大雪ドキュメント

東北で大雪、ということなのにちっとも降らなかった北陸地方。
「もはや北陸は雪国ではない」という説もあるとかなんとか。
油断していたその時、それはやってきたのだ−−−かつては当たり前だった友達
そう、大きな「白魔」が実に15年ぶりにやってきたのだ。


1月14日(日)
ちっとも降らないとは言っても、やはりここは雪国。
降らないと気持ちが悪いもので、この日はこの冬一番のまとまった積雪。
とはいっても、ほんの10cmほどだ。
それでも、近所の人たちは除雪にはげみ、我が家もきんめだいが除雪してくれていた。休日だしね。
しかし、これが大変な週の幕開けだったことを知っていたものは少なかったのだ。

1月15日(月)

朝起きて、階段の窓から外を見た私は言葉を失った。
「何や、これ………」
窓から見える隣の家の屋根の上には60cmほどの雪が積もっていたのだ!
60cmの積雪を見たことがないわけではない。
そのぐらい、毎年、というほどではないが、2年に1回ぐらいはある。
しかし、一晩で、というのは……ここ数年記憶にないのだ。
あまりの積雪量に、きんめだいは車での出勤を断念。歩き&バスで行くらしい。大変ね。今からで間に合うの?
なんて、悠長なことは言ってられない。私だって今日は仕事なのだ。
きんめだいの職場より近いとはいえ、私の職場は角●という山奥にあるのだ。
そしてこんな日は、そこへ向かうバスは満員になり、私の乗りたいバス停からは乗れないことも今までの経験上判っていた。
そこで私は決心した。「よし、歩いて行こう!」

とはいっても、職場までは歩いて約一時間かかるのだ。
10時半から●業が始まるので、準備とかもあるので、最低でも10時20分には着いていたいところだ。(いつもは10時ごろに着くようにしている)
ということは9時20分には家を出なければならない。早いとこ、姫たちを保育園にやってこなければ!

この日は月曜日。月曜日といえば、保育園にはお昼寝布団を持っていく日である。
何でこの大雪の日に限って布団なんだか。。。天を呪いたくなってくる…気持ちをぐっと押さえ、瑠美にコートを着せ、抱っこして、あゆにはスキーウェアを着せていざ出発!
ところが………なんなんだこの降り方は。
布団を持って、瑠美を抱っこしている都合上、傘をささずにきたのだが、これが大間違い!
普通だったら雨と違って、雪なら傘不用なのだ(近距離の場合)。
と〜こ〜ろ〜が〜。この日の雪は違ったのだ。
異常な密度と早さで降ってきて、私たちはあっという間にびしょぬれに。
初めての異様な経験に瑠美は泣きだし、おお暴れ。
必死で宥めすかしてひたすら保育園へと急いだのでありました。

さて、そんなこんなでようやく家に戻ってきて、最小限の荷物を持って職場へGO!
時刻は9時半、間に合うのか〜〜〜?(TT)
ひたすら歩く歩く歩く。走れるところは走る。
歩道がない(除雪してない)ので、車道を歩く。
坂道の途中、雪のくぼみにはまってタイヤ空回りな車を発見。
私はその車の窓をコンコンと叩いて
「ギア、セカンドかサードに入れて発進してみたら?」
と親切にアドヴァイス。
ところが、運転手はパニクってるのか私を信用しないのか助言を聞き入れようとせず
「いいです。先行ってください。」
仕方ないのでそのまま坂を登りつづける。。。そしてやっと到着。
時刻は10時20分。おお〜50分で着いたじゃないの(^^)すごいわ、私………
ところがだ。。。職場の準備室の鍵がないじゃないか(−−)
準備室の鍵は、車の鍵と一緒にキーホルダーにつけてあるのだな、これが。
車に乗らないから、忘れて来てしまったのだ。。。
仕方なく、同僚が戻ってくるのを待って、そしてコピーなどの準備をする。
って…せっかく10分早く着いた意味がない〜〜〜〜(笑)

