飄々と演ずるチーフ・ダン・ジョージが好演。ダスティン・ホフマンがあまり好きじゃないので、★一つ減点。
 ☆☆☆★
クイック&デッド The Quick & The Dead

 監督 サム・ライミ
 脚本 サイモン・ムーア
 撮影 ダンテ・スピノッティ
 音楽 アラン・シルヴェストリ
 出演 シャロン・ストーン
     ジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ
     レオナルド・ディカプリオ
 音声 英語・日本語
           1995年アメリカ映画105分
             ポニー・キャニオン¥2000
 ある町で行われる恒例の決闘トーナメント試合。参加者は、一対一で拳銃を撃ち合い、相手を倒した方が勝ち。もちろん射殺しても罪にはならない。
 町のボスを演ずるのがジーン・ハックマン。女ガンマンにシャロン・ストーン。他にラッセル・クロウやディカプリオなど豪華な配役で、ウッディ・ストロードとか西部劇ファンには嬉しい。
 拳銃の扱いがアップで映されるなど、マニアにはきっとたまらないのでは。音楽もマカロニ西部劇みたいで、場面を盛り上げる。ジーン・ハックマンはシャロン・ストーンの父親の仇。娯楽西部劇の傑作です。
 ☆☆☆☆
ヴェラクルス VERACRUZ

 製作 ジェームズ・ヒル
 監督 ロバート・アルドリッチ
 脚本 ローランド・キビー
     ジェームズ・R・ウエッブ
 原作 ボーデン・チェイス
 撮影 アーネスト・ラズロ
 音楽 ヒューゴ・フリードホーファー
 出演 ゲイリー・クーパー
     バート・ランカスター
     シーザー・ロメロ
     ドニーズ・ダルセル
 音声 英語のみ
             1954年アメリカ映画 94分
              20世紀FOX ¥1116(特価)
 革命で混乱するメキシコに、アメリカから一攫千金を求めて無法者や元軍人が流れ込んだ時代。メキシコ皇帝から多額の報酬で伯爵夫人をヴェラクルスまで護衛してほしいと頼まれたゲイリー・クーパーとバート・ランカスター。しかし伯爵夫人が乗る馬車には300万ドルもの金貨が隠されている。
 ゲイリー・クーパーの役は南北戦争で土地も財産も失った元南軍の大佐。ゲイリー・クーパーは1901年生まれで、この映画当時は53歳。昔にテレビ洋画劇場で見たときは、クーパーよりも無法者役のバート・ランカスターの方が印象的だった記憶があって、日焼けした顔で、白い歯をむき出してニタッと笑う。
 でも、久しぶりに再見してみると、クーパーもなかなかどうして好演している。おそらく南部で広大な農園を経営していたらしいのが戦争ですべて失って、その農園を再建するために金が欲しい、そのためにメキシコに流れてきた。53歳という年齢もピッタリ合っていて、良い役だと思う。昔、テレビで見たときは、そのような男の境遇が実感できなかったのだと思います。
 ただ、伯爵夫人が美人じゃないのと(笑)、クーパーとランカスターを黒沢良さんと久松保夫さんの声で日本語吹替えを入れてほしかった。
 ☆☆☆★
100挺のライフル 100 Rifles

 製作 マーヴィン・シュワルツ
 監督 トム・グライス
 脚本 トム・グライス
     クレア・ハフェーカー
 撮影 チェチリオ・パニアグア
 音楽 ジェリー・ゴールドスミス
 出演 ジム・ブラウン
     バート・レイノルズ
     ラクエル・ウェルチ
     フェルナンド・ラマス
 音声 英語のみ
           1968年アメリカ映画 110分
             20世紀フォックス ¥3192
 1968年の、マカロニ西部劇と同じくスペインで撮影したものだが、れっきとしたアメリカ映画。主演がジム・ブラウン、バート・レイノルズ、当時大人気だったグラマー女優のラクエル・ウェルチ。それに悪役の将軍役をフェルナンド・ラマス。

 メキシコを舞台に、インディアン「ヤキ族」の反乱に協力する主人公たちが100挺のライフルを入手してメキシコ政府軍と戦う革命ものです。
 黒人俳優ジム・ブラウンが主演というのが珍しく、ラクエル・ウェルチとのラブシーンは、白人の女優が黒人俳優と抱き合ったということで、人種差別主義的な人たちから大きな批難を浴びたそうで、ラクエル・ウェルチは体にシーツを巻いて肌が触れないようにしていたと弁解せざるをえなかったとか。
 現在では黒人俳優が演技派として大活躍していて、アメリカ映画ではなくてはならない大きな存在になっているのに比べると、当時はまだシドニー・パワチエやウディ・ストロードなど少数で、人種差別の強い時代だったのですね。

