『この想い、兄上様のもとへ……』


 
(まりえ) 
 
誕生日 4月4日(牡羊座)
身長 148cm
声優 柚木涼香
持ち歌 『いのり』(シスター・プリンセス〜12人の天使たち〜)
『夕日の願い』(『Original Sound Track シスター・プリンセス Angel Jukebox』)

※『夕日の願い』はかかずゆみとのデュエット。また、『シスタープリンセス』名義の歌は省いた。



こんなわたくしでも……

 誕生日が4月4日というなかなかシャレのきいた設定の、ちょっと病弱な女の子……それが鞠絵である。
 この手の話では珍しいことでもないが、その病名、具体的な病状などは謎に包まれている。
 まあ、『病弱少女』というのはたとえば『格闘少女』だの『ロボット少女』などと並ぶ『定型』であるから、べつにどーでもいいといえばどーでもいい話ではある。
 しかし、格闘家の女の子なら最低限やってるのは空手なのか柔術なのかランカシャーレスリングなのかというくらいは明らかにされるし、ロボット系のキャラでもアンドロイドなのかサイボーグなのか生クリームやバターでできてる何かなのかくらいは語られるわけで、病気なら病気で多少は情報を明示してほしいという気がしないでもない。
 また、病状のほうもPS版とアニメなどではずいぶん異なる。
 サナトリウムみたいなとこで静養しているPS版(おそらくは原作も)に対し、アニメ版ではいちおう平気で生活している(病状が悪化することもあったようだが)。
 ……まあ、気に病むほどのことではない(そうか?)。

レンズの向こう側に

 鞠絵の特筆事項として、『病弱』に次いで(あるいはそれ以上に?)大きいウェートを占めているのがメガネである。
 他の妹でいえばがサングラス、鈴凛がゴーグルを愛用しているが、つねに装着しているわけではないし、『なくてはならぬ』というほどのものでもない(といっても、『オリジナルストーリーズ』での鈴凛は浴衣で花火を身に行ったさいもゴーグルを身につけていた。案外、なくてはならぬ一品なのかもしれぬ)。
 対して、鞠絵のメガネは彼女の『読書家』とか『おとなしさ』を表現するための不可欠な品であり、個性の一部とすら言える。
 『眼鏡っ子』(MEGANEKKOというワードは、ある種の人々に憧れとノスタルジーを呼び起こすらしい。あるいはそれが、メガネというアイテム自体がいずれは実用性を失う、滅びゆくものであることにも無関係ではないのかもしれない。
 いやそれを言えば、『読書好きのおとなしい女の子』という存在自体が、当世にあっては稀有なもの、滅びゆく存在であり、それと同じく消えゆくさだめのメガネがあわさることで、物悲しいハーモニーを奏でるのかもしれない。
 ……って、なんか肝心の鞠絵の話が少ないようにお感じになるかもしれぬ。だがそれもムリもないこと。PS版では隔離されているためゲーム中にほとんど登場せず、したがってエピソードもかなり少ないのだ。ということは要するにネタも少ないというわけで……
 とりあえず、鞠絵はメガネがよく似合う子にはちがいない。(なんだそれは)

鞠絵〜いもうと〜

 そんな鞠絵であるが、他の妹たちとの仲は悪くないらしく、たまに見舞いに来てもらったりしているようだ(PS版では可憐・白雪・雛子・四葉が、Gsマガジン2001年9月号では可憐・白雪・春歌が訪れたことが確認されている)。
 また、鞠絵の忠実な友人として犬のミカエルも忘れることはできない。
 ……つーか、病院で犬なんか飼ってもいいのか? という素朴な疑問はさておいて、活力のとぼしいご主人にかわってアクションを担当するバイプレーヤーとしての活躍は見逃せないといえよう。
 とりわけ、PS版のラストで鞠絵最終奥義を発動させたさい(ナニがどーなったかは……まあ、だいたいご想像の通り)の奮闘ぶりは感動的ですらある。なにしろ、電車で何時間も離れた先の病院から、主人公の家までやってくるのだ。
 ……つーかお前、来たこともないのになんでこの家知ってるんだよ?などという疑問は、彼の努力の前では些細なことにすぎない。

 ……すみません、またしても鞠絵本人の話題からそれてしまいました。反省。

 
総括

 PS版においては、ハッキリ言って鞠絵はきわめて冷遇されているといわざるをえない。
 システム上、いっしょに登下校できないのはまだしも、自由行動時に街中で出会う、という機会もほとんどない。だからといってメールが他のキャラよりも抜きん出て多いわけでもないのだ。哀しい。
 原作では『お兄ちゃんの日』システム(妹たちは、2ヶ月に1回しか兄に会えない、という謎のオキテ)があり、他の妹たちも兄とは一定の距離を保っていた。
 が、PS版では規制緩和による自由競争時代に突入しており、近所の妹たちは兄にたかり甘え放題となったのに、鞠絵だけはハミ者にされたままなのだ。気の毒にもほどがある。

 だがこれによって、鞠絵はメガネだの病弱だのといった要素よりももっと重要なポイントを得た。
 それが、『薄幸』である。
 ただでさえ幸薄かった彼女は、ゲームシステムによってさらなる不幸を与えられるにいたった。が、それによって他の妹とはちがった、独特の存在感を得ることもできたのだ。
 逆境をプラスに変えるこのしたたかさ……やはり、鞠絵は只者ではなかった!(どーゆー締めよ?)

 

  「こほ……戻ります……こほこほ……」