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(C)2003
Somekawa & vafirs

『酒万遊紀』

稲木光浩

GW帰省し久々にロブロイに寄った(→酔った)。
3年ぶりかな。

ひさしぶりの再会だったが、暖かな笑顔はなく、マスターはいつもの様にクールに「久しぶり。いらっしゃい」。
まあ今日は暑いからこれ位がいいかな。
大病から痩せはしたがマスターは変わらないね〜。
金沢を離れて10年以上経つが、金沢にいた頃のバーボン党から、今はビール党に変わった。
理由はアルコール度数が低いからだ。
金沢にいた頃はロブロイに入り浸っていた20代の頃は、マスターの有り難い説教を聴きながら(→聞き流しながら)、いつの間にかお酒が濃くなっていた。
水割り→1vs1割→ロック→ストレートという負のスパイラルに突入し、チェイサーに凍った黒ラベルで酔いつぶれて帰宅するのが定番だった。
あのビールは夏場には良いが、お腹が弱い人には勧めない。

金沢を離れた直後に肝臓を患い生死をさ迷った。
ロブロイでの不摂生のせいではないことをロブロイの名誉の為に明言しておきます。
肝臓の数値GOTは4500を記録。
常人は50以下だから、先生からは「君の肝臓は普通の人の100倍悪い。全く機能してない〜」とマスター並みにクールに言われた。
親族には8割助からないと言われていたようだ。
病院のGOT最高記録をしたが、なんとか完治し退院した。
それ以来、可愛い肝臓1号と2号君をいたわり、飲むときは度数の低いビールで最後まで飲み会を終えるようにしている。

時折仕事で様々な国に行くが、そこで思う事はどんな秘境の小国でもビールを作っているということだ。
それに比べてウィスキーはマッサン張りにハードルが高いのだろう。
フィジーやマルタ、キプロス、人口10万人にも満たないサモア。
いずれも小さな島国だが独特の地ビールを作っていて旨い。
時間が有ればアポ無しで工場見学に挑むのだが「はいれんわいね」とまたまたマスター張りにクールに断られる確立が8割以上の高打率だ(どこかで聞いた確立だ)。
しかし憲法で酒がそもそも禁止されている地域もある。
中東だ。
イスラム国家のイランに行ったがホテルやレストランにも当然酒はない。
ノンアルコールビールはあるが、日本のホッピーなんかと比べるとべらぼうにマズイ。
それを見かねたのか取引先の社長が自宅に招待してくれて、密輸されているビールを出してくれた。
隣国のトルコから輸入されている8%と度数の高いビールだ。
もちろん貴重なため炭酸水で5%ほどに薄めてのむのだがご無沙汰の アルコールは体に染み入る美味しさだった。。。
初夏に入り暑くなってきた。
来月も金沢に行くからロブロイに涼みに行くか。

<ロブロイストの日々>  毎・月始め更新いたします。