侵入者!? 2 〜滞在許可〜 


火影の屋敷。


執務室にはナルト、ルシファード、3代目火影の3人がいた。
火影は執務机に座っており、ルシファードは火影と向き合う形で立っている。
ナルトは部屋の出入り口のそばにあるイスに座っている。


「ルシファード・オスカーシュタインと言ったか。
珍しい名前じゃな。
ナルトから話は聞いた。何でも、迷子になってるらしいの?ふぉっふぉっふぉ」
3代目火影がイタズラっぽく笑う。
「まあ、身も蓋もない言い方をすればそういうことですけど」
ルシファードは苦笑しながら答えた。
「詳しく話してもらえるかの」

火影は柔和な笑顔を保っているが、ルシファードは老人に油断ならないものを感じていた。
―さすが忍者を束ねる長という感じかな。
テレパシストでもなさそうなのに嘘を言ってもすべて見透かされそうな気がする。

「はい。私は惑星バーミリオンの首都カーマインというところで生活していました」
「聞いたことがない地名じゃな」
「ナルト君もそう言っていました。
私はいつものように仕事を終え帰宅したのですが、ちょっとしたことでモニターを壊してしまいその影響で感電してしまいました。
気がついたら森の中にいて、そこでナルト君に会いました。
以前にも身の危険があったときに、空間を転移してしまった経験はあったので、今回のもそれかと思っていたのですが、たどり着いた場所が自分がいたカーマインではなく、まったく未知の世界だとナルト君と話していてわかりました。
今回のことは私も未知の経験であり、元の場所に戻る方法もはっきりしません」
「ふむ。
信じがたい話ではあるが、嘘ではないようじゃの。
して、お主はどうしたい」
「しばらくの間、里に滞在する許可をいただきたい。
帰る方法を考え、準備したいと思います。
確信はありませんがこちらに来たときと同じ状況が作り出せれば、もしかしたら帰れるかもしれません。
他にも考えられることは試してみようと思います」
「まあ、いいじゃろう。
里に対する害意もなさそうじゃし(何よりナルトの頼みじゃしな)」
火影は引き出しを開け、許可証を取り出し、火影印を押して、ルシファードに渡した。
「さて、お主が住む場所じゃが…」

「はいはい!オレん家に来ればいいってばよ!」
今まで大人しく話を聞いていたナルトが火影の机の前まで走ってきて言った。
「それでいいかの?」
火影がルシファードに聞く。
資金が調達できるまでは、気候も良いようだし野宿で凌ごうと考えていたルシファードに否やはない。

「私にとってはありがたい提案です。
でもナルト君、迷惑じゃないかい?」
ナルトに目線を合わせ問う。
「もちろん、迷惑なんかじゃないって!
オレってば1人暮らしだし、部屋も余ってるんだ」
ナルトがにかっと笑顔で答える。
(近くにいてもらったほうが色々と都合いいしな。
 楽しむにしても、いざって時に対応するにしても)

「お言葉に甘えてよろしくたのむよ、ナルト君。
世話になるお礼と言っちゃなんだが、家事をやるよ。
俺得意なんだ」
「こちらこそよろしくおねがいしますってばよ」
(やっぱりこの人の笑顔ってヤバイ。お色気の術みてー)

チラッと火影の方を見ると、火影の顔もほんのり赤く染まっているのがわかった。
(…老若男女問わず?)

「じっちゃん、じゃあオレたち帰るってばね」
「う、うむ。ではまたな、ナルト」





その日の夕食はさっそくルシファードが作った。
冷蔵庫にはあまり食材は入っていなかったのだが、あり合わせで作ったとは思えないできでナルトは驚いた。
「う、うまいってばよ」
味のほうも文句なく、ナルトは素で喜んでいた。
(これはいい拾い物をしたかもしんねー)




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