〜ETERNAL NIGHT〜 第3話 次の日、忍者登録の写真を撮り終えたナルトが和菓子屋でお汁粉と団子を食べていると、ナルトは後ろから誰かに手で目隠しをされた。 「だ〜れだ?」 「アンコだろ?久しぶりだな。」 ナルトは少しも驚かずに静かに答えた。 ナルトを目隠しした人物は木の葉の里の特別上忍みたらしアンコだった。 アンコはナルトの茶飲み友達であり、姉弟のような関係で(アンコの目標はナルトと結婚することだったが・・・・)付き合いはヒナタの次に長い。 「本当に久しぶりね。最近此処に来ないから今日にでもナルトの家に押しかけようと思ってたのよ。」 「すまないな。最近暗部の仕事やアカデミーの卒業前の準備とかで忙しかったんだ。」 「そういえばナルトと初めて会ったときもこの時期だったわね。」 「・・・・そうだったな。」 ナルトは微笑を浮かべながらアンコの言葉に同意した。 ナルトとアンコの出会いは、ナルトの母、雫が他界して一ヶ月後だった。 それまでは雫の実力に臆してナルトに手を出せずにいたが、雫がいなくなったのを幸いにと、雫が他界した次の日から、里の人間によってナルトは虐待を受けていた。 この頃のナルトはまだ自分で九尾の力を制御できず、力を開放すると里の人間を殺してしまうどころか、最悪里を滅ぼしてしまう恐れがあった。 母が命をかけて守った里。 それを息子である自分が滅ぼすわけにはいかない。 そのためナルトは里人の暴力に対して下手に抵抗することができず、相手が攻撃してくる方向に逆らわずに自分も動くことで相手の攻撃の威力を半減させて身を守り、ずっと耐えていた。 そんな時、偶然通りかかったアンコがその光景を見て虐待を止めようとした。 しかし、虐待していた者達の一人が悪びれもせずこう言い放った。 「この餓鬼はな、化け物なんだよ!痛みなんて感じるわけねえだろ。それにな、一ヶ月前の大鬼どもの襲撃もこいつを狙ったって話じゃねえか。こんな疫病神はな、死んじまったほうがこの里のためなんだよ!!いわばこの里のためにやってやってるんだ。つまり俺達は英雄ってやつなんだよ。解ったら邪魔すんじゃねえ!!」 そう言い放ち、再びナルトに危害を加えようとする者達にアンコは完璧にキレた。 アンコはその場にいた老若男女問わず、すべての者に血の雨を降らせた。 それは惨劇を聞きつけ駆けつけた他の忍びにまで及び、アンコが押さえつけられるまで続いた。 奇跡的に死者は数名で済んだが、怪我人は重軽傷合わせて百人近くにまで上った。 アンコには数日間独房に監禁という罰が与えられた。 捕まえられたその日の夜に、両腕を縄抜けできないように縛り付けられ、おとなしく座っていたアンコの元にナルトが現れた。 「ごめんなさい。僕のせいでこんな所に閉じ込められて・・・・」 瞳に涙を貯めたナルトは独房の格子をあっさりとすり抜け、アンコのすぐ近くまで行き頭を深々と下げた。 それを見たアンコはうっすらと笑った。 「そんなこと気にしなくていいわ。それより、あんたこそ大丈夫なの?私が止める前からかなり暴力受けてたんでしょ?それにどうやってここまで来たの?警備の奴らがいたはずよ。」 「うん、大丈夫だよ。殴られたりする方向に合わせて僕も動いていたから。それから警備の人達には一瞬だけ効いて術にかけられたことも気づかない特殊な幻術をかけて、術が効いてる間に通ってきたから。」 説明している時の前半部分で、泣くのを耐えるように笑いながら言うナルトに、アンコはとても悲しくなった。 (こんな歳でそんな超高等幻術を使えるなんて、恐ろしい才能ね。でもそれ以上に悲しい子だわ。あんな悲しい笑顔を子供が覚えるなんて、毎日が地獄の様だったはず。それだけ酷い扱いを受けてきたってことだわ。) 「そんな顔で笑わないでいいのよ。辛かったら泣いたっていいのよ?ここにはあんたをいじめる人達なんていないから。」 そう言ってナルトを抱きしめるアンコにナルトは少しずつ涙が出て止まらなくなり、小さいながらも声を出して泣いた。 アンコはナルトが泣き止むまでナルトを優しく抱いていた。 「落ち着いた?」 しばらくして泣き止んだナルトにアンコは聞いた。 「私の名前はみたらしアンコ。あんたの名前は?」 「うずまきナルトです。」 アンコはナルトを抱いていた腕を放し、その手でナルトの右手を優しく握り、満面の笑みを浮かべながら言った。 「ナルトか。よろしくね。。」 「うん、よろしくアンコお姉ちゃん。」 「私のことはアンコでいいよ。」 「うん。じゃあ、よろしく。アンコ。」 それがナルトとアンコの出会いだった。 「懐かしいな。」 アンコと初めて会ったときのことを思い出していたナルトは、かすかに笑いながら呟いた。 「そうね。」 アンコも微笑を浮かべながらナルトに同意した。 その後色々なことを話しながら二人ともお汁粉を五杯、団子を十本食べた後、ラーメンの一楽でラーメン大盛りを食べた。 ナルトはそこで別れようとしたがアンコが、 「ナルト、久しぶりに一緒に寝ましょ?」 と笑いながら(顔は笑っていたが眼は笑っていなかった。)と言われた為、ナルトはアンコと一緒に家に帰った。 怖くて、とてもじゃないが嫌だとは言えない目だった。 家に帰った後、アンコにお風呂も一緒に入ろうと言われたが、さすがにそれはっ!とナルトの必死の説得により回避したナルトだったが、諦める条件として一緒の布団で寝ることになってしまい一晩中アンコの抱き枕にされてしまった。 ナルトは一晩中アンコの身体が密着していたため、 (くっ、好い匂いがする。ギャー、離れろ〜、胸が顔にくっ付いて息ができん。アンコ、足を絡めないでくれ〜!!) と様々な誘惑やら拷問がナルトを襲ったためこの日ナルトは一睡も出来なかった。 ナルトは、 (もうアンコとは絶対一緒に寝ない。) と心に誓ったという。 |
第三話いただきましたvv
今回はスレナルらしいシリアスなエピソードが入っていましたね。
虐待に耐えるナルトが切なかったです。
でも、ナルトが1人じゃなくて良かったと思います。
アンコさん、いいお姉さんです
と言いたい所ですが、
何気に光源氏計画狙ってますね(笑)。
どうなることやら…
ストーリー同様ナルトをめぐる人間関係が非常に気になります!
2003/11/25