| マンガびとの館 | ||
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| ■ちばあきお +++『キャプテン』(集英社)+++ その3 | ||
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□装丁の話
【wat】
えーと、実は表紙の話なんですが……。『キャプテン』は今のところ、ジャンプコミックス版、ジャンプコミックススペシャル版、愛蔵版、文庫版と4形体で出版されていると思うんですが。それで、やっぱり装丁は全部バラバラなわけですよね。 hisさんは、愛蔵版で読んでいるわけでしょ? 【his】 えーと、JC版とJCS、文庫版とのミックスで持ってるんです(笑)。ハードカバーの愛蔵版は持っていません。 【wat】 あー、そうなんですか。 それでですね、ジャンプコミックス版は僕はちょっと面白い形の表紙だなあと個人的に思っているんです。 【his】 そうですね。僕は好きです。小学生のころは自作のマンガの表紙で、『キャプテン』の装丁をパクったりしました(笑)
【wat】
この、「中身のコマの抜粋」の上に各キャプテンの1人ヌキをかぶせるというのは、なかなか臨場感があっていいと思うんですよ。特に時代背景を考えると、なかなか洒落た表紙装丁だなあと。
【his】 時代背景、といいますと? 【wat】 この時代って、結構シンプルなものが多いじゃないですか。ただ、主人公をニコパチで写したようなものとか、中身のカットをそのまま使ったものとか。 【his】 確かにそれはいえますね。 当時の装丁デザイン事情は、よくわかりませんが、子供ながら、僕のセンスにはビビっときていました。確かに。 【wat】 あと、加えてすごいなあと思うのが、巻末のゲスト(笑)。とにかく錚々たるメンツが揃っていて、この時代だと超一流の歌手やらタレントやらスポーツ選手ばかりじゃないんですかね。世代的によく解らないところもあるんですが(笑) 【his】 25巻のシンガーソングライター「シグナル」って……誰?(笑) 【wat】 ……知らない(笑) 【his】 『キャプテン』って4つのヴァージョンがあるあるわけですが、その中でも、あえて「JCでそろえたい」って思えるような。ホントにいいデザインですね。 【wat】 そうですね。無理して古本屋を回った甲斐がありました(笑) 【his】 うちは、最初にも言いましたが、ミックスなので本箱がかなり不恰好です(笑) ぼくはマンガで、表紙のデザインで買うといった、いわゆるレコードのジャケ買いみたいに買うことはそんなにないかもしれない。 そういえば、パッケージに凝る作品って今でこそたくさんありますよね。『ジョジョ』や『ドラゴンボール』なんかで背表紙に凝ってみたりとか、『伝染るんです。』で乱丁風にデザインしてみたりとか。 でも、昔はそうでもなかったような印象があるんですよ。 ちばあきおさんってデザイン方面への関心ってのはどうだったんでしょうね。 ※編注 う〜ん・・・我ながら、わけわかりません。 「ぼくはあまり装丁とかって興味ないのでどーでもいいんだけど、みんなこだわるもんなんスかねぇ?」 ぶっちゃけていえば、これだけのことなんですが(笑) watさんもリアクションに困ってます(↓) どうも失礼しました。 【wat】 1つ感じたことが、『プレイボール』の表紙に比べると、『キャプテン』の表紙はずいぶんいい。なんたって、「プレイボール」は上にでっかく谷口君を、下に墨高のナインを載っけただけなので。 【his】 『キャプテン』の、マンガのコマをデザイン的に使ったのは小さなヒットだと思うんですよ。 で、僕の興味は「作家」にあるので、表紙も装丁屋が勝手にやったのか、作家との話し合いで生まれたデザインなのかなんですね。装丁デザインってどんなふうに決めてるんでしょうね? 【wat】 どうなんでしょうか? 僕は出来上がったものがよければいいっていう人なので、誰がやったにしろ「ちばあきお」という名前で出ている作品は、アシスタントが手掛けたものを含めて「ちばあきお」という組織がやったものだと考えているので……。 だから、編集者がやったんだろうと、デザイナーがやったんだろうと、あんまり興味ないんです。 やっぱり、そのあたりhisさんは気になりますか? 【his】 いや、まず、装丁のことって僕はぜんぜん知らないんですよ。 watさんはひょっとしたら、よくご存知かな?と思っただけなんですが。 ただ、「アシスタント」の仕事も「作家」の指示の元に出されたものなので、それは「作家」の仕事と同義なんだというふうに、いしかわじゅんさんなんかがよく言っていますね。 僕もそれは同感なんですが、「作家」の指示ではない仕事に関してはその作家の仕事とは見ないです。 例えば絵画があって、作家の死後に付けられた額縁はその作家の仕事ではないので、僕は興味がないと。まぁ、そんな感じです。 【wat】 なるほど。 僕は例えば「ちばあきお」という作品は、どのみちちばあきお先生が全て最初から最後までやっているわけではないので、まあ「総監督」という意味での「ちばあきお」だと思っているので。 まあ、これは余談でした(笑)。 それで装丁なんですが、雑誌の表紙なんかはわかるんですが、単行本は知らないです。すみません。 【his】 どっちにしろ、単行本はちばあきおさんも見ているわけですし、その意味では表紙も仕事の一部ではあるという感じでしょうか? 