A.P.J.〜言うまでもなくAcoustic Progressive Jazz の頭文字ですね。アコースティック、だからグランドピアノとウッドベース、ドラムスもいっぱいタムとかが付いてないシンプルなものでしょう、でプログレですからピンクフロイドとかイエス 、はたまた四人囃子みたいな…。そうか、そんな音楽なんだ！と思って聴いた彼らA.P.J.のアルバム「e」、これが意表をつくほど美しいピアノトリオなのです。つまりプログレをあのプログレッシヴロックの方に考えずに、言葉本来の意味の「先進的」とか「新しい」と考えれば、例えば僕たちが初めてチック・コリアの「Now He Sings, Now He Sobs」を聴いたときやキース・ジャレットの最初の「Standards」を聴いたときのような、ああ、新しいトリオの時代が始まったんだなあという感慨も、この「プログレッシヴ・ジャズ」という言葉から遠くないような気がします。
　前置きが長くなってしまいましたが、難波＝水野＝池長という三人が生み出すトータルサウンズの美しさ（これもプログレの条件です）、もっきりやではポンタボックス以来の水野正敏のウッドベース、三人の「ミュージシャンズ・ミュージシャン」達が紡ぎだすピアノトリオの粋をお楽しみください。

　今年の「TOKYO JAZZ」でも大きくフューチャーされ、春以来のブレイクで一気にアルトサックスのスターダムに登場した太田剣、初めてのもっきりやです。
　早稲田ジャズ研出身で数多くのミュージシャンとの共演で培った豊富なキャリアと、メディアとの華やかなコラボレートの両輪が揃っているうえに、恵まれたルックスですからファンが多いのは当然です。ファーストアルバム「SWINGROOVE」もオリジナルを中心にスタンダード、平井堅、デスティニー・チャイルド、マルーン５のカバーと盛りだくさん、ダンサブルな曲も多いのですが、しっとりとしたピアノとのデュオも魅力的です。
　才能あふれる新しい世代の新しいジャズ、J-JAZZ のトップランナーの一つのグループです。

　さあ、アース・カルテットこと EQ、遂にもっきりやに登場です。小池、青柳、納、大坂、という四人の日本ジャズ界を代表する名手達による究極のコラボレーション、究極のバンドサウンズです。
　ずっとメンバーそれぞれのオリジナルをやる事で深化し続けて来た EQ ですが、今回は何と何との全曲スタンダード集、それも半端じゃない有名曲揃いです（サマータイムも枯葉もドナリーもあるんだから）。でも勿論有名曲だからといってそのままやるようなメンバーのはずがありません。耽美的に、時に暴力的に、聴き慣れた名曲をグルーヴィーにアグレッシヴに料理していく四人のミュージシャンシップを堪能してください。小池修だけがもっきりや初登場、ブレッカーが好きな人は必聴です。

　フルメンバーでは２月の多田誠司セッション以来ですが、女性５人でハードバップ中心に演奏するバンドです。
　ヤワなスタンダードをレパートリーにするグループが多い中、ジャズマン達のオリジナルで勝負する姿勢はなかなか美しいと思います。

　スクエアがデビューしたラッキー・サマー・レディーの時（安藤さんにパーカッションは仙波さん、キーボードは宮城さんという素敵なメンバーでした）以来本当に久しぶりの電話で決まった「あんみつ」の一回目のライブがほのぼのとして、正しいアコースティックギター・デュオはこうでなくっちゃ、とニコニコしてたのですが、早くも三回目、秋の金沢にはぴったりのハートウオーミングなライブです。
　やんちゃな曲も余裕で遊んでしまえるあんみつですが、実は丁寧にメロディーやハーモニーを大切にする姿にこそ二人の本当の姿があるように思えるのですが。

