てんとう虫コミックスもの

アカンベー 全3巻−1巻のみ
方倉陽二【てんとう虫コミックス1巻 小学館 昭和55年】
マクラ星からきた宇宙人。「アカンベー!」と舌を出して叫ぶと、あらゆるものが反対になってしまう、という能力を持つ。
(故)方倉陽二の初期のヒット(?)作だ。片倉といえば、一連のドラ企画ものや、『のんきくん』が有名だが、こちらはなかなかアイデアの点で『のんきくん』以上の意欲作であると思われる。
「すべてが反対になる」という概念から、さまざまなバリエーションが生まれ、物語にひろがりを見せた。

塾師べんちゃん 全4巻−1巻のみ
ビッグ錠【てんとう虫コミックス2巻 小学館 昭和59年】
別冊コロコロコミック連載作品。
小学生の分際で東大卒業というキャリアを持つ主人公、学勉(まなぶつとむ)。 極学塾という私塾を経営し、秘伝の極学の書を使い、勉強嫌いの小学生に学問の心を教えていく。
といえば聞こえはいいが、中身はおもしろ勉強法指南。バカな小学生を相手に使えそうで実際には使えない勉強法を全国に広めた罪は有罪か?
牛次郎とのコンビで得た『包丁人味平』手法を利用した、『スーパー食いしん坊』系おもしろジャンルバカマンガ。

ぐわんばる殿下 全4巻−1巻のみ
田中道明【てんとう虫コミックス1巻 小学館 昭和58年】
四菱財閥御曹司で、10年間一度も屋外に出たことが無い、文字通り箱入りむすこの綾小路あゆむ。 まっすぐな教育を受け、まっすぐな性格にそだったあゆむは、右足と右手が同時に前にでる歩法で行進し、曲がるときは直角に曲がる。殴られてできたたんこぶもドーム型ではなく箱型。流す涙は頬を直角に曲がり流れ落ちる。
つまり、設定の先走ったいかにもな子どもマンガで、あまりのバカばかしさが、かえって子ども心に面白かったものだが、一方ではやはり寒さを感じずには得られない。
作者は藤子プロ主要作家。

ドラゴン拳 全7巻コンプリート!
小林たつよし【てんとう虫コミックス1巻 小学館 昭和58年】
別冊コロコロコミックの主力作品。 当時、全国小学生にジャッキーチェンブームが到来。その余波をうけ登場したのが本作だ。前後には、本誌でぜんきよしの『あほ拳ジャッキー』、月刊マガジンで前川たけし『鉄拳チンミ』が連載。
コロコロ連載陣作家の中では、当時圧倒的な画力を誇り、それが妙な説得力を生みだした。さすがに子どもですら疑問を覚えるような、でたらめな中国武術表現にもツッコミをいれさせない迫力で押し切った作品だ。
特筆モノとしては、女の子をこれまでのコロコロ連載作家の中でもっともかわいく描ける作家(藤子・F・不二雄を別格とする)として強烈に印象付けており、蛇鶴鬼のあやしい美貌に萌えさせられた小学生は当時の文部省の調査では全国100万人にのぼる、といわれている(参考文献『萌えの社会学』民明書房刊)。

ファミコン少年団 全3巻−1巻のみ
さいとうはるお【てんとう虫コミックス1巻 小学館 昭和61年】
強力なファミコンブームにのっかって登場した流星のような作品。コロコロ誌上の企画で誕生したファミコン少年団(コロコロコミック購買読者は全員自動的にこの少年団員に認定された。購読者はどんなにイヤでも少年団)の実録と見せかけた、よくある架空の活動記だ。 中身は、特にファミコンと関係ないようなアスレチックバトルで、ある意味異色。
ちなみにファミコン少年団会員ナンバー1は、高橋名人らしい。

ゴリポンくん 全3巻−1巻のみ
キド・タモツ【てんとう虫コミックス1巻 小学館 昭和55年】
姓は本田、名はゴリオ。略して通称ゴリポンです。
いかにも頭の悪そうな主人公が、やはり頭の悪そうな事件を次々と起こす、ハチャメチャギャグだが、作者のキド先生は高学歴な感じを思わせるルックスですばらしいハーモニーをかもし出している。 キド・タモツはその後、100てんランドコミックで『釣りキチ三平』ならぬ『釣りバカ大将』(桜多吾作)ならぬ『釣りガキ大統領』を発表し、世界の釣りマンガ業界を震撼させた。

とどろけ!一番 全7巻−4巻のみ
のむらしんぼ【てんとう虫コミックス4巻 小学館 昭和56年】
この作品については様々なところで取り上げられており、内容についてはそちらを参照されたし。
『つるピカハゲ丸』ののむらしんぼ、初期ヒット作だ。まったく同時期に連載された『ゲームセンターあらし』とほぼ同様のスタイルであるが、ぶっとび度でははるかにこちらが上をいく。「あらし」は最後まで『ゲームセンターあらし』であったが、一番は途中で「受験戦士」をやめ、ボクサーになったのだから。
【参照サイト】
ゾイド穴内 狂気の漫宣言−ジャリコロマンガ−とどろけ!一番
ふぬけ共和国内 よみがえれ!「とどろけ!一番」
マンガ日記

名たんていカゲマン 全11巻コンプリート!
山根あおおに【てんとう虫コミックス1巻 小学館 昭和53年】
藤子不二雄の先輩、双子マンガ家山根あおおに先生の最初で最後の大ヒット作。
私立探偵カゲマンとカゲマンの影「シャドー」の二人組みが主人公のどたばたギャグ。なんでも19という数字にこだわるライバル怪人19面相など、立ったキャラが多数登場する。
ネタは、当時放映中のテレビ番組のパロディに終止した、今ではとても読めないシロモノであるが、これはこれでよいと思う。
余談だが、兄の山根あかおに先生は、「カゲマン」よりさらに古い『よたろうくん』が代表作となる。 いまから10年以上前、大阪で行われたマンガの博覧会で「山根あかおに・あおおに先生のサイン会」が催されたので、ぼくはいそいそと出かけたのだが、その時点ですでに「カゲマン」を知るものは少なくなっており、ましてや『よたろうくん』などぼくだって知らない。にもかかわらず、サイン会にあつまったのはぼくより年下のガキが中心。 司会者の「あの『よたろうくん』の山根あかおに先生です!拍手〜!!」のあおりが涙をさそった。


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