出産奮闘記
これは「栗本薫World」の「落書き帳」において連載したものを加筆修正したものです

出産はドラマ。三回目の出産でもハプニング続出。
これは私、六条瑠璃の出産入院の日から退院の日までのドラマである。

第1話 それは突然やってきた 第6話 今から産むんです! 第11話 トータルでは同じ
第2話 慎重なオオカミ少年 第7話 そこは私が… 第12話 3人抜き
第3話 入院前最後の晩餐 第8話 全開 第13話 なぜ口篭もる
第4話 実は私はあせっていた 第9話 ほげ 第14話 睡魔に勝つもの
第5話 しまった!この道は! 第10話 10月27日
午後7時50分に産みました
第15話 睡魔の勝利

第1話 それは突然やってきた

「産まれるかも?」なんて1週間前に大騒ぎしたけれど何の気配もなく
ついに予定日も過ぎ、前回の模様など鑑みるにおそらくまた10日ほどは遅れるのではないか
と思いながら布団の中でゆるりと読書している時に起こったのだ
9ヶ月半途絶えていたあの痛みだった
いわゆる「月のもの」のような痛み…
「ひょっとしてこれは・・・?」と時計を見やると午後4時20分
いつもはあゆを保育園に迎えに行くのは5時ごろなのだが
ひょっとしてこれがそうだとすると5時まで待っていては間に合わない
けんたろうにお迎えに行ってもらおうとも思ったのだが、外はあいにくの雨模様
急いで私がお迎えに行くことに
途中職場でお世話になっていた人(でご近所さん)にばったり会い、立ち話
もしこれがそうだとすると、あとで彼女はさぞ驚くだろうな…と考えながら保育園へ急ぐ
あゆを迎えに行って帰ってきた途端、再びあの痛み。時計は5時10分。50分後か…これはひょっとすると…
でも痛みは弱い。まだわからない

第2話 慎重なオオカミ少年

10月に入ってからというもの、ちょっとした痛みが来るたびに「もしかして…?」と言っていたため
私は「オオカミ少年」扱いされていた
それゆえほぼ1週間たった今、痛みには慎重になっていた
しかし今回は何か違う予感を感じとっていたのだろうか、入院に必要なものはすでにそろえてあったとはいえ
当日でなければ用意できないお茶やスポーツ飲料を水筒に詰め、準備品の最終チェックを行っていた
その間にけんたろうには風呂を沸かすように指示
出産してしまうと1ヵ月はシャワーしかできないから入院前最後の入浴をしておこうというのである
そこに鳴るPHS
きんめだいからだった
「買い物どうする〜?」
臨月に入り、車の運転が辛くなって来ていたので
ほぼ毎日きんめだいの帰宅を待って一緒に車でスーパーへ買い物に行っていたのだった
「今日は買い物行ってる余裕ないかも〜(^^;
今度こそ来たかも…だから今から風呂入る〜。なんか買ってきてくれてもいいんだけど」
「じゃあ今日はあるもので食べよう」
ということできんめだいは急いで家へ直行することに
風呂が沸くまでの間、パソの前に向かい、まずは雲丹茶に入室
「来たかも?」なログを綴っていたら、黄昏な人々が次々と入室
会話を交わしながら、着々と自分のところの掲示板のレスを書く
そうこうしているうちに風呂が沸き、入る
自分では落ち着いていたつもりだったが
ボディーシャンプーで洗髪してしまったことからかなりあせっていたことがわかる
風呂からあがってまもなくきんめだいが帰宅
すぐにきんめだいと子供たちが入浴し、私は夕飯の準備に取りかかったのであった…

第3話 入院前最後の晩餐

家にあるものですぐに調理できそうなものはハムステーキだった
その他あるものを(もうなんだったか忘れた(^^;)準備
シャンプーを間違えるほどあせっていた私は食べる気がせず、再びパソに向かう(笑)
まあ、食欲がないのは3時のおやつにけんたろうとふかしいもをたくさん食べたせいもあったんだが…
しかし瑠璃は知らなかったのだ
この時ムリにでも何かおなかに入れておくべきであったということを…

