*****さらにおまけSS

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ナルトは今戦っていた。

そう、集中力の極限。腕の震え。だが一歩でも手順を間違えれば全てが台無しになる。

今までの自分の苦労が全て水の泡となる。

自分の能力の限界を駆使する。

他の事は後で考えればいい






























「・・・・・〜〜〜〜〜〜でっき・・・たぁ。スペシャルデコレーションケーキ!!」


・・・ようやく最後の『HAPPY WHITE!!』の文字を書き終わり、力が抜けたらしくヘナヘナと座り込んでしまった。


「これでヒナタのホワイトデーの御返しはバッチリだってばよ!」

他の人への御返しも・・・・と後ろにある大量のクッキーの包みを見遣りながらグッタリした様子で呟く。

季節は3月、ホワイトデー。

モテない男にとっては女共からローリスク&ハイリターンの名の元にカモられ、モテる男にとっては大量のお返しに悲鳴と怒号を浮かべる行事である。

それを横目で淋しそうに見ていたのは今や昔。

今のナルトははっきり言ってモテる。

そりゃあもう、木の葉で3本指に入るほど。

バレンタインデーにはもう、チョコの総攻撃に逢い、サスケ、ネジと共に必死になって隠れまくった。

それでも結局逃げ切れずに部屋にチョコが埋もれる結果と相成ってしまったのだが。

ちなみにそのチョコはナルトの手によって超特大のガトーショコラへと変化(へんげ)し、呼び出したガマ吉の胃袋に全て納まったことを明記しておく。

彼曰く『ヒナタ以外からはいらん』←でも結局サクラからの義理チョコは喰ったらしい(『粗末に扱ったらコロス♪』と笑顔で言われたらしい)

そんなこんなでもう直ぐ3月14日。

ナルトにしてみれば、ヒナタにその他大勢の女性と同じようなお返しをするのはヤだし、だからと言ってサスケのように何もせず、我関せず。というのも気分が悪い。


・・・・・・結論。ヒナタのに気合を入れるしかない。

そんなこんなで現在、星宮宅の台所にはおいしそうな生クリームとマシュマロでデコレートされたデカイケーキが鎮座しているのだ。

「ふー、疲れた。顔でも洗ってこよう」

そう言って洗面所に向かっていくナルト。



この数分間が命取りだった・・・・・





「なぁ〜るとvv」

そうなんとも気の抜けるような声で台所に姿を現したカカシ。
だが、そこに愛しい元生徒の姿は見えない。

ちょっとガッカリ

「おや?」

ふとカカシの眼にダイニングテーブルの上に陣取っている物体が眼に入る。

それの上にはホワイトデーを祝う文字が・・・・・・

「ワォ♪ナルトったらこんなにデカイお返し用意しててくれたんだv俺もバレンタイン気合入れた甲斐があるってもんだね♪」

何やら激しく勘違いしている模様。

つーか、アンタ、あんだけ有名なナルヒナバカップルを知らんのかって感じだ。





「・・・・・カカシ先生、何やってんの・・・・・・・?」


「あ、なると〜このケーキ美味しく頂いてるよ〜」

洗面所から戻ったナルトが見たものは。

丹精込めて、そりゃあもう苦労して作り上げたケーキにパクついている元担当上忍。


ナルトはしばらく押し黙った。

そして


「カカシセンセー?」

「ん〜?な〜に?」

「俺ね・・・・五時起きだったんだってばよ・・・・・・しかもね、ビックリさせたいけど半同棲状態だから必死で言い訳考えてヒナタには昨日実家に帰ってもらってたし、今日はシカマルに頼み込んで借り作ってギリギリまで仕事で引き止めて貰ってるし、今度Sランクの仕事変わるのを条件にわざわざ有給休暇までとったんだってばよ・・・・・・そのケーキ、ヒナタにあげるために・・・・・それを・・・・・それを・・・・そんなあっさり喰っといて美味しく頂いてますだぁ・・・・・・・・?」


ゆらゆらとどす黒いオーラが揺れる。

「あの〜ナルト?何でそんなにチャクラ立ち上らせてんの?しかも何で螺旋丸の構え取ってんの?」

その質問に対してナルトの返答

「死ね」

どこかのスレナルのような台詞を残し。

どっご〜ん!!




「あら?流れ星?」

木の葉の空にきらりと光るお星様。
ソレを見たのは家路を急ぐヒナタだった。





******おまけSS

サクラ「やっほ〜v鈴鹿ぁ〜♪」

鈴鹿「どうしたんですかサクラさん・・・・・その服・・・・・・・?」

サクラ「えへへへ〜サスケくんがホワイトデーにってくれたのよ〜春の新色ワンピース!前から欲しかったんだ♪」

鈴鹿「へぇ・・・・・・・」

サクラ「でもコレくれた時すっごく顔色悪かったのよね。何でかしら?お腹でも痛かったのかしらね」

鈴鹿「さぁ・・・・?あ」

サクラ「何?」

鈴鹿「女性に服を贈る時って・・・・・・確か『脱がせたい』って意思表示だったと思うんですけど・・・・・・?」

サクラ「え(赤面)」

鈴鹿「・・・・・・・・・(怒)」←ダイナマイトを取り出そうとした!

サクラ「ああああああ(焦りまくる)!大丈夫よ!多分私が欲しいって前から言ってたからだし!!それに私達カレカノだし!!だからトラップ不要よ!結構!」

鈴鹿「そうですか・・・・・・」←ちょっと残念そう

サクラ「ムカつくのは分かるけどさーあんまり虐めないであげてね?一応私の恋人なんだからv」

鈴鹿「分かりました・・・・・・・あれ?あの人夕日上忍じゃないですか?」

サクラ「え?あ、ほんとだ。紅先生だわ。どうしたのかしら・・・・・何か滅茶苦茶怒ってるみたいだけど・・・・・(怯)」

鈴鹿「ホントですねぇ・・・何だかこちらまで気圧されるようなどす黒いチャクラを感じます・・・・・・・」←さすがに引いている。



つづく(ナニソレ)





****あとがき

おまけSSから派生しまして、一度は諦めたホワイトデーネタですが、遅ればせながら結局お送りすると事相成りました。
頭が湧いた状態(寝不足)で書いたので、くだらねぇのはご勘弁を(ペコリ)
ケーキ喰って吹っ飛ばされるんはガマ吉かカカシ先生か滅茶苦茶悩んだんですけれども。
師匠からのリクと・・・カカスィーの方が面白そうだし、そもそも師匠のサイトってカカナルサイトだし。
とそんだけの理由でこうなりました。
カッコイイカカシが好きな方はゴメンなさい。
つかカカナルって読むのは好きだけど書くのは滅茶苦茶難しい!!
ほいほい書けちゃう人を尊敬します。
これの続きを次のおまけSSに書こうと思っています。



戻る     次へ

KUROKUさんからいただきました!ホワイトデーエピソード。
アップが遅くてすみません!

前半はカカシ先生が登場!(喜)
しかもヘタレ!(笑)
有名らしいバカップルぶりを知らなかったのは、
ナルトラブなカカシが現実を見つめられないから、
そういう事実を自分の中で何かの間違いだからと消去したんだと思います。

後半。
サスケはホワイトデーには我関せずだと思いきや、
サクラにはプレゼントしてましたね(驚)
でも、顔色が悪かったという話とか、鈴鹿さんの様子からすると
先に脅しが入っていたのかも(笑)

このエピソードの続きが次回の本編のおまけになるということで、
本編同様楽しみにしています!

2004/3/24