『…………やぁ…………兄くん…………いい死相だ』


 
(ちかげ) 
 
誕生日 3月6日(魚座)
身長 157cm
声優 川澄綾子
持ち歌 『闇の口づけ』(シスター・プリンセス〜12人の天使たち〜)
『透きとおる夢』(『Original Sound Track シスター・プリンセス Angel Jukebox』)

※『透きとおる夢』は水樹奈々とのデュエット。また、『シスタープリンセス』名義の歌は省いた。



ひとりハルマゲドン妹

 12人も妹がいるとなると、中にはもはや『妹』はおろか『人類』の枠からもハミ出しかけたような者も出てくる。
 千影は、いわゆる『妹キャラ』としてはもちろん、一個の美少女キャラクタとしてもまさしく極北に位置する存在といってよい。
 もちろん深くて狭いこの業界、『オカルト好き』の女の子、『魔法使い/魔女』の女の子もべつだん珍しくはない。
 が、千影は『オカルト好き』というには度が過ぎているし、一般的なマジックユーザーとちがってその異能を隠したりもしない。
 要するに、明らかな『異端者』のくせに、えらく大きな顔で現世にのさばっているのだ。
 世の人が彼女に魅せられるのは、その妖艶さでも魔性でもなく、底知れぬ『ずぶとさ』が原因なのかもしれぬ。

兄くんは私のモノ、私は私のモノ

 千影は作中でもあまたの異能を発揮するが、そのほとんどは兄の様子を覗くとか兄をいじめるとか兄を誘惑するといったミニマムきわまる範囲にとどまっている。
 ある意味では、兄が彼女の力を引き受けてくれているからこそ、周囲は安眠を得られているわけだ。全国の兄くんに敬礼ものである。
 それにしても、基本的には健全路線をモットーとしているはずの『シスプリ』世界にあって、千影ははっきり言ってかなりヤバい

 『愛しい兄くん……(中略)……絶対に私のモノにしてみせるよ』
(『オリジナルストーリーズ』)

『……今夜は私が……素晴らしい……2人だけの世界へ……連れていってあげる……』
(『キャラクターコレクション』)

『私のモノになる決心が……ついたのかい?』
(TVアニメ)

『やさしくその手を 広げて迎えて
 私のモノに なると答えて

(『闇のくちづけ』)

 ……これくらいで『こ、怖ええええ!!』などと抜かしているようでは、とうてい千影の兄くんはつとまらぬ。
 咲耶などもかなりのものだが、しょせんは一介のブラコンにすぎない。
 対して千影は、なにしろ(『キャラクターコレクション』によれば)前科ありである。
 いくら前世の話とはいえ、ちょっとさすがにアレな話だ。しかも、現世においても彼女は上記のごとくやる気満々であり、いつ18禁の壁を突破してもおかしくない危険さをかもし出している。
 ……もちろん、その壁はけっして越えられることはありえない。が、いちど人を斬った刀は、血を知らぬそれよりもどこか妖しく、剣呑なもの。
 その匂いを嗅ぎつけた者のみが……彼女の……奥深さを……識ることになるだろう……………………。

血で血を洗う妹地獄

 PS版における千影は、かなり広いとおぼしい家に住んでいるが、両親や他の家族の存在は確認されていない。(まあラストに『パパ』は出てくるが……)
 また、他の妹との交流もほとんどなく、全員集合以外で他の妹とからむシーンはたしか皆無であった。……まあ、あの調子ではムリもないが。そもそも、パーティのさいなどはいったい誰が彼女にアポをとっているのだろうか。やはり幹事ということで咲耶あたりなのか。とてもウマが合うとは思えないが。
 その他……気が合いそうなのは意外と亞里亞だろうか。電波系ということではどちらも人後に落ちないところだ。あるいは千影は、亞里亞に幼いころの自分を見ているのかもしれぬ。もっとも、亞里亞には彼女が帯びていた陰りなどはまるで感じられないのだけれど。
 
総括

 千影はまさに黒妹、ブラックシスターの名に恥じないキワキワの妹だが、そうはいってもかろうじて妹ラインにとどまっている。
 それはけっきょく、彼女の異端っぷりをあっさり受け容れてしまっている兄くん以下のファミリーのおかげによるところが大きい。
 彼女は『妹』でなくなっても、きっとやっていけるだろう。だが、星ぼしも漆黒の夜空がなければ輝かぬように、明るく健全なシスプリ世界があってこそ、千影の闇もまたいっそう際立つということを、われわれは忘れてはなるまい。

 

  「……………………ああ、……………………戻るのかい?」