〜ETERNAL NIGHT〜 第10話 ナルト達が下忍になって二月ほどたったある日、任務を終えた報告をしに、ナルト達は任務受付所まで来ていた。 報告を終えたナルト達に火影は次の依頼の内容を言った。 その内容は忍者でなくとも出来るのではないかというような物ばかりだった。 サクラはともかく、兄のイタチを殺すため強くならなくてはならないサスケや今更下忍などしなくても上忍以上の実力を持っているナルトにはその任務の内容はかなり不満であった。 ナルトは文句の仕方は演技をしながらも、ほとんど本音で文句を言った。 「ダメーッ!!そんなのノーサンキュー!!オレってばもっとこうスゲェー任務がやりてーの!!他のにしてェ!!!て言うか前から言おうと思ってたんだけどそんなのアルバイト雇えばもっと安つくだろ。依頼人は何考えてんだ??」 ナルトの言葉はもっともであった。 現にナルト達が今日行った任務は飼い猫を探してくれという内容だったが、飼い主が払った金額は十万両以上、日本円に直すと百万円以上支払ったことになるからである。 しかし其れを言っては下忍にさせる依頼がなくなってしまうため、火影はわざとらしく咳きをして誤魔化しながら言った。 「ゴフッゴフッ・・・分かったそこまで言うなら・・・なんじゃその顔は・・・」 火影が何かを言おうとしていたときこの場にいた一同は心を一つにしていた。それは、 ((((誤魔化したな)))) ということであった。 その後も逆切れした火影がなぜかカカシ一人に対して上級忍術を使い部屋の一部を破壊するなど一悶着あったが、ナルト達は初のCランクの任務をすることになった。 その内容は「自称」橋作りの超名人タズナという人物を橋が完成するまでの間武装集団から護衛することであった。 タズナを連れたナルト達は初めてのCランク任務ということもあり内心張り切りながら進んでいた。 しばらく進むと道の真ん中に水溜りがあった。 サスケやサクラは何も気にせず通り過ぎたがナルトやカカシは何日も雨が降っていないにもかかわらず水溜りがあるのはおかしいと気づいた。 ナルトは無駄な戦闘は避けるため髑髏マークの書かれた小瓶の蓋を開け水溜りの中へ放り込んだ。 その瞬間水溜りから叫び声やうめき声が数秒聞こえだした。 その数瞬後水溜りの中から人の手が悶えながら出てきたが、ナルトはその手を蹴ったり踏んだりして水たまりの中へ押し戻した。 そんなやり取りが数秒続いたが、やがて水溜りが静かになった。 そのやり取りを見ていたサスケやサクラがナルトに何をしたか聞いたが、ナルトが爽やかな笑顔で、 「この時期に何日も雨が降ってないのに水溜りがあるのは変だから見てたらわずかな殺気を感じたから先手必勝しただけだってばよ。」 と言ったため、サクラは昔の少女漫画のように顔に縦線が入り目を白くさせながら頬に両手を当て、 (・・・恐ろしい子・・・将来が心配だわ・・・) となるとの将来を心配し、サスケは (・・・くそっ、ドベでさえ気づいた初歩的なことにこの俺が気づかないとは・・・) とショックを受けていた。 ちなみにナルトに注目が集まっていたため、カカシがわざと敵にナルト達を襲わせて、誰が狙われているかを図るという計画が崩れたために落ち込んでいたことには誰も気づかなかった。 と多少不可解な出来事があったがナルト達は何事もなく波の国に着くかと思われた。 しかしもう少しで波の国に着くというところでカカシは殺気を感じた。 「全員伏せろ!!」 カカシの言葉にすぐ反応し、全員が伏せたと同時にナルト達の頭上を巨大な何かが通り過ぎていった。 何かが木に刺さった瞬間その上に人影が現れた。 カカシとナルトはその姿を見た瞬間その人物が誰か気づいた。 「へ〜こりゃこりゃ霧隠れの抜け忍桃地再不斬君じゃないですか。」 (こいつが相手となると・・・) 「このままじゃぁ・・・ちとキツイか・・・」 カカシはそう言って額宛に手をかけた。 「写輪眼のカカシと見受ける・・・・・・・・・・・・悪いが、じじいを渡してもらおうか」 再不斬の言葉にカカシは再不斬を睨みながらナルト達に言った。 「卍の陣だ。タズナさんを守れ・・・お前たちは戦いに加わるな。それがここでのチームワークだ。・・・・・・再不斬まずは・・・オレと戦え。」 カカシはそう言って額宛を上に上げた。 額宛から出たカカシの左目にはうちは一族のなかでも一部の家系にしか現れない写輪眼が現れていた。 カカシの写輪眼を見た再不斬は顔に微笑を浮かべながら言った。 「ほーーー噂に聞く写輪眼を早速見れるとは・・・光栄だね。オレ様が霧隠れの暗殺部隊いた頃携帯していた手配帳にお前の情報が載ってたぜ。それにはこうも記されてた。