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【これまでのあらすじ】
鈴凛『いったりーやネオ・メカ鈴凛!! 「積尸気クラスター」発射ッ!!』 鈴凛ちゃんが命じますと、ネオ・メカ鈴凛(全高38.0m、本体重量 65.2t。関西らしさを出すためか、背中には巨大なカニを背負っている)のムネから暗黒のエネルギーが放たれ、冥界と現世をつなぐ穴をこじ空けます。 衛ちゃんをそれに吸いこませようという魂胆であります。 衛 「わぁっ……な、なにこれ……吸いこまれるよぅっ!」 千影『……………………………………フフフ……………………………………なに……………………………………ただ、冥界に……………………………………落ちるだけのことさ……………………………………心配するほどの……………………………………ことではないよ……………………………………』 鈴凛『アッハハハーッ!! このまま地獄の一丁目までご案内したるアルよーーーッ!!』 積尸気にぐわぐわと引き込まれてゆく衛ちゃん。このままでは冥界一人旅決定というところ。 衛 「う、くうっ……あ、つっ!」 衛ちゃん、なんとか走って逃げようとしますが、こんなときにかぎって珍しくブリーツスカートをはいていたのが運の尽き。うまく走れず、転倒してしまいます。 衛 (だ……ダメッ……) (ごめん……あにぃ……ボク……もう…………) 千影(……………………………………? これは…………………………………………………………………………強大な存在が……………………………………接近してくる……………………………………ハルカ、彼方から……………………………………) 春歌(呼びました?) 千影(……………………………………いや……………………………………別に) 鈴凛『さぁ、これでボーイッシュ妹bPの座はウチのもんやでェーーーーーーーーッ!!』 衛 「…………!!」 ガカアッ!! 鈴凛『ぎゃぴいーっ!? ……こ、これはァーーーッ!!』 千影『……………………………………!』 天空より高速で飛来した物体が、積尸気を吹き飛ばしていたのです。 その物体は、と見てみると、 衛 「こ、これって……クローゼット?」 千影『……………………………………“ラブブラのクローゼット”……………………………………!!』 妹たるもの、愛する兄のため、日々おのれを磨くことを怠ってはならない! 他力に頼ることなく、自分自身の能力を高めるべく精進せねばならないのだ! だが、兄が認めた場合のみ、『ラブブラのクローゼット』に収められた特殊なコスチュームや小道具の使用を許されるのである!! 鈴凛『なっ、なんでコレがここにっ……!?』 千影(……………………………………兄くん……………………………………やはり……………………………………私たちの……………………………………邪魔をするのかい……………………………………?) 衛 「あ、あにぃ……あにぃが、助けてくれたんだね……」 「ボク……ボク……あッ!?」 言ってるそばから、衛ちゃんがクローゼットに吸いこまれてしまいます。 鈴凛『〜〜〜ッ、こ、こんなクローゼットひとつ! どないなるっちゅーねんアルーッ!』 とネオ・メカ鈴凛に攻撃を命じる鈴凛ちゃん。そこへ千影ちゃんが声をかけます。 千影『……………………………………やめたほうが……………………………………いい。……………………………………「妹衣(シクロス)」を身につけた……………………………………妹には……………………………………誰も……………………………………かなわない……………………………………』 鈴凛『……エッ!? よく聞こえな……って、あ、アジャパァーーーー!!』 バキュウウウンッ!! ネオメカ鈴凛の巨体がのけぞります。クローゼットから飛び出してきて、痛烈な一撃を決めたのは誰かと見れば、言うまでもなく、 千影『……………………………………衛ちゃん……………………………………とうとう……………………………………装着したか……………………………………「妹衣(シクロス)」を…………………………………!!』 さきほどまでのブリ―ツスカートを脱いだ衛ちゃんが、真紅のブルマ―姿で仁王立ちしております。 衛 「ありがとう、あにぃ……さっきまでより、ずっと動きやすいよッ!」 鈴凛『クッ……なにいい気になっとんねん! いい気になってるアル!! いい気になってるアルねーんッ!! とりあえず3回言ったわ!! そんな小汚いブルマはいたくらいで何やっちゅーねん! ネオメカ鈴凛の真のパワー見せたるアルよォ〜〜〜ッ!!』 おっと、ネオメカ鈴凛の背中のカニの足が衛ちゃんに向けられます。その先端に、これでもかといわんばかりの強力なエネルギーが充填されていきますよ。 鈴凛『積尸気炉全開!! 大阪食い倒れカノン、発射――ッ!!!』 八本の足から同時に積尸気クラスターが放たれます。それが衛ちゃんに殺到し―― 衛 「…………!!」 ガカアアッ!! 千影『……………………………………ッ』 一瞬、衛ちゃんの背後に青い髪にほっぺにバンソ―コーをつけた少女のビジョンが浮かびます。次の瞬間、ネオメカ鈴凛は動きを停止していました。 千影『……………………………………あれは……………………………………伝説の……………………………………』 鈴凛『な……どうなって……どうなってるアルかアーーー!!』 千影『ああ……………………………………あまり……………………………………むやみに……………………………………動かさないほうが……………………………………いい。……………………………………積尸気炉が……………………………………暴走するから』 鈴凛『えっ!? なに……って……ぎゃぴりぃぃ〜〜んっ!!』 ピシッ……ピシピシッ……メキャメキャメキャアッ!! おおっと、ネオメカ鈴凛の装甲に亀裂が入りました。動力部にある積尸気炉が暴走を開始! 鈴凛ちゃん、ネオメカ鈴凛ともども冥界へと引きずり込まれていきます。 鈴凛『アルヤデヴェールチィーーーー!! (ほなー)』 千影『……………………………………フフ……………………………………さすがは……………………………………「半歩崩拳遍打天下(はんぽほうけんあまねくてんかをうつ)」と言われた奥義……………………………………たいした威力だね……………………………………』 衛 「ボクの力じゃないよ……この、ブルマーが……力を貸してくれて……」 そう、あの一瞬に、衛ちゃんは必殺の一撃をネオメカ鈴凛に叩きこんでいたのです。 千影『そうだよ……………………………………それが「妹衣(シクロス)」の力……………………………………フフ……………………………………』 妖しくほほ笑んだ千影ちゃん、自分の影のなかにズブズブと沈んでゆきます。 衛 「千影ちゃんッ……」 千影『……………………………………フフッ……………………………………妹衣を身につけた……………………………………妹とケンカする気はないよ……………………………………今日はこのへんで……………………………………おいとまするとしよう……………………………………鈴凛ちゃんも拾いにいかねばならんのでね……………………………………では、また……………………………………来世』 千影ちゃんがすっかり闇に呑まれてしまうと、あたりに静寂が戻ってきます。 と、衛ちゃんからブルマ―が脱着され、クローゼットに戻ります。 そのまま、ふたたび空の彼方へと飛び去るラブブラ。 衛 「……あにぃ、ボク……がんばってみるよ。何ができるのか、よくわからないけど……せいいっぱい、やってみるよ。だから……」 「応援、してよね?」 強い風が吹いていた、ある日のできごとでございます。 (TO BE CONTINUED) 【余談】 衛 「……って、ボクのブリ―ツスカート〜〜ッ!! うわぁ〜んッ、あにぃのばかぁ〜〜〜〜〜ッ!!」 ――その後、衛ちゃんがどうやってお家に帰ったのか、それはまた別の話であります。 |