KNOPPIXをLinux未経験者がいじってみる
知らない方は何のことかと思われるかもしれませんが、KNOPPIXは簡単に立ち上げることができるLinuxです。
もとは外国の方が作ったものですが、こちらで日本版が製作されています(詳しいことはリンク先などをご覧ください)。
KNOPPIXの特徴は、CD一枚でLinuxとして使用できることです。
それでいて、使いやすいGUIを備えているので、かなり知られてきています。
Windows環境でも変更なく使用できるので、体験版としてこの上ない存在といえるでしょう。
個人的にはいずれLinuxに触ってみたいと思っているのですが、インストールする環境が用意できないので、それまでのお楽しみとしてKNOPPIXを触ってみることにしました。
KNOPPIXはiso(仮想CDみたいなものらしい)の状態で落とせるので、これをCDにします(なんか、ファイルとして焼いてしまって、CD-Rを損した人が多いようで・・・)。
あとは、Bootの順位をCDがHDDより上になるようにして、起動。これだけで立ち上がります。
ノートとかでなければ、大抵そのまま立ち上がります(A31pは無条件に全て認識して起動しました)。
立ち上がらないときは、オプションを入力して立ち上げることや、起動優先(認識は優先しない)で立ち上げたりできます。
感覚としては、昔のパソコン状態。HDDがなかったころのPCと原理的に一緒です。
データがROMにあるか、CDにあるか程度の差です。
これはKNOPPIXの認識力の高さ故であって、Linuxは普通ここで苦労するもののようです。
うちのはデスクトップ、ノートともあっさり起動しました。
数日適当に触った後、CDブートは遅いので、HDDにイメージを置く事にしました。
インストールよりも手軽で、占有する領域も小さいですが、ここまでするとインストールするほうが普通かな・・・。
起動ディスクを作成して、デスクトップのDディスク(約1G)にKNOPPIXフォルダを置き、ホームディレクトリも作って、設定も保存しました。
専門知識ゼロでほぼWindowsOSのように使えるようにしました(FDDが必要ですが)。
ちなみに、NTFSシステムではできませんので。
今度は基本設定です。
まずホームネットワークをWindowsと同じアドレスで作成。
XPの「ネットワークセットアップウィザード」を数値入力のみにしたような機能があって簡単。
「ブロードキャストアドレス」で勘違いしていましたが、ヘルプから理解できました。
「お気に入り」の問題ですが、IE標準の書き出しでHTMLを作り、それをブラウザで開くという方法にしています。
Mozillaへの移植ツールはあると思うんですけどね。恒常的なデスクトップにするわけではないのでまあいいのですけど。
それに重さの問題でKonquarerを使うことがほとんどですし。
続いて、LANの利用を設定。これはKDEで使うKonqueror上のアドレス指定方法を本屋で見てきてWindows共有フォルダへのショートカットを作成しました。
似たような苦労をしている初心者同志に紹介しておくと、
SMB:/(ワークグループ名)/(コンピューター名)/(共有フォルダの共有名)
で開けます。当然()は不要です。共有フォルダを省略すると、利用できる共有の一覧が出ます(特殊な共有も見えます)。
ただ、Windows同士の共有ほど手軽ではなく、ネットワーク経由で起動とかは難しそうです。
逆(WindowsからKNOPIXXのファイルを見る)は成功してないです。あまり意味がないようにも思いますし。(2003/7/1)
さて、あれからしばらく経って、KNOPPIXもどんどんと更新されましたが、今度はThinkPad上の無線LANを使います。
といっても、DHCPなら無条件に認識します。SSIDだけ入れるくらいでしょうか。
基本的な問題としては、WEPには対応していないように思います。そこで、MAC登録を使いました。
もうひとつある問題は、無線が優先されることです。eth0が無線LANになり、両方使える状況では無線になっています。
まあ、大型のファイルを落とすわけではないので、構わないのですが。
無線カードを入れる方法だとうまくいくような感じですね。(2003/7/27)
20030812版(産総研)で初めてbootに失敗。
以前にもAward
Biosでは問題があったそうですが、Aptiva2196-47Mでハードディスク上のCDファイルからフロッピーで立ち上げて使っていたKNOPPIXが立ち上がりませんでした。