千以上の術をコピーした男・・・コピー忍者のカカシ。」 その言葉の後カカシと再不斬は数秒間睨み合っていた。 その間ナルトは (カカシがやる気みたいだし楽できそうだな。まあ今はドベのふりしてるから最初から何もできないんだけど・・・) とまったくやる気がなかった。 カカシとにらみ合っていた再不斬は一瞬で木の上から湖の上まで移動し、チャクラを練り始めた。 「忍法・・・霧隠れの術」 その瞬間再不斬の体が文字どうり霧のように消えた。 それを見た下忍達は驚愕した。(ナルトはもちろん演技である。) それを察したカカシは三人に言い聞かせるようにしゃべり始めた。 「まずはオレを消しに来るだろうが・・・・・・・・・・・・桃地再不斬こいつは霧隠れの暗部で無音殺人術の達人として知られた男だ。気がついたらあの世だったなんてことになりかねない・・・お前たちも気をぬくな!」 カカシがしゃべり終わった数秒後、霧はどんどん濃くなっていき、目の前が何も見えなくなっていった。 それと同時に何処からともなく不気味な声が聞こえてきた。 「8か所・・・咽頭・脊柱・肺・肝臓・頸静脈に鎖骨下動脈・腎臓・心臓・・・・・・・・・さて・・・どの急所がいい?クク・・・」 再不斬のその言葉と同時に辺りは殺気が充満した。 カカシはその瞬間、自身も辺りに殺気を放ち始めた。 それによりこの場は殺気と殺気がぶつかり合い、修羅場の経験のないサスケやサクラは恐怖で怯えた。 ナルトはというと (このくらいの殺気・・・アンコやヒナタやハナビのあの理不尽な暴力の時の殺気に比べたらまだまだだな・・・) と場違いのことを思い浮かべていたが、それがいけなかった。 ナルトは同時に受けたお仕置きの内容まで思い出してしまったのである。 その瞬間ナルトは顔を真っ白にして冷や汗まで噴きだし、 気づいたらナルトが一番怯えていた。 そんな三人に気づいたカカシは三人を安心させるため三人に優しく話しかけた。 「安心しろ。お前たちはオレが死んでも守ってやる。オレの仲間は絶対殺させやしなーいよ!」 それを聞いたサスケとサクラは一気に不安が吹き飛んだが、ナルトは (お前で止められたら苦労はしねえよ・・・お仕置きのときのあの三人の動きは力を解放させた俺でも見えねえときがあんだぞ!!) とやっぱり場違いなことを考えていた。 その瞬間、 「それはどうかな・・・・・・?」 再不斬が言葉を発した瞬間、再不斬はナルト達の真ん中に現れた。再不斬は自身が持っている首切り包丁で四人を切り殺そうとするが、その前にカカシが再不斬の腹をクナイで刺していた。 しかし、カカシの後ろからもう一人の再不斬が現れたかと思うとカカシの目の前の再不斬が水となって消えた。 後ろに回った再不斬はカカシが反応する前に首切り包丁で上下に真っ二つにした、と思った瞬間カカシが水となって消えた。 カカシは濃い霧の中、再不斬の水分身の術をコピ−したのである。 それに驚いている隙にカカシは再不斬の後ろに回りこんだ。 「終わりだ。」 カカシのその言葉でナルト以外の誰もがカカシの勝利を確信した。 しかし、カカシの背後からの再不斬の声でそれが崩れ去った。 「オレもそう甘かぁねーんだよ。」 再不斬はその言葉と同時にカカシを切り殺そうと振りかぶっていたが、カカシは紙一重でしゃがみこんでその一撃を回避した。 しかし再不斬はそれも予測しておりすぐさましゃがみこんだカカシに蹴りを食らわしていた。 カカシは湖まで吹き飛ばされた。 カカシに止めをさそおと再不斬は追撃をかけようとするが足元のまきびしに気づき、追撃はできなかった。 水面に上がってきたカカシは水の重さに疑問を持ったその瞬間、カカシの後ろから再不斬の声が聞こえた。 「水牢の術!」 カカシはその瞬間自分の失敗に気づくがすでに遅く、水の牢屋に閉じ込められた。 カカシを捕らえた再不斬はすぐさま水分身の術を発動しナルトたちに襲い掛かった。 再不斬の放った蹴りはナルトならば十分に回避できるレベルだがドベの演技をしているナルトは (後で絶対に殺してやる!!) と誓いながらではあるが無防備にくらい大きく吹き飛んだ。 蹴られたショックでナルトの額宛が再不斬の足元に落ちた。 その額宛を再不斬は踏みつけた。 それを見たナルトはすぐさま再不斬に向かって突撃した。 動きをセーブした状態で、しかも正面から突撃したナルトは当然また吹き飛ばされたが、その手には額宛が握られていた。 ナルトは取り戻した額宛を再度額につけながら再不斬にしゃべりかけた。 「おい・・・そこのマユ無し・・・人を蹴り飛ばすは額宛を踏みつけるは好き勝手やってくれたな・・・たっぷりと後悔させてやるから覚悟しな。」 |
2005/1/29