重視していること
市立砺波総合病院泌尿器科では、特に手術の質と安全性を高めることを重視しています。当科で入院治療を受ける方のほとんどは手術を受けられます。体に優しく(低侵襲)機能を大切にする(機能温存)手術をより安全に行っています。

安全な手術を心がける理由
手術を安全に行えば、合併症や副作用も減少し、入院期間の短縮や苦痛の軽減にもつながります(学会発表13,17)。たとえば出血が少ないことは大変重要ですが、輸血が不要というだけでなく、出血量が少なければその分術後の回復も早まります。しかし安全な手術を行うためには、当然ですが高い技術が必要です。

少ない出血
たとえば、これまで当科で行った腹腔鏡下腎摘除術の平均出血量は15ccであり、全国的にみても最も少ない出血量と言えます(学会発表15,16)。また泌尿器科手術の中では最も難易度の高い手術の一つである膀胱全摘除術+回腸代用膀胱造設術でも、平均手術時間7時間30分で平均出血量は800ccです。最近では、7時間前後で終了し自己血400〜800ccの返血以外の輸血はほぼ不要となっています(学会発表19)

手術経験
腹腔鏡手術については、技術認定を取得し700例を超える手術経験があります。代用膀胱手術についても80例を超える手術経験があります。いずれの手術についても、当院だけでなく他院での執刀や手術指導も行っています。またおもに北陸地区の若手泌尿器科医の手術見学を受け入れています。

最新の知識と技術
常に新しい知識や技術を身につけるために、臨床研究や学会発表等の学術活動も活発に行っています。臨床研究として、センチネルリンパ節研究を行っており、その成果は国内だけでなく国際学会でも発表(学会発表2,9,11,12,18,22,23,)し、また国際誌(学術論文8,9,13,15,)にも掲載されました。また毎月休日を利用して、志のある若手泌尿器科医が当院に集まり、腹腔鏡手術の技術勉強会を行っています。本年度(平成18年度)から3科(泌尿器科/産婦人科/大腸肛門科)合同で骨盤底再建手術を開始しましたが(学会発表14,21,25)、国内外の学会や研修コースに参加し、最新の技術を習得しています。

最終目標
前述のような活動を通じて、また心の通う暖かい診療を行うことによって、治療を受ける方々さらにその家族の方々も含めて、当科で治療を受けて良かったと感じてもらうことが目標です。