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(C)2003
Somekawa & vafirs

金沢 BAR <主のひとり言>

感謝・感謝のはなし

昔むかしは大阪時代、ある休日の夜中、住んでいたアパートの前の道路に、なんと!!一万円札が落ちていたのです。
当時の給料二万円くらいの頃ですから、まあ大喜びです。
当時の事、交番へ届けようなどと、爪の先ほども感じず、仲間二人を連れてさあ飲みに行こう、となりました。

時間は夜中の一時を過ぎており大阪は南の「B&B」という、円形カウンターが幾つもある店(当時コンパ形式、といっていた)へ行くとまずは一杯ずつ注文したわけですが、 そこは二時で閉店とのこと、すぐにお勘定となりレジは出口にあるのですが、その場で例の一万円札を「はいよ」と言って自慢げに差し出したのです。
料金は1800円、お釣りの8200円をカウンターで貰ったのです。
さあ帰ろうとして出口へ向かいレジを通り過ぎようとすると、レジ係が「お釣り8200円になります」といって僕に差し出すのです。
僕は「アレッ」と一瞬思いながらも「ありがとう」と言って、つい貰ってしまったのです。
これは決して確信的ではなく、たまたま8200円だし貰ってしまった、という事になります。
店を出て通りで調べてみると、その前にしっかり貰っていました。
これまた店側へ持って行こうなどと、思うはずもなく、しっかり自分の物となりました。
ようするに拾った10000円が18200円に増えたわけです。
その後三人で豪遊した事は、いうまでもありません。

それから何日か後のある日の事です。
タバコを買おうとタバコ屋さんへ。
ロングピース80円の時代です。
ワンカートン 800円、僕は5000札を出した。
するとおばちゃんはお釣りをなんと!、9200円くれたのです。
ようするに5000円札を10000円札と勘ちがいしたようです。
これもしかと貰ってしまいました。
今思うと心が痛みますが、若い時の事、ご勘弁下さい。
と時効という事で・・・。

ところが、ところがである。
それから数年後の四国は徳島時代、その頃は自分の車もあり、ある店の店長として働いていた。
売り上げなども僕が管理していた。
車の洗車場であるが、そこはオシャレな喫茶室もある、洗車が終わるのをゆっくり待つ、というシステムであります。(GSではない)
日曜日が一番忙しい店、休日は月曜日です。
前日の売上45万円ほどを持ちその洗車場へ行った。
車を預け僕は喫茶室のカウンターへ(もちろん売り上げの入ったバッグも一緒だ)。
やがて名前を呼ばれ僕は車に乗り洗車場を離れた。
数時間後、はたと売り上げを入れたバッグが無い事に気付いたのです。
思い当たるのは洗車場しかない。
急いで車を走らせ店に聞いたが、預かっていないとの事。
念のため近くの交番を尋ねたが、あるはずもない。
なんせ店での事です。
次に座った誰かが45万円入りのバッグを持ち去ったようである。
当然、勤めている店側に「すみません」で済む事ではない。
しっかり弁償する羽目になってしまったのであります。
先にちょっとラッキー?な事をちょっと書きましたが、目先の小さい事に惑わされるようではだめだ、としっかり学んだのであります。(あやしいが)

それから数十数年後、早い話今年の春の事です。
僕は休日外へ出るときは小さい皮のバッグを持ち歩く。
ウエストポーチ程度の大きさである。
中身はというと、札ばさみに小銭入れ、それにカード入れが入っております。
カード入れには免許証・クレジットカード・キャッシュカード・図書カード等が入っております。
ある日曜日、ちょっと離れた生協系のスーパーへ買い物に行く。
距離で7〜8キロだろうか。
買い物を済ませ僕はトイレに立った。
そして車で帰ってきたのだが、アレッ、いつものバッグが無い。
さっきまでいたスーパーのトイレしかない。
用足しの前の物置にバッグを置いたのは覚えている。
また急いで引き返す。
こういう時の7〜8キロは結構長く感じるもの。
さあ着いた。
急いでトイレを覗いた、がもう一時間近くは経っている。
あるはずがない。
係の人へ聞いた。
こころよく「届いていますよ」との事。
一応お名前は?、ハイ染川です。
という事で無事にバッグはかえってきた。
中身を調べたが全て入っている。
おまけに届けて頂いた方は「名前も告げず」という事だった。

今度はつい先月の事である。
いつものようにその小さいバッグを持ち、ホームセンター(カーマ)へ我が家の主、猫さまのオヤツと、ネコ砂を買いに行った。
そしてまたトイレに入った。
前の物置へバッグを置き、すました顔で用を済ませ帰ってきた。
もうお気づきでしょうが、また無いのである、バッグが・・。
また急いで引き返す、そこは距離にして4キロくらいだが、相変わらず焦りで遠くに感じる。
日曜日の事、人は多い。
先ずはトイレを覗いたがあるはずがない。
係の人に聞いた。
なんとあったのである。
ある男性が届けてくれたとの事。
かつ名前も告げず。
その場で中身を確認したが、もちろん、お札もカードも全て揃っていた。

懲りない男。
相変わらずまぬけで、バカな男の小さいバッグを二人の方はホントに親切に届けてくださった。
両方ともトイレの話でしたが、臭い話ではありません。
有り難うございましたの一言。
と、感謝・感謝の話でありました。

<主のひとり言>  毎・月半ば更新いたします。