その24.心霊写真を撮るということ

私は、子供の頃、心霊写真を撮る妙な趣味がありました。

その頃は、「恐怖の心霊写真集」とかが、流行っていたからです。

もし、撮れるのなら、いいコレクションになるのでないかと軽い気持

ちで、始めたのです。

私は、友人と数々の心霊スポットを訪れ、写真を撮りまくりました。

結果は。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


       

写る写る!なんだ、簡単じゃないか。。。危なそうなところ。変な気配

の感じるところ。墓地の中は、コレクションの宝庫だ。。。エクトプラズム

も、綺麗に撮れたなぁ。。。。という罰当たりなことを続けていました。

そのようなコレクションを友人たちに見せていたとき、ある、友人が言い

ました。

「なぁ、JABLIN! すげぇスポットあるぜ。そこだったら、もっと、すげぇの

うつるんじゃねーの」

「それ、どこ?」

能天気な私は、すぐ、その話に乗りました。そのすげぇ所とは・・・・・・


「幽霊少路」そう、呼ばれている少路がありました。細い一本道なのですが、

墓地の間を一直線に突っ切っているなんとも不気味な道です。

周りには延々と続く墓 墓 墓。土地の者でも、8時以降は、通るのに、

相当な覚悟がいるところです。

 

その、少路から、左に折れ、墓場に入れる門があります。普段は、閉じられ

ているのですが、その頃は、壊れていました。鉄製の重い門でした。

無縁仏を集めた大きな墓。。。お地蔵さん。。卒塔婆。。。と、とんでもない

ところに来たものだ。だからと言って、心霊カメラマンとして、被写体を

納めるまでは、逃げ出せない。。。。。。

 

「ここや!あったぞ!」

友人が手招きしました。なんだ、普通の墓じゃないの。これが、どうし。。。。て。

 

「あっ!」

 

こりゃまずい。直感的にそう思った。というより、誰でも思うだろう。その墓は、

正面が裂け、ヒビが入り、その裂け目は、下の方まで続いており、そう・・・・・・・・

骨を入れるところまで・・・・・・・だから・・・・・・なかの・・・・・骨壺が・・・・見える・・・・

っと、これは、どうする。骨壺もヒビが入っていて、なかの・・・・・骨まで・・・・・・・

「まずいだろう。まずすぎるじゃん!」

いくらなんでも、こんなの覗いていいのか?罰当たりにも程がある。

それと同時に「いい写真が撮れるかも」そうとも思った。

結局、撮ることにしたのである。

私は、離れたところから、先ず全体を収めた。カシャッ!カシャッ!

次に上の方からカシャッ!  そして、最後に問題の骨壺。。。。。

行くぞ!カ・・・・・あれ、シャッターが下りない?

もう一回。カ・・・・シャッターがおかしい?ええい、ままよ!それ!

ガリリリリッ!

変な音がした。シャッターが下りない。怖くなってきたので、そのまま

写真屋さんへ行くこととなった。

私は、まだ、小さかったせいもあって、フィルムを取り出すのが苦手

だったので、現像はカメラごと写真屋さんで、フィルムを出してもらい、

また、新しいフィルムを入れてもらう手法を取っていた。

カメラを手にした写真屋さん。

「一体、どうなってるんだ、このフィルム!」

途中から、誰かが手を突っ込んでねじり曲げたように二重にも三重にも

ねじり曲げられている。

「誰かが、カメラを開けてフィルムを引っ張って、その上で、ねじったのかな?」

と聞く写真屋さん。。。。

とにかく、できるところまで現像してみるから。。。。。

「ありゃりゃりゃ〜」

「この、カメラもう駄目だわ。使えんなぁ」

「え?どうしたんですか?」と私たち。

フィルムを引っかけるところも粉々になっている。まるで、誰かが、中に手を入れ

こじ開け、壊したように・・・・・・・

 

結局、現像は、その墓までは、出来たのですが、もちろん、問題の墓は、写って

いませんでした。。。。。。。。。。。。

その時以来、心霊写真を撮ることをやめたのは言うまでもありません。