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2月23日〜2月28日
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『 天使な小生意気』
西森博之(小学館)
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概要
天使恵は男の中の男を目指す少年だった。ところがある日、魔法使いのイタズラで女の中の女に変身させられる。
・・・という設定だが、あまり関係ない。基本的には『今日から俺は』路線のギャグがサイコー。
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感想
この作品、7巻が最近でましたが、帯に『第46回小学館漫画賞受賞!』とか書いてあって、「へー、漫画賞、とったのか。よかったな〜」とか素朴に思ってました。
そもそも、こういう賞っておれが考えるには、単に出版社の販売戦略の一環という傾向が強い。あまり売れてないが、良作である、とかの作品ではなく、けっこう人気があってソコソコ売れている作品を、これからもっと売り出そうとするときに、こういう賞でもあげる。そうすると部数を刷れるし、書店に多く配本できる。そんな感じ。
もちろん、それは悪いことじゃない。それに、売れてないけど良作というヤツにも賞をあげることもある。まぁ、ケースによるってことだ。
でも、『天使な小生意気』の場合は、どうやら販売戦略のようだ。帯に「各審査員絶賛!!」とか、必ず書いてあって、審査員のコメントなんかが載ってるんだけど、「天使」のコメントはひどいもんだった。
弘兼憲史・・・男に戻ってほしくなくなるくらい天使恵はかわいい。
小山ゆう・・・だんだん主人公がかわいくみえてくる。
氷室冴子・・・絵にセンスがあって、キャラが魅力的。楽しい。
萩尾望都・・・主人公によって周辺の人間達も成長していく変化が楽しい。
要約だが審査員のコメントは、ほぼこのようなものだった。
審査員のコメントからやる気なさが伝わるとか、そういうこともあるが、それよりもなによりもこれらのコメントには、本作がギャグマンガであるということがまったく語られていない。どういうことだ??断言するが、この作品のおもしろさは、キャラがかわいいとか成長するとかそんなところではない。
だんぜんギャグがおもしろいんだ。このコメントを誰が書いたか知らんが、ソコを書かないでどうする?!
ファンとしては憤りを感じるな。気に食わねー。
2月15日〜2月22日
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『 ベル・エポック』
逢坂みえこ(集英社)
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概要
アイドル雑誌編集者、鈴木綺麗はついに30歳を迎える。仕事に、恋愛に生きる三十路の独身女性を描く。
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感想
わずか50字ばかりの概要ですが、これだけ書くのに実はけっこう時間がかかりました(笑) 男一匹のオレ様にとっては、なんといってもテーマが恥ずかしく、すごく抵抗感があるわけです。でも、このマンガってアリ大抵、というか他人にわかるように紹介するとするなら、こう書くしかないわけで。キャッ! 恥ずかしい!
なんでかっていうと、この作品は集英社のヤングYOUで連載されてるわけですが、逢坂みえこは基本的にぶ〜け系の作家さんなんです。まぁ、ヤングYOU自体は中高生より上の世代向の雑誌なんですが、基本的にはぶ〜け出身作家さんたちの受け皿的な役割だったりします。
ところで、この「ぶ〜け系」というのはオレの個人的な分類なので、すこし説明が要りますね。 オレは「作者の人生(主に恋愛寄りな)哲学を、日々の身近なエピソードを比喩にして読者(主に女性)にシンパシーを与えながら伝えるタイプのマンガ」群のことを、そう呼んでいます。ぶ〜けにその手の作品が多いってだけなんですが。もちろん、この条件に見合う作品はべつに「ぶ〜け」だけに限りませんが。
ここで極論、暴論になることを承知の上で、括弧書きの部分を強調してみます。
「女性の視点による、恋愛を中心とした人生観を、女性なら誰もがひとつやふたつ、身に覚えがあるような、生活臭のあるごく些細なエピソードを強調することで、女性読者の共感を得ることが目的の作品」群。
いやぁ、これでわかりやすくなりました。こういう理由で恥ずかしいんですわ。