まぁ、そんな笑えるアクシデントもあったが、なんとか業務は終了し、本当は午後からありがたい講演会を聞きに行かなくちゃいけなかったんだけど、同僚や先輩たちに「いいよ〜出なくて〜今帰らないと帰れなくなっちゃうよ〜」との言葉に悩んでいると、鳴るPHS。
きんめだいからだ。
「今日、けんたろう早く帰ってくるかもしれないから、早く帰ってあげて。」
この一言で、大手を振って(私の心に?)帰ることができたのであった。
とはいうものの、帰りも歩きだ、さぁ頑張るぞ。
帰りはようやく歩道ができていた。業者さん、ありがとう。これで車がスリップしてくるかもしれない、と脅えつつ歩く必要はないのね。
しかし、何だ、この左右の雪の壁は……私の肩ぐらいまであるぞ(−−)
この時、カメラを持ってこなかったのを激しく後悔したのでありました。

そしてようやく、某浅●川の鈴●橋まで来た。ここまで来れば、家までは1kmもない♪
ところが…行く時もそうだったけど、なんというか、歩道が、けものみちなんですな(笑) 人一人通れる幅しかないわけだ。
きんめだいが言ってたとおり、市内の学校は午後授業打ちきりになっているらしく、近くの中学生がいっぱい歩いていた。
んで、その「けものみち」の待避所のようなところで、二人連れの女子中学生をやりすごして、さぁ行こう、と思ったらば、なんと、犬ではないですか。
可愛らしい女子中学生の後ろにいたのは真っ黒でふさふさの大きな犬だったのでありました。
びっくりして思わず「犬。。。」ともらした私に、その女子中学生も後ろを振り向いて「きゃ!」
そしたら、その犬。いたずらっぽそうな微笑みを浮かべて、なんとけものみちを逆走。
こっちへ向かってくるのだ〜〜〜(TT)
別に犬は嫌いじゃないけど、大きいし、知らない犬だから怖いのよ〜(;;)
走って逃げると追いかけてきちゃうだろうし、必死で平静を装い、橋を渡り終えて、自分ちの方へ曲がったのでした。。。
そしたら、犬は直進していき、ほっと胸をなでおろしたのでした。

なんだかんだの珍道中(?)だったが、ようやく家に到着〜。
ところが家の前で呆然自失………何ですかこれは。と今日何度目かの心の叫び。
そして、あまりに凄いと、人間、ネタにしようと思っちゃうのですな(って私だけか?)
おもむろに家の中に入り、デジカメを握り締めて戻って来た私は↓の写真を撮ったのでした。
ご近所の方は一体何事かと思ったことでしょう。。。

左が私の車、右がきんめだいの車です。。。そして正面のおんぼろなのが我が家です。
今にもつぶれそうでしょ?(怖)

この時、13時30分。家に入りお湯をわかしてカップラーメンをすすりつつ、昼茶でくつろぐ。
そうこうしてると、けんたろうが帰って来た。やっぱり午後授業打ちきりだったみたいだ。
さ〜て、そろそろ除雪するか、と思ってたら、きんめだいまで帰還。
結局、この男二人が除雪してくれることになり、私は家の中で家事。。。と思ったら…
「水が出ない〜〜〜っ!!!」
うーん、やられた。水道管凍っちまったぜい。
氷点下になる時は、ちょろちょろと水出しとくのが基本なのに、うっかり忘れてしまっていた。
とはいうものの、メインの水道は出るので食事、風呂、トイレは困らない。
困るのは洗濯だ。。。洗濯機の水が出ないのだ。
仕方なく、お風呂の水をバケツでせっせと汲んで洗濯をしたのでした。(すすぎは水道水で)
この時ほど、汲み上げポンプが欲しいと思ったことはありませんでした(涙)
洗濯が終わって、買物に行き、外で頑張ってる男たちのために、おにぎりをこさえて、保育園に姫たちを迎えに(今度はおんぶ紐とママコートを持って)行き、長い一日はほぼ終了したのでありました。。。

結局この日の積雪量は83cm。これだけ積もったのは15年前の113cm以来、ということらしい。

つづく