第4話 実は私はあせっていた

そうこうしているうちに、例の痛みの間隔がついに30分になり病院に電話する
普通は「10分間隔になったら」なのだが
経産婦であり、前回、前々回と経過が早かった私は「30分間隔になったらおいで」と言われていたのであった
総合病院なので、まず病院の代表番号にかける。そして「産科病棟お願いします」と言って電話をつないでもらう…
ところが!電話はなかなかつながらない…気があせる…
つながったと思ったら何故か切れる(TT)
再度代表番号にかけ、再度つないでもらう

今度はちゃんとつながった
しかし痛みはまだ弱く、「これは陣痛だ!」という確信が持てないでいたので
電話に出た看護婦さんに「もしかしたら違うかもしれないんですが…」と断った上で入院の手続きをした
6時40分のことだった

まだ子供たちが食べ終わっていなかったので、その間「今から入院する」という趣旨のログをあちこちに残し
すべての準備が調ったところで病院へと出発したのであった。

第5話 しまった!この道は!

目的地、すなわち入院する病院は金沢の中心、兼六園の横にある
それゆえ、一番メジャーなルートは兼六園下という交差点を通って、兼六坂という坂を登る…というものである…
他の道からも行けるが、そっちからだと病院に入る際に右折しなければならないし
ちょっと距離も長くなるのでこちらのルートを選んだんだろう…と思っていた
ところが…兼六園下まで来たところできんめだいがつぶやく
「しまった!この道は!」
時刻は7時前、勤め帰りの車が多く、その道は渋滞していたのでありました…
最後の痛みは6時半だったのだが、車の中で次の痛みを迎える…6時50分
20分間隔である…
さらに、なんと5分後にその次の痛みを迎える…病院はすぐ目の前に見えているのに…
そこで私だけ降りて歩いてもよかったのだが、幸い痛みはまだ強くなかったので辛抱強く我慢する
病院につき、駐車場に入る前に私だけ降りて夜間窓口で入院の手続きをしながら、駐車場から来るはずの3人を待つ
ところが…なかなか来ない…
何やってんねん…遅いな…と独り言をつぶやきながら窓口で待つ
何度も自分だけ先に行ってしまおうか、と思ったが、間隔は狭いが痛みはまだ強くなかったのでそのまま待った
心理的には長い時間が過ぎたあと、3人が姿を現す
「お〜そ〜い!」
という私に「停めるところがなかった…」という応え
そうか、7時だもん、お見舞いの人が一番多い時間帯だよな…と納得しながら病棟へ急ぐ4人(+1)であった

第6話 今から産むんです!

産科病棟は4階である
私たちは↑マークの出ているエレベーターの前で待っていた
最上階である5階まで行ったエレベーターが各階停止のあと
ようやく1階に降りてきてドアがあき、その中から出てきたのは近所のおばさんだった
もう面会時間も終わろうと言うのに4人そろってエレベーターに乗ろうとしている私たちを見て不思議に思ったのか
「あんたら何しに来たん?」
「何しに…って…今から産むんです(笑)」
臨月のお腹で何度もその人に会っていたのに、臨月だったとは知らなかったらしい…
で、地下まで行ったエレベーターが戻ってきて、我々はそれに乗りこみ4階に向かったのであった

第7話 そこは私が…

4階に着き、私は「勝手知ったる」という様子でナースセンターに向かい
「あの〜さっき電話した○○ですけど…」
するとこの病院で産んだことのある人間でこの先生を知らない人はいない、という有名なT先生が
「あ、3人目の人ですね」
さっき電話で手続きした時に「健診で診てもらっていたのはN先生です」と言ったはずなのに…
後で聞いたところによると、時間外に入院すると当直の先生が担当になるのだとか
でその日の担当はそのT先生だったわけだ
ずっと診てもらってた先生じゃなかったことに少々の不安は覚えたが
けんたろうやあゆの時にその先生に診てもらったことはあるし、他の全然知らない先生よりはいいか…
それに医長に昇進したらしいし腕は確かであろう…と心の整理をすませた
で、それから紙コップが渡されトイレで採尿(*^^*)
戻ってきた私に担当の助産婦さん(美人)が「じゃ、診察の準備ができるまでここに座って待っててください」
というので、「では」と思って腰を降ろそうとした私の目に入ったのは
ちゃっかりそこに座ってニコニコと私を見上げるけんたろうとあゆ…
あんたら…早過ぎるぞ(TT)