 バート・レイノルズはまだ駆け出しだし、目玉はラクエル・ウェルチぐらい。スターの出演料に製作費をかけないぶん、機関車で突入するシーンや戦闘シーンにお金をかけたということだろうか?
 メキシコ革命の時代を背景にした西部劇はこの頃の流行だったのか、「プロフェッショナル」(66)あたりから始まって「戦うパンチョ・ビラ」「ワイルドバンチ」。マカロニ・ウエスタンでも「夕陽のギャングたち」やアメリカ資本のマカロニ「五人の軍隊」など。
 スペインでメキシコ革命ものを撮影するには、地元の俳優やエキストラがメキシコ人に似た顔立ちなので違和感がなかったという利点があったそうです。
 ☆☆☆★
復讐のガンマン The Big Gundown

 製作 アルベルト・グリマルディ
 監督 セルジオ・ソリーマ
 脚本 セルジオ・ドナッティ
 撮影 カルロ・カルリーニ
 音楽 エンニオ・モリコーネ
 出演 リー・ヴァン・クリーフ
     トーマス・ミリアン
     ニエヴェス・ナヴァロ
     フェルナンド・サンチョ
 音声 英語のみ
           1968年イタリア映画 90分
            ソニー・ピクチャーズ ¥990(特価)
 リー・ヴァン・クリーフが演じる賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)が幼女暴行殺人の疑いをかけられた男(トーマス・ミリアン)を追跡するが、真犯人は別にいたという話で、追う者と追われる者が最後は協力して悪党を倒す。

 アメリカとメキシコ国境付近が舞台ということになっているのは、スペインで撮影したイタリア製西部劇で、主人公のリー・ヴァン・クリーフはアメリカ人だけど、あとはイタリアやスペインの俳優さんだから。スペインの人たちだったらメキシコ人に見えないこともない。

 テレビ洋画劇場の解説で淀川長治さんが、マカロニウエスタンは、さすが絵画や彫刻など芸術のお国柄だけあって、カメラアングルが凝っていると言っていました。
 この「復讐のガンマン」も同様で、その一画面だけを見れば絵画になるような凝った画面作りがなされています。足元からのローアングルや空からの俯瞰。
 決闘もナイフ対拳銃や、ラストでのオーストリアの男爵との決闘シーンでは、名曲「エリーゼのために」をアレンジしたエンニオ・モリコーネの音楽が場面を盛り上げる。
 衣装、マニアックな拳銃、音楽、派手なガンファイト、凝った決闘。
 ナイフ対拳銃の決闘で、投げたナイフが相手のおでこ(額)にグサリと刺さる凝りようは、アメリカ西部劇は、こんな所で観客を楽しませようとはしないですね。
 ☆☆☆★
 廉価版(500円)DVD   最近、500円DVDが各種発売されていますが、ご紹介する作品は画質・音質に満足のゆくものです。
シェーン Shane

 監督 ジョージ・スティーブンソン
 脚本 A・B・ガスリー・Jr
 撮影 ロイヤル・グリッグス
 音楽 ヴィクター・ヤング
 出演 アラン・ラッド
     ジーン・アーサー
     ヴァン・ヘフリン、ブランドン・デ・ワイルド
     ジャック・パランス、ベン・ジョンソン
 音声 英語のみ
             1953年アメリカ映画118分
               コスミック出版 ¥500
 ワイオミングの開拓農家に滞在した流れ者のガンマン、シェーン(アラン・ラッド)と彼に憧れる少年ジョーイ。
 農民と牧場業者との対立を背景に、少年のヒーローへの崇拝、そして主人公シェーンと農民の妻(ジーン・アーサー)との密かなプラトニックラブ。母親が子供に「彼をあまり好きにならないで。いつかは出ていく人よ。つらくなるわ」と言う。自分に言い聞かせるように・・・。最後の決闘に向かうシェーンに「私のため?」と問うと「いや、君たち夫婦とジョーイために」と答えるシーンもそうですが、男女の奥深い感情が描かれています。派手な銃撃戦はないけど、一瞬で勝負がつく決闘も迫力あり。
「シェーン、カムバーック」の声がワイオミングの山並みにこだまするラストシーンも良いですね。
 ☆☆☆☆★
駅馬車 Stagecoach

