皇紀2677年 平成29年のホタル飼育情報
今年も、ゲンジホタルを飼育するために、卵を産んで貰う種蛍を、犀川縁で 6月22日にメス2匹とオス4匹を捕まえてきた。
7月1日で、最後のメスが使命を終えて亡くなった。 スポンジの裏には沢山の卵を残してくれた。
大事に扱い、孵化させて、夏の間飼育して、秋の終わりに放流することにしたい。
放流時期や場所は、ホタルの会で相談しながら、進めていきたいと思っている。
今回のメスは最大10日間生きてくれたことになる。 オスは5日程で亡くなっているので、卵を産み終えるまで頑張ってくれたのだろう。
これからは、託された私が頑張ることにしたい。
7月3日 金沢ホタルの会会員 管理人
10月16日
午後から、ホタルの飼育水槽の掃除を行うことにした。
まじめに飼育している人たちは、日々カワニナを与えて食べかすのカワニナの殻を取り除いているらしい。
それ故に、常に水槽をきれいにして居られ、幼虫の姿が見える形で飼育されているようである。
不真面目な管理人は、カワニナを後から後から追加投入してきたため、食べカス殻と生きている殻とがごっちゃまぜで有り、
幼虫はそんな貝殻の中に埋もれている状態であった。
水槽の底に堆積した土と貝殻を別容器にあげて、這い出した幼虫を一匹ずつスポイトで吸い上げて別容器に移した。
これが大変な作業である。 食べかすの巻き貝の中にも潜んでいるものや、未だに孵化した時と殆ど同じように小さいものまで居るのである。
幼虫の大きさ別に、それぞれが食べられる大きさのカワニナを与えるべきなのである。
悪いことをした。最初に餌を口に出来なかった個体は、最後まで小さいのである。
自然界でもカワニナと出会える確率は小さく、数年かかって大きくなるものが殆どなのである。
飼育している環境では、大半は1年で最終令の幼虫に育つのである。
2時間ほど掛けて、200匹以上の幼虫を取り出せた。途中までは数えたが、まとめて吸い上げることもあり、正確なカウントは諦めた。
多分まだまだ、小さいものや殻に隠れた幼虫が居るはずであるが、殻毎カワニナを採取してくる水路の上流側に開けてきた。
何匹かは成虫に育ってくれるだろう。
取り分けた幼虫は、あと暫く飼育してから放流となる。
そのための新しいカワニナの小さいものを、別の水路から採集してきて水槽に戻した。
来年は、故郷のホタルと、金沢のホタルとを分けて飼育しなければならない。生家の脇のホタル水路での飼育と我が部屋での飼育に分けての飼育となる。
故郷のホタルが少ないので、種蛍が手に入るか 来年は泊まることが多くなるので何とかなるだろう。 故郷の自然のホタル何とかしないと絶滅しそうなのである。
あっそうだ。 その前にホタルを放す水路を造らなければならないのである。
明日は、土方して来なくては。
7月22日
ホタルの幼虫は、非常に小さい。 昨年より大きな水槽で飼育中であるが、目の悪い管理人には、裸眼では見つけることが難しい。
水槽には、カワニナの親貝も入れているので、餌のキャベツを食べて糞をする。この形が幼虫にそっくりなので、なおさら判らないのである。
夕方、居ないのではないかと心配になり、水槽の中を拡大鏡でよく観察したら、居ました。
やや大きなカワニナを集団で攻撃していて、食べているのが確認出来た。
カワニナの稚貝が手に入っていないので、大きい貝を集団で立ち向かうことで、餌にしているのである。
自然界でも、飼育環境でも繰り返されている食物連鎖であり、見守ることにした。
ともかくも、暑い昼間をやり過ごしていることで安心した。
夏の終わりにどの位の数が、どの位大きくなってくれるか、不安と期待が入り交じっている。
水槽の番人
7月17日 海の記念日
昨夜あたりで孵化は完了したようである。約1週間かけて産み付けられた卵が、1週間かけて孵化したのである。
これからは暑さと、餌のカワニナの確保が大変である。
一度流れてしまった水路でも、多分どこかの石の下やコンクリートの古い水路の隙間などに、避難していた貝が見つけられるようになった。
むろん、数は少ないが、こんなことが自然界では当たり前で、自然に対応していける機能を持っているのである。
しかし、自然でない人が関与している人工環境では、こうした機能がなかなか効果を発揮しない。
何年も飼育に携わってくると、たった一晩、家を留守にした時に、エアレーションのゴム膜が破れて送気不能となり、
翌日帰宅した時には、酸素不足と水温が高くなりすぎたために、一つの水槽が全滅してしまったのである。
こうした経験から今は、水槽全体の循環ポンプと別に、エアレーションのポンプを併設している。
どちらかが止まっても、全滅は避けたいとの思いからである。
しかも今年は、2台とも新品に交換した。 出費がかさむが、卵や幼虫の命を預かるものの責任なのである。
さて、今日は私園で作業してこよう。 熱中症に気を付けながら。
ホタル達に対する一番大事なことは、管理人が無事に帰宅することなのである。
7月11日
スポンジの卵を見たら、黒く色が変わり、孵化寸前のようである。
あわてて、孵化後の飼育槽に水を張り、循環ポンプとエアポンプを取り付けて、卵の付いたスポンジを水面の上に浮かして設置した。
これで孵化すれば、幼虫は水中に落ちてくれる。
問題は、カワニナの稚貝である。 いつもの採取地のカワニナが全て流されていたのである。
いつもなら、砂地の部分を採取して別の水槽に入れておくと、内側に稚貝がどんどん付着してくれるのであるが、
親のカワニナが居ないのでは、稚貝が居るはずがない。
結局ホタル生息地の一番下流側の川に落ちる寸前の水路から、親貝を20個程採取してきて、しばらく水槽で飼うことにした。
数日すれば、稚貝が付着してくれるはずであり、孵化が始まったら、与えることにしたい。
暑い夏を幼虫と共に、どう切り抜けるか、心配の種である。
ポンプを新しいものに変えたので、故障により循環が止まることはないはずで、エアポンプの気泡により気化熱により水温低下が計られるはずであり、
多分大丈夫だろう。 問題は餌になるカワニナかな。