と、まぁ、前置きが長くなりましたが、逢坂みえこは上記のような作品を描かせたら、つーかそういう作品しか描かない人なんだが、ものすごく上手い人なんです。ベタベタなんだが、それなりに説教の質も高く、そしてもちろん比喩が上手い。すごく上手いわけではないけど、この分野では、実に安定した話づくりができる人で、オレなんかはそういった意味で、この人の作品はけっこう好んで読んでます。
ここで、「例えば・・・」といきたいところだが、やめます。恥ずかしいから&男ですから。
それはともかく、この手のお説教系(ぶ〜け系含む)の作品は、なんというか、作者の精神年齢なんかがモロに反映されるもんです。それが物語にどういう影響があるかというと、「作中では中学生のハズなのに、中学生とは思えないようなアタマの良さを発揮してしまう」とか、あるいは逆に「大人とは思えないような子どもっぽさ」なんかが、めちゃくちゃ強調されてしまうことです。
ここで「例えば」ですが、津田雅美の「カレカノ」なんか、みんな高校生ばなれした聞き分けの良さなんかが、妙に際立ってたりしますね。
んで、『ベル・エポック』は主人公が30歳なんで、ぶ〜けで少女マンガ、描いてたときに気になってた部分が、解消されてよかったです。ここらへんが、いわゆる「作家の年齢が上がるにつれ、年齢層の高い読者向け雑誌に移行するほうがよい」ってやつの一端ですね。
ともかく、今週は「逢坂Week」で(笑) 『永遠の野原』から始まって『9時から5時半まで』、『火消し屋小町』などなどずっと読んどりました。
2月8日〜2月14日
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『 カメレオン』
加瀬あつし(講談社)
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概要
ヘタレヤンキー矢沢栄作が、高校デビュー。運とハッタリでヤンキー界を成り上がるギャグマンガ。
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感想
これ、べつに今週読んだわけではなく、すこしおもしろい話があったので。
え〜と、私、書店のレジのバイトをしているんですが、ある日、お客様からお問い合わせの電話がありましてですね。その問い合わせのやりとりを少し書きたいと思います。
まず、なんというか、オドオド君っぽいしゃべりの男性からなんですが、『カメレオン』がウチに置いてあるかどうかの問い合わせでした。普通、書店では連載終了し、かつ旬をすぎた作品は、店頭に置いてないんですよ。マンガ専門店ならいざしらず、ふつうの書店では場所に限りがありますから。『カメレオン』は、加瀬あつしの『ポリ公マン』1巻が発売されたこともあって、たぶん、ほとんどの書店では置いてない商品なんです。手に入れるためには、古書店か注文か、2通りしかありません。
で、その旨、お客様にお伝えして、次のステップに私は、『カメレオン』を注文するかどうかお尋ねしたわけです。 ところが、注文はしない、とおっしゃる。
それもよいでしょう。注文すると、返品は可能とはいえ、なんか「絶対に買わなくてはいけない」ような義務感におそわれる方もいらっしゃいますから。では、そういうことで。
・・・と、ここで普通は終るんです。ところが彼はそうではない。なにかまだ要求があるようで、「自分がいかにウチの書店の常連で、この書店が大好きであるか」ということを語り始めました。こういうことをおっしゃる方は、「だから自分の要求を最大限、のんでほしい」ということです。わかりました。聞きましょう。で、要求はなんですか?
言いにくそうに彼は言いました。
※
【客】 あの・・・ですね。『カメレオン』って・・・あの、おチンチンがですね。よくでてくるマンガなんですけど・・・・。ぼくは・・・ですね。『カメレオン』にでてくるおチンチンがすごく好きでしてね。それで、そういう本がいっぱいあると、すごくいいなぁ・・・と思って・・・。
【俺】 (すこしもあわてず)なるほど、わかりました。店頭に『カメレオン』がならんでいる状態にしていることがのぞましい、ということですね。その件につきましては、担当の者と相談いたしまして、お客様のご要望になるべくお応えできるかたちで善処いたします。
【客】 ぼくは、この本屋がすごく好きで・・・ホントにたくさん本を買わせてもらってるんですよ・・・。ホントにいいところだなぁ・・・と思って・・・。これからもここに来させてください・・・・。
【俺】 ありがとうございます。
【客】 それでですね・・・『カメレオン』のおチンチンがですね・・・。ホントにぼくは好きで・・・・
《※20回くりかえし》
このやりとりを30分ほど繰り返しました。
なにが困ったかというと、彼の要求がまったくわからないんです。単に『カメレオン』を置くってことだけなら、《※くりかえし》にはならないんです。だけども、そうなった。なぜ?
