「葛葉。」

その言葉に振り向いた先にはナルトが立っていた。

しかし、あの赤い眼は、この雰囲気は・・・・・

「ちち・・うえ?」

「久しいな、わが娘よ」

そう言って微笑む顔はあの頃となんら変わっていない。

あの楽しかった頃とーーーー!





***一時の逢瀬**







「あの、ナルトは・・・?」

「今は眠っておるよ。あいつめ、『感動な親子の再会でも楽しんだら?』などと言ってきおった。くくっ、私を信用しているのかいないのか・・・」

喉を鳴らして笑う九尾。

だがそういった気配りができるのが今のナルトがナルトである由縁だろう。

「一族は現在、どうなっている?」

「・・・・・一部混乱が起こりましたが、兄上が巧く、諫めてくれました。現在はコレといって不穏な動きはございません。」

「そうか・・・・」

九尾は真紅のその眼を閉じて、何かを考える素振りをみせた。

「お前には、すまない事をしたな」

「いいえ!そんなことは・・・!」

「たとえどんな事があろうともお前が私の娘であることには代わりはない」

「っちち、うえ・・・」

涙が零れる。

自分は父が好きだった。そう、間違いなく、大好きだったのだ。

常に凛とした表情を保ち、妖狐一族の長として多くの仲間を争わせることなく、纏め上げてきた父を。

兄弟の中で妖怪としての父を一番尊敬していたのはおそらく兄であろうが、父を父として一番慕っていたのは自分だということは自信をもって言える。

「また泣くのか・・・・」

「すいませんっ・・・」

「良い、そうさせてしまったのは私だ」

少し困ったような表情で自分を撫でる父を見て思い出す。

兄達と喧嘩をした後に叱りながらも、しょうがない子だ、などと笑って手当てをしてくれた。

兄弟達の中で一番力が弱いとバカにされていた自分をお前には『智』があるだろうと、父なりの言葉で励ましてくれた。

だからこそ怖かった。

幼い弟妹たちの無残な死体を見たときのあの姿が、あの怒り狂いようが。

「父上は、随分と穏やかになられましたね。」

あの時感じた恐怖が嘘のような穏やかな瞳を見て、思わず口をついて出てしまった。

それを聞くと九尾は喉を鳴らして笑い、「お前と同じだよ」と告げた。

「え・・・・?」

「同じだ。私も。ナルトに癒された。ナルトの強さと暖かさにいつの間にか怨みを忘れて言った。無論わが子を殺された怒りと悲しみは忘れていない。だが、ナルトを見ていると復讐心に凝り固まっているのが馬鹿らしくなってきてな」

どんなに里人から憎しみを受けても。

どんなに酷い扱いを受けても。

恨むことなく、その太陽の輝きを忘れずにいたナルトを見ていると。

「お前の好きにするがいい」

「父上・・・・・?」

父は自分の考えを見透かしていた。

「ナルトを頼むぞ。腕を上げたとはいえ、まだまだあれの父親と比べるとガキだからな。」
葛葉は小さく笑いながらそうですね、と答える。

数百年も平気で生きられる彼らにとっては、例えジジィと呼ばれる人種であってもガキなのだが。

「では私は戻る。・・・・・・達者でな」

「はい。父上も・・・・お元気で」

既に肉体が滅びている九尾に元気も何もないのだが。

それでも・・・・言わずにはいられなかった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

それに答えることなくスッ・・・と眠るように“ナルト”の体は草の上に倒れこんだ。

「・・・また、会えるのかな・・・・お父さん」

その言葉に答えるものもそこにはもういなかった。










***おまけSS

サスケ「おい!何だこれわぁぁあぁ!!?」

ナルト「何がだってばよ?」

サスケ「何がじゃねぇよ!!この話が始まってからというものの、俺の出番は!?喋ったかどうかすらも怪しいじゃねーか!!」

ナルト「そんな事俺に言われても困るってばよ」←引き気味

サスケ「俺だって出番は、出番は欲しい!」

ナルト「・・・・原作で散々優遇されてる癖に・・・・・出番がないのはお前だけじゃないんだぞ・・・

サスケ「何か言ったか?」

ナルト「べっつにぃ〜(あさっての方向)」

サスケ「くっそ〜出番、出番・・・・」

ナルト「何か出番に取り付かれた亡者みたいだってばよ(汗)」

???「そんなに出番が欲しければあげましょーか?」

サスケ「・・・・・(嫌な予感)」←恐る恐る振返った!

鈴鹿「コレの実験台として」



・ 一窩蜂(いっかほう)
古代中国明から伝えられた『集団式火矢発射器』。
火薬を推進力として30本以上の火矢を一気に発射する。
無論当たると秒速で燃え上がるぞ!
凄いスピードで迫ってくるから避けるのも大変v

By落第忍者○太郎





サスケ「てやっぱりこのオチかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」←メッシュ、ダッシュ、また来週〜♪(サ○イ)

ドウッ ! ヒュルルルルルルルルルル〜

ずんどむ


ナルト「うわ〜(汗)」←同情はするが体張って助ける気は起きないらしい

葛葉「バカよねぇ・・・・チョイ役のくせして無駄に出番望むからよ」←何気にヒドい

ネジ「でもサスケの気持ちも判らないでもないですよ。この話『ナルトとネジの大活劇♪』って銘打っていた癖に何時の間にかあなた中心の話になってるし(怒)」

葛葉「あ、それは大丈夫、あと一話で前半本編は終わりだから。後半はあなたのオン・ステージよ」

ネジ「・・・・・マジですか」

葛葉「(頷きながら)プロットは大体できているらしいんだけどねー。台詞分けとコマ割りが上手くいかないらしいわ」

ナルト「可愛い女の子も出てくるらしいってばよ(笑)」

ネジ「(どきどき・・///)」←期待に胸を膨らます





サスケ「おいいいいい!?俺を忘れるなぁ!!?」

ドゴドゴドッコ〜ン!!!

既にBGMと化したサスケの悲鳴であった・・・・・





キャラクター紹介

●   葛葉(クズハ)

九尾の娘であり『智の姫』の名を持つ三尾の白狐。アルビノ種の狐なので兄弟の中では力は弱いが、智力が非常にずば抜けている。
割とあけっぴろげで姉御肌の面倒見のいい性格だが、怒ると相手に反論の隙も与えない程の論理戦を展開する。
放浪癖が酷く、いつもフラッとどこかに行っては、土産を大量に抱えて帰ってくる。(らしい)
趣味:食べ歩き
四段階の変化ができる(超巨大型―中間型―小型―人型)
特技:火遁・狐焔龍舞(コエンリュウブ)鬼火球(オニビダマ)




あとがき

うーみゅ・・・・サスケいじめもマンネリ化してきたかな〜と思う今日この頃(そう言いつつも手が勝手にキーボードを叩いてしまう)
というか折角ネタ募集アンケートを作ってくれたんだから有効活用しろよって感じですね。
頑張りますので!!
それでは短かったですけど8話終了です。




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KUROKUさんからいただきました!第8話。

九尾パパと葛葉さん、一時の逢瀬おめでとう!
いやー、本当よかったです。ほろり。
怒りで我を忘れたパパを知っているだけに、すっかり元通り穏やかになったパパの姿には感動しました。

おまけSS、今回も面白かったです。
相変わらずサスケが気の毒な展開で(笑)。
いいと思います。面白いですから。
本編で主人公そっちのけで活躍してますから充分でしょう(ひどっ)。

あと1話で前半本編終了、後半はネジのオンステージ!
おお!
楽しみです!!
首を長〜くして待ってますvv


2004/8/8