侵入者!? 3 〜弁当〜 


ナルトとルシファードが同居を始めた次の日。
ナルトはいつものように任務に来ていた。


ルシファードはナルトが留守の間に家事をしたあと、里の散策をすると朝食時に話していたので、今頃は散策しているころかもしれない。

もちろん朝食もルシファードが作ったもので、ナルトが起床した時には準備がしっかり整っていた。
さらには昼の弁当まで用意されていた。
あれだけの材料でよくこれだけのものが作れたものだとナルトは感心しどうしだった。
さすがに食材がつきたため、ルシファードが里を散策した帰りに買ってくることになった。

しかしルシファードが持っていた通貨は木の葉の里では当然使えないため、少量の現金は渡してきてある。

ルシファードが「俺って俗に言うヒモ?」と少しショックを受けていたが、異世界から来たというルシファードは里で職についておらず、今のところ賃金を得ることができないので仕方がない。

「これぐらい、おいしいご飯作ってもらってるんだから気にしないでって!夕飯も楽しみにしてるってばよ!」
と半ばむりやり現金を渡して家を出てきて、今にいたる。





草むしりの任務を無難にこなし、今は昼休憩中。

「ナルト、あんたが弁当なんてめずらしいわね」
サクラが驚いたように言った。
弁当の中身を見てさらに驚く。
「す、すごくおいしそう。
負けた…。
ママが作った物でもかなわないかも…」
「ナルト、お前カップラーメン以外の料理できたのか」
ちなみに、サクラはいつも弁当派。
母親だけじゃなく、自分でも作っている。
サスケは自作のおにぎりか、家政婦が作った弁当。

「む。サスケお前失礼だってばよ。
オレだって簡単な料理ぐらいは作れるってば!
サスケはおにぎりしか作れないみたいだけど〜」
「サスケ君になんてこと言うのよ!バカナルト!
でも、そういうってことはもしかしてナルトが弁当作ったの!?」
「違うってば。
俺の同居人が作ってくれたの!
さすがにこんな手の込んだ料理なんてできないって。
しかもあり合わせの食材で。」
「「えっ!同居人!?」」


サスケといつの間にそばにきたのかカカシの声がハモった。
どんなやつだ!?、いつから!?、どうして!?、どういう関係!?どうやったら!?……
質問が相次ぐ。


「そんな一気に言われたって答えられないってば!
えーと、ルシファードさんて膝ぐらいまでの長い黒髪で、背が高くて、いつもスクリーングラスで目は隠れてるけどスゲーカッコイイ男の人で料理がスゲー上手い!
同居を始めたのは昨日の任務が終わってから。知り合ったのも昨日」
「そんな!昨日知り合ったばかりのそんな怪しいやつとどうして俺のナルトが同居なんかするんだ!?」
「だれが、お前のだ!変態はすっこんでろ!!」
「なんでサスケが怒るんだってば…?」
「うーん。
こんなお弁当作ってくれる人だから悪い人ではないと思うけど、怪しいことは確かね。
見かけの怪しさに関してはその人もカカシ先生には言われたくないでしょうけど」
「んー、まあ、オレも怪しいっていうのは全部は否定しねえけどさ。
でも、ルシファードさんの事情を直接聞いた上で、火影のじっちゃんも滞在許可くれたし。
敵意もないって保証してたってばよ」
言いながら弁当を一口食べる。
「う、うまい…」
「火影様公認ならまだ安心できるかしら。
そんなおいしいの?
…ナルトお願い!お弁当少し交換して!」



サクラとナルトが弁当に舌鼓を打ち始めた横で、
サスケとカカシは「あのじじい余計なことしやがって!!」と、3代目火影に殺意を抱いていた。




「あーん、おいしかったあ!
ねえ、ナルト、ルシファードさん紹介してよ。
お料理教えてもらえないか頼みたいの」
「いいってばよ、サクラちゃん」
「じゃあ、任務の後、挨拶だけでもしに行ってもいい?」


そのサクラの言葉に呪いの言葉を飛ばしていたサスケとカカシが反応する。
「「オレも行く!」」
「へ?なんで?」
というナルトの疑問が言い終わる前に、サスケとカカシは「そうと決まったらさっさと任務終わらすぞ」と言いあっという間に消えた。


サスケは自分の持ち場に戻り任務再開。
午前中はゆっくりイチャパラを読んでいて、いつもなら任務に参加しないカカシすら草むしりを始めたようだ。


「え?え?」
「ナルト、私たちも任務再開しましょ。この分だといつもより大分早く終わるわよ」



サクラだけなら分かるけどなんで、サスケとカカシまで?と不思議で仕方がないナルトだったが、ナルトの意思とは無関係に、任務終了後カカシ第7班の面々はナルトの家に行くことが決定したのだった。




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