いま思うに、彼の「おチンチン」というフレーズが、会話を交わすごとにどんどんと躍動感を増していったように感じます。はじめは恥ずかしそうに発した言葉「おチンチン」も、後半では封印が解かれたかのように連発されました。しかも、彼は『カメレオン』という作品を「おチンチン」という切り口でしか語りませんでした。
つまり彼にとって『カメレオン』という作品は、まさに「おチンチン」という言葉のみで構成されており、
●作品のモチーフ=おチンチン
●作品のテーマ性=おチンチン
●登場人物=おチンチン
●絵=おチンチン
●総合評価=おチンチン
という『カメレオン』論を誰かに伝えたかったのかも知れません。ものすごく斬新な視点で、私は感心しました。この感触をみなさまに、ほんの少しだけ届けたい、ということで、ここに記します。
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『 代紋 TAKE-2』
原作・木内一雅 画・渡辺潤(講談社)
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概要
さえないヤクザ、阿久津丈二は死をきっかけに10年前の世界にタイムスリップする。未来を知っているという利点を生かし、人生のやり直しを図り、やがて日本一の大親分にのし上がる。
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感想
新刊47巻を読みました。29巻の江原海江田組抗争編でこの作品は、オレの中では終ったマンガだったんだけど、一応チェックだけはしてました。いやぁーなんか、おもしろくなってきてます。これからネタばらししますので読みたくない人は読まないこと。
明石組が分裂をきっかけに東京進出を目論むんですが、その方法がゲリラ。外人アーミーを雇ってクーデターを起こします。まず、警視庁の電波塔を破壊して110番などの通信機能を麻痺させるんですが、これだけで警察機能の1/3が麻痺する(という話)。考えたら110番通報ができないと、街でどんな犯罪が起きても、警察の対応ってかなり遅れ、初動捜査をミスるんだね。これは怖いわ。
ヒロインのカオリも死んだし、いよいよ(ようやく)クライマックス編に突入ってところです。しばらくチェックだな。
2月1日〜2月7日
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『 告白−コンフェンション−』
原作・福本信之 画・かわぐちかいじ(講談社)
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概要
ある日、雪山で遭難してしまった主人公と友人の二人。死を覚悟した友人は、主人公に自ら犯した殺人を告白する。その直後、山荘にたどり着き二人は一命を取りとめる。
犯罪の秘密を知ってしまった主人公の運命は?
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感想
お馴染になってほしくないのに、すっかりお馴染になってしまった福本×かわぐちコンビの作品だ。 単にオレが、「福本は読んでいて、かわぐちを読んだことがない」せいかもしれないが、ずっと違和感があった。だって、ネームが福本調のまんまだし。かわぐちかいじの絵を見ながら、いちいち福本信之の絵やコマ割に翻訳して読んでしまう。これは両作家にとって不幸かも知れないなぁ。
それはともかく、このコラボレーションで「絵が違うってことは、話のニュアンスも微妙に変化する」ということがよくわかった。話の内容は、主人公が敵(友人)の心理を読みながら、いかに危機的状況を回避していくか、という福本らしいノリだ。しかし、キャラクタの絵が違うため、受ける印象がまったく異なってしまう。
おそらく福本信之自身の絵だと、読者は安心感というか、「どんなに不利な状況であっても、主人公は頭のキレるし根性もあるので、自分達の思いつかないような裏テク(のようなもの)を駆使して、切り抜けるに違いない」という、ある種の期待感でもって読みすすめていく。で、実際に「なるほど、この手があったか」なんて感心したりするが、かわぐちの絵だと、とにかく主人公が弱々しいんだ(笑) 不安がいっぱいでハラハラする。どちらがいいかは、好みの問題だろうけど。
個人的には福本節のキャラを堪能したいので、福本自身に描いてほしいけどね。
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『 白鷺署被害者係スズメ』
原作・花山洋二郎 画・刀根夕子(小学館)
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概要
交通課から被害者相談所窓口に左遷された、正義感あふれる婦人警官スズメ。痴漢対策などのエピソードや、警察内部の裏事情など、職能知識を元にしたオムニバス形式。
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感想
いわゆる「佐々木倫子」路線モノ。専門職をモチーフにした職能マンガだ。専門的で難しい、ややこしい話を女性作家のもつ情緒性を利用して、あたりのよい雰囲気をつくりあげるという昨今はやりの手法で制作された作品。
神奈川県警の不祥事などで注目を集める警察内部事情のウンチクに加え、描き手に『おもひでぽろぽろ』の刀根夕子を起用するなど、アテにいった作品なんじゃないか? と思える。実際どうかは知らんが。
刀根夕子の作品は、オレは実は初めて読んだが、作画に関する表現手法は、とりたてて特徴らしい特徴はない。とはいえ、オノマトペに写植を使ったり、また女性作家らしく運動のダイナミズムを極力抑えた表現など、止め絵式の静かな作風みたいだね。これは、刀根がもともとこういう資質なのか、佐々木倫子を意識しているのかはわからんが。あ、あと、オノマトペの写植のフォントが丸文字だったのはめずらしいか(笑)
はじめは、警察内部の縦割り社会への批判や、公金横領の常習化など、内部の体質を批判する系のハードなモチーフなのに、刀根のほわほわ系の絵で語られているので、戸惑ってしまう。が、知的欲求を満たしたい、とかの目的で読まなければ、それなりに楽しいんじゃないかと思う。オレは2〜3話で、この作品のノリに慣れました。運良く。
でも、1巻で完結しているところをみると、やっぱりハズしたんでしょうな。
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