平成15年3月議会
連合審査会
山野之義委員
 昨年9月議会において、私は発達障害児の福祉と教育 の壁をなくすことが大事ではないかという質問をした。 教育プラザ富樫で対応するとのことで、大変喜んでいる が、発達障害のあるお子さんの親と話をしているといろ んな話を聞く。親や家庭の問題はともかくとして、行政 としてどういう問題があるのかを考えた場合、大きく2 つのハードル、壁があるのではないか。

 一つは、先ほど言った教育と福祉の壁。ある障害のあ るお子さんの親からこういう手紙をいただいた。同じ市 の機関でありながら、小学校の先生が子ども相談センタ ーの存在すら知らなかったり、子どもセンターの方でも、 学校に通うようになったら役目が終わったということで は、発達障害に対応できないのではないかという意見な どもあった。まさに福祉と教育の壁を多くの親たちが感 じているのではないか。それが教育プラザ富樫の中で相 当部分解決されることをまず期待する。

 もう1点の壁は、市と県の壁である。多くのお母さん 方、お父さん方の話を聞いていると、幼稚園や保育所か ら「少し障害があるから、三馬子ども相談センターに行 ったらどうですか」、「保健所に行ったらどうですか」と いう指導をする先生もいれば、ある先生は「児童相談所 に行かれたらどうですか」という形で相談を受けること もある。それぞれ医療機関を紹介いただくこともあるそ うだが、教育プラザ富樫と児童相談所との連携がどうい うなっていくのか。

 また、市は市で福祉と教育の壁を取り外していきなが ら、きちんと対応していくと言いながら、一方では機能 はまるっきり同じというわけではないが、児童相談所の 方にも多くの親が相談に行く。親からすれば、同じこと を説明するのはなかなかつらいし、連携がうまくいって いないとどっちかに行った親が運がよくて、どっちかに 行った方が運が悪いと、ある親の言葉にもあった。そう いうことがないようにする市と県の壁、市と県、国の壁 が大事ではないかと思っているが、その点についてまず 意見を聞きたい。

答弁(古田学校教育部長)
 教育プラザ富樫では、これまでの保育の相談部門や教 育の相談部門は指摘のように連携して、幼児から中学生 まで、発達段階に応じた継続的な相談や子育ての支援を 行っていく。

 その中で、相談の内容に応じ、福祉保健センターを初 め児童相談所、また各医療機関などさまざまな専門機関 とも緊密な連絡を取り合いながら、子育て支援の拠点施 設となるよう努めていきたい。

山野之義委員
 県は県でいろんな考えがあるやに聞いているので、そ の件については本当に密な連絡をとっていただきたい。

 また、先ほど教育と福祉の壁のことを言ったが、やは り多くの親が心配しているのは、教育プラザで専門の先 生やカウンセリングの方から専門的な助言をもらう。子 供たち、保護者にもいろんな助言をして指導する。それ に対して保護者や、子供たちは子供たちなりの解釈をし ながら一生懸命対応していくわけだが、問題は小学校に 戻った場合、学校に行った場合、学校の先生、もっとい えば担任の先生がそのことをどれだけ理解しているのか。 この子が教育プラザで専門の先生からこういう指導を受 けた、こういう形で助言をもらった。そういう方向で保 護者と一緒に努力している。そのことが担任の先生にど れだけ理解してもらえるのか。どういう手続で担任の先 生にきちんと連絡が行って、担任の先生が果たしてその ことを十分理解した上での指導、対応ができるようにな っているのかを心配している親が多くいる。そういう意 味では、これは教職員、先生方の研修の課題でもあるか と思うが、この点についてはどう対応していくのか。

答弁(古田学校教育部長)
 指摘のとおり、学校と情報を共有するなど、連絡を密 にすることは大変重要なことと考えている。このため、 教育プラザ富樫では学校を訪問し、指導を行う心理士を 新たに配置するなど、その相談内容が学校において十分 生かされるよう指導、支援をしていきたい。加えて、教 職員がそれらを理解できるように、保育職員との合同研 修など含めて、発達障害児に対応するための研修の充実 も図っていきたいと考えている。
山野之義委員
 ぜひそういう充実をしていっていただきたい。何度も 言うが、教育と福祉の連携の中で、今年度の予算で特別 支援教育指針策定費が組み込まれている。50万円という 金額だが、この指針は今ほど私が言った教育プラザ富樫 との連携の中でどう生かされていくのか。現場の先生方 にどのタイミングで、どういう形で指導、対応していく のか。
答弁(古田学校教育部長)
 15年度に策定を予定している特別支援教育の指針は、 教育プラザ富樫における障害がある児童生徒の就学相談 や指導に当然に生かされるべきものと考えているので、 この指針ができたら、学校においても十分その趣旨が伝 わるような措置を講じていきたい。
山野之義委員
 多くの保護者と話をしていると、やはり一番心配して いるのは、親が元気な間はまだいい。ただ、親はいつか 年をとって死んでいく。その後の子供たちの社会参加を 多くの方たちが心配している。これは、先生方も心配し ている。そういう意味では、社会参加のためのノウハウ というか就労体験も、この教育プラザの中で考えていく のか。特に就労訓練とまではいかないまでも、具体的に 社会参加していく上での研修のようなものも子供たちに プログラムされているのかもあわせてお聞きしたい。そ のことも含めた検討をしていただきたい。
答弁(古田学校教育部長)
 教育プラザ富樫は、就労や社会参加のための訓練施設 ではないが、一貫した子育て、就学の相談、支援を行っ ていく過程の中で、子供たちの特性を見つけ、将来に進 むべき方向についてのアドバイスが可能ではないかと考 えている。
山野之義委員
 福祉関係者だけではなく、多くの教育関係者や若いお 父さん、お母さんが教育プラザ富樫に期待する部分が多 々あるかと思うので、運用の面でも今後いろいろと工夫 をしていただきたい。

