2003ミステリ感想(5月・6月)
6月
「学寮祭の夜」(セイヤーズ) ハリエットは母校の学寮祭に参加する。そこで中傷の手紙をもらう。その後大学に嫌がらせの手紙が飛び交い、悪質な悪戯が次々と起こる。ハリエットは真相を究明するよう依頼されるが…
殺人は起こりませんが、普通小説とミステリの完全なる融合と言えるでしょう。結論から言えばハリエットとウィムジィ卿が結ばれるまでを描いていますが、悪意に満ちたたくらみが大学内にあり、それがサスペンスを高めます。
5月
「被害者は誰?」(貫井徳郎)容姿端麗・頭脳明晰な小説家吉祥院 慶彦が解決する4つの事件。豪邸に埋められていた死体は誰か?不倫を目撃したのは誰か?小説中の誰が探偵か?誰が名探偵なのか?
最初の作品が一番気に入りました。伏線貼りまくりの手記から意外な真相を引き出すのはさすが貫井さんです。探偵と「僕」の関係も面白く、続編が読みたいです。
「アリスミラー城殺人事件」(北山猛邦)アリスミラー城に集められた探偵達。一人また一人と不可能な状況で殺されていく。最後に残るのは…
章題についているチェスが意味深です。読み終わった後意味が不明でしたが、なるほどそういうコトだったんですね。でも殺人の動機が意味不明です。
「ジャンピングジェニイ」(バークリー)
お勧め!
殺人者と犠牲者パーティで、顰蹙をかっていた女性が絞首台で死んでいた。自殺と思える状況で、シェリンガムは殺人として事件を調べる。
人をくったミステリで、シェリンガムが真相を追求する動機やその後の行動が笑えます。こんな探偵見たことないという感じで。バークリーのミステリって本当に今読んでも新しいです。

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