 監督 ジョン・フォード
 原作 アーネスト・ヘイコックス
 脚本 ダドリー・スコット
 撮影 バート・グレノン
     レイ・ビンガー
 音楽 ボリス・モロス
     リチャード・ヘイグマン
 出演 ジョン・ウェイン
     トーマス・ミッチェル、クレア・トレヴァー
 音声 英語のみ
             1939年アメリカ映画 白黒 99分
             コスミック出版 ¥500
 西部劇の古典的名作。最初は「地獄馬車」という邦題でしたが、当時、映画会社宣伝部に在籍した淀川長治さん(故人・映画評論家)が猛反対して「駅馬車」に決まったそうです。
 トントからローズバーグに向かう駅馬車に乗り合わせた8人の乗客の人間模様。そしてアパッチの襲撃とラストの決闘。駅馬車がアパッチに襲われ、絶体絶命と思われた時に聞こえてくる騎兵隊のラッパの音、良いですね。こういう話、大好きです。
 この映画に対してインディアンを差別的に描いているという批判がありますが、私はむしろ逆で、インディアンたちの素晴らしい乗馬術、疾走する馬上での射撃術など、まさに神業で尊敬をおぼえます。
 モノクロの古い映画ですが、画質は良好。これで500円ですからお買い得です。
 ☆☆☆☆★
荒野の決闘 My Darling Clementine

 監督 ジョン・フォード
 原作 サム・ヘルマン
    スチュアート・N・レイク
 脚本 サミュエル・G・エンゲル
    ウィンストン・ミラー
 撮影 ジョー・マクドナルド
 音楽 シリル・モックリッジ
    アルフレッド・ニューマン
 出演 ヘンリーフォンダ
     ヴィクター・マチュア
     リンダ・ダーネル
     キャシー・ダウンズ
 音声 英語のみ
             1946年アメリカ映画 白黒 97分
             コスミック出版 ¥500
「駅馬車」と共にジョン・フォード監督の古典的名作。
 3人の兄弟と共に牛を連れて旅をするワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)。途中、クラントン一家に末の弟を殺され、牛を奪われる。アープは保安官となって弟の仇討ちを誓う。
「OK牧場の決闘」を題材にしていますが、「駅馬車」の「動」に対して「静」の作品です。
 ドク・ホリディを追って、東部から来たクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)の清楚さ。彼女にほのかな恋情を抱くアープはラスト、「クレメンタイン、とても良い名前だ」と言って去ってゆく。日曜日の朝、建築中の教会に町の人たちが集まってダンスに興じるシーンも良いですね。
 ☆☆☆☆★
黄色いリボン A Yellow Ribbon

 監督 ジョン・フォード
 脚本 フランク・S・ニュージェント
    ローレンス・スターリングス
 撮影 ウィントン・C・ホック
 音楽 リチャード・バーグマン
 出演 ジョン・ウェイン
     ジョーン・ドルー
     ジョン・エイガー
     ハリー・ケリーJr、ベン・ジョンソン
 音声 英語のみ
            1949年 アメリカ映画 103分
            ファーストトレーディング ¥500
 ジョン・フォード監督の騎兵隊三部作の一つ。「アパッチ砦」(48)「リオ・グランデの砦」(50)は白黒だが、本作品はカラーです。
 インディアンが不穏な気配を示し、治安が悪化している情勢の中、退役間近の大尉(ジョン・ウェイン)は、砦の司令官の妻と娘を駅馬車の中継地まで護送する任務を与えられる。
 モニュメント・バレーの大自然を背景に騎兵隊が粛々と行軍する撮影の素晴らしさ。(1949年度アカデミー撮影賞受賞)
 司令官の姪役ジョーン・ドルーの軍服姿が可愛い。「あ〜の娘の黄色いリボンは誰のため?」若い将校の恋のさやあては困ったものだが、老大尉から見れば微笑ましいのでしょう。
 画質はファーストトレーディングのものが最も良い。色彩も美しいです。
 ☆☆☆☆★
拳銃無宿 Angel and the Badman

