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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

年末・年始の過ごし方

さて年末年始である。正月である。
それぞれに捉え方、過ごし方色々あると思う。
モチ大好き人間、さして好きじゃない、という人もいる。
またお節がなくちゃあ、という人がほとんどだと思うが、無くても構わない、という人もなかにはおられるかもしれない。

当の僕はというと、餅もお節も大好きだ。
年末年始の過ごし方であるが、普段BARというか一年中洋酒に浸かっているだけに、敢えてわざとらしい年末年始を過ごしている。
まずは大晦日である。
日本酒をちびりちびり飲りながら紅白歌合戦といきたいところだが酒はちょっとだけ辛抱する。
さて紅白も終わりテレビは“ゆく年くる年”となると「年越しソバ」である。
嫁さんは奮発してソバの上に大きな海老フライが毎年のっかっている。
ずるずると汁まで啜り終わる頃にちょうど年が明ける。
わざとらしく「おめでとうございます」と家族で交わす。
ここで日本酒となるのである。(毎年三種類くらい用意している)
なんといっても熱燗徳利に盃に限る。
肴はかまぼこでもあれば十分だ。
我が家で日本酒を飲るのは正月だけである。
嫁さんが注いでくれる。
うん、実に美味い。
その嫁さんもいける口なのだ。
明日は朝から飲める。
適当なところで切り上げ、ひと眠りすることにしよう。

それなりの時間が過ぎ目が覚める。
もう一度「おめでとう」となり、いよいよお節である。
僕など貧乏性に出来ているのか先ほどのかまぼこだけでも十分なのであるが、一応それなりに用意してある。
ちまちまと箸でつつきながら盃で熱燗徳利を飲る、本当に美味い。
適当に酔ったところで一休みしながら、テレビに目をやる。
どのチャンネルを開いても平和で明るい番組であるが、それはそれでいいものだ。
そうこうする内に小腹が空いてくる。
いよいよ大好きな餅、雑煮である。
前に書いた記憶があるがとにかく僕は餅が好きである。
雑煮でも焼いてもいい。

ところでその雑煮であるが、まぁ〜色々あるようである。
地元石川県だけでも単に餅を澄まし汁で煮ただけ、具など一切入っていない物。
コブダシで鶏肉が入っているもの。
奥能登の方では青のりなども入っているらしい。
これも能登になるが小豆で善哉仕立てもあるとの事。
善哉仕立て?、それはやっぱり善哉ではないかと思うのであるが、そこでは雑煮なのだそうである。
また世間に目を広げると愛知の方となると八兆みそ(赤みそ)仕立てになるらしい。
また京都もしくは山陰の方へなると白みそ仕立てになるようである。
逆に東北の方へ行くと具沢山の豚汁仕立てもあるらしい。
で、わが家はどうかというと僕の故郷鹿児島仕立てである。
かつおダシに大きめに切った白菜を下に敷き、焼いた丸餅に豆もやしと蒲鉾を入れ、醤油仕立てで仕上げお椀に盛り上に干しエビをふりかけ出来あがりである。
どちらかというと具沢山の方である。
小さいころから食べ慣れているだけにこれが一番美味い。
今の鹿児島は知らないが、僕が小さい頃今のように実に豪華なお節はなかった。
で思うのであるが、雑煮の具沢山というのはひょっとしたら貧しいところほど具沢山なのではないかと思う。
逆にシンプルな雑煮のところは雑煮の前にご馳走があるからでは?、と思っているがどうであろう。
ご馳走を食べた後のさらっとお茶漬け代わりなのではないだろうか、と思っている。
うん、、実に羨ましい限りである。
いずれにしろ、雑煮は美味い。

さて正月の過ごし方であるが、といってももうこれで全部である。
ようするに熱燗を飲りながら、お節を適当に摘まみ、テレビを観たり新聞に目を通したり、腹が減れば雑煮を食べる。
もしくは焼いて醤油をちょっと付けて食べる。
一息して風呂でも入り、そしてまた飲む。
正月は敢えて無駄に過ごしたいのである。

ということでしたが、「お前の正月の過ごし方など、どう〜でもいいわい」と言われそうであるが、年末年始、という事でちょっと書かせて頂きました。

2013年(平成25年)、良い年でありますように。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。