IBM 2nd HDD Adapterを使ったディスク移行


ThinkPad A31pの内蔵ハードディスクの設計寿命が近づいてきました。
IBMの製品には「PC Doctor for Windows」が付いているので、ディスクの状態がわかります。
まだ大丈夫(該当項目は初期値100、閾値18に対して50の状態)なのですが、旧HDDをバックアップにしたいという思惑もありましたし、内蔵HDDが遅いなとも思っていたので、今回移行となりました。

2653-H5Jというモデルには、60GBで5400rpmのディスクが使われています。しかし、プラッタ当たりの容量は15GB。現在2ndにしている80GB・4200rpm(プラッタ40GB)と比べても半分くらいしか速度が出ません。新しいHDDは80GBで5400rpmのもの(HTS548080M9AT00)にします。60GBで7200rpmもよかったのですが、IBM RRRRというバックアッププログラムを採用するので、容量がかなり取られることから容量重視にしました。

移行の手段ですが、アイ・オーのパッケージを購入するので、Drive Imageが使えます。また前述のIBM RRRRを使うこともできます。しかしながら、2nd HDD Adapterには10回限定のコピーツールが付属します。フロッピーが必要ですが、A31pには造作もないこと。あまりWEBにも使用例がないので、興味本位で使ってみます。
ちなみに、英語のヘルプ(HTML)がフロッピーの中にあるので、先に読んでおくとよいでしょう。


まず、コピー元を内蔵したまま、未フォーマットの新ディスクを2nd HDD Adapter(以降アダプター)に付け、フロッピーとともにウルトラベイに付けます。
実際にはその前に、Cドライブ(内蔵)のスリムアップをして可能な限りで容量を小さくしました(約17GB)。
コピーツール(EZ-GIG HDD Backup Software)のディスクを入れて電源を入れます。当然ですが、フロッピーの起動順位をハードディスクよりも上にします。

ツールがブートすると、勝手に内蔵ディスクとアダプターのディスクを認識します。初期設定では内蔵ディスクがコピー元、アダプターのディスクがコピー先に設定されています。普通はこのままでよいはずです。わからない場合も初期設定のまま進めれば実用上さほど問題ないでしょう。

このツールの使用上の特徴ですが、

1:ドライブ単位でコピーする形になる
2:DtoD領域はコピー対象にならない
3:少なくともWindowsXPのCドライブはコピー時にリサイズできない

という点が重要でしょうか。
いくつかオプションや機能があり、ドライブのタイプによってはリサイズできそうなのですが、A31pのシステムパーティションはできませんでした。DtoD領域は全く認識しません。要らない人も多いでしょうから、これはそれほど問題視しない方がよいかもしれません。
機能としては、拡張領域は通常コピーしないので、設定を変えるとコピーできます。また、FATパーティションはツールから作成できます。
全く同じハードディスクに対しては、セクター一致でコピーすることもできます。もちろん今回はできませんでしたが。

以上を踏まえて、実行。実行した時点で使用回数が引かれます。
コピーはドライブとして行うので、あまり使用領域は関係ないような感じです。つまり、容量が大きいドライブほど(仮に未使用でも)時間がかかりそうです。今回の条件で1時間2分かかりました。内臓ディスクが遅いのが効いているでしょうか。
コピー終了で電源を落とすように指示が出るので、切って付け替え。

普通に起動してみると、ちゃんと立ち上がってきました。MBRなどもちゃんと書き込まれていました。
Norton System Worksでディスクを見てみると、きれいに敷き詰められていました。元は多少は断片化していたはずなので、順番にコピーをしたということみたいです。
起動時間は約半分。つまり、起動の早さはディスクに大きく依存すると解釈してOKのようです。
空き領域が残っているので、Partition Magicを使って全体をCドライブに拡張(ドライブを作ると、レターの割り当てが面倒だという理由。ディスクの管理からドライブを作るという手段もあります)。
以上で移行完了になりました(個人的にはこの後RRRRを導入した時点までが移行作業でしたが)。


結論として、同じサイズのディスクへ移行するならわざわざ別のツールを用意しなくてもよいでしょう。より大きいディスクが対象の場合は空き領域の扱い方次第で有用性は変わるでしょう。何度も移行や復元をする人は専用ツールを持つべきですが、単に移行だけなら、アダプターの添付ツールで済ませてはいかがでしょう?(2004/4/25)


件のプログラム、普通にデスクトップでも使用できるみたいです。プライマリ側のディスクから優先順位をつけているだけのようで、順位の低い場所にハードディスクを付けると2HD Adapterの時のように自動認識します。ドライブコピー系のツールが必要な時の代用になりますね。WindowsXPでできなかったコピー時のリサイズはWindows98SE(FAT32)では可能でした。ハードディスク単体で購入する人なんかにはよさそうです(コマンドラインに耐えられる人のみ)。(2004/10/21)



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