 続いて、男女共同参画社会のことについて何点かお尋 ねしたい。昨年11月12日、国会参議院内閣委員会におい て、坂東真理子内閣府男女共同参画局長が答弁の中でこ う言った。「ジェンダーフリーという言葉は、決して公 的な言葉ではない。男性と女性の区別をなくすとか、男 性と女性を画一的に扱うなどという意味でジェンダーフ リーという言葉を使う人がいるが、男女共同参画社会は このような社会を目指すのではなく、基本法で求められ ているとおり、性別にかかわりなくその個性と能力を十 分に発揮することができる社会、男女が差別を受けるこ となくさまざまな分野に参画していくことができる社会 を目指している。」と。

 私も男女共同参画社会は男女の性差を否定するもので はなく、男性であろうが女性であろうが、能力と熱意の ある方ならばどういう方であってもその能力を伸ばして いくことができる、そういう社会が男女共同参画社会で はないかと個人的にも思っており、坂東真理子局長も言 われているが、本市としての考え方をまずお聞かせいた だきたい。

答弁(佐藤市民生活部長)
 男女共同参画社会とは、男女が社会の対等なパートナ ーとして、互いにその生き方を尊重し、あらゆる分野に おいてともに参画し、ともに責任を分かち合う社会であ ると認識している。

 また、このような社会の実現のためには、「男は仕事、 女は家庭」といった固定的な性別役割分担意識や、それ に基づく社会慣行の見直しが必要と考えており、生物学 的な性の区別までも否定しているものではないと認識し ている。

山野之義委員
 坂東局長の答弁と趣旨が合っているのか、全然違うこ とを言われているのかは十分理解できないが、それはそ れとして・・・・・・。部長の答弁の趣旨はよくわからなかっ たが、基本的に、この男女共同参画社会は性差別や抑圧 が当然あってはならないことだと思うが、男女の違いを なくすことを目指す社会ではないことを局長が言ってお り、私もそう思っている。

 ただ、一方では、「ジェンダーフリー」という言葉は 決して行政用語、公式用語でないことも改めて述べてい きながら、この議事録を見ていると、決して男らしさ、 女らしさの否定ということではない。「ジェンダーフリ ー」という言葉は公的な用語ではなく、男女の区別をな くすという意味ではないということと同時に、教育現場 などでは誤解を生まないようにそれを徹底させるという 議論もあった。

 そのことに関連して、各自治体に性差否定ではないこ とを文書で送付して徹底すると、この参議院において言 われているが、そういう文書なり議事録、方針が石川県 なり金沢市の方に来ているのか。来ているとするならば、 その文書に対する市の対応もお答えいただきたい。

答弁(佐藤市民生活部長)
 指摘の文書は県を通じて手に入れてある。その文書で は、男女共同参画社会は画一的、機械的に男女の違いを 認めるものではないといった、男女共同参画に係る最近 の国会質疑の要旨が記載され、指摘のように、男女共同 参画社会基本法の趣旨を踏まえた行政の推進を求める内 容となっている。

 これを踏まえ、私どもも本市の行動計画策定時におい ては、このことを配慮したところであり、今後とも基本 法の趣旨を踏まえて対応していきたい。

山野之義委員
 最後に、国の方でも誤解を生みかねないということで、 「ジェンダーフリー」という言葉は使わないという方向 やに聞いているが、私どもの方でも、その意図するとこ ろはともかくとして、どうしても誤解を生みがちな用語 でもある「ジェンダーフリー」という言葉をオフィシャ ルな文書において使用することは慎重であるべきではな いかと思う。今後、市の行動計画等々出てくるかと思う が、市の基本的な考え方を尋ね、最後の質問とする。
答弁(山出市長)
 いろいろ貴重な意見をたくさんいただいた。感謝する。 性別という言葉と性差という言葉は違う。その中身を吟 味するということをここから始めたい。
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