ダイオキシン

それは史上最悪の猛毒化学物質

1.ダイオキシンとは

 塩素を含む有機化合物のうち、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)及びポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の総称で、塩素の付く位置、数により、毒性の異なる210種類があります。

 ダイオキシンの被害としては、ベトナム戦争時にまかれた枯れ葉剤の主成分であり、双頭児の「ベトちゃんドクちゃん」を覚えている方も多いと思います。

 いわゆる「ダイオキシンの毒牙にかかった子供たち」ですね。(日本でもとっても流行ってる)

 ほかに、癌・アトピー性皮膚炎・不妊症、また、最近アメリカでは糖尿病までがダイオキシンの影響(ホルモンであるインシュリンの分泌にかく乱を起こす)によるところが大であると発表されたばかりです。

 急性毒性としては、今ハヤリ?の「サリン」の2倍!昔流行った「青酸カリ」の1000倍も強力です。

2.どこから来るの?

 この恐ろしいダイオキシンはどこからやって来るのでしょう?

 火山の噴火で地中から出てくるの?いん石と一緒に宇宙から?はたまたコウノトリが運んで来るのかなあ?

 いいえ!そんな降って湧いたものではありません。

 実は、ほとんどが私・あなたの出したゴミによって「ゴミ焼却場の煙突」から出てくるのです。

 それも、プラスティックや塩化ビニールなどを燃やすとよく出るんです。これが。

 一応、1200度以上で燃やすと比較的出さなくて済むそうです。でも、あくまで比較的です…

 しかし、実際日本の焼却場では、生ゴミと一緒に燃やすので(私たちが分別回収をしたものが、焼却場では一緒にされる)焼却温度は400-800度あたりで燃えています。

 つまり、ダイオキシンが「出るわ出るわのジャジャ漏れ大会!」ってこと。

3.先進各国の対応は?

 じゃあ、他の国はどうしてるのでしょう?

*ゴミについて

 発展途上国では何もしてない国が多いと思いますが、ここでは先進国についてふれてみます。

 先進国と言えばヨーロッパ・アメリカですが、特にヨーロッパではゴミを出すときに「ゴミ処理費用」として、お金を払わなくてはいけません。

 ドイツでは現在、毎月実費で約4000円支払っています。不法投棄はもっと高額の罰金!

 「おっ!そんなに高くないじゃん!」

 いいえ、ドイツ人一人当たりのゴミの量は日本人の出すゴミの量の約10分の1です。(いえ、頑張って10分の1にしたのです)

 では、4000円払っているドイツ人の10倍のゴミを出しているあなたは、毎月いくら支払っていますか?

 ただとは言わせませんよ!

 そう!税金として支払っています。(約30000円)高いね!(-_-;)

*法律を作ろう!

 15年前のドイツは、現在の日本と同じようにゴミが溢れダイオキシンをまき散らしていました。

 そして、癌・奇形など様々な現代医学では治らない病気が多発していました。

 「これではいけない!」と多くの学者や市民までもが立ち上がり選挙を通じて、ゴミ・ダイオキシンを規制する法律を作ったのです。4R

 4R プラスティック類(塩化**)などをはじめとするゴミを減らす法律

efuse(リフューズ) :ゴミになるものを作らない
educe(リデュース) :ゴミをを減らす
euse (リユース)  :再利用・繰り返して使う
ecycie(リサイクル):再資源化

 この法律ではゴミの企業責任を明確に打ち出し、ゴミになるものを売った企業にはそのゴミを回収する事を義務づけています。(そのため、ジュースの缶や使い捨てのペットボトルは存在しません。容器は10-40回以上再利用出来る「リターナルボトル」しか使いません。すなわち、空き缶拾い・牛乳パック洗いのボランティアも存在しません)

 しかし、ゴミを持って帰ると消費者の責任になります。だから、消費者はゴミになるものは買いません。

 こうしてドイツをはじめヨーロッパ各国は、ゴミを減らし、ダイオキシンを減らしていったのです。

*もっと具体的には?

 ゴミは減らしました。でも、もっと具体的にどのような規制があるのでしょう?

 例えば、「焼却場」。

 ヨーロッパのほとんどの国は、焼却場の排気ガス1立方メートル当たりのダイオキシンの量を0.1ng(ナノグラム:十億分の一グラム)としています。(日本は80ng。なんと800倍!)

 アメリカでは0.01ngで、各国この規制を超えると、その焼却場は操業停止となります。

 農作物は、0.1pg(ピコグラム:一兆分の一グラム)を超えると出荷停止です。(日本は規制がありませんが、計測すると平均8000pg。あっと驚く80000倍!)

 農地や公園も規制値を超えると使用禁止です。(もちろん日本はそんなもん あ・り・ま・せ・ん!)

*そんなの食べるのこわい!

 そんなにいっぱいダイオキシンが入っている野菜を食べるのは怖いですよね?

 でも、人間の体には毒消し能力があって、一生食べ続けても大丈夫!と言う量がそれぞれの国でさだめられているのです。

 これを「TDI」と言います。

  TDI TDIとは、生涯摂取し続けても健康に問題が無いとする1日当たりの量。

 日本では、WHOが1-4ピコグラムにしたからと言う理由で4ピコグラムと定めた(子供みたいね)。

 アメリカは0.01ピコグラム、ドイツは1ピコグラム。

 ヨーロッパでは、ダイオキシンが生殖機能などに悪い影響(精子の減少・ちんちんの縮小・不妊症等)を与える時期が乳児期であるとして、生後4-6ヶ月を過ぎると母乳から人工乳に変えることを推奨している。(母乳には免疫抗体が含まれており、また、スキンシップが大切なので、最初だけは…ということ)

 しかし、日本の乳児のダイオキシン摂取量はTDI換算で100ピコグラム(なんと、基準値の25倍!)である。(NEWSのページ参)

 これは、ベトナム戦争時より大きい値である。(当時は約60ピコグラム)

 おかあさん方!法律欲しいですよね。

*日本で法律が出来ない理由

 日本は他の国にない学歴社会がはびこっています。

 確かに、一生懸命勉強した人にはたくさんのお給料があっても良いとは思います。

 しかし、現実は他人を蹴落とし、出し抜き、自分さえ良ければいい人間が良い大学に入り、官公庁のトップになります。

 そんな、自分のためにしか何事もしてこなかった人間が、突然「他人の為」に何かが出来るでしょうか?

 政治家や高級官僚は業界を守るために癒着し、我々庶民を犠牲にし(実は彼らの子供たちも犠牲にしている)あの世に持っていけないお金をたくさんもらっているのです。

 だから、この日本では我々庶民の生活を守る法律は出来にくいのです。

 でも、そんな人達を世に送り出したのは、他でもない私たち国民なのです。


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