しかし、ちょっと待て。
今回の変更点に「kernelが2.4.21に上がった」と書いてあります。
kernelはboot時に指定しているよな・・・ということで、今回の版でboot用フロッピーを作り直して起動。
これですんなりと行きました。configは前のものでも問題なしでした。
イージーミスですね。
加えて、SCSI経由で外付けHDDを認識させました。
これでNTFSからの救助に使うことができます。
ついでに、ディジーチェーンを構成してCD-RWもSCSIで接続。KNOPPIXをCDから立ち上げながらCDを使えるようになりました。
特にマウント法を工夫したわけではなく、起動後に再認識させたところOKになりました。
ちなみに、SCSIはBIOSなしです。(2003/8/15)
次なるお題は「CDイメージ on ハードディスク」をブートマネージャーから起動することです。
別の戯言で構築した環境に、KNOPPIXのブートを加えようというもの。
トリプルブート環境を維持するため、MBRのLILOはそのまま(KNOPPIXへのチェーンロードのみ書き足し)で、/dev/hdb5(第二ハードディスクの拡張領域の第一論理領域)にブートマネージャーを書き足して実現を目指します。
MBRに書く方法は、Knoppix Temporary DirectoryやKNOPPIX実験室に詳細があるので、普通はそちらをお奨めします。
最初に考えたことは、「フロッピーをそのまま再現すること」で、わざわざFAT16の小さいパーティションを切って、syslinuxを導入したのですが失敗。理由を触れておくと、基本領域でアクティブなところでしか使えないため。
そうなると、FAT32からのブートが拡張領域で難なく出来るのは、GRUBしかありません。
試しにGRUBのブートイメージを入手して(ちなみにここから)、インストールしたDebianが起動できることは確認。
そこで上記サイトの記述を参考に構築してみるのですが、うまくいかない・・・。
うまくいかないのは、「FAT32を認識するところ」か「miniroot.gzをルートとしてマウントするところ」です。
やむを得ず、KNOPPIX実験室にある構成を作ったうえで、GRUBから手動起動を試みると最初は起動させられない。オリジナルやそこで配布されているminiroot.gzを試すうちに・・・なんと起動(もちろんオプションなしで)。
手動で
root (hd1,4)
kernel (hd1,4)/boot/vmlinuz
initrd (hd1,4)/boot/MINIROOT.GZ
としました。最後のステップが困った点で、Windows上で大文字になっていたためで、小文字では起動しないという状態に気がなかなか付きませんでした。Windowsはこの点無意味なほどに柔軟なので。
手動で起動が出来るので、menu.lstへ反映。参考にしたのはKNOPPIX実験室にある
1:kernel (hd0,1)/boot/vmlinuz ro lang=ja cdrom=/dev/hda2 init=/etc/init
hdb=scsi hdc=scsi hdd=scsi noapic nofirewire linuxrc2 mvetc usb2.0 vga=791
screen=1024x768 dma nocddma home=scan myconf=scan
2:initrd (hd0,1)/boot/miniroot.gz
の2行構成のシーケンス。もちろん/dev/hdb5に合うように(かつ環境に合わせて)書き換えています。
折角なので、WindowsやDebianも起動できるように書き足し。LILOが死んでもFDやCDからMBMで/dev/hdb5をチェーンロードすればDebianが起動できて修復ができるように(起動FDがなくてもどうにかなる)。
これでWindowsべったりの人でも気軽にKNOPPIXが使えます。例えばMBRを汚さずにMBMのFD・CDなどで選択起動が出来ます。MBRに書いてしまうと、折角のインストール不要が生きていないですし。ただGRUBをMBRに書いたとしても、タイムアウトを短く設定してデフォルトがWindowsなら、ほとんど同じですけどね。
こういうことが識者によって明快に書かれていると、裾野が広がると思うんですけどね。(2004/2/21)