A31pにVineとDebianを入れてみる


KNOPPIXをハードディスクにインストールできたので、次はVineを入れてみることにします。
A31pに入れてあったKNOPPIX-Debian環境は、ThinkCenter A50pに移動し、Sargeとして使用します(再インストール前提で使うので、Woodyでは面白くない)。
KNOPPIXは周辺機器を高確率で自動的に認識してしまい、HDインストール時もKNOPPIXとして周辺機器を認識するようで実に簡単です。ただ日本語環境としては少し問題ありだったので、純日本語Linuxとして、Vine Linuxに白羽の矢を立てたわけです。

Vine Linuxは大手のディストリビューションとは違いますが、Red Hat Linuxの流れを汲んでいるそうで、Debianともそんなに遠い関係ではありません。しかしながらインストールはKNOPPIXとは違って、(Windowsのインストールのように)設定を決めながら導入者が判断してインストールします。それでもかなりの部分が自動認識or設定不要です。
これをThinkPad A31pに入れるのですが、IBMのLinuxのページへ行くと、A31pの対応状況でRed Hatは△。どうもFireGLがきちんと認識できないらしい。GUIでログオンできないような書かれようでいったいどうなることやら・・・。

使用したのはVine Linux2.6r4。もちろんFTP版です。
CD起動などは問題ないので、即座にインストール。実によくできたインストーラなので、設定に迷う場面はほとんどありません。
最初の関門は「NIC(イーサネット)」。Intel 100/PRO VEが使われているのですが、とりあえずないと言われる。・・・どうしようか。仕方ないのでまずは無視。更に進むとビデオカードの設定へ。こちらは難なく認識。FireGL 7800はかなり特殊なカードだと思ったんだけど・・・汎用ドライバで動かしたんでしょうかね。
ということでX Windowまで大過なく終了。実際にはブートがLILOからうまくいかなくて、hdbへGRUBを入れる方法に切り替えたりしましたが、Vineに関係なし。

で・・・、GNOMEが立ち上がる。あれ?Sawfishになってる・・・Window Makerが標準じゃなかったっけ?
そういえば、GNOMEかKDEかも選べたはずなのに、インストール時にGNOMEしか選択できなかったな・・・。
つまりこれが、FireGLゆえの問題なのだろうと認識。実用上困ったのは、GNOMEを使うのが初めてである事。しかもKNOPPIXに慣れていたので、ハードディスクがGUIでアクセスできない状態からのスタートは、Windowsユーザーにはなかなか骨が折れるところでした。解決方法は、KNOPPIXで立ち上げて、/etc/fstabをVineのパーティションにコピー。Vineにrootでログオンして、fstabの認識させたいディスク情報を追記。そして/mntに例えば/hdb5などのディレクトリを作って、
mount -t vfat /dev/hdb5 /mnt/hdb5
と標準的な方法でマウント。こうしておくとGNOMEのファイルマネージャーからアクセスできるようになります。
KDEに慣れてしまっているせいでいまいちですが、インストールは問題なくOK。ちなみにNICは起動後に設定を正しくしておくと(今回はDHCPで設定)、汎用の100baseとして機能するようです。設定ファイルを確認して「eth0 e100」になっていたらOKでしょう。Wirelessは今回は触りませんでした。

こうして導入したのですが、ThinkCenterに入れる予定の純Debianが入らない・・・(正しくはX Windowがうまくいかない)という状況になったので、DebianとVineを入れ替えることにしました。雑誌(LinuxWorld)付属のDVDに入ったDebianをA31pへ入れます。
Debianは3.0r2。DVD版でほぼフルに入れることができるようです。雑誌に80段階に及ぶインストール手順があるので、その手順でとりあえず挑戦。
DebianはWoodyにしますが、Sargeにするとしてもインストールにはあんまり関係がありませんね。

領域とかの作業は不要なので、デバイス設定までは問題なし。
デバイスで・・・やっぱりNICが認識しない。選択肢に明示的に同じものが存在しないのはThinkCenterでも同様で、TCの時は結局IntelのNICなのにどれでも認識せずでスキップしていました。
今回はIntelのPRO/Expressというのがマッチしてくれました。オプションも不要です。
以降は問題なくコンソールログオンができる最小構成まで進めました。
基本設定をして、taskselを起動。どこかでこれを使うと余計なものが入るからダメとか書いてあったのですが、今回はとりあえずインストールなのと容量に余裕がある(更にdselectはよくわからない・・・)ので手順どおりに。
かなりの項目を選択してスタートしたところ、サーバー関係でエラー発生。このDVD大丈夫なのか・・・?
仕方ないので、サーバー関係を減らして再挑戦。今度は無事に導入できました。この段階ではaptは設定せず。

続いてX Windowを設定。ATI Mobility FireGL 7800のはずなので、何も考えずにATIを選択し、マウスはPS/2、画面は1600×1200で16bit、液晶なのでリフレッシュレートも規定値(60Hz)。これでstartxすると・・・KDEがビデオで落ちる。VineはOKだった問題がここで出現。
ATIダメですか・・・ということで、互換しそうな選択肢を次々試すがうまくいかない。結局vesaで通すことに。
次はマウスがうまくいかない。USBマウスを使いたかったのですが、PS/2すらうまくいかない。
疲れたので一度落として、後に起動するとKDEではなくGNOMEですんなり起動。は?KDEがダメだったんですか・・・。
トラックポイントは常用に耐えないので、apt-get usbmgrとしてUSBマウスを使用可能な環境に。
そしてapt-getでWoodyを更新、インストール終了。

Debianはよくわかっていないとインストールできないですね。今回は雑誌のおかげで入れることができたようなものです。
こう考えると、KNOPPIXのDebianライクインストールは貴重な手段だと思います。KNOPPIXに周辺機器を自動認識されるのが嫌な場合、サーバー用途でモジュールを厳選する必要がある場合などを除くと、KNOPPIXでインストールしたほうがWindowsメインの人には扱いやすそうです。(2004/3/14)



館主の戯言に戻る
トップに戻る