　正しいジャズファン（なんだ、それは、と言う人いて当たり前ですが）ならみんなが涙する永遠の名盤「PIKE'S PEAK」、センチメンタルムードもベサメムーチョも勿論素晴らしいのですが、ディミトリ・ティオムキン（「北京の５５日」なんて曲を作った人です）の"WILD IS THE WIND"を弾くデイブ・パイクの叩き付けるようなリリシズム、盟友スコット・ラファロを亡くしたばかりのビル・エバンスの切ないピアノの魅力...幻の名盤と言われていた頃にやっと手に入れたエピック原盤を繰り返しターンテーブルに乗せた頃を思い出します。
　そのデイブ・パイクをもっきりやで聴けるとの事、一も二もなくお願いしてしまいました。若い人達、クラブ・ミュージックが好きな人には「デイヴ・パイク・セット」のレコードでおなじみなようですが、哀感をこめたヴィブラフォーンの響き、ぜひ全ての人に
聴いていただきたいと思います。
　吉田桂一は金沢出身のヴァイブ奏者出口達治カルテットのピアニストでもあり、スイングするピアノは一級品、太いグルーヴィーなベースの荒巻茂生、ロス在住のベテランドラマーヒロ近藤とともに最高のリズムを創り出します。
　とにかく、今、デイブ・パイクを眼の前で聴けるということ、このミルト・ジャクソンの陰に隠れたアンダーレイテッドなジャズの伝説を温かい拍手で迎えてあげたいと思います。ぜひ！

　ちょっとびっくりしませんか？　ルースターズの花田裕之の弾き語りライブです。
　ちょっとパンキッシュでカッコ良かったルースターズはシーナ＆ロケッツなんかと並ぶ九州の雄、花田裕之はそのギタリストでしたが、今は「流れ」というタイトルで弾き語りのツアーもやっています。
今回のもっきりやライブ、熱心なファンの高木さんの尽力で実現しました。
一本のロードムービーのようなロックンローラーの歩んで来た道を味わってください。

　バークレイ帰り、現在富山で活動するギタリスト舟瀬新一郎のもっきりや初ライブ です。

　さあ、年に一度、大好きなブレッド＆バターがやって来ます。いつもよりはちょっと深めの秋の一夜、エヴァーグリーンでノスタルジックな歌の数々をゆっくりと聴いてみませんか？
　６０歳を超えて日本の一番良質のポップスを、こんなにさらりとこんなにロマンティックに歌える人達は他にはいません。ユーミンや南佳孝の世界が好きな方はぜひ、湘南の風が吹いています。LATE LATE SUMMER の「あのころのまま」なんか今歌われると、ホント、いい年なのに胸キュンです。

　みなさん御存知、俳優であり歌手でありタレントである才人大江千里が今度はピアノトリオに挑戦です。いつものジャズのピアノトリオとはひと味もふた味も違った楽しいステージが繰り広げられます。ベースは名手河上修、何年振りのもっきりやでしょう！

　九月末から桃井かおりと小雪のCM（マクスファクターですか？）でジュスカの傑作「ジプシー・ダンス」が流れる事になったそうです。クレモンティーヌとの共演といい、ジュスカはブレイクしそうです。
　 １０月末から富山、七尾、金沢と美味しい味処重点ツアー、金沢では他に横安江町の「コラボン」（１０／３０）、片町のグリル大塚向かいの「A.K.A.」（１１／２）、そしてその夜ミッドナイトライブとしてもっきりや三階の「金魚」、新竪町の「ノワイヨ」（１１／３昼）で彼らの情熱的なジプシー音楽が聴けます。勿論、ずっと応援してきたもっきりやでも今回は彼らの魅力を満喫してもらうために最高の音でおおくりできるよう頑張ってみます。
　そしてスペシャルゲストとして金大MJSのガールズバンドが共演、ジャンゴ＝グラッペリ・ジャズのスインギーな世界に華をそえます。後は勿論そのまま打ち上げ宴会へ！ヴァイオリンやジプシーギターとのセッションというのはなかなか聴けませんよ。

　「パラシュート」というバンドがあったの御存知ですか？
　今剛と松原正樹のツインギターをフロントに抜けのいいサウンドの、あの頃のバンドやってる人ならみんながあこがれたカッコイイバンドでした。ユーミンや松田聖子なんかのバッキングにも大活躍、日本のメジャーなポップスで彼らのギターサウンドが聴けないアルバムはない（ちょっと大げさかも）というくらいスタジオではメジャーな存在です。
　そんな松原正樹（福井出身です）が自己のバンド「フォー・ロカンボス」でアルバムを発表しました。これがいいんです。独特のあのギターが全編にフューチャーされながらへヴィーなところはあまりない、ほのぼの、なんて言葉を使いたくなるライト・フュージョン・ミュージックです。
　気心の知れた４人のメンバーでの本当の意味での「音を楽しむ」バンドです。