| マンガびとの館 | ||
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| ■ゆでたまご +++『キン肉マン』(集英社)+++ | ||
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□太く囲まれた超人たちの行方 その1 80年代、第一期ジャンプ黄金期を支えた人気作品だ。 一般に、ジャンプ黄金期というと、本誌を600万部に押し上げた時代、そう『ドラゴンボール』『SLAMDUNK』『幽☆遊☆白書』などのメガヒット作品がおし並ぶ、アノころを指す。しかしこの頃のジャンプの雛型は、本作『キン肉マン』絶頂時代に、出来上がっていたと言ってよいだろう。 ぼくら、一介の読者の目からみても、あの鳥嶋編集者(現本誌編集長)の人気作品を、次々にアニメ化するメディアミックス作戦や、敵のインフレ現象を起こすと悪名高い「トーナメント方式」などは、80年代前半から定着していったものだ。 それらは、今では奇異なものにみえるが、読者であるぼくらにとっては「必勝パターン」「王者の戦略」のようにも感じられ、ますますジャンプに心酔していった背景として、まちがいなく存在した。 のちに『ドラゴンボール』『SLAMDUNK』『幽遊☆白書』が、それぞれ 作品として不幸せな結末を迎えてしまったことによるトラウマが、現在、上述したジャンプ方式と呼ばれる戦略に対して、アンチを唱えさせる気持ちは、充分理解できる。 しかし、『アストロ球団』の時代から「ジャンプのマンガの凄みは、そういう 綱渡り的な過程や結末を孕んでしまう危うさだ」と割り切って付き合ってきたものとしては、賛成できないのである。 □太く囲まれた超人たちの行方 その2
で、『キン肉マン』である。ずいぶん前置きが長くなったが、『キン肉マン』は長期連載だったこともあり、そのヒットも何段階かに分けることができるが、基本方針は初期の段階でほとんどできあがる。まずはじめは、「超人オリンピック」にみられるトーナメントバトルの採用。つぎにはそれに伴った超人募集だ。読者から、超人のパーソナルデータとともにデザインを募集することの、インタラクティブ性が受けた。その後は、シリーズごとに人気を重ねていくことになるが、しかし最初の超人オリンピックのころから、2度目のオリンピックまでの間に『キン肉マン』は、 完成したということには異論はないだろう。
まず初期の『キン肉マン』は、ギャグマンガからスタートした。
そのころの絵は、Gペンの抑揚のあるタッチで描かれ、荒削りながらパワーがある。その悪くいえば、雑なパワーで押し切るギャグだった。その後、超人オリンピックでヒーロー路線に、図らずも、乗せることができたゆでたまごは、かねてからファンだった、 アメコミ風のタッチを取り入れ、独自の絵柄を獲得していく。 □太く囲まれた超人たちの行方 その3 しかし、これは永く続かず、単行本にして、わずか2巻ほどで絵柄はさらに変化してゆくのだが、このアメコミミックス系の絵柄は、なぜ続かなかったのだろうか。 そのヒントは超人にある。超人というアメリカンヒーローに強く傾倒しながら、ゆでたまごは日本風の超人を創り上げたからに他ならない。
契機は2度目のオリンピックに訪れる。アメコミタッチを取り入れたころから、その影響でキャラクターに
一段太い線で縁取りされ始めた。そのころの絵柄は、ギャグ時代の荒さを同時に兼ね備えた、粗雑な陰影表現が施されたものであったが、ここにきてその荒さが急速に解消されていく。それは、ある意味での洗練であった。太く縁取りされたような輪郭線で絵柄が整理され、キャラクターのデザイン性を強調していく。つまり明確に記号化していったわけだ。その直後から、正義対悪魔などの、二項対立の図式も強調するようになり、絵的にも物語的にも、記号としてわかりやすいように配慮されていく。きわめて
デジタルな手法であると思う。『キン肉マン』の成功には、こういう側面があるのだ。しかし、物語上で、正義対悪魔の対立が一応の決着をみたころ、時を同じくして絵柄も鮮度を落としてゆく。偶然にも。ここには因果関係はないのだが、もともと『キン肉マン』をささえた絵柄は、ギャグ時代の粗雑さとデジタル的な洗練という相反する性質の線が、
奇跡的に同居するという儚さを孕んでいたもので、そこが魅力であったともいえるし、その魅力が失われるのもそう遠くはないことが、はっきりしていたのだ。その後の『キン肉マン』は、アニメやキャラクターグッズなどの追い風が、一足遅く吹いたため 予想以上に長生きしたが、『キン肉マン2世』にかつての魅力が宿らないのは、時代性の問題などではなく、まさにその絵柄にある。 安定しているが涸れた絵柄では、あのころの熱気を再びみることはないだろう。 □随筆 キン肉マンと私 ところで、ゆでたまごには 恨みがある。オレも独自に何人もの超人を生み出してきたが、一度も日の目を見なかった。いやぁ、超人募集にはホント 燃えたなぁ(笑) ラーメンマンとかって独立して『闘将!ラーメンマン』なんて作品になったし、アニメ化までされたんだからアイデアを出した人には、何%か支払った方がいいんじゃないか?といらぬ心配までしたもんだ。実は払ってたのかなぁ?払うわけないわな(笑) 「キン消し」こと、キン肉マン消しゴムも大ヒットした。マイブームではキン消しでの「トントンずもう」だった。オレの最強のトントンレスラーは「ザ・忍者」(ヴァージョン2)と映画版キン肉マンのオリキャラ「オクトパス・ドラゴン」だった。「オクトパス・ドラゴン」なんて、わけわからない怪獣が強かったのはメチャクチャ 不愉快だった。あとは、地獄のローラーバージョンの「サンシャイン」もでかくて強かったなぁ。 あのころのジャンプはすごかった。『聖闘士聖矢』なんて1巻しか出てないのにアニメ化された。 ネタ、どうする気だ?とハラハラしてみてた。アニメでオリジナルのセイントが出るたんびに、原作で同じ星座の別のキャラを対抗して出す車田正美には楽しませてもらった。
2000/04/11 |