「ネジ隊長〜寒いです〜」

「何で急にこんな高山に偵察任務なんすか〜?」

「てゆうか寒い!寒すぎです!」

「煩いぞ、フタバ、チヨカ、ハイラ。忍が暑い寒いの言ってられるか」



*****3歩歩けばニワトリ



ピーピーとまるでヒヨコのように騒ぐ隊員ら三人をネジは何とか宥めようとするのだが。


「だって」

「鼻水が」

「「凍っちゃうくらい寒いんだもんね〜☆」」

「キュウリで釘も打てます〜(コンコン)」

なはは、と呑気に笑う3人にネジは

「・・・・・・###(怒)」

ポキッ


バコッ☆ ベキッ☆ ボコッ☆

「「「ブッ(痛)」」」

黙ってキュウリを取り上げ

ソレで隊員たちの凍った鼻水を折り


そのまま3人の顎に喰らわせた。



「忍者が鼻水垂らすな!任務にごちゃごちゃ文句言うな!!もし敵が現れたらどーする!?」

「いませんよ〜敵なんて〜こんなに静かで綺麗な所に〜」

そういう問題か!!と叫びそうになったが、フタバの指し示した方向を見て思わず言葉を失う。


一面に広がる白銀の世界。

木々に妖精のようにしがみ付いた淡い雪。



白いその雪に音が吸収され、


真っ白な純白の世界。吐息もまた白く、降り積もる雪は世界を広げる。

どこまでも続く雪の原。

総ての物を覆い隠して、白い平原が広がる。


静か。

静か。




「綺麗・・・だな、確かに」


「もしも〜し?隊長〜?トリップしないで下さ〜い」

はっ


正気に戻ったネジは顔を赤らめながら咳払いをする。


「・・・・・・とにかく気を抜くな。俺たちの任務は雪の里の異変の原因を調べる事だ。それも分からぬ内からぼんやりしている訳にはいかない」


「「「は〜い☆」」」


まるでアカデミー生のような返事の三人にネジは頭痛がしてきた。


そして思う。

こいつらよく中忍になれたな、と


(シズネさん・・・・アンタ本当に使える人間選んだんすか?)


思わず仰いだお空の彼方でゴメンナサイ〜!!と必死で謝るシズネが見えた気がした。







「ネジ、大丈夫かな・・・・・」


何となく不安に駆られ、同じく空を仰ぐナルト。

中々良い勘してますねぇお兄さん。




「こらー!!何サボってるの!!(ハイキック)」


「ぶっ(痛)」

行き成り後ろから蹴られて倒れこむ。

今は葛葉の猛特訓が再開された最中であった。



「さあ!!ナルト、今私が組んだ印を10秒以内に組めないととてもこの私の新術は使いこなせないわよ!?次できなかったらスクワット千回ね」


「げげっ」

更にその様子を見学していた綱手まで


「ナルト〜、それが終ったら私の書類整理も手伝って貰うからな〜」



「ひ〜ん(泣)勘弁して〜」


こっちもこっちで大変そうだった。







「あ!隊長見てくださいダイアモンドダストです!」

「おーー!!俺本物初めて見たよ!!

「おい・・・・(怒)」



「あ!!見てみて角の生えた兎だ。プルプルしちゃってカワイイ〜♪」


「ハイラ、あれ妖怪」



「人の話をきけえええええい!!!!!」




:フタバ、チヨカ、ハイラ:
ネジ率いる雪の里諜報部隊に一時的に配属された中忍達。
難関と言われる中忍試験をオールクリアしただけあって戦闘中と危機回避能力はそこそこ優秀なのだが、その反動なのか普段は3人ともグテーっとした不真面目さで上司を苛立たせる存在となっている。






****おまけSS

鈴鹿「今回は初登場オリキャラの三人をご紹介したいと思います」

ナルト「なんつーか、軽っ!って感じだったな」

鈴鹿「資料に寄りますと、彼らの名はフタバ、チヨカ、ハイラ。1年前の中忍試験で2回目の受験生として合格していますね。」

ナルト「成績は?」

鈴鹿「(資料を捲りながら)そこそこ優秀ではありますね。特に3人共に危機回避能力には目を見張る物があります」

ナルト「・・・・それって要するに逃げ足が速いって事?」

鈴鹿「(頷)そういうことですね、ただ、その反動なのか、戦闘中等を除く普段は気が散りやすい性格らしいです。カカシ上忍が3人いるとでも考えて下さい」


ナルト「無茶苦茶最悪なチームじゃねえか!?んなの率いていたら成功する任務も成功しないってばよ!!(慌)ネジ〜〜!!(大慌)」

鈴鹿「大丈夫ですよ。流石にカカシ上忍程壊滅的ではないですから」

ナルト「何だ。良かった〜(安堵)そうだよな、カカシ先生みたいな破滅的な性格の忍がそう何人もいて堪るかってんだ」



カカシ「うわ〜ん!!グレてやる〜!!」



鈴鹿「あ、カカシ上忍」

ナルト「どこにいたんだってば?」



※天井裏です





***あとがき

シリアス期待してた方々、すみませんm(_^_)m

この三人じゃないと『ネジ隊長』の間の取り方が分からなかったんですよ。

ギャグ体質な思考回路が憎い・・・・・

頑張ってシリアス書きますので見捨てないで下さい。





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KUROKUさんからいただきました!
後編第1話。
もう爆笑しました^^
題名からしてユニークですね!
シリアスも好きですが、私基本的にギャグが大好きなのでたまりませんでした。

次はシリアスなシーンが増えるのでしょうか?
アカデミーの生徒と引率の先生御一行みたいな彼らがどう活躍するのか楽しみです。
逃げ足の速い優秀(らしい)中忍の実力やいかに!?


2005/2/22