金平内視鏡外科研究所<エルク>は,小さなきずで手術することにこだわる外科医達のネットワークです.

 

最近の手術症例 No.13 2003年2月                                                         <症例一覧へ>

盲腸にできた大腸癌に対する腹腔鏡補助下結腸右半切除術

盲腸は大腸の始まりの部分です.おへその右下にあります.一般の方が「盲腸で手術した」というときのモウチョウと,われわれ外科医が言う盲腸は違

います.一般の方が言うモウチョウは実は,「虫垂炎(チュウスイエン)」のことです.虫垂は,盲腸からミミズのようにぶら下がっている細い部分のことで

す.下の手術中写真(真中)で見えているミミズのような部分が虫垂です.

70歳の女性に貧血があったため,大腸内視鏡検査を受けたところ,盲腸に大腸がんが見つかりました.大きさは4

センチくらいです.このような大腸がんに対しては,大腸の右半分とリンパ節を一緒に取ってくる手術が必要です.

これを結腸右半切除術と呼んでいます.現在では,内視鏡を使った小さな傷の手術で,このような治療が可能です.

手術のために必要な傷は,今回は,左わき腹,みぞおち,右下腹,そしてへその下,合計4ヶ所でした.へその下

以外の傷の大きさは5-10mmと小さいものです.へその下は,4cm切り,そこから大腸を体の外に出して癌の部分を

切り取り,また大腸を縫い合わせます.

<左の写真は大腸内視鏡検査にて発見された盲腸のがんを示しています>

       

  <回結腸動静脈根部のリンパ節郭清>      <超音波装置で盲腸の裏を剥離する>       <肝臓付近の大腸を剥離する>

患者様の手術後の経過はとても順調でした.痛みの訴えもあまりなく,手術の2日後には病棟内を元気に歩き

回っていらっしゃいました.左の写真は退院のときのおなかの傷の状態です.小さな傷が4か所にあるのが見え

ます.たったこれだけの傷で大腸の右半分を切り取り,しかもリンパ節の郭清もできるのですから,内視鏡外科

手術の威力はたいしたものですね.この手術がいかに負担が少なくて済むかがおわかりいただけることでしょう.

今回の手術は石川済生会金沢病院の開放型病床を利用して行わせていただきました.

 

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