「そこは私が座るのー!」と言ったら「え?立ってないといけないの?」と聞いてくる子供たち…
いや、座ってもいいんだけど、私は移動するのが大変なんだから、あなたがたはそっちの椅子に座ってよ…

しかし…なんてネタな子供たちなんでしょう(TT)

第8話 全開

電話したときに「前の時の経過は早かったです」と言っていたのに、診察までの時間が随分長かった
これが最速なのか?診察の準備ってそんなにかかるもんなのか…と思いながら待っていた
やっと診察台に上がることになって下着を取…ろうと思ったら、かなりの痛みが襲う
「イタっ…」と思わず顔をしかめる私に先生は「え!もうそんなに痛い?」と驚いていた
そうだ。電話をかけたとき「間違いかもしれないんですけど…」と言っていたので
スタッフの皆さんは余裕があると思っていたわけなんですな…
慎重過ぎるのも考えもんです(^^;

んで、痛みが治まった隙に診察台にあがる
知る人ぞ知る、あの恥ずかしい(*^^*)台なんですが、この時ばかりはあがるのが嬉しかった(笑)
で、診察…
「こりゃ、全開してます!」という先生の叫びに助産婦・看護婦一同が「ウソーーー!!!」

知らない人のために解説しよう
胎児は子宮の中にいるということはご存知だと思うが
妊娠中はその子宮の口が固く閉じており、産まれるときはそれが開きます
通常、陣痛とともに徐々に開いていきます
たまに赤ちゃんの重みで産み月より早く子宮口が開いて
切迫流産・切迫早産あるいは本当の流産・早産となる場合があります
私の場合3人目のためか10月半ばから1cm開いてましたが(^^;
んで、産まれるときは10cm開きます。個人差…があるという話は聞いたことがありません
で、その 10cm=全開 と呼ぶわけです
普通、陣痛が始まって入院してから、その全開になるまで「陣痛室」というところで待機します
そしてかなりの痛みに耐え、全開になったところでいよいよ「分娩室」に入り「分娩台」に上がるわけなんです

というわけでイキナリ「全開」というのはかなり異常な状態なんです
もう、いつ産まれてもおかしくないわけですから(^^;

「全開」という言葉に驚きつつも、私の胸に去来するのは「やっぱり…」という想いと「ネタになる…」という想いでした(笑)
ネタなのは子供たちだけじゃなかったわけです…

第9話 ほげ

ちなみにあゆの時は診察時に8cmでありまして
それでもおお慌てで、浣腸(←たまってると産道が狭くなるため、通常この処置をします)省略
診察台で剃毛してすぐに分娩台に直行でした
で、今回もその時とまったく同じ経過を辿って分娩台に上がったのでありました…
ちなみに時刻は7時20分でした。あゆの時もちょうどそんな頃だったような…午前でしたけど
しかし違うのは…最初から言っているように「痛くない」のである
そりゃ、多少の痛みはあれど、けんたろうやあゆの時に感じたほどの痛みじゃないんです
前の時は腰がいたくて腰をよじったり浮かせたりして「そんなことしてたら産まれないよ!」って怒られたもんですが
今回はそんなこともなく
さらに前の時は「痛いーーーっ!」だの「腰が割れるぅぅぅぅ〜!」だの叫んで
「声出したらその分力抜けて、産まれるの遅くなるよ!」と怒られたもんですが
今回はそんなこともなく
ただ、ただおとなしく分娩台の上におりました

で、こう痛くないと、わからないんです(TT)<いきむタイミング
前の時は私が理性なくしてたせいもあるのかもしれませんが
「はい、いきんでー」だの「はい、やすんでー」だの指示してもらえたんです
ところが今回は先生も助産婦さんも静かに立ってるだけ
「いきみたいときにいきんでください」って言われたって、わかりません(TT)
あんまりいきみたいとは思わなかったけど取り敢えず陣痛に合わせていきんでみる
そしたら先生が補助動作をしてくれ、助産婦さんも「はい、その調子ー」と言ってくれた
ので、痛みのたびにそれを繰り返す…
しかし赤ちゃんはなかなか降りて来ない…
分娩台に上がった時に「あと30分で産まれるな」と言われたので
それより3分早い7時47分を目指していた(けんたろうが7時47分に産まれたから)のだが
先生に「こりゃ、8時過ぎるかも」と言われる
それで私は意地でも8時前に産もうと決心する
今思うと、それが先生の心理的戦術(?)だったのかもしれないが
とにかくなんとか赤ちゃんが降りてきて、陣痛も本格的になり、思いきりいきんだ
「あと1回で産まれるよ!」という助産婦さんの声に励まされ、次の陣痛に合わせていきんだ…
すると中から「ほげ」という音が…
私は空気か何か入った音かな〜?と思っていたのだが
先生と助産婦さんが「もう泣いてる…気の早い」とくすくす笑っているので、赤ちゃんの産声だったと知る
そして、もう一度軽くいきむと無事赤ちゃんが出てきたのでありました
今度はちゃんとした泣き声と共に…

第10話 10月27日午後7時50分に産みました

けんたろうやあゆの時は、助産婦さんたちにリードしてもらってのお産だったため
「産まれた」
という感覚だったのだが
今回はこのような経緯だったので
「産んだ」
というのが出産直後の感想でした
そして「女の子ですよー」と先生がおっしゃる
7ヶ月頃に超音波で性別を一応聞いていたので「やっぱり」と思う
廊下ではそれを聞いてあゆが喜んでいるようだ
けんたろうは残念がっているだろうな
しかし、やれやれ、これでお産は終わりだ。もう痛い思いはしなくてすむんだーーー
と心の中で思ったその時であった

第11話 トータルでは同じ

「赤ちゃん産まれたので注射しますー」という声と共に、左腕が「ガシッ」と押さえられ、そこに注射される
何の注射なのか、何か言っていたようだが、突然のことにびっくりした私の耳には正確に届かなかった
ただ痛みだけが残る
そういえば、前のお産の時も注射したっけ…と思い出す
血まみれの赤ちゃんが助産婦さんによって清められたり体重を計測したりしてる間に、先生は胎盤を引っ張り出している
病院によっては、いきんで胎盤を産む(?)ところもあるようだが
この病院では赤ちゃんが出るとそのまま強引に胎盤を引っ張り出してしまうのだ
で、無事胎盤が出た…はずなのに…
なんでしょう?この痛みは…?
もうお腹の中には何もないはずなのに、まだ陣痛が続いてるんです…
というか、先ほどまでの陣痛より強い痛みが絶え間なく襲っていたのであった…
こ、これはもしや経産婦が特に大変な「後陣痛」では…?

けんたろうの時は初産なのにも関わらず結構後陣痛が大変でした
といっても、出産直後ではなく、3〜4日経った後の授乳中に突然痛くなり痛み止めの座薬を入れてもらったのでした
あゆの時も大変だったことは覚えているが、こ、こんな出産直後だっけ?

忙しく作業している先生や助産婦さんに「痛いですぅ〜」なんて言い出せなくて、顔をしかめながらその痛みに耐えていると
しばらくして助産婦さんがやってきて「私も安産でほとんど陣痛痛くなかったんだけど、後陣痛がひどくて
みんなに「トータルでは同じだね」って言われたよ(笑)」

で、会陰切開の後を縫ってもらった後、キレイになった赤ちゃんが連れてこられて一緒に写真撮影
さっき注射したところの上に置かれていたため、痛さ倍増(TT)
しばらくして、初乳を少し吸わせ、赤ちゃんは廊下の3人のところへ連れて行かれる

その後赤ちゃんは新生児室に連れて行かれ、私はしばらく分娩台の上に放置された
出血の具合などを見るため、通常出産後1時間は分娩台の上に寝てなくちゃいけないんです
足を広げたままじゃ大変だから、ちゃんと足は下ろしてもらえますけどね(^^;

で、午後9時にストレッチャーに乗換え部屋に行くことに
と、その前に今度は右腕に注射を打たれる
その痛みで後陣痛の痛みが吹っ飛んだほど
そして痛み止めの座薬を入れ、私は分娩室を出た

第12話 3人抜き

そこではきんめだい、けんたろう、あゆが待機していた
さっそくあゆが「るみちゃん♪」と名前を呼んでいる
みんなで病室に向かう途中、ストレッチャーを押している助産婦さんに
「この後、朝まで食事出ませんけど、ご主人に何か買ってきてもらった方がいいんじゃないですか?」
と言われる
妊娠中あんまり食欲がなく、空腹感というものをしばらく味わっていなかったため
「大丈夫だと思います」と返事を返したのであった
後悔することになるのも知らずに…

部屋に入るとそこには以前妊婦教室で隣になり、お話していた人がいた
彼女は私より先に予定日を迎えていたはずなのに、まだ大きいお腹をしていた
26日(火)から入院しているのだが、陣痛がなかなか強くならず、部屋で待機しているのだそうだ
後で聞いたところによると
陣痛室には他に2人の妊婦さんが似たような症状(陣痛がなかなか強くならない=微弱陣痛)でふーふー言っていたのだそうだ
ということは、私は、先に入院していた3人を一挙に抜かして産んでしまったということなんですな…(笑)

 
第13話 なぜ口篭もる

さすがに9時を回っているので子供は寝る時間〜その前にけんたろうは宿題しなくちゃいけないし〜
ってんで3名様はさっさと帰る
連れてきてくれた助産婦さんも「次は1時間後に来ます〜」と言って戻って行った
そして、私は痛みに耐えながらうとうとしていた

1時間後、予告通り助産婦さんが来た
出産のあとは出血が続くのでパットをあてているのだが、まだ歩けないのでトイレに行けない
であるから、助産婦さんが交換してくれるのである。ついでに消毒も
その際に助産婦さんが「○○さん、AB型ですよね。ご主人は?」
「Oです」
「じゃあ、どの血液型もあり得るんですね」
「ええ」
・・・・・・・・ちょっと待て。違うぞ(^^;
「いえいえ、AかBしか産まれないはずです〜」と訂正する私
すると助産婦さんも「あ、そっか」
で、赤ちゃんの血液型のことなんてすっかり忘れていた私は「赤ちゃん何型でした?」と質問
すると「・・・・一応Bだと思うんですけど、正確な検査はまた後ほど…」

なぜ口篭もる…(−−)

第14話 睡魔に勝つもの

その後うとうとする→パット交換・消毒、ということを数回繰り返し、3時には「初回歩行」ということでトイレまで歩くことに
それを終えて、処置室によって血圧測ったり、体重を測ったり
体重は見事に妊娠前の体重に戻っていた。すごい快挙である
って、妊娠前がもともと太っていて(←のんだくれてたせい)、妊娠中に余分な脂肪はそぎおとしたってわけなんだけど
で、「尿意がなくても6時間置きぐらいにはトイレ行って下さいねー」と言われる
そしてベッドに戻ってきて、朝まで寝るはずだった…………が
なんと、お腹が空いて眠れないのである(TT)
人間眠れない時は、いろいろと考え事をするものである
あろうことか私は
「退院したら、あのお酒とあの料理を組み合わせて食べたいなぁ〜」とか
「あのワインとあの料理を…」なんて考えてたため、余計お腹がすくはめに(TT)
陣痛でバタバタしてる間に入れてきたポカリスエットをストロー付きの水筒で飲むも
どうしようもない空腹の足しにはあまり役に立たず
助産婦さんの助言を素直に聞き入れておけばよかった…と後悔しながらそのまま朝を迎えたのでありました…

第15話 睡魔の勝利

7時になってようやく待ちに待った朝食が運ばれてきた
ところが、この病院の食事は粗食である
特に朝食はひどい
この日の朝食がなんであったかは忘れてしまったが、ある日なんか
ご飯、梅干、ちりめんじゃこ、海苔、ほうれん草のお浸し、みそ汁
というものであった…(TT)
こんなもんでおなかふくれるかい(#ノー_ー)ノ 彡┻━┻
せめてご飯のおかわりができれば救われるんだが…
お願いです。産科病棟は他の病棟と別メニューにしてください(TT)病人じゃないんですから

それでもとりあえずどうしようもない空腹からは解放され、私はようやく安らかな眠りに落ちたのだった…

9時に検温の合図がなった
この病院では午前9時と午後1時にベッド備え付けの体温計と脈拍計を装着して測らねばならない
で、それをし終わった後、「夜中にトイレ行ってから6時間経ったな…」と思いつつもそのままずるずると眠り続けた
(そのことが後でバレて看護婦さんに怒られました(;;))

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