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Somekawa & vafirs

『花見の心得』

西川正一郎

世の中春です。
春と言えば桜が咲きます。
そーすると花見をしなければなりません。
他の人が主催した花見に参加するのも一興ですが、ここはやはり、自分から率先して準備をするに限ります。

と言うことで、
まずは開花の状況を見ながら日程を決め、参加者に周知徹底をしましょう。
その際には自分の予定はさておき、来て欲しい人(特に女子)の予定を最優先にします。
さらに、そんなことを考慮していることは微塵も周りに感じさせてはいけません。
さりげなく調査し日程を決定するのがオトナの嗜みです。

日程が決まったら、お酒の段取りです。
決してお金を惜しまず、とっておきの物を準備することです。
日頃から上司におべんちゃらをこいておき、スポンサーとなってもらうことも重要です。
お酒を購入する時に、お花見当日の「えーっ、すっごーい、すてきー、しんじらんなぁーい、やばーい」などという言葉を想像して売り場やレジで瓶を握りながらニヤニヤしてはいけません。

次は場所取りの下準備です。
だいたいにおいて新入社員の任務となります。
その人選は万全を期せなければなりません。
入社式に始まり、オリエンテーションなど充分に新入社員を観察し、人選を間違えないように最善を尽くします。
場所取り要員は2人以上選定するのが基本です。

新人の選定が済んだら、場所取り用ブルーシートを用意します。
人数にあった大きさの物を選びましょう。
小さすぎるのはもっての外で、大きすぎてもいけません。
他の花見客の場所まで占有しないようにするのがエチケットです。

当日までは、雨が降らないようにいろいろな物にお願いしましょう。
新興宗教、黒魔術、祈祷師、霊媒師、占い師、中国のお天気ミサイル、雨乞い、てるてる坊主、全てに頼りましょう。
生来の晴れ男晴れ女に依存するのも悪くないと思います、決して私のようなノー天気男に頼らないようにして下さい。

当日は、早朝から場所取りをしてくれている新入社員のケアを怠ってはいけません。
ちょくちょく顔を出し、気を遣っている感を充分に本人たちに認識させましょう。
その日の気温に応じた差し入れなども効果的です。

そして、いざ花見が始まったら、存分に楽しみましょう。
率先してはじけきることも大切です。
ただし、ある程度の節度は保ちましょう。
ガイドラインとしては、お隣のグループの記念写真に写り込んでしまって、その後、その見切れた写真がSNSに投稿されてしまっても、公序良俗に反しない程度の弾け具合で行きましょう。
このご時世、ツイッターの投稿で刑事告発されることもあると言うことを、頭の片隅においておきましょう。
ましてや、自分たちのグループの投稿が元で逮捕されないように注意しましょう。

ゴミやトイレ、マナーなどの話は、どアマチュアなレベルの事なので、ロブロイストの日々をご覧の皆様には不必要かと思います。
当然のこととしてバッサリと割愛いたします。

お花見当日は思いっきりはしゃいだとしても、そこで終わりではありません。
こちらもバッチリと準備しておいた二次会に、改めて気合いを入れなおして望みます。
人数にもよりますが、是非ロブロイを二次会の場所に設定しましょう。
メンツによっては三次会にロブロイを設定することも充分に考慮しましょう。

二次会の人数や開始時間の無理を聞いてもらうためにも、日頃からロブロイに通いましょう。
マスターへの盆暮れの付け届けを欠かさず行えばなお良しかと思います。
付け届けは、最低限でも大きめの庭石クラス、懐が許せばベンツなどが良いかと思います。
さらに言えば、私にも何か頂ければ、口利きは少しだけ出来る可能性もなきにしもあらずだと勝手に思っているので、玄関先に飾る天使の噴水か大きめのししおどしなどが頂ければラッキーかと思います。
フェラーリやランボルギーニでも全く問題はありません。

無事日程が終了したならば、その時点から来年の花見に向けて準備を始めましょう。
まずは呑兵衛の得意技である、「寝る直前のその日の一人反省会」を行いましょう。
前後不覚で帰宅したり、何かの拍子に外泊となった場合は、次の日のうちに「前日の一人反省会」を行って下さい。

充分に反省した振りをして少しだけ1日を振り返ったら、次の瞬間から、来年の花見で思いっきり遠慮無くハジけるための健康管理を始めて下さい。
健康診断を受けるというのは最低限で、胃カメラをはじめ、直腸カメラ、CTスキャンやMRI、PET、歯科検診、予防接種などありとあらゆる検査を受けておきましょう。
早期発見早期治療が来年の花見への第一歩であることは間違いありません。

最後の最後に、
酒は飲んでも飲まれないように、日々訓練、鍛錬、修練、精進していきましょう。

 
<ロブロイストの日々>  毎・月始め更新いたします。