2018年読んだミステリベスト10
10位『虚ろなる十月の夜に』(ロジャー・ゼラズニィ)
昔はまったゼラズニィ。犬の一人称で何かゲームのようなものが進行しているのだが、何かわからないというが面白い。名探偵、実験体、伯爵、ジャックといった登場人物たちにもワクワクするし、使い魔?たちの会話も楽しい。

9位『双蛇密室』(早坂吝)
 真相に絶句。こんなミステリ読んだことありません。ラストがまたちょっと心配な終わり方で、このあとどうなるんでしょう。

8位『サーチライトと誘蛾灯』(櫻田智也)
 泡坂妻夫さんへのリスペクトが感じられる昆虫好きのとぼけた青年が主人公の短編ミステリ集。何気ないことから事件を推理したり、掘り起こしたりするのが亜愛一郎っぽくて、面白かったです。あとがきの泡坂さんとのエピソードが良かったです。

7位『空のオベリスト』(C・D・キング)
 エピローグから始まり、最後に手がかり索引がある、稚気に満ちた本格ミステリ。途中でめちゃくちゃビックリしました。ラストのプロローグがまた(以下略)。海、鉄路、空とオベリスト三部作でしたが、一番好きです。

6位『てるてるあした』(加納朋子)
 ボロ泣きでした。高校に合格後、親のせいで夜逃げして遠い親戚に預けられた照代。何に対しても否定的な照代の一人称が心痛いですが、厳しい久代ばあさんやささらの人たちとの関わりで変わって行きます。「本っていいよ」という久代さんの手紙も良いです。

5位『ブラッド・ブラザー』(ジャック・カーリィ)
 ニューヨークを舞台に起こった惨殺事件。兄の脱獄、医師のビデオ。カーソンが相棒ハリーとバラバラに分かれて事件に取り組みます。明らかになる真相に、1作目から読んできて、良かったと思いました。

4位『だれがコマドリを殺したのか?』(イーデン・フィルポッツ)
 半分まで誰も死なず、ラブストーリーが続きます。でもその裏で進行している事件が明らかになると恐ろしさを感じます。最高です。

3位『13・67』(陳浩基)
 香港警察を舞台に繰り広げられますが、どんでん返しがすごいです。ベッドの名探偵に犯人を推理させ、脳波で語らせようとするという第一話からしてもうすごすぎる。

2位『暗闇へのワルツ』(ウイリアム・アイリッシュ)
 心揺さぶられる小説。主人公が文通で知り合った女性と結婚することにするが、やって来た相手は写真とは別人の若くて美しい女性だった。主人公の行動に思わずやめろとか、騙されるなとか言いたくなった。主人公がいい人すぎる。結末が…。数十年積読だったが、今読んでよかったのかも。

1位『屍人荘の殺人』(今村昌弘)
 大学のミス研という始まりからしてワクワク。クローズドサークルのそんな作り方があるかと目からウロコ。とにかく面白かったです。


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