3.怪.老人の集めしもの


 お盆です。

心静かに?怪しいお話を・・・

その老人は一人暮らし。 昭和20年代に立てられた市営住宅も老朽化したため

改築された高層住宅へ移って一月あまり。。。。。
 

 以前から訪問していたヘルパーが、訪問のたび少しずつ引越し荷物の整理を手伝って

いたのですが、最後まで残されたダンボール箱が部屋の片隅に5つ、6つ。
 
あるとき、「せっかく広い収納があることだし、せめて箱ごと仕舞って置けば・・ 」

とヘルパーが声をかけました。

 すると、老人。「ひさしぶりに掘り出したんだ。しばらくは外の空気を吸わせてやんな

きゃね。」とつぶやきました。  
 
「空気を・・吸わせる?」

ヘルパーは訝しく思いましたが、よくある老人の収集癖の一つかと聞き流していました。が・・・
 

 あるとき、買い物から帰ったヘルパーは、ダンボール箱の傍らで何やらごそごそ作業をしている

老人の後ろ姿を目撃しました。


 何の気なしに覗いてみると・・・

何かを雑巾でゴシゴシ磨いていたのです。それもかなりしっかりとした大きさの、小動物とも思え

ないような・・・・・・

「骨」を。  

箱にはすべて「骨」がつまっていたのです。

 老人。「ずっと、庭先に埋めておいたんだ。高層住宅じゃ埋めて置けないだろ。掘り返して持って

きた。たまには外に出してやるのもいいだろうて・・」

 ヘルパーは恐る恐る尋ねました。「何の・・ホネ・・?」

 「何の、だって? 何に見えるかね。 まあ、気にしないこったあねえ・・ふふ」

 以来、ずっとそのダンボール箱は、部屋の片隅に置かれたままです。

今日も、きっと老人はその「骨」を磨いて・・ゴシゴシ・・ゴシゴシ・・・



出ましたね。福祉の現場で起こる奇妙な物語。。。。。

もちろん、この骨が何の骨なのか。。。。そのご老人以外誰もわからない。

恐らく、彼の死後もうやむやになっちゃうのだろうな。

こういう狂気と現実が重なり合いながら、日々、ヘルパーさんは、お仕事している

のですね。頭が下がります。


4.実録・恐怖の館


焼け付くような真夏の日差し、蒸し暑い空気に包まれたこの館には不穏な妖気が

漂っていた。そこには肩で息するおばヘルと、髪振り乱した老婆の姿があった。

老婆の握り締めた袋の中で蠢くもの、それは…… 鼠だー!

捕まえたのは私、始末したのは要介護1のKさん。

(始末というのは、袋ごとコンクリートに打ちつけたらしい)

この仕事って、私生活では決して味わえないスリルとサスペンスとホラーが体験

できます。(こんな体験したくなーーーい!)

さあ、明日はどんな未知との遭遇があるのでしょうか。

   
おお、なんたる残酷なストーリーなのでしょう。

コンクリートに打ち付けるなんて、さぞ、ネズミを痛かったでしょう。

しかし、捕まえたって、どうやって?

子供の頃、ネズミ盗りの道具(かごで餌を食うと扉が閉まる)を思い浮かべます。

ソーセージなんか、餌にしたりして。捕まえたネズミをバケツの水の

中に、つっこんでいたっけ・・・・・

そういう母の姿がとても怖かった。。。。。



5.ビクトリアマンション


ある痴呆症の老女ひとり暮らし。ヘルパーが訪問すると、もぬけのカラ。


隣室の住人に尋ねると、大抵徘徊にお出かけになった後とのこと。


見かければ制止しているものの、常時見張っているわけもいかず・・と、困り顔。


結局、さんざん周囲を探しまわり戻ってみると、ちょこんと茶の間にすまして座り、


「遅いじゃないの・・」とへそを曲げることが定番の方でした。
 

 ある日、またも無人の部屋を見たヘルパー。外は35度。捜し歩くのもうんざりで、

 
「どうせすぐ帰るだろう・・」と玄関先にどっかと腰を下ろし、待っていました。
 

 しばらくして、奥の部屋から

「ざ・ざ・・」と妙な音がしてきました。

振り返り、様子を窺うと、確かに誰も居ないはずの寝室からの音です。

「ざ・ざ・ざ・ざ・・・ざ・ざ」

気味が悪いとは思いつつ、意を決して寝室に向かったヘルパーが目撃したものは・・・



 押し入れの戸を開きつつ、よつん這いで上半身を今抜け出さんとしている老女。

そして、その背後の押入れの奥の壁がカーテンで覆われ、わずかな隙間から見えたもの!

隣家の老人と目が合ってしまったのです・・・・

 カーテンは次の瞬間降ろされ、老女はずるずる抜け出してくると、後ろでに戸をぴしゃりと閉め

「勝手に留守宅に上がりこんでどういうつもり!」と激昂したのでした・・
 
 
それ以来、関係者の間では、密かに「リタ・ヘイワーズ」と呼ばれています。
 
確かに、結構「イケテル」タイプなんで・・50年前ならなあ。

 

うーん。絶妙な味付けですね。スチーブンキングもびっくり。。。。痴呆の女性の

度肝を抜く描写がグー。しかし、寝室を意を決して覗いたヘルパーさんも偉い。

そういえば、とある施設で、中庭でひなたぼっこをしていた徘徊婆さんが消えてしまった事件が

あった。神隠し。。。。。(いったい、誰が隠すというのか・・・)

種明かしは、策を飛び越えて施設の外に出てしまったということなんだけど

その策は、2メートルはある。その婆さんは車イスにのってる。

テレポーテーションか?

 


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