IUGA (International Urogynecology Association) 34th Annual Meeting (June16-20, 2009 Villa Erba, Cernobbio, Italy)に出席し、骨盤臓器脱に関する発表をしました。


     


学会場は敷地内に大きな庭園や邸宅のあるビラ エルバ。コモ湖畔にあり大変美しい所と言われていますが、音響設備の不備やポスター会場での不手際などもあり、日本や米国で行なわれる学会に慣れている者にとっては多少不便な所でした。

     

本学会が始まる前の2日間に例年同様Workshopが行なわれましたが、今回はCritical Research in Urogynecology: Practical Statistics and Critical Appraisal o the Urogynecology LiteratureとLaparoscopic Sacral Colpopexyのコースを受講しました。

Critical Research in Urogynecologyは、女性骨盤底疾患に関する臨床研究の方法や文献検索法についてのレクチャーでしたが、かなりの部分で理解を超えた内容であり消化不良でした。一方Laparoscopic Sacral Colpopexyは、腹腔鏡下に行なう膣断端仙骨固定術についてのレクチャーでしたが、これは大変参考になりました。現在当科では開腹下に本術式を行なっていますが、より低侵襲な手術を目指して今後同方法を取り入れたいと思います。当科では、腎/副腎疾患や前立腺疾患に対して腹腔鏡下手術を日常的に行なっていますので、腹腔鏡下膣断端仙骨固定術も技術的には問題ないと思います。

本学会には、当院から産婦人科野島先生も出席/発表しました。

     

日本からは当院の2題も含めて13題の演題がありましたが(全体で約500題)、壇上で発表するポディウムセッション(全体で67題)には1題も採用されませんでした。最先端治療法の開発や多数例の臨床比較試験などの演題でなければ、ポディウムセッションには選ばれないようです。すなわちこの領域では、日本は後進国と言えるのかもしれません。
来年の本学会は、2010年8月にカナダ トロントで開催されます。是非壇上で発表できるよう、詳細な臨床研究を継続する予定です。