第三の試験、予選の後は一ヶ月の猶予期間があった。
一ヵ月後。
第三の試験当日。
* * * 彼女のイメージ * * *
演習場でヒナタを見かけた。
「ヒナタ、お前…、もう大丈夫なのか?」
自然と出た彼女を気遣う言葉。
心停止して死にかけたほどのダメージが一ヶ月で全快するのかというと、
九尾の回復力がない普通の人間にはかなり疑問。
出歩いたりは出来るようになったみたいだけど、顔色は若干普段よりは悪いかもしれないって、
赤くなった顔ばっかり見てるから、あまり判断できないかもしれない。
「ナ、ナルトくん…!」
話しかけるとヒナタは頬を赤く染めて、側の丸太の陰に体を半分隠した。
逃げられた?
嫌われてはないと思ってたんだけど、違ったのか?
そんなことを思って、ちょっと傷ついた。
ん?なんで、オレは今傷ついたとか思ったんだ…?
……まあ、いいか…。
「体、大丈夫?」
とりあえず怖がらせないように笑顔で話しかける。
なんで、こんなに気を使ってるんだろうと内心思いながら。
「あ、ありがとう。ナルトくん。心配してくれて…。
えと、大丈夫だよ。
完全じゃないけど、お医者さんも、中忍試験の応援に行ってもいいよって言ってくれたし……。」
真っ赤になりながら必死に言うヒナタ。
「そっか。よかったな、ヒナタ!
オレのことも応援してくれよ!」
「//////う、うん!
あ、あのね。私、ナルトくんにずっとお礼が言いたかったの…!」
「お礼?」
「うん…。私…、ナルトくんに応援された時…
…前より自分が強くなった気がしたの……
予選が終わった時、自分の事がちょっとだけ好きになれた……
他人から見れば、な…何も変わって見えないだろうけど……
…わ、私は…自分が変われたって気がする。」
「オレもそう思うってば。
あの時のヒナタ、すごく格好よかった…!」
ふわりと笑いながらナルトは言った。
「///////////////……あ、あの…あ…ありがとう。
ナ、ナルトくんのおかげだから……」
真っ赤になりながらヒナタがにっこりと笑った。
か、可愛いかも……
どうしよう。
って、何が!?(一人ボケ&突っ込み)
「えっと、そんなに言われると照れるってばよ…!
……でもさ、ヒナタが格好よかったのは、誰のおかげでもないと思う。」
「…え…?」
真剣そうなナルトに少し驚くヒナタ。
「ヒナタが格好よくて、変われたのはヒナタ自身の力だ。
ヒナタはずっと眠ってた本当の力、可能性を引き出した。
ヒナタはすごいよ。
きっともっとすごくなる。
…オレにはさ、残念だけど人をそんな風に変える力なんかないってばよ。
いつも、色々…失敗して…否定されて…
それで悔しいから、強がったり、逆らったりしてるだけだ。」
「そんなことない!」
どこかはかなげな、見たことのない表情のナルトに戸惑いつつ、
しかし、はっきりとヒナタが言った。
「ナルトくんを見てると心に衝撃があって…完璧じゃないから…だから……
失敗をするからこそ…そこから立ち向かっていく強さがあって……
そんな強さが本当の強さだと私は思うから……
ナ、ナルトくんはすごく強い人だと思う…」
立ち向かっていく強さ……か……
ヒナタは“ドベ”の、“演技してるオレ”しか知らないはずなのに、
どうして、
こんなに“オレ”の心に染み渡ってくる言葉を言えるのかな……
柄にもなく感動しちゃったよ……
「ヒナタ、ありがとう。
お前っていいやつな。
お前みたいなやつって、結構好きだ…!」
最高の笑顔で、本心からそう言った。
これは、演技なんかじゃない、本当の気持ち。
「じゃあ、オレ、もう行ってくる。
絶対、応援しに来いよ!」
ナルトが行った後。
残ったヒナタは真っ赤になって夢見心地で立っていた。
(結構好きだ…!好きだ…!好きだ…!…………)
今のナルトによるヒナタのイメージ
『いいやつ。結構好きだ…!』
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ややナルヒナっぽくなったでしょうか?
まだ続く予定。
とりあえず、告白が書きたい。
目指せ!ラブラブ!
自分で書きながらあまりの甘さに砂吐くぐらい(笑)のものを一度書いて見たい。
がんばれ、私。
2004/1/13