『コノハ・ヘブン』始動! 



「はい、今日の任務はこれで終了〜v」
とカカシが言い、子供たちがホッと一息つこうとしたら…

「キャーvvvサッスケく〜んvvvv」
ガバッとサスケの背中に飛びついたのは、いの。
「サスケ君〜久しぶり〜v元気だった〜?」
そう無邪気な様子でサスケにすり寄る。
そして自分の体をサスケの背中にピッタリとくっつける。

いのの行動に真っ先に反応したのは自他共にライバルと認められるサクラ。
「こっのいのぶた〜!!!!サスケ君から離れなさーい!!!!(しゃーんなろー!!)」

「ベー!デコリンちゃんは黙ってなさいよー!」
サスケに抱きついたままサクラに向かって舌を出す。

「なんですってー!!!!!!」
広めの額がコンプレックスのサクラはいののサスケに対する態度と相成って怒りが頂点に達する。

バチバチバチバチ!!

二人の間に季節外れの雷が激しく鳴る。
背後にボヤーっと見えるのは龍と虎か、蛇とマングースか、はたまた猿と犬か

そして間に挟まれているサスケは居心地が相当悪そうである。

「おい、いいかげん離れろ」
そう邪険そうに言うサスケだが、ほんのり頬が赤く染まっていたり。

サスケの今の状況、特に背中の状態を考えてもらえればわかるだろう。
クールぶっていても、サスケも年頃の男の子なのだ。


「あー、めんどくせー。よく飽きねーよな。ホント」
「ねえ?」
サスケを巡るすっかりお馴染みの女の戦いにあきれる2人。

「あ!シカマルにチョウジ!お前らも任務終わったのかってば?」
ナルトはいのに遅れてやってきたシカマルとチョウジに手を振る。
2人が遅れた理由は簡単。
サスケを見つけたいのは、サスケ目がけて猛ダッシュ。
シカマルはいつものように、面倒くさがりゆっくり歩いてきたのだ。
姿勢悪く、ポケットに手を入れて。
チョウジもシカマルに合わせて、手持ちのスナック菓子を食べながらゆっくり歩いてきた。
男の子の2人に、同じ男目がけてダッシュする理由はない。

「おー。さっきな。ということはお前らも終わったのか?」
「もちろん。もー腹減ったってば」
そう言った瞬間、ナルトのお腹がタイミングよくグ〜っと鳴った。
へへっと照れ笑いするナルトにシカマルは正直な腹だなと苦笑する。

「もぐもぐ。ナルト、1枚だけならあげるよ。僕のポテトチップス」
「へ?マジで!?…へへっサンキュー!チョウジ!」
もらったポテトチップスを頬張り、ん〜うまいってばよー!と笑顔で言うナルトにチョウジもにこーっと笑った。

「シカマル。僕、そろそろいのを止めてくるよ」
「めんどくせーけど頼む、チョウジ」


「いのー。いいかげんにしときなよー」
毎度のことながらバチバチと火花を散らす熾烈な女の争いの中に、チョウジが身を投じた。



「チョウジは何でか女のあのバチバチしためんどくせーのが平気だからスゲーよ」
(なあ、今日は夜の方あるのか?)

「ほんと、不思議だってば。オレってば、いっつも割り込んだら殴られるんだぜ?」
(いや、今日はオフ。何?シカマル、遊びに誘ってくれんの?)

何気ない会話をしながらもう一つ、他にはバレないように会話を行うシカマルとナルト。
シカマルとナルトはアカデミー時代から実はかなり仲がいい。
そして、シカマルはナルトの素顔を知る数少ない人間の一人である。

(ああ。こないだ結構オモシレー暗号が作れたからさ。)
(マジで!?すっげー楽しみ。そうだ、シカマルうちに来いよ。ルシファードさんもなかなかやるんだぜ。解く方も作るほうも。)
(本当かよ。ルシファードってナルトと同居してる人だろ?今、受付の方にいる。そんなスゲーの?)
(かなり。しかもスゲー面白い。受付行って会ってこようぜ。上手くすれば夕食も付く。これが本当に美味いの。)
(へえ。じゃあ、行くか。)

トントン拍子で遊ぶ計画が決まったころ…

「なんだあ、お前ら。まだこんなとこにいたのか?」
タバコをふかしながら現れたのはアスマ。

「アスマ、もう報告終わったのかよ」
ちゃんと報告したんだろうな…?と半分疑わしげなシカマル。
「おうよ。あれぐらいチョロイもんだぜ。」
「よく言うぜ。こないだ溜めまくってた報告書を俺に手伝わせたのはどこのどいつだよ…」
「ははは、そう言うなって……ん?カカシ、顔色悪いぞ。どうかしたか?」





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