『スタプリファイト』
 
 

【これまでのあらすじ】
『微乳妹(ナイブラ)』・衛ちゃんのもとに、『聖域(プロミストアイランド)』から派遣された刺客・『関西妹(キャンサイ)』の鈴凛ちゃんと『外道妹(ゲスシス)』の千影ちゃんが!
衛ちゃんはこの窮地を乗り越えることができるのでしょうか。


第146話 『星雲のスキャット!!』(後編)


鈴凛『いったりーやネオ・メカ鈴凛!! 「積尸気クラスター」発射ッ!!』

鈴凛ちゃんが命じますと、ネオ・メカ鈴凛(全高38.0m、本体重量 65.2t。関西らしさを出すためか、背中には巨大なカニを背負っている)のムネから暗黒のエネルギーが放たれ、冥界と現世をつなぐ穴をこじ空けます。
衛ちゃんをそれに吸いこませようという魂胆であります。

衛 「わぁっ……な、なにこれ……吸いこまれるよぅっ!」

千影『……………………………………フフフ……………………………………なに……………………………………ただ、冥界に……………………………………落ちるだけのことさ……………………………………心配するほどの……………………………………ことではないよ……………………………………』

鈴凛『アッハハハーッ!! このまま地獄の一丁目までご案内したるアルよーーーッ!!』

積尸気にぐわぐわと引き込まれてゆく衛ちゃん。このままでは冥界一人旅決定というところ。

衛 「う、くうっ……あ、つっ!」

衛ちゃん、なんとか走って逃げようとしますが、こんなときにかぎって珍しくブリーツスカートをはいていたのが運の尽き。うまく走れず、転倒してしまいます。

衛 (だ……ダメッ……)
  (ごめん……あにぃ……ボク……もう…………)


千影(……………………………………? これは…………………………………………………………………………強大な存在が……………………………………接近してくる……………………………………ハルカ、彼方から……………………………………)

春歌(呼びました?)

千影(……………………………………いや……………………………………別に)

鈴凛『さぁ、これでボーイッシュ妹bPの座はウチのもんやでェーーーーーーーーッ!!』

衛 「…………!!」


ガカアッ!!


鈴凛『ぎゃぴいーっ!? ……こ、これはァーーーッ!!』

千影『……………………………………!』

天空より高速で飛来した物体が、積尸気を吹き飛ばしていたのです。
その物体は、と見てみると、

衛 「こ、これって……クローゼット?」

千影『……………………………………“ラブブラのクローゼット”……………………………………!!』

妹たるもの、愛する兄のため、日々おのれを磨くことを怠ってはならない!
他力に頼ることなく、自分自身の能力を高めるべく精進せねばならないのだ!
だが、兄が認めた場合のみ、『ラブブラのクローゼット』に収められた特殊なコスチュームや小道具の使用を許されるのである!!


鈴凛『なっ、なんでコレがここにっ……!?』

千影(……………………………………兄くん……………………………………やはり……………………………………私たちの……………………………………邪魔をするのかい……………………………………?)

衛 「あ、あにぃ……あにぃが、助けてくれたんだね……」
  「ボク……ボク……あッ!?」


言ってるそばから、衛ちゃんがクローゼットに吸いこまれてしまいます。

鈴凛『〜〜〜ッ、こ、こんなクローゼットひとつ! どないなるっちゅーねんアルーッ!』

とネオ・メカ鈴凛に攻撃を命じる鈴凛ちゃん。そこへ千影ちゃんが声をかけます。

千影『……………………………………やめたほうが……………………………………いい。……………………………………「妹衣(シクロス)」を身につけた……………………………………妹には……………………………………誰も……………………………………かなわない……………………………………』

鈴凛『……エッ!? よく聞こえな……って、あ、アジャパァーーーー!!

バキュウウウンッ!!

