金平内視鏡外科研究所<エルク>は,小さなきずで手術することにこだわる外科医達のネットワークです.

 

最近の手術症例 No.19 2003年9月                                               <ほかの症例を見る>

S字状結腸癌を小さなきずの手術で治す

30歳台の方が健康診断の検便で潜血反応陽性となったため,大腸カメラを受けたところ,

S字状結腸に悪性腫瘍(がん)が発見されました.「まだ若いのでまさか大腸がんなんて」

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,実際にはお若い方の大腸がんもそんなに

まれではありません.この方は幸い発見が早く,腫瘍の大きさは直径2センチ以下でした.

しかし精密検査の結果も合わせて考えると,大腸カメラで腫瘍だけ切り取る方法(粘膜切除)

では不十分な治療にになると判断し,おなかから内視鏡下手術でリンパ切も含めて大腸を

切り取る方法を選択しました.

S字状結腸の場合,転移の可能性があるリンパ節を一緒に切りとり,がん部を含む大腸と

一緒に,4cmのきずから体の外に引きずり出して,最終的な切除と,腸の吻合(ふんごう=

縫ってつなぐこと)を行います.このような手術方法を腹腔鏡補助下大腸切除術といいます.

<おなかのきず.1cm内外のものが4か所.4cmのものが左下腹部に1か所.>

    

<大腸カメラで見つかったS字状結腸がん> <下腸間膜動脈のリンパ節を含む脂肪を切り取る> <がんを切り取った後の腸を吻合した.>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

患者様はきずの痛6みもさほど訴えず,術後経過はすこぶる順調でした.

上の写真は切り取ったS字状結腸です.真中に直径2センチのがんが写っ

ています.顕微鏡で組織を調べてもらったところ,がんは粘膜の下まで

浸潤(しんじゅん)しており,大腸の近くのリンパ節1個に転移が見つかり

ました.手術では腸からかなり離れた,下腸間膜動脈(かちょうかんまくどうみゃく)の根元のリンパ節まで取りましたので,十分な郭清を行えたもの

と判断しています.この手術は富山協立病院にて行いました.上の写真は前列左から広野Ns.佐藤君(富山医薬大学生),大堀Dr,後列左から針原Ns.,

本吉Dr,金平,火爪Dr,古野Drです.                                           <ほかの症例を見る>