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(C)2003
Somekawa & vafirs

『飛行機嫌い、その後』

端野威輝

7月の上旬に、自分の人生で初めて岩手県を訪れた(もちろん、仕事で…)。
今回の岩手県への移動は、飛行機だった。
小松空港から仙台空港まで飛行機で1時間、仙台空港から電車を乗り継いで、金沢駅からは約4時間半で盛岡駅に着いた。
電車なら約6時間かかるところを、約1時間半の短縮だ。
以前に、自分が飛行機嫌いであることを書かせてもらった。
以前の私なら、仙台まで電車で行っていた。
1時間半の時間短縮と飛行機嫌いを天秤にかけ、迷った末に電車を選んでいた。
ところが、今回は迷うことなく、飛行機を選んだ。

実は、会社の部内で「飛行機克服キャンペーン」実施を宣言し、約1年半経過している。
きっかけは、同僚と同行する愛媛県松山市への出張だ。
同僚との力関係で、金沢→新大阪→岡山→松山と、全て電車で移動すると私が決定した。(パワハラだ!)
伊丹空港経由であれば約5時間のところを、電車では約6時間半かかる。
岡山〜松山間は、四国内の区間がほぼ単線のため、約3時間を要する。
伊丹〜松山が飛行機になるだけで、1時間半も差がついてしまうのだ。
私としては、瀬戸大橋を渡って瀬戸内海沿いに走る、この路線が好きだ。
特に松山からの帰りに、松山駅横の惣菜屋さんでつまみを買って、徐々に暮れていく瀬戸内海を眺めながら、ぼんやりビールを飲むのが大好きだった。
ただ、現実的には3時間も電車で移動するのは結構きつく、私以外の人間なら飛行機の選択が正しい姿である。
電車移動の選択は、完全に私のエゴだなぁ…、と反省した。
で、「飛行機克服キャンペーン」実施を決心したのである。

私が飛行機を嫌いになるきっかけ、それは真冬の千歳→小松のフライトだった。
それまでは、好きというわけではないが、あまり苦になっていなかった。
ただ、その日は非常に気流が悪く、非常に大きく揺れた。
しかも、長く揺れた。
揺れ自体はまだ我慢できるが、ストンと下に落ちる感じが何回もあった。(私は、これが我慢できない。)
実際、自分より後方の女性客が悲鳴を上げるほどだった。
そのうち、機体への落雷があった。
若干の衝撃とフラッシュがたかれたような光、何とも嫌な感じだった。
このフライトを境に、飛行機を回避するようになった。
「飛行機克服キャンペーン」実施を部内で宣言したわけで、これは飛行機に乗らないわけにはいかない。
関東方面への出張は、基本的に飛行機での移動に切り替えた。
昨年は静岡方面の仕事が多くて飛行機の利用頻度は少ない傾向だったが、それでも30回を超える搭乗回数だった。
今年は、関東方面の仕事が多く、すでに30回を超えている。
以前なら飛行機の予約自体に迷いを感じていたが、今は迷うことがなくなった。
ただ、今でも離陸から着陸までの間、気持ちが落ち着かないことに変わりはない。
正直、どんなに睡眠時間が短くても、飛行中に眠れたことがない。
少しずつ慣れてはきているが、まだまだ克服したとは言えない状況だ。
克服したといえるのは、飛行中に眠れるようになることと考えている。
ただ、来年の春以降は飛行機を利用する機会が減りそうだ。
北陸新幹線が開業すれば、新幹線を利用することになるだろう。
克服するところまで行くかどうか、微妙な情勢である。

そういえば、先日の盛岡出張は、翌日東京へ移動だった。
その時に、初めて東北新幹線のはやぶさ号に乗車した。
緑色の車体が新鮮で、なかなかカッコいい。
久しぶりに、子供の頃のようにときめいてしまった。
この感じが、飛行機にはない。
結局、私はいつまでたっても鉄道好きなのかもしれない。

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