 製作 ジョン・ウェイン
 監督・脚本 ジェイムズ・エドワード・グラント
 撮影 アーチー・J・スタウト
 音楽 リチャード・ヘイグマン
 出演 ジョン・ウェイン
     ゲイル・ラッセル
     ハリー・ケリー
 音声 英語のみ
            1946年 アメリカ映画 99分
              インディーズ レーベル ¥480
 このところジョン・ウェインの古い西部劇を立て続けに見て、やはり彼なくしては西部劇を語れないのではと思うし、格好良さを改めて感じます。
 邦題が同じスティーブ・マックイーンの30分テレビ西部劇「拳銃無宿」の原題は「デッド・アオ・アライブ(生死を問わず)」ですが、こちらは「天使と悪漢」。天使とはゲイル・ラッセルのことで、悪漢とは流れ者ガンマンのジョン・ウェインのこと。
 敵に追われ傷ついた彼を手当てして匿ったのがクェーカー教徒の一家。その家の娘がゲイル・ラッセルです。非暴力主義・誠実・質素を信条とする一家の暖かさ、そこの清純で(そして大胆な?)娘の愛を一身に受けたガンマンが拳銃を捨てる決意をするまでを描いています。
 彼らの家にたびたび現れて「かならず吊してやる」という保安官を演じるのがハリー・ケリー。先日見た「スポイラース」にも出ていたけど、「三人の名付親」や「黄色いリボン」などジョン・フォード作品にウェインと一緒に出演する若者ハリー・ケリー・Jrのお父さんですね。

 製作者はジョン・ウェインですが、なんでこのような映画を製作したのか不思議です。ジョン・ウェインといえばアメリカのタカ派として有名なのに、若い頃とはいえ非暴力を訴える映画を製作するなんて。すべて拳銃と腕力で解決するようなイメージがあるのですが。

 ジョン・ウェインは女性とのラブシーンが苦手でヘタだと言われますが、「リオ・ブラボー」でのアンジー・ディキンソンに対する武骨な求婚「君を逮捕する」がその代表ですね。でもこの「拳銃無宿」ではゲイル・ラッセルとのキスシーンが何回もあるし、「スポイラース」なんかも女性にはもてて、手が早いような。
 現実にゲイル・ラッセルとは不倫関係が噂され、ウェインの奥さんが怒ったという話もある。ゲイル・ラッセル嬢の魅力にウェインさん、何回もキスしたくなるくらい惚れちゃったのか?
 ☆☆☆★
真昼の決闘  High Noon

 製作 スタンリー・クレイマー
 監督 フレッド・ジンネマン
 原作 ジョン・W・カニンガム
 脚本 カール・フォアマン
 撮影 フロイド・クロスビー
 音楽 ディミトリ・ティオムキン
 出演 ゲイリー・クーパー
     グレイス・ケリー
     ケティ・フラド
     ロイド・ブリッジス
 音声 英語のみ
              1953年アメリカ映画 84分
               インディーズ レーベル ¥480


 廉価版DVDが各社から出ているけれど、画質の悪いのがほとんどで、そんな中ではこのインディーズ レーベル版¥480は画質がきれいで、字幕翻訳も良かったです。
 西部劇の名作とされるものです。ある町の保安官ゲイリー・クーパーがグレイス・ケリーと結婚して退職しようとするところへ、5年前に逮捕して牢獄に送り込んだ男が出所してお礼参りにくるという知らせが入る。町をすぐに出ろという町民の意見をきかず、残って戦うという保安官が、町民の協力を得られず孤立無援に追い込まれるという話。

 この映画の最大の欠点はゲイリー・クーパー51歳とグレイス・ケリー23歳の年齢差です。この2人が新婚夫婦だというのは、どこから見ても違和感があります。真実、2人が結婚したとすれば、ゲイリー・クーパーに対して「良い大人がなんということを」と不潔感さえ抱いてしまう。
 製作者のスタンリー・クレイマーは最初、この保安官役にグレゴリー・ペックを想定していたそうです。彼なら当時36歳だし、この結婚の前に、酒場を経営している女性(ケティ・フラドさん)と関係があったという設定なので、年齢的にはぴったり合いそうです。

 これは物語の重要な要素ですが、保安官が町に残って無法者と対決するという決意の中に、町民の自警団を組んで、その協力を最初から当てにしている気持ちがあったということですね。ところが町民からそっぽを向かれ、孤立無援、一人で4人の無法者と対決することになる。「こんなはずじゃなかった」という焦りと恐怖。
 ハワード・ホークス監督とジョン・ウェインが「情けない保安官だ」と激怒したのは、この戦いのプロであるべき保安官が町民の協力を求めたという点です。町民たちにとって保安官に協力する義理はない。戦ってもらうために雇っているのだし、それが出来ないなら辞めて町を出て行け、もっと腕の立つ保安官を雇うから、ということです。町民が薄情なのでなく、保安官の考えが甘かったということでしょうか。

