この小説はヒナタがとっても黒いです。
よって黒ヒナタOKな方のみお読みください。
そんなヒナタはヒナタじゃないとおっしゃる方は引き返すことをお勧めします。

呪(まじない)



ヒナタの策略!?



ホワイトデーまであと数日と迫ったある日の夕方、任務が終了して家に帰っているヒナタの元へナルトが走りながら現れた。

「お〜い!!ヒナタ〜!!やっと見つけたってばよ。」
ナルトが息を切らせながら大声でヒナタを呼んだ瞬間ヒナタは顔を真っ赤にさせうつむいた。
それからとても小さい声だが言葉を返した。

「ナ、ナルト君・・・どうしたの??そんなにあわてて・・・」
「ああ、ヒナタこの前のバレンタインのときオレにチョコくれただろ??そのお礼ってば何がいい??オレってば初めてチョコ貰ったから何返せばいいか分かんなくてさ〜。」
ナルトの言葉にヒナタの顔はますます真っ赤になりいつも以上にモジモジしていた。
そんな状態でもヒナタは何とか言葉を返した。

「・・・・ナルト君の印鑑の押された婚姻届かナルト君の身体・・・・」
ボソッと言った言葉はいつものヒナタのではなかった。
下を向いているヒナタの顔は確かに真っ赤になっているが、口元は怪しく笑っていた。

「へ、今なんて言ったってば??よく聞こえなかったってばよ。」
ナルトには幸か不幸かヒナタの言葉は聞こえなかった。

「う、ううん、な、なんでもない・・・ナ、ナルト君から・・・その・・・もらえる物だったら何だってうれしいから・・・」
「そっか。」
今度はヒナタの言葉が聞こえたナルトは顔に笑みを浮かべながら返事をした。
ヒナタの言葉で何を贈るか決めたのだろうか。
その後、ナルトはヒナタにお礼を言うと走り去っていった。



それから数日後のホワイトデー当日・・・・の明け方。
その日、ナルトの家の台所ではナルトが何かを作り終えようとしていた。
ナルトがバレンタインのお返しに選んだのは手作りのクッキーであった。
しかも作ったのは一種類ではなく、数種類の味のクッキーであった。
さらに一つ一つのクッキーのデザインが違うという手の込みようだった。
クッキーを作り終わったナルトはそのクッキーを丁寧にラッピングしてようやく一息ついた。

「やった〜!!完成だってばよ!!」
ナルトが何故こんなに手の込んだクッキーを作ったかと言うと、バレンタインにヒナタから貰ったチョコがヒナタの手作りで、出来がとてもよく味も格別であったからである。
そこまでのチョコを貰ったので自分もちゃんとしたのを贈ろうと、失敗に失敗を重ねてやっと完成したのである。

「・・・ヒナタ、喜んでくれるかな??・・・」
ヒナタはナルトから貰える物であれば何でも喜ぶであろうが、ナルトは多少不安になっていた。

それから数時間後

その日、任務がなく、とくに予定もなかったヒナタは里の繁華街でウインドウショッピングをしていた。
そこへナルトが駆け寄り、何も言わずにヒナタの手を取ると、いきなり連れ去って行った。
周りに人がいない所まで連れてきたナルトに、ヒナタは顔を真っ赤にして俯いていた。
それを見たナルトはヒナタが怒っていると思ったが実際は、

(ナルト君、こんな人気のない所まで連れてきて・・・まさか告白!?ううんもしかしたらその先も・・・おいしい!!おいしすぎるわ!!もうこうなったらいけるとこまで!!・・・・)
とかなりやばげなことを考えていた。

「ひ、ヒナタ・・・こ、これ、この前のバレンタインの、そ、そのお返し・・・ごめんな、こんなとこまで引っ張って・・・その・・こんなの渡すの初めてで、恥ずかしかったから・・・」
ナルトは顔を赤くして照れ隠しに後頭部を手でかきながら、しどろもどろな話し方で手作りのラッピングが施された箱をヒナタに渡した。
そのしぐさを見たヒナタは、

(かわいい!!かわいすぎる!!このまますぐに家に持って帰りたい!!ううん・・いっそ此処で(自主規制)・・・・)
と別世界に入り込んでいた。
しかしナルトの手に持っている物を見た瞬間現実世界に戻ってきた。

(はっ・・・あぶない。もうちょっとでナルト君を襲うとこだった・・・初めては受身って決めてたのにきゃっ
「あ、ありがとう。・・・・うれしい
顔を赤面させ、満面の笑みを浮かべながらナルトからプレゼントを受け取ったヒナタの顔を見たナルトは今まで以上に顔を真っ赤にさせた。
心の中でヒナタが何を考えているかも知らずに・・・

