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(C)2003
Somekawa & vafirs

『年をとるという事』

佐津川和人

もうすぐ60歳になる。
中年オヤジが老人の仲間にはいる。
若いころは60代の人を見るとずいぶん大人に見えたものだが、実際この歳になって思うのは、精神年齢はあまりというか、ほとんど成長していない。
外見はひどく変わったが、内面は変わっていないと思うのは、私だけ?・・・
くだらない経験や、雑学は生きている分豊富になったが、生きてく上で役に立っているとも思えない。
ただ一つ大きな顔が出来るとすれば、生まれてから現在まであらゆる音楽シーンにリアルタイムで接することができたという事。
数え上げたらきりがない。
全てのアーティストにリアルに刺激を受けた。
曲によってその時の情景が浮かんでくる。
いわゆる感動の再現が出来るのだ。 芸術家、作家、漫画家、役者、現役はもちろん、すでに鬼籍に入られた人たちからも影響を受けた。
ただ消化しきれていないのが残念ではあるが、老いてゆくのも悪くない。

私の座右の銘は「らしく、ぶらず」である。
男なら男らしく、男ぶらず。
親なら親らしく、親ぶらず。
部下がいるなら、上司らしく、上司ぶらずと常に心がけている。
良いも悪いも過ぎた事は取り返せない。
他人も変える事はむずかしい。
しかし明日の事や自分の事は変える事ができる。
だから前を向いて生きていける。
良い音楽と、良い酒と、良い仲間に囲まれ、あっ!、いい酒場を忘れちゃあいけません!。
悔やんでみても時は戻らない。
昔の自分が愛しくなって、酒を飲み唄う。
外は雨、かわいた胸が思い出に濡れる。
身近にいる若い才能に嫉妬しつつも、彼ら彼女たちに出来る事をさせてもらいたいと思っている。
人生7勝8敗、いかん負け越しだ。
もとい。
人生7転び8起きでこれからも反省と後悔を胸に堂々と生きてゆきたい。
ジジイになってもライブは続けますョ!
同世代よ!恥じるな!前を向け!憶するな!悠々として急げ!
先日10年ぶりに合った女性に「久しぶりに胸がキュン!となったよ」と言ったら、「それって心筋梗塞じゃない?」と云われてしまった・・・

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