 買って帰り、すぐに見たのですが(84分しかないので見やすい)、あまり好きな映画ではないと思いながらも、これまでに何度も見てしまうのは、本当は好きだから?
 ☆☆☆☆
ガンヒルの決斗 Lasttrain from Gunhill

 監督 ジョン・スタージェス
 脚本 ジェームズ・ボー
 撮影 チャールズ・ラング
 音楽 ディミトリ・ティオムキン
 出演 カーク・ダグラス
     アンソニー・クイン
     キャロリン・ジョーンズ
     アール・ホリマン
 音声 英語のみ
           1959年 アメリカ映画 94分
             キープ ¥500
 カーク・ダグラスの保安官が妻を殺される。犯人を追ってガンヒルの町にやって来るが、犯人はかつての親友の、今は町の実力者となっているアンソニー・クインの息子だった。クインは見逃してくれと頼むけれど、ダグラスは承知しない。
 クインの息子を逮捕して、列車が到着するまでホテルの部屋に立てこもる。
 ホテルを包囲するアンソニー・クインの手下たち。野次馬として見物する町の住民たち。列車が到着する午後9時という制限時間がうまく効いている。原題は「ガンヒルからの最終列車」。
 最後はダグラスを狙った弾丸が息子に当たって死ぬ。すべてが終わったと思い、列車に乗ろうとするダグラスを、息子を殺されたクインが呼び止めて決闘になる。駅プラットホームでの決闘シーンが雰囲気満点。
 撃たれて倒れたクインがダグラスに息子の名前をきいて、「立派に育てろよ・・・」と言って事切れる。一人のバカ息子のためにすべてを失った男の悲劇です。
 旧友との友情と、殺人犯を裁くという正義との間に立たされたカーク・ダグラスの保安官は法律を守ること、犯人を裁くことを選ぶが、妻の仇討ちという感情も否定できないと思う。
 監督は「OK牧場の決斗」「墓石と決闘」のジョン・スタージェス。カーク・ダグラスが好演して、ホテルに立てこもる彼にショットガンを差し入れるキャロリン・ジョーンズさんが良かったです。
 ☆☆☆☆
壮烈第七騎兵隊
  The Died with Their Boots On

 製作 ハル・B・ウォリス
 監督 ラオール・ウォルシュ
 脚本 ウォーリー・クライン
     イーニアス・マッケンジー
 撮影 バート・グレノン
 音楽 マックス・スタイナー
 出演 エロール・フリン
     オリヴィア・デ・ハヴィランド、アンソニー・クイン
 音声 英語のみ
       1941年アメリカ映画 白黒 138分
                コスミック出版 ¥500
 1876年6月26日、ジョージ・アームストロング・カスター将軍の第七騎兵隊がリトル・ビッグホーンで、スー族シャイアン族の連合軍によって全滅させられる。
 このカスター将軍の士官学校時代から、南北戦争への従軍、そして第七騎兵隊の指揮官となり、インディアンとの戦いで戦死するまでを描いた伝記?映画です。
 ハリウッド映画はすべてがインディアンを悪く描いた作品ばかりではなく、この映画も悪いのは白人であるとしていますね。スーの族長クレイジーホースを若きアンソニー・クインが演じています。
 画質、音質ともに良好で、お買い得品です。
 ☆☆☆★
ウインチェスター銃’73 Winchester ’73

 監督 アンソニー・マン
 脚本 ロバート・L・リチャーズ
     ボーデン・チェイス
 撮影 ウィリアム・ダニエルズ
 音楽 フランク・スキナー
 出演 ジェイムズ・スチュワート
     シェリー・ウィンタース
     ダン・デュリエ、スチーブン・マクナリー
 音声 英語のみ
          1950年アメリカ映画 白黒 93分
             コスミック出版 ¥500
 ウィンチェスターM1873小銃、千挺製造ごとに熟練工によって一挺の名品が作られるという、その特別な銃をめぐって、主人公(ジェイムズ・スチュアート)の父の仇討ち物語。
 ダッジ・シティの町で開催された射撃大会で優勝した主人公は賞品のウィンチェスター銃を手に入れるが、仇の男(ダン・ドュリエ)に奪われる。その後、転々と持ち主を変える銃・・・。
 ラストの岩山での対決は、ウィンチェスター銃の撃ち合いで、岩に弾丸が跳ね返る描写がある。画質は不満なし。500円なら買いです。
 ☆☆☆★