(今はこれで満足するわ・・・そう・・・今はね・・・ふふふ
そうヒナタはナルトには見えぬように十二歳とは思えない妖絶な笑みを浮かべながら恐ろしいことを考えていたのである。


それから数年後

ナルトは中忍試験に一度落ちた後、次の試験に合格してからはすさまじい速度で成長し、今では上忍にまでなっていた。
ナルトの成長と共にナルトを危険視する意見もあったが、それ以上にナルトを認める声が増え、今では誰もが認める忍びなっていた。
それは里の女性の間で最近行われたアンケートで、『結婚したい男性第一位』、『弟にしたい男性第一位』、『笑顔がまぶしい男性第一位』、など輝かしい成績を残したことでも証明されていた。

そんなナルトの元へ深夜に訪れる怪しい影があった。
ナルトがその気配を感じ警戒していると、玄関からノックと女性の声が聞こえた。
ナルトが声を聞いて警戒を解き戸を開けると、其処にはヒナタの姿があった。
このような時間にヒナタがナルトの家に訪れたことはなかったのでナルトは驚いた。

「どうしたんだヒナタ??こんな時間に・・・」
そんなナルトの問いにヒナタは顔を赤らめながら答えた。

「う、うん・・・今日は・・・その・・・バレンタインデーだから、チョコをナルト君に早く渡したくて・・・ご・・・ごめんね・・・こんな時間に・・・」
ヒナタの答えにナルトは、そういえばもうそんな日にちだったなと思った。

「いいよ、気にしてないから。こんなとこじゃ何だから上がってくといいってばよ。」
「う、うん」
ナルトに促されて、ヒナタはナルトの家の中に入って行った。

「そ、そのナルト君チョコなんだけど・・・渡す前に・・・その・・・後ろ向いてもらえるかな・・・」
「・・・?・・分かった。」
ヒナタの言葉にナルトは不思議に思いながらも後ろを向いた。
ナルトの後方からは衣擦れの音や、何かを塗る音が聞こえ、より一層ナルトは不思議に思った。
しばらくしてヒナタから向いてもいいと言われ、ナルトはヒナタの方へ振り向いた。
其処には上着一枚だけを羽織り、その上着も肩まで露出させる着方をし、チョコレートを唇に薄くぬり、露出している身体の一部に液状のチョコを垂らしたヒナタの姿があった。
その姿を見たナルトは一瞬で顔を真っ赤にさせ、凍りついた。
ナルトの心の中ではその瞬間からある戦いが繰り広げられていた。

(襲っちまえよ〜。あんな格好をしているんだから、誘ってるんだぜ。)
(まだお互いに告白もしていないのに、そんなことをするなんて駄目だってばよ。)

それは悪ナルトと少年ナルトだった。
両者はお互いに一進一退の言葉の攻防を繰り広げていた。
そんなナルトを知ってか知らずかヒナタは言葉を発した。

「ナルト君・・・食・べ・て
この言葉を聞いた瞬間、悪ナルトが少年ナルトを螺旋丸で吹き飛ばす光景がナルトには見えた。
それと同時に、ナルトは雄叫びを上げながらヒナタ押し倒した。

「ヒ、ヒナタ〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ナルトはヒナタの唇に激しくキスを何度もした。

「ナ、ナルト君・・・美味しい??」
「ああ、すごく甘くて美味しいよ。」
その言葉を聞いたヒナタは微笑みながらナルトに囁いた。

「じゃあ、もっと食べて・・・」

その後この二人が何をしたかは語らないが、ナルトの家からは女性の嬉しそうな悲鳴が絶え間なく聞こえ、静かになったのは夜が明ける少し前であった。



それから一ヵ月後、

「ナルト君、できちゃったみたい責任、取ってね
とナルトに満面の笑みで話すヒナタの姿が目撃されたという。
終われ。





オマケ
ちなみに『恋人にしたい男性』第一位はサスケ、二位にネジ、三位にナルトである。
また女性部門では『恋人にしたい女性』第一位サクラ、二位にイノ、三位にヒナタ。
『結婚したい女性』第一位ヒナタ、二位イノ、三位サクラ。
『妹にしたい女性』第一位ヒナタという成績である。

呪様からナルヒナホワイトデー小説を頂きました。
ありがとうございます!
これは、別にアップが遅れたわけではないですよ?
もらったのは昨日の深夜ですから。(自己防衛)

いやー、黒ヒナタいいですね。
普通のヒナタももちろん好きですが。
黒なら、実は『できちゃった』のもかなり計算してそうです。
……怖っ!

にしても、さすがブラックだけあってやることが大胆です。ヒナタ。
初めてからそんなマニアックなプレイ!(笑)
いつになっても手を出すどころか告白もないんで、かなり焦れたようですね(苦笑)。

なんかエロっちいので、UPにあたって裏を作るべきか一瞬悩みましたが、
コレくらいなら大丈夫……かな……?

2004/3/24