ネオメカ鈴凛の巨体がのけぞります。クローゼットから飛び出してきて、痛烈な一撃を決めたのは誰かと見れば、言うまでもなく、

千影『……………………………………衛ちゃん……………………………………とうとう……………………………………装着したか……………………………………「妹衣(シクロス)」を…………………………………!!』

さきほどまでのブリ―ツスカートを脱いだ衛ちゃんが、真紅のブルマ―姿で仁王立ちしております。

衛 「ありがとう、あにぃ……さっきまでより、ずっと動きやすいよッ!

鈴凛『クッ……なにいい気になっとんねん! いい気になってるアル!! いい気になってるアルねーんッ!! とりあえず3回言ったわ!! そんな小汚いブルマはいたくらいで何やっちゅーねん! ネオメカ鈴凛の真のパワー見せたるアルよォ〜〜〜ッ!!』

おっと、ネオメカ鈴凛の背中のカニの足が衛ちゃんに向けられます。その先端に、これでもかといわんばかりの強力なエネルギーが充填されていきますよ。

鈴凛『積尸気炉全開!! 大阪食い倒れカノン、発射――ッ!!!』

八本の足から同時に積尸気クラスターが放たれます。それが衛ちゃんに殺到し――

衛 「…………!!」


ガカアアッ!!


千影『……………………………………ッ』

一瞬、衛ちゃんの背後に青い髪にほっぺにバンソ―コーをつけた少女のビジョンが浮かびます。次の瞬間、ネオメカ鈴凛は動きを停止していました。

千影『……………………………………あれは……………………………………伝説の……………………………………』

鈴凛『な……どうなって……どうなってるアルかアーーー!!』

千影『ああ……………………………………あまり……………………………………むやみに……………………………………動かさないほうが……………………………………いい。……………………………………積尸気炉が……………………………………暴走するから』

鈴凛『えっ!? なに……って……ぎゃぴりぃぃ〜〜んっ!!』

ピシッ……ピシピシッ……メキャメキャメキャアッ!!

おおっと、ネオメカ鈴凛の装甲に亀裂が入りました。動力部にある積尸気炉が暴走を開始!
鈴凛ちゃん、ネオメカ鈴凛ともども冥界へと引きずり込まれていきます。

鈴凛『アルヤデヴェールチィーーーー!! (ほなー)』

千影『……………………………………フフ……………………………………さすがは……………………………………「半歩崩拳遍打天下(はんぽほうけんあまねくてんかをうつ)」と言われた奥義……………………………………たいした威力だね……………………………………』

衛 「ボクの力じゃないよ……この、ブルマーが……力を貸してくれて……」

そう、あの一瞬に、衛ちゃんは必殺の一撃をネオメカ鈴凛に叩きこんでいたのです。

千影『そうだよ……………………………………それが「妹衣(シクロス)」の力……………………………………フフ……………………………………』

妖しくほほ笑んだ千影ちゃん、自分の影のなかにズブズブと沈んでゆきます。

衛 「千影ちゃんッ……」

千影『……………………………………フフッ……………………………………妹衣を身につけた……………………………………妹とケンカする気はないよ……………………………………今日はこのへんで……………………………………おいとまするとしよう……………………………………鈴凛ちゃんも拾いにいかねばならんのでね……………………………………では、また……………………………………来世』

千影ちゃんがすっかり闇に呑まれてしまうと、あたりに静寂が戻ってきます。
と、衛ちゃんからブルマ―が脱着され、クローゼットに戻ります。
そのまま、ふたたび空の彼方へと飛び去るラブブラ。

衛 「……あにぃ、ボク……がんばってみるよ。何ができるのか、よくわからないけど……せいいっぱい、やってみるよ。だから……」
  「応援、してよね?」


強い風が吹いていた、ある日のできごとでございます。

(TO BE CONTINUED)

【余談】
衛 「……って、ボクのブリ―ツスカート〜〜ッ!! うわぁ〜んッ、あにぃのばかぁ〜〜〜〜〜ッ!!」
――その後、衛ちゃんがどうやってお家に帰ったのか、それはまた別の話であります。



 

  「…………戻れるのかい?」