金平内視鏡外科研究所<エルク>は,小さなきずで手術することにこだわる外科医達のネットワークです.

 

最近の手術症例 No.17 2003年6月                                               <ほかの症例を見る>

異常高血圧の原因・異所性褐色細胞腫を切り取る

今回の症例は52歳の女性です.異常な高血圧がみつかり,薬を飲んでいましたが,思うように血圧が

下がりません.薬の限界の量を飲んでも,血圧が200mmHgを超えることもありました.そこで専門医が

詳しく調べたところ,骨盤内に褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)と呼ばれるできものが見つかりました.

このできものは,血圧を上げるホルモンを異常分泌するため,薬などでは治らない高血圧症になるのです.

このできものは普通,副腎という臓器にできるのですが,今回は例外的に下腹の腸骨動脈という血管に

接して見つかりました.わたしたちは腫瘍の位置や大きさから,小さなきずの手術で切り取れると判断し,

内視鏡を使って手術を行いました.写真左:右腸骨動脈の内側に,直径3センチ弱の腫瘍がみられました

ので,丁寧にまわりの組織からはがしていきます.褐色細胞腫の手術で気をつけなければならないことは,

腫瘍をなるべく触らないようにすることです.腫瘍を触ると血圧を上げるホルモンが放出されて,手術中に

  

恐ろしい異常高血圧をおこしてしまいます.そっと腫瘍の血管を切り離していきます.

写真中:血管はクリップを使ってとめます.写真右:腫瘍が腸骨動脈やまわりの組織

からほとんどはがれたところ.腫瘍を完全に切り取ったあと,おへその下のきずから

取り出しました.患者様は翌日から歩くことができました.きずの痛みもほとんどなく,

薬を飲まなくても血圧が正常に戻りましたので,大変喜んでおられます.

の手術は福井県敦賀市の市立敦賀病院外科の先生方と協力して行いました.

市立敦賀病院オペ室のスタッフの方々.左から小串Ns,金平,中村Ns,藤本Dr,

角田Ns婦長,木下Dr,足立Dr,富田Dr

<ほかの症例を見る>