2004ミステリ感想(3月・4月)
4月
「極限推理コロシアム」(矢野龍王)二つの館にそれぞれ無理矢理集められた七人。二つの館で起こる連続殺人事件の謎を先に解決した方が勝ちというゲームがスタートする。
トリックはちょっと面白いけれど、誰がなんのためにこんなことをするのか最後まで説明がなくて、とても不自然。ラストの一行もちょっと…
「イニシエーションラブ」(乾くるみ))
お勧め!
大学四年の僕が合コンで出会った女性と意気投合してつきあい出し、夏休み、クリスマスと楽しい毎日を過ごす。
普通のラブストーリーだけどそうではありません(意味不明)。読み終わった瞬間は少しへんだなと思いながらも気づかなかったのですが、最後を見直して衝撃を受けました。「弁護側の証人」と同じように読後もずっと気づかない人もいるかもしれません。「今年最大の問題作」という通り、今年のベスト10に入りそうな作品です。
「届かぬ想い」(蘇部健一)娘が誘拐され、妻も死ぬ。再婚した相手との間に生まれた子どもは不治の病だった。それを救う手段は…
会話ばかりで読みやすいです。さらりと書いていますが、よく考えるととんでもない話です。主人公が女にだらしなさすぎます。検索して…というのはおかしいです。
「さよならの代わりに」(貫井徳郎)劇団の看板女優が殺された。大物俳優が容疑者とされる中、不思議な美少女が僕の前に現れ…
会話が多くて今までの貫井さんの作品よりも読みやすいです。祐里がとても素敵な女の子で切ないです。あることがとても複雑で某SFを思い出しました。
3月
「絹靴下殺人事件」(バークリー)失踪した女性を捜すうちにシェリンガムは絹の靴下で首を吊って女性が死ぬ事件が多発していることに気づく。連続殺人事件なのか…
いわゆるミッシングリンクですが、単純なものではないのがさすがバークリーです。罠のかけ方が強烈でした。
「雨に殺せば」(黒川博行)銀行輸送車が襲われ、銀行員が二人殺された。しかしそれは単純な事件ではなかった。黒マメコンビが画壇の内幕を暴き、事件を解決する。
黒マメコンビがいい味を出しています。なかなか複雑に絡み合った話ですが、マメちゃんの名推理で解決するのが良いです。
「星の牢獄」(谺健二)
お勧め!
天文台で不思議な状況下で次々と人が死んでいく。隕石に撃たれて焼死した男、屋上から吊された老人、大時計に磔にされた男。「バ・スウから来た異星人イレム」が事件を解決する。
異星人の話から面白すぎて一気に読めました。トリックは大業で、少しえっと思うところもあるのですが、さらに驚きもあって、これは絶対お薦めです。

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