【wat】 「ちばあきお」の仕事ではないですが、「チームちばあきお」の仕事でも言うんでしょうか、そんな感じです。 【his】 僕のは素朴な疑問です。「装丁を含めた、デザインに関してちばあきおはどのくらい興味があったんだろう?」という。 【wat】 あー、どうなんでしょうねえ。難しいですね。 □デザインの話 【his】 僕の感覚では、ちばあきおさんってデザインに興味がない感じに見えるんです。 なんかユニフォームとか見ていてもデザイン好きそうな感じがしないし。 【wat】 あれって、意図的なものじゃないんでしょうか? 【his】 意図的だとすると「学生野球だから」ということですよね。 学生野球だからわざと地味にした、でもいいんですけど。でも、墨二のユニフォーム、一番地味ですよ。練習着みたい(笑) 【wat】 それは1巻の最初から登場だから、仕方なかったかなとも思うんですが……。 あ、でも青葉はそんなに地味じゃないか(笑) 【his】 そうなんです。他のチームを見るとトーンを使ってないので、わかりにくいですが、実は手が込んでるんですよね。で、墨二と青葉のユニフォームは「三流」と「名門」の差をデザイン的に表したんだ、といえるなぁと。watさんのいうとおり、あえてやったもんだと思います。 ※編注 はい、でました! 後半唯一のネタです(笑) 今回用意していたのは、ホントにこの程度のことです。全然ダメダメだなぁ。 でも、このネタがこの後、いい感じに転がりました。ありがとうwatさん。 【wat】 手が込んでいると言えば、ここでもカケアミが大活躍で(笑) 【his】 あれ? 今、あらためて1巻を見たんですが、トーン使っていますね(笑) 【wat】 どこ、どこ? 【his】 僕の青葉のイメージは佐野なんで、ちょっと勘違いしてましたが、谷口君の青葉のユニフォーム、トーン貼っていませんか?
【wat】
ほんとだ(笑)
【his】 最初はトーンだったのに、後からは手描きで点々と描いてる(笑) 【wat】 あ、あと1巻の17ページ。後ろ向きのキャッチャーにトーンがっ!(笑) 【his】 あ、ほんとだ〜(笑) 【wat】 なんだか、結構ありますね(笑) 【his】 最初だからトーン使ってみたけど、たぶん「トーンを使わない」とどこかで決心したのかもしれませんね。 【wat】 そうですか?
【his】
決心というと大げさですが(笑)、青葉のユニフォームなんて最初に貼ってあったにもかかわらず、後にわざわざ点々でトーンを模すように手描きなんで。
※編注 これ、今回ぼく的には大OKで(笑) なかなかいい発見につながりましたよ。 【wat】 なるほど。そういわれると……。ただ、使ってみてやっぱり手書きがいいと感じたか、それとも敢えてこだわったのか、そのあたりはやっぱり永遠に謎になってしまったかなあと。 【his】 でも、最初はトーンだったことを忘れて手描きにしたということはなさそうだなぁと。 【wat】 うん、それはそうですね。そのあたりはやっぱりこだわりって事なんでしょうね。 【his】 それで少し話をもどしますが、まぁ僕は墨二のユニフョームが極限にまでにシンプルなデザインになっていて、一方で金成中やら青葉やらの名門校は手のかかるデザインになっているので、まず対比を表していると。 そういうわけで、実は意外にちばあきおさんはユニフォームのデザインするのってけっこう好きかもなぁ、と漠然と思いました。それで、表紙のデザインなんかも案外本人も絡んでいたりして、なんて妄想が(笑)
【wat】
確かに、そのデザインの対比という面ではすごいなあと思います。
【wat】 話は変わりますが、最終巻のあとがきで作者が書いているんですが、やっぱりそれぞれのキャプテンの個性というのがこの作品の最大の魅力だと思うんです。 それで前に云った終わり方の話ですが、シンジがキャプテンになっちゃうと、兄弟だからどうしてもイガラシとキャラクターが似かよってしまう。 だから近藤までで、それから先を描かなかったのかなあと思いました。どうでしょう? 【his】 キャラクターのバリエーションで考えるとシンジは弱いかもしれませんね。確かに。 【wat】 あと、やっぱり墨二は「守備のチーム」なんですよね。目立つのはやっぱり守備練習のシーンですし。 イガラシ・近藤のイメージが強いですが、やっぱりピッチャーのチームじゃないし、それほど足のあるやつもいない。巧さで盗塁をしている。 あと「ムラのない打線」というのは、飛び抜けてすごいバッターがいない証明でもありますし。 【his】 そうですね。そういえば、守備のチームを描く作家さんってあんまりいないかもしれませんね。前回もでてきましたが「ゴロゴロゴロ」はすごく印象的です。 【wat】 やっぱり「がんばる」を描くとなると、鍛えればうまくなる守備を描くのが一番なのかもしれませんね。 【his】 よく考えるとそうですよね。長距離ヒッターにしても速球投手にしても才能のほうが先にある感じがしますし。 【wat】 そういう意味で、技術的にも「努力」をいかに上手く描いているかが証明づけられると思います。 【his】 やはり、がんばるということとは「ゴロゴロ」であるべきなんだ、と(笑)
2001/11/10に行われたチャットのログを編集しました
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