『テーマ館』 第19回テーマ「ワールドカップ」



 「クロアチアに敗戦」   by しのす


      「前半のあのゴンのシュートが入っていればなあ。あそこはふわりと浮かしてほしかったな」
      「でも全体的に日本が攻めていたのに、カウンター一発でやられたって感じですね」
      「そんなことないぞ。クロアチアも再三ゴールを脅かしていたが、堅いデフェンスと川口の
      好セーブで抑えていたんだ」
      「日本は決定力不足でしたね。城はにやにやしていて感じ悪かったですわ」
      「城はちょっとデカプリオに似ているんだけどな。豚顔な所が・・・」
      「カズがいればまたちがっていたのではないですか?」
      「カズはもう年だよ。ピーク過ぎていたから、はずれてもしかたないさ」
      「でも国際経験豊かだし、ゴンとそんなに年は変わらないのでは?」
      「いや、だめだったろうよ。カズがいても負けたと思うな。あのクロアチアの一人
      一人の選手のうまいこと。日本人とは大違いのボールキープ力。さすがだったね」
      「これでオカちゃんはどうなるでしょうね」
      「オカちゃんをせめるのは間違いだぞ。ここまで善戦したのはオカちゃんのおかげだ。
      とにかくジャマイカ戦でワールドカップ初優勝してほしいものだ」

      太田めぐみは呆然と二人の話を聞いていた。
      2週間前まではサッカーの試合をテレビで見たこともなかったのに。
      いろんなワイドショーやニュースで情報を仕入れたのか、今ではいっぱしのサッカー通だ。
      一億総火の玉と言われた時代があったが、今は日本人総サッカー評論家か?
      そんなことを考えながら、80歳を越えている祖父母の溜助とはるのつきないサッカー談義を黙っ
   てみているめぐみだった。

(投稿日:06月23日(火)22時33分42秒)