まだ続く、ミステリーな日々

                      

14. 友人

 私が、東京で学生生活を送っていた大学の4年の頃でした。

バイトから、帰って、疲れていたので、酒を飲み、寝入ってし

まった時のことです。

 夜中,2:30頃に、金縛りにかかりました。体が、動かない。

ふと、足元を見ると、黒い人影が立っているのが、見えました。

「誰だ!」そう思うが、身体は動かない。これは、夢なんだ、

そーに、違いない。「寝てしまえ」そう思っていたとき、

私の体が、足元から、ズルズルッと、引っ張られていき

ます。ベッドから、誰かが、私の足をつかんで、引きずり

降ろそうとしているのです。最初、何が、起こったか、全く

把握できず、為されるままになっていたのでした。

私を引っ張る力が、あんまり強いので強く、私はベッドの両端

を掴んでいました。

 ズルズルッ!なおも、足は、引っ張られます。突然、私に

急激な恐怖感が、芽生えました。仮に、足が、引きずられても

体が、落ちたとしても、ベッドから、落ちるだけなのですが、

まるで、ビルの窓の外に引っ張り出され、体が落とされる感じ

がしたからです。私は、混乱する頭の中で考えていました。

「落ち着け。ベッドから落ちるだけだ。別に怖くねぇ」っと・・・・・

 「やめろ!」いくら、抵抗しても、体は、ズルズルッとゆっくりですが、

足元の方に、ずれていくのです。私は、黒い影に訴えました。

 「頼むから、やめてくれ」っと。

不思議なことに、黒い影がある映像とダブッたのです。それは、私の

 友人でした。「なんで、おまえが・・・・・」

そのとき、です。一瞬、体が軽く

なりました。ふっと、浮いたような感覚です。目の前の視界が、

開けたのです。そう・・・・・・
 
 私は、自分の体が、ベッドから、足元の方に、半分近く、ずり落

ちている映像を見たのです。私は、混乱しました。どうして、自分の

体、全体を見ているのか、否、見えているのか・・・・・・・そして、

どうやら、私は、自分の足元の上から、映像を見ていることに気が

つきました。それから、ボーっとして、引きずられる様を見ていたの

ですが、急に怖くなってきました。それは、自分の体から、離れてし

まっていることに、気が付いたからです。

 「俺は、戻れるのか!?」
 

そのとき、声をききました。

「一緒に、遊ぼうぜ!一緒に、行こうぜ!」

その声は、そう聞こえました。ただ、その声に、私は、聴き覚えが、

あったのです。それは、友人の声でした。私は大学に入学するため

上京してきたのですが、それから、全く、会っていなかった悪友の声

とそっくりだったのです。当然のごとく、東京で生活している私の耳に

は、実家がある地域のイントネーションには、大変敏感であり、間違え

ることは、ないでしょう。さっきの映像といい・・・・・・
 
 「何で、あいつの声が?」

 (黒い影はやつなのか?)とにかく、一緒には、行けない。

わたしは、一心不乱に、体に戻ることに集中しました。

すると、何がどうなったかは、分からないが、私の視界が

ベッドで横たわった状態の視界に変わり、それと同時に

金縛りも、解けました。私の身体は、腰のところまで、ベッドから、引きずり

落ちていました。時計を見ると、午前2時40分ごろだったと

思います。何時間にも感じられた、恐怖は、実際には、ほんの

数分だったのかもしれません。まんじりともせず、夜が明ける

のを待ち、翌朝、実家に、電話をしました。

 実家の母は、電話に出て、いきなり、昔の友人のことを聞く

私に、不信感を持ちながら、「元気なんじゃないの?自分で連絡取れば

いいじゃない」と、軽く受け答えをしていましたが、電話口で、大きな声を

あげました。

 

「大変、○○君、死んだみたい!」

 何気なく、朝刊を見た母は、ある事件を見つけたのでした。

それは、私の悪友が、シンナー遊びをしていて、火災にあった

とのことでした。シンナーを吸っていて、タバコの火が引火し、

自分に燃え移り、焼死したとのことでした。時間は、ちょうど、私の

金縛りにあっていたときの2時半頃のことでした。いぶかる母に、

事情を言えず適当にあしらい、電話を切りました。