お布施の話
お布施といいますともっぱらの関心事は、
いったい相場はいくらぐらいなんだろうということではないでしょうか。
まずは隣・近所に相談したり、実家に尋ねたり、
あげくの果てにはお寺に聞きに来る人もおられます。
おそらくは、少なすぎても失礼だし、
かといって多すぎると家計に響くしということだと思われます。
本来布施といいますのは、
六波羅蜜という、
大乗仏教において菩薩が悟りに至るために実践すべき六種の徳目の一つです。
そして、この布施とは、他に与えることをいい、
具体的には法施と財施と無畏施の三種類があります。
法施とは、
お寺さんが法事のお勤めや法話をしたり、
お寺の護持をしていく行為を指します。
また財施とは、
そういうお寺さんに対し、
例えば金銭などの財施を施すことを指し、
また無畏施というのは、
いわゆる「和顔愛語(わげんあいご)」で、
明るい顔で人に接したり、
やさしい言葉をかけたりすることをいいます。
ですから、
お布施といいますのは、
仏教の理想である与え合うという精神が元であり、
どちらかの一方的なものではありません。
お寺側が法施をし、
皆さんが財施をすることで成り立ちます。
そして皆さんのお布施は宗教法人の収入となり、
お寺の生活を含んだ寺院の運営護持の為に使われています。
従って、お布施は仏法を伝えていくという意義があるのです。
その為、お経を上げてもらった代金というものではありません。
また、尊い仏法は金銭で値打ちをつけられるものではありませんから、
お布施の相場というものも本来は無いのです。
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