BEFORE

1997年に映画館で観た!



「エアフォースワン」 ハリソン・フォードが大統領にというので期待大でしたが、思ったほど楽しめなかったです。その理由は、ゲーリー・オールドマン扮するテロリストが相変わらずオーバー演技だけど、ロシアがアメリカによって搾取されているみたいなことを言うのですが、それが真に迫っていて非道な奴だけど少しかわいそうだな、アメリカも悪いことしているし、という気持ちになってしまったからです。あとテロに屈しないという大統領が・・・なのもちょっと不満を感じました。でも大統領が自分の力で何とかしようとする、しかも限られた空間の中でというアイディアはとても面白かったです。

「コンタクト」 ハリウッドはSF映画づいているようだが、「コンタクト」はカール・セーガン原作の科学と人間の探求心との真面目な科学映画。しかし十分娯楽映画に仕上がっている。特にワームホールを抜けるシーンとベガでのシーンは美しい。そしてジョディ・フォスターのすばらしい演技はともかく、ビル・クリントン大統領がすばらしい演技を見せている。どんな宇宙人とコンタクトするのか興味津々だったが、なるほどと思わせられる。「フィフス」に続いて押せる映画です。予告は見たいと思わせるいいできだった。

「フィフスエレメント」 リック・ベッソンお得意の水が流れているようなタイトルバックから、いきなり宇宙空間になる。で1914年のエジプト、そして宇宙船、メタリックなエイリアンとぞくぞくする導入だ。ブルース・ウィリスは「12モンキーズ」に続いてのSF映画だが、人間くさくて車が飛び交う未来でも存在感がある。そしてミラ・ジョボビッチはとてもセクシーで猫のようにころころ表情が変わり、魅力的だ。話は4つの要素の石の争奪となり、スクラップコメディ的な進行となる。実際何度も笑い転げることになる。そして「ダイハード」を彷彿とさせるブルースの活躍。しかしラストは感動的な結末を迎える。ミラはラストが気に入らないようだが、やはり「愛は地球を救う」ということか。今年見た洋画の中で一押し。ただ予告は、見せすぎかもしれない・・・。

「THE END OF EVANGELION まごころを君に」 最後のアスカのセリフがこの映画のことを言い表しているのかもしれない。しかし監督が、アスカを壊して、シンジを無力にして、レイを巨大化させて、そこまでエヴァとそれを取り巻くアニメオタクを憎悪しているのかとあ然とした。これを見た後はエヴァ熱が前よりもさめてしまったことは事実だ。18禁っぽいシーンと残虐なシーンに、子どもたちはどう思ったんだろうと心配になった。LDを見ていたからそういうタブー的な物を破るのもエヴァだったと思うが、今にして思えば、映画が始まる前の映倫の文字は勝ち誇ったように映されていたな。とにかくミサトさんの死にっぷりがかっこよかったのが心に残った。TV版の「おめでとう。パチパチパチ」で謎は棚上げの25話26話も今となっては良かったような・・・。しかしとりあえず終わったなという感じだった。エヴァにありがとう。

「ロストワールド」 ジュラシックパークの続編で終わり。アメリカではすごい大ヒットだけど、前作がよかったからみんなつめかけたのでは?恐竜たちがたくさん出てきて、動きもなめらかで、本物みたいだし、スリルも増したけれど、今ひとつという感がした。ジェフが全然活躍しないこと。最後の展開は「ロストワールド」という題からなるべくしてなったと思うが、ビルをなぎ倒すほどTレックスが大きくないのでゴジラを見慣れた我々には今いち迫力がないように思えるのでは?CGゴジラに期待したい。

「バットマン&ロビン」 カッコイイです。特にラストのバットマンとロビンとバットガールが走ってくるシーンはじーんとした。ヴァル・キルマーが一作で降りて残念だったが、ジョン・クーニーも悪くなかった。でも「フロムダスクティルドーン」の方が存在感あったけど・・・。しかしこれはまるで「寅さん」。次々と大物俳優が出演するバットマンシリーズはずっと続けてほしい気がする。相変わらず過去を引きずっている登場人物たちだが、それでも今までよりも明るくなったような。ゴッサムシティの映像もすごい。

「スターウォーズ ジェダイの復讐」 「帝国の逆襲」があっと言う間に終わっていて、見られなかった・・・。エピソード6はやはり大画面で見ると今でもすごい迫力だ。特に森のシーンと最後のデススター突入のシーンは手に汗握るという表現がぴったりくる。イオークもお茶目でいい。最後の各都市での花火のシーンは、フィナーレって感じでとてもよかった。ただ前に見た物を手直ししたとは言え新作のお金で1本ずつ見せるのはどうか。どうせなら3部作一挙公開、くらいのサービスがあっても良かったのでは?ま、特別編で儲けたお金で、立派なエピソード1から3を作ってほしいものだ。俗な話になってしまったが、いつの日かスターウォーズマラソン9部作一挙公開という日がくるのが楽しみだ。

「もののけ姫」 「トトロ」とか「ラピュタ」の感覚で見に行くとつらいものがあるかもしれない。重い映画だった。いきなりオームをもっとグロテスクにした物の怪が登場し、手が飛び、首が飛ぶ。「あ、首が飛んだ」とあっけにとられた。話としては人間が自然に対する畏敬の念を捨てた日を描いているのだが、自然への畏敬の念の破棄なくして文明化は進められない。しかし自然を蹂躙していっていいものなのか?どの立場にも立てず、感情移入できず、宙ぶらりんの状態であれよあれよと見守るだけだった。これで宮崎駿が隠居すると言っているらしいが、まだまだ作り続けていってほしい。浮遊感のある映像をまた見せてほしい。

「誘拐」 犯人の要求によりTV中継される身代金を運ぶシーンから映画は始まる。砂糖に群がる蟻のようなマスコミと、重い身代金を必死で運ぶ中年男。男は昔の映画で言えば「ダーティハリー」、新しくは「ダイハード3」のように電話でひきずりまわされる。とても派手な出だしで、観客は映画にすぐにひきこまれるだろう。しかしマスコミ陣や新任刑事の永瀬正敏のように最初は興味本位だった観客も、段々と「犯罪はゲームでない」と思うようになるにちがいない。映画は徐々に単なる娯楽ミステリではなく、社会派ミステリ的様相を見せ始めていく。なかなかスマートな邦画で、先の読めないストーリーもいい出来だ。ただ見終わって思ったことは、犯人にとってこのような誘拐の計画を立てて実行する他にもっといい方法はなかったのかということだ。でも見るだけの価値のある邦画だと思う。

「スターウォーズ特別編」 昔好きだった女の子に久しぶりに会ったらすごくきれいになっていた という感じ。何度見たかわからないおなじみのストーリーに、すごいSFXと未公開シーン満載の リニューアルされた「スターウォーズ」は、もう見るしかない。これは一つのお祭りであるし、19 99年から始まる新シリーズを見る前の復習としても見ておくべきだ。「ジュラシックパーク」で驚 かせてくれたクリチャーのCGも健在だし、何と言っても3Dの町のシーンや宇宙でのシーンは身 震いするほどの出来だ。当然ラストのデススター突入シーンもワクワクもの。キャラたちはもう言 うまでもなくみんな個性的。でもやっぱりハンソロはいつ見てもかっこいい。未公開だったジャバ ザハットの登場シーンも変にリアルで気持ちがいい(というか気持ち悪い)。昔の若いハリソン・ フォードと最新のCGの共演というのもすごい。まあとにかく前に見た人も見たことない人も、絶 対見よう。当然1200円のパンフレット(広告がすごく多いけれど)も購入して、7月の「帝国の逆 襲」「ジェダイの復讐」にそなえよう。

「新世紀エヴァンゲリオン シト新生」 LDで20話まで一気に見てしまったからには、映画も行かなければと、意気込んで行ったが・・・。「Death」は出来の悪い総集編。TVシリーズを見ていない人にはなんのことだかわからないでしょう。あと明朝体の多用は、TVシリーズほどの洗練さがなかったような。「Rebirth」は、あっと言う間に終わってしまうし・・・。もっと遅れてでも完全版で公開すべきだったのでは?宮崎駿を見習ってほしいものだ。で、結局エヴァって何、と聞かれても未だにわからない。パンフを見てレイのこととかちょっとわかった気がするが、しかしわからない。夏の「Rebirth2」も見なければ。しかし重いアニメであることは確か。

「マーズアタック」 「ファーストコンタクト」の後すぐに見たので、今いちのような・・・。もともとティム・バートンのコメディ感覚とはちょっと合わないので(「ビートルジュース」とか「ピウィー」とか、あんまり笑えない・・・)・・・。しかしSFXはすごい。あの気持ち悪い宇宙人はまるで生きているようだ。あの宇宙人に負けじと毒のある俳優がそれぞれ頑張っている。しかし人面犬とかラストのキスシーンとか悪趣味だとしかいいようがない。ストーリーは結局「宇宙戦争」なのでそれ以上言いようがない。あと火星美女の動きがものすごく変だった。ちょっと思ったのだが、ルーカス・ハースってウィノナ・ライダーとすごく似ている。そう思う人は多いはず。

「ファーストコンタクト」 子供の頃「宇宙大作戦」を時々見て、スポックの顔が怖かったのと、ピーッと転送するのと、いつもハラハラしたことをおぼえている。その映画「スタートレック」はビジュアル的に凝った作品だったけれど、ストーリーはハラハラ度が少なかったような気がした。その後2作目、3作目とストーリーの冒険度が高まっていったような気がする。
 熱心なトレッキーではないけれど(事実「ジェネレーションズ」とその前の映画を見ていない)、この「ファーストコンタクト」は楽しめた。前の話と少し関連あるようだが、気にならずに見られた。最後の最後までどうなるんだろうとハラハラドキドキだった。しかしハラハラよりも、ホラー映画のような怖さかあった。事実ボーグはちょっとゾンビのサイバーパンク版のようで、次々とクルー達を同化していくのは、ほんとどうかしてほしかった。とにかくSFXもすごいが、それだけでなく、ストーリーと俳優たちが生きていて、一流のエンターティンメントになっている。ラストのファーストコンタクトがああいう事だったのは知りませんでした。
 ちなみにカークとスポックの関係って、ピカードとデータの関係に似ているのですね。信頼で結ばれた、しかし見方によっては危ないという。

「ファーゴ」 面白い!でも、アカデミー賞にたくさんノミネートされているのは・・・何故?
マージという女刑事のほんわかした雰囲気がとてもよかった。しかもホームズのように鋭い観察力と推理力を兼ね備えているのにはびっくりした。そして「ヤー」が連発される会話には、爆笑してしまう。方言なんでしょうか。
でもその反面狂言誘拐の方は、どんどん残酷にエスカレートしていく。最後なんか人間を圧搾機にかけるのは・・・。ま、その対比が奇妙な味を出していていいのかも。日常のささやかな幸せが大切なんだろうな。しかしその日常も突然として破られることがある。

「クラッシュ」 クローネンバーグの新作ということで、見たが・・・。超変態映画で、つらかった・・・。
という見方しかできないのは、映画を見る目がないからかもしれないけれど・・・。
なんでアカデミー賞女優のホリー・ハンターが出るだ?と文句を言ってもしょうがない。
しかしクローネンバーグの「裸のランチ」の行き着く先はこうなのかも・・・。しかし「デッドゾーン」や「スキャナーズ」のような作品がまた見たい気がする。

「身代金」 :予告編で息子を誘拐された父親が、テレビで身代金を犯人に対する賞金とすると言うのを見て、これまでとは違うタイプの誘拐物だと思った。
 実際見てみると、誘拐はE−mailで画像付きで父親に知らされ、犯人はコンピュータを駆使して逆探知を阻止し、携帯電話で指示するといったとても新手のテクニックが披露される。次どうなるかと、はらはらしっぱなしで意外な展開になっていく。
 しかし見終わった後、なんだかすっきりしない物を感じた。その理由を考えていたら次のような結論になった。その結論はネタバレにつき、もう映画を見た人だけここをクリックしてください。

「インディペンデンスデイ」 :3時間近い上映時間が、あっという間に。とにかく迫力ある映像がこれでもか、これでもかと続き、一瞬たりとも目が離せなかった。
 ストーリーに関しては、悪い宇宙人が地球に攻めてくるというよくあるもの。宇宙人の巨大マザーシップを見て、「宇宙戦艦ヤマト」シリーズを思い出した人もいるはず。またご都合主義的展開が、よく見られた。
 しかし、映像がそんなストーリーの陳腐さを吹き飛ばしてしまう。ホワイトハウスやエンパイアステートビルディングの爆破シーンや、それに伴う都市の大崩壊シーンは、見事としか言いようがない。
 「エリア51」や「ロズウェル事件」の真相も明らかにされるし、まさに「X−FILES」映画版と言ってもいい。(真の「X−FILES」映画版は、とても作りにくくなってしまったはずだ。)
 解剖シーンのショッキング演出はご愛敬だが、どうせなら宇宙人も「GREY」にすれば、もっとよかったのに・・・
とにかくスカッとしたい人にはお勧めの映画。ただ世界の指導国「アメリカ万歳」というのが鼻につくと、楽しめないかもしれない。しかし次の「ゴジラ」ハリウッド版が楽しみだ。

「グリマーマン」 :サイコ殺人犯人による連続殺人事件に対するは、スティーブン・セガール。しかしどうもセガールには何か秘密があるようだ。見ていて、イーストウッドの「タイトロープ」を見ているような、主人公に疑惑がわいてきて、少し居心地悪い思いがした。しかし当然格闘アクションは切れ味があり、特にレストランでの一人で何人も倒していくシーンは、見応えがあり、笑ってしまう。「ブローンアウエイ」で頂点まで来た爆破シーンは、その後もアクション映画でよく見かけられる。「ザ・ロック」しかり、「デイライト」しかりだが、この映画でも、相棒の部屋の爆破シーンなど、どうやって撮ったのかと思うほどすごい。単なるサイコ映画でも格闘映画でもなく、一ひねりされたアクション映画で、セガールと相棒の掛け合いも笑える。あと「レザボアドックス」「トゥルー・ロマンス」的三竦みのシーンがあって、笑う。

「フェノミナン」 :「これは感動しますよ」という話を聞いて、観に行った。光を見た結果、知能が発達し、超能力も持つようになる正直者のジョン・トラボルタと、他人との関わり合いに臆病な女性との愛や、周りの人との関係を描いている。
超能力者が孤独なのは、「キャリー」「デッドゾーン」「スキャナーズ」といった映画でも描かれているが、この映画もやはり村人たちの理解できない力を身につけたトラボルタが孤立していく。しかし主治医や友人や女性が救いになっていて、暗い話にはなっていかない。
UFOによって与えられた能力か、病気による能力か、選ぶのは観客ということになる。しかしどちらにしても能力をみんなのために生かそうと考えるトラボルタこそ、能力を得るのにふさわしい人物だったと思う。ポルトガル語の講義のシーンはとても良かった!

「デイライト」 :これを最後にアクション映画から引退すると宣言したスタローン主演のパニック映画。しかし少し低迷していたのがアクション映画「クリフハンガー」で復活したように、スタローンと言えばアクションだから、その宣言を撤回してほしいものである。というのも、アクション以外で主役をはれるほどの演技力は期待できないからだ。年だから体がきついというのもわかるが、スタントを使ってでもアクション一筋でやっていってほしいものだ。ショーン・コネリーががんばっているんだから、それを見習ってほしい。
 ところで、「デイライト」だが、まさに「ポセイドンアドベンチャー」を彷彿とさせる。しかし見終わって一番印象に残ったのは、部屋中ごきぶりがはい回り、引き出しにはねずみがいるという部屋に住んでいる脚本家の夢やぶれた女性のことだ。しかも彼女は最後までおいていかないでくれと泣き叫ぶ、そういう女性とスタローンが最後結ばれるようだが、それでうまくやっていけるのか、ということが映画を見終わってから心配になった。まあ、どうでもいいことだが・・・
 しかしトンネル内での爆発シーンは、なかなか迫力があったし、最初エゴをむき出しにしていた生存者たちがまとまっていくのもよくできていた。ただ誰かに教えてほしいのは、マッチをどうやってしめらせずに